石田夏穂のレビュー一覧

  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    初めてのアンソロジー。豪華なメンツですよね!
    石田夏穂さん、佐原ひかりさんの作品が好みだった。
    特に石田夏穂さんの作品は面白くて、くすくす笑いながら読んだ。ベテラン社員のことをレジェンドと密かに呼んでいる時点でツボ。あと、IT介護スタッフとかね笑 やはり石田夏穂さん大好きだ!

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    2024年03月11日
  • 我が手の太陽

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    読書備忘録784号。
    ★★★★。

    石田さん。難解やねん。よ~わからん。
    でも読んでまう。
    この方の作品で描かれるテーマは毎度めちゃくちゃ狭い。でも底なしのように深い。
    スミスマシンの話だったり、新卒採用面談の話だったり、まだ読んでいませんが冷え性の話だったり。

    で、本作は溶接。
    太陽の表面温度!には全然敵いませんが、高温のバーナーで鉄を溶かし一体にする作業が溶接。
    凄い溶接は、一体の金属より強度があるとまで言われている。そして溶接の完成度を確認するためにX線検査をする。完璧な溶接は細い1本の白い線として映る・・・。
    そんな溶接作業は高度な技術が必要で、溶接工は建設現場の花形で報酬も高い。

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    2023年12月06日
  • 我が手の太陽

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    マニアックにも程がある。著者の作品は大抵ニッチな題材だが、本作は飛びぬけてマニアック。今回のテーマは溶接工。勤務歴20年のベテラン溶接工、伊東は自他ともに認める仕事のデキる男だった。しかしヒタリ、ヒタリと徐々にミスが続き、いつしかスランプに陥る。俺はどうしちまったんだ、と足掻き藻掻く伊東。...もう最初から最後まで専門用語が多く、すべてを理解するのは難しかった。しかし伊東の職人としてのプライド、要所要所から醸し出される緊張感に目が離せずイッキに読み切った。過去作品の方が好みだったが、硬派でクールな一冊だ。

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    2023年09月02日
  • 我が手の太陽

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    前作、「ケチる貴方」でのどこにでもいる様な主人公の冷え性の女性と、女性がそう従事していないであろうプラント工事という現場仕事(主人公は現場作業員では無いが)の環境の描写、という対比、にある種新鮮な驚きを覚え、この作者さんなら…と思っていたところ今作品が芥川賞候補に選ばれた(残念ながら受賞はされなかった)との報道から、読んでみる事にした。

    主人公はゴリゴリの男性現場作業員、やはり前作同様、プラント工事、の配管溶接工、と言う技能的にも高度で肉体的な負担も強度の高い、ある意味特殊な職種、を題材としている。

    前作ではどちらかと言うとプラント工事におけるマネジメント的なこと、女性主人公がそういう業務

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    2023年08月22日
  • 我が手の太陽

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    ベテラン溶接工の伊東。伊東の視点での溶接作業の臨場感がよく、熱や光や汗を感じられる。伊東は現場での溶接作業に誇りを持っている。それ故に配管工や検査員、工場での決まりきった溶接作業を下に見る癖がある。仕事にプライドを持つのは良いのだが、その持ち方が問題だ。やはり自分以外を下に見たプライドは自慢できるものではない。それは自分が一目置かれない存在になったときに、周りからしっぺ返しをくらう。各個人が持つ誇りは主観的なものでしかない。自分が持っている矜持は他人にとってはどうでもいいことかもしれない。

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    2023年08月01日
  • 我が手の太陽

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    ネタバレ

    芥川賞候補作。
    溶接工の詳しい作業内容は難しすぎたのでさらっと読んだけれど、最後の方は、怪我をしながらミスせず、また怪我をしないでちゃんとできるのかハラハラした。
    「あの検査員」というのは、主人公にしか見えていない幻覚なのだとしたら、最後の終わり方はどういうこと?なんかゾッとした。

    「こんなの俺の仕事じゃない。」
    「自分が仕事で相手にするものは、そのまま自分のことだ」
    「お前は傲慢なんだよ。自分をすごいと思うのは人の自由だが、どんな仕事も馬鹿にしてはならない。そうだろ。お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。お前自身が、誰よりもさ馬鹿にしているというのに。」
    という箇所で、そうだよな、仕事の

