石田夏穂のレビュー一覧
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ネタバレ全く知らない世界のことを知ることができるのが小説の醍醐味の一つだなと、
あそこの社屋の立て直しや、こっちの新しいマンションも、こんなふうにいろんな人がいろんな思いを抱えながら作ってくれているのかなと思いながら読んだ。
かつて有名企業で積算を経費削減をガツガツしていた主人公、後期を遅らせればその分仕事が続いて収入が続くと作業の邪魔をする松本。
チームとはいっても結局は自分から見える世界はとても狭くて、良かれと思ってしたことが、あらぬところで事故を招く。大きな工事だとより大変なんでしょうね。
現場のことは何も知らないけど、みんなで仲良く仕事してくれたならと思し、誰でもできる仕事だとはとても思えない。感謝。 -
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石田夏穂さんの書く話は何か淡々としているのにじわじわと面白い。
ゼネコンエリートで数字を扱う部署から転職して工事現場の「安全」と言われる部署で働くおじさんの話。転職のことを家族に話せないまま、朝の5時台に家をでて出勤する。
小さな現場事務所内での人間関係が濃密に描かれている。取材力がすごいのか、リアルにこういう現場で働いていたのかなと思わせられるくらいに細かい描写。知らない世界を見せてくれる作者の本が好きだ。
何となく主人公の顔を、俳優の小手伸也さんを想像しながら読んでいた。顔はず〜っと頭にあるのだが、名前が分からず、色々検索してようやく小手伸也さんの名前がわかった。すっきり。 -
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芥川賞候補作となった一作。
著者自身のキャリアにも通じる建築現場を舞台に、今回は溶接工の世界を描きます。精密な技術描写は文学的に思えました。
しかし本作の興味深さは、単なる職業小説にとどまらない点にあります。溶接という行為は、個々の部材を結合し、やがて巨大な構造物の一部として機能する。その視点は次第に、人と人が結びついて成立する組織や社会そのものへと広がっていくのではと。
高い技術を持つ職人が、自らの技能への確信を失っていく過程は痛々しい。責任感が喪失感へ、そして絶望感へと変質していく姿は あらゆる職能に通じると思います。
一方で、その転換点となる出来事にはやや引っかかりも残りました。現実として描くのか、あるいは幻想として描くのか、もう少しどちらかに振り切れていたなら、ラスト4行のほのかな救済が もっと小説の核とみなされたのではないかしら。
タイトルが 孤立しているようだけれど
三島の『鉄と太陽』を連想させるのは考えすぎかな。芥川の『歯車』に赤い輪が不吉な感じで表現されていたけど、接点はないんかな。
職業小説と純文学の接点を探る意欲作として印象に残りました。
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相変わらずの仕事小説。好きだわー石田さんの書く話。表題作含む4編の短編集だけど、どれも面白い。
表題作はスッピンの女子社員を探せという使命を仰せつかったスッピン女子社員の話(笑)。
自分がそもそもスッピンなのに、スッピンと化粧の違いも分からないような上司に犯人を突き止めて報告しなければいけないという変な状況になっている。
私の職場にもスッピンらしき女性は何人もいるが、実は化粧しているのかもしれない。そんなこと確認しても何の意味もないから、いちいち確認なんてしないけど。
しかし、うっすら化粧しているのに「私、化粧してないんですよ~」と嘘をつくのは笑えた。マウントなのか、自己満足なのか。
個人的には清潔感があるなら何だっていいと思う。
マッチ棒のように細い男が、職場で筋トレ趣味の男に出会う話では、筋トレ男がウザく感じた。自分が鍛えてるのは良いと思うが、周りにそれをさりげなく押し付けてくるのはどうなのか。
鍛えててもいざというとき、役に立たない筋トレ男をマッチ棒男が翻弄するようなラストは小気味良かった。
もっと石田さんワールドに浸かりたいのに、いつも薄い本ですぐ終わってしまうのが残念。
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2022年第44回野間文芸新人賞と
2023年第40回織田作之助賞
両候補になっています
同時収録の「その周囲、五十八センチ」とともに、女子の悩める体質がテーマとなっています。体質の話だけに リアリティがあるのですが、どこか象徴的にストーリーが落とされていきます。大衆小説と純文学のハーフ、今は、ダブルって言うんでしたっけ?