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    2023年07月22日
  • 緑十字のエース

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    工事現場の安全管理員。車止めや防塵マスク着用のチェックから、風速基準の遵守までいろいろな観点がある。
    大手建築会社を辞めて現場での派遣社員となった50歳くらいの男性が主人公。
    最後に明かされる松本の秘密には、なるほどーと思いました。

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    2026年03月07日
  • 我が手の太陽

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    ネタバレ

    過去十年間、欠陥率の少ないエース溶接工であった伊東は、突如スランプに陥る。かつての自分の中に存在したいつも通りの手順や自信は日に日に失われていく。それでも消えない、溶接工であるという燃え上がる職人魂は、ぼろぼろの伊東を再び現場へと駆り立てて———

    伊東は優秀な溶接工である自分にこれでもかというほどに大きなプライドを持っている。それはただ単に火を尊敬しているだけでなく、元請である管理職に対して「お前たちには絶対に火を扱えない」と声を荒げてしまうほどに。そんな彼は、たった一つの失敗によってつけられたヒビから、どんどん亀裂が広がっていくと同時に、自らの実力に疑問を抱くこととなる。それからさらにミス

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    2026年03月06日
  • 緑十字のエース

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    初読の著者だがノンフィクションと創作の中間くらい、建設現場の実情など知る由も無いが、恐らく現実とさほどギャップは無いだろうと想像は付く。  昨今、単純な不注意が原因の死亡事故多発しているのはこうした現場気質だからだろう。

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    2026年03月05日
  • 我が友、スミス

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    運動不足の解消としてジムに通い始めた会社員の女性が、やがてボディビルの世界に足を踏み入れ、自らの肉体を変えていくことにのめり込んでいく。鍛え上げられていく身体とともに、「なりたい自分」と「求められる自分」の間で揺れ動いていく物語。

    トレーニングジムやボディビルという知らない世界を知ることができて純粋に楽しかった。誰しも少なからず持っている変身願望を思い出させる内容だった。漠然と始めた筋トレが競技へと変わり、自らの肉体を作り替えていく過程はとても興味深い。自分がなりたいものと、周囲から求められるもののギャップに葛藤する姿には共感する部分も多かった。

    また、自分を追い込むストイックなトレーニー

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    2026年02月27日
  • 我が友、スミス

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    どうしても私みたいな選手は傍流扱いになっちゃうのね 世間はがちがちに鍛えた女性を嫌厭しがちである 「私にも、出来ますかね」これは最早、肯定有きの誘導尋問だった 私は艶めく茹で卵を齧った 目の前のトレーニーの呷るプロテインに心を奪われている このように意識を切断するものを雑念と呼ぶなら 私は日に日に強靭になっていく身体は元より、この真空地帯に淫したのだった 人間が社会的な生き物で有る事の証左だ 私の頭は浮腫んだ脹脛のようにぱんぱんになった 偏に私が新参者だったからだ 皆既日食レベルにピタリと一致する様だった 幸か不幸か、優れた見てくれには、途轍もない力がある。無言のままに、これ程迄雄弁で有得る。

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    2026年03月04日
  • 我が友、スミス

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    筋トレ小説というのを初めて読んだ。筋肉の部位の話しからトレーニングマシンの使い方に至るまで詳細に書かれていて筋トレの奥深さに触れたような気がしました。
    美容やダイエットの為ではなく、単純に筋力をつけたい主人公の苦労や葛藤がひしひしと伝わってきたし、成長の過程も読んでいて面白かった。

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    2026年02月12日
  • 我が友、スミス

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    ボディビルの大会に出場することになって、
    筋トレの沼にはまっていく女性の物語。

    私も筋トレ歴は長いのですが、
    女性の大会については全く知識がありませんでした。
    「筋肉とは関係のない部分も評価の対象となる」
    ことが暗黙の前提になっていること。
    ここに
    男女でのボディビル観というか、
    女性へのバイアスというか、
    男女問わず客観的な『美』に対する価値観というか…。
    「昔の(クラシカルな)美意識」を感じてしまう描写が、
    作品のあらゆるところにちりばめられています。
    そして、そんな世界に
    終盤に行くにつれて、主人公が向き合っていく。

    筋トレを始めたきっかけを
    「美しくなる」とか「ダイエットをする」な

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    2026年02月08日
  • 緑十字のエース

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    自分も過去現場で仕事をしていたから、安全って指導があるのは分かる。でも世間の指導ってこんなに厳しいんだ。自分のところは何だったんだと温度差を実感。
    後半ミステリー感があったが、細かすぎな松本の真意は単純なものだった。全体を俯瞰せず自分勝手に感じるが立場かわれば共感するかも。

    現場の理想論と安全の正論、どちらも分かる。これも立場だ。どちらも自分の仕事を全うしようとしてる。松本は他意があったが。
    浜地の家族での立ち位置は最後までフラフラ感がありスッキリしなかった。これも現実的なのかもな。そんなに安く告白なんて出来ない。

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    2026年02月07日
  • 黄金比の縁

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    面接官がこんなにもあやふやな基準で選定しているのなら、あの頃一喜一憂などする必要なかったね。と、就活へのハードルをぐんと低くしてくれる一冊

    新しい角度の就活応援本

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    2026年02月06日
  • ケチる貴方

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    「我が友、スミス」で石田夏帆さんの他の作品が気になり本書を手に取りました。本書は「ケチる貴方」と「その周囲、五十八センチ」が同時収録されているものです。両作品とも主人公は自分に対しても他人に対しても辛口で、だけどユーモアがあります。主人公は社会の価値観やもっともらしさから外れた自分を皮肉りつつも、あらゆる手を尽くして生き抜こうとします。主人公にとってそれは努力というより社会で生き抜くための術なのだと感じました。独特な比喩表現が面白く、聞いたことない表現なのに何故か納得できる、面白い言葉がたくさん出てきます。

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    2026年01月30日
  • 黄金比の縁

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    朝井リョウ氏が、講演会か何かでこの本を紹介していたんで、読んでみようと思ったんですが、朝井氏、あとがき解説書いてたんですね。
    発想が奇抜でいいです。突き進む感があります。最後、本来の目的に準ずるか、自分の打ち立てた規範に準ずるかの二者択一になっちゃうんですが、そこまでは突き進んでました。
    就活生にお勧めです。

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    2026年01月27日
  • 黄金比の縁

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    面白いがビジネスな感じが難しかった。でも引きつけられる文章だった。表紙で買ったが読んでよかったと思う。こんな仕事してみたいですね。

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    2026年01月27日
  • 緑十字のエース

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    建設現場の安全衛生管理という一般人にはまったく見えない世界を舞台にした職業小説。
    もちろんデフォルメはされているのだろうが、多重下請、人手不足、コンプライアンスと作業進捗のコンフリクトなど、建設業界の構造的問題を分からせてくれるリアリティがある。

    その構造問題にスパッとメスをしれるのでもなく、モヤっとしたまま後味があまりスッキリしないのもまたリアル。

    職人としてのプロフェッショナリズムが描かれるかというとそうでもなく、やっぱり「誰にでもできる仕事」なのかなあ、という印象だけが残る。
    フィジカルもメンタルもキツそうではあるが。

    池井戸潤的なわかりやすい勧善懲悪が読みたいわけではないけど、作

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    2026年01月04日
  • ミスター・チームリーダー

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    ネタバレ

    趣味のボディビルに精を出す主人公の会社生活を主軸に、ボディービルディングにおけるボディメイク(筋肉と体脂肪)と、職場におけるチームメイク(仕事の出来るやつと出来ないやつ)を重ね展開される作品。トレーニングを重ねて体脂肪率を下げていく=怠惰な同僚や気の利かない事務の女性を切ってスリムなチームを目指していくことであり、そこに達成感を覚える主人公の後藤。本番に向けて身体を絞っていく過程で立ちはだかる様々な困難を乗り越えて最終的に臨んだ計量では、逆に階級の下限を下回り失格になるという結末。身体でも組織でも、多少の体脂肪は必要というメタファーか。
    帯には「朝井リョウ絶賛」「爆笑と感嘆」の文字が躍り期待さ

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    2025年12月30日