新陳代謝をケチるのか
感情起伏をケチるのか
労働稼働をケチるのか
果ては人生をケチるのか
これから 楽しみな方です。
小説としては、そんな感じに楽しみましたが、
「ケチる貴方」の中の協力会社の見積からの予算制作には、わかりみがありすぎて、相見積三社必須だったから、大変なのよ笑
最後仲良くなった業者さんには データおねだりしましたよ
コピー機のリース会社のお兄さんが 最新機種に変更すれば 紙ベースがエクセル変換できますって営業するから 変えてみたけど 文字化けお化けだったわ。
文字化けって せめて日本語内にして欲しい。異世界の呪術みたいな文字集団やめて欲しいです。 -
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筋トレにのめり込む女性会社員がボディビル大会への挑戦する話
U野さんは会社帰りに日々筋トレに励む
筋トレを始めたきっかけは運動不足云々⋯歯切れ悪く答えていたがO島に別の生き物になるといわれ、大会出場⋯
大会に向けて身体を整えていくが、
ボディビル女性に対する"女性らしさ"のという世間の常識に対する違和感を感じてる
筋トレって何!?って思ってたら文中に書いてあった
「筋トレというのは、実に不思議な行為だ。大方誰にも頼まれていないのに、重りを持ち上げたり、引っ張ったり、振り回したり、特定の非日常的な動作を繰り返すのだから。」
ドーピング疑いの15番の筋肉は「ちょっと水っぽかった」って?
見る人が見るとわかるらしいです
ってドーピングなんてのもあるんですか!?
私には無縁の筋トレ
スミスマシンも知らず、筋トレする人をトレーニーということも知らず⋯
知らない世界すぎてのめりこめなかったけど、面白く読めました -
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ネタバレフットブレイク:
職場で裸足でいること、ひとりだけパイプ椅子、などユーモアのあるお話だった。パイプ椅子に土踏まずを押し付けるの、確かに気持ちいい。
未経験の男:
ガリガリの主人公。
日本人男性は女に3キロ痩せろと言うなら、自分が3キロ金肥大すべき。というマッチョと食べないダイエットをしてる女の子もでてきて面白かった。
我らがDNA:
残業警察に追い立てられることでしか残業から逃れられない主体性のなさ、よくわかる〜と同意しかなかった。
さまざまな残業警察が登場する中で、主人公が残業のDNAに振り回せれる様が面白かった。
ノーメイク鑑定士:
表題の話なだけあって一番面白かった。
化粧していないことが悪いのではなく、化粧という形を使った清潔感のなさやブスを指摘する呪いの言葉である。人の化粧を見抜けないくせに、女の化粧を指摘することの図々しさと意地の悪さがよく現れていた。 -
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この人の本を読むのは3冊目になるのかな。そうか、1冊ごとに舞台というか、世界というか、業界というか、丸ごとイチから作っていく人なんやね。
この本の業界は溶接のプロが主人公だ。専門用語はよく分からなかったが、分からなくても十分その危険さとか特殊さのようなものは伝わってきた。『プロジェクト ヘイル メアリー』のような感覚。工事現場、建設現場と言っても、建設物や場所、請負業者によって、作業員の人たちのモチベーションが変わるんだなーと、当たり前と言えば当たり前のことに新鮮な発見があった。最寄駅から私の職場までの道すがら、もうずっと長く工事している現場があるのだが、その長さにも理由のあるのが分かった。連休明けからは工事現場への関心具合も変わりそうだ。
それにしても、この本は最初から最後まで、ずーっと心臓がぎゅーっとしたまま、超特急で読み終えた!危険物を取り扱っている描写、危険な現場でさらに危険な行為に及ぶ主人公、集中力の必要な作業中に思考が逸れていく、、、もうっっ!次何が起こるんだろう!馴染みのない業界なだけに、予想がつかず、余計にハラハラした。この石田さんの本はこれからも追い続けよう。