石田夏穂のレビュー一覧

  • 黄金比の縁

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    社会の縮図たる会社はテキトーで無責任で矛盾に満ちている。女性軽視は根強く、その場凌ぎの判断と評価、そして「縁」で人を不当に扱う。抜群のユーモアとセンスで現代日本における「身体」や「外見」について切り込んできた著者が、今作で描くのは新卒採用。会社に復讐するために、会社の不利益になる人間を採用する。選考基準は「顔の黄金比」のみ。面白過ぎる。

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    2026年07月09日
  • 緑十字のエース

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    ネタバレ

    全く知らない世界のことを知ることができるのが小説の醍醐味の一つだなと、
    あそこの社屋の立て直しや、こっちの新しいマンションも、こんなふうにいろんな人がいろんな思いを抱えながら作ってくれているのかなと思いながら読んだ。

    かつて有名企業で積算を経費削減をガツガツしていた主人公、後期を遅らせればその分仕事が続いて収入が続くと作業の邪魔をする松本。
    チームとはいっても結局は自分から見える世界はとても狭くて、良かれと思ってしたことが、あらぬところで事故を招く。大きな工事だとより大変なんでしょうね。

    現場のことは何も知らないけど、みんなで仲良く仕事してくれたならと思し、誰でもできる仕事だとはとても思えない。感謝。

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    2026年07月08日
  • ケチる貴方

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    人生において何をケチるか

    大切なものは目に見えないってすごくいい言葉だと思うけれど、それって外見に少しでもコンプレックスがあったら真正面から受け止めきれない言葉だなって思った

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    2026年07月06日
  • 緑十字のエース

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    石田夏穂さんの書く話は何か淡々としているのにじわじわと面白い。
    ゼネコンエリートで数字を扱う部署から転職して工事現場の「安全」と言われる部署で働くおじさんの話。転職のことを家族に話せないまま、朝の5時台に家をでて出勤する。
    小さな現場事務所内での人間関係が濃密に描かれている。取材力がすごいのか、リアルにこういう現場で働いていたのかなと思わせられるくらいに細かい描写。知らない世界を見せてくれる作者の本が好きだ。
    何となく主人公の顔を、俳優の小手伸也さんを想像しながら読んでいた。顔はず〜っと頭にあるのだが、名前が分からず、色々検索してようやく小手伸也さんの名前がわかった。すっきり。

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    2026年07月05日
  • ノーメイク鑑定士

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    サクッと1日で読んだ!
    熱くも冷たくもないちょうど良い温度感で物語が着々と進んでいく感覚
    おもしろワードや、あ、わかる〜!って思う場面もあり楽しかった

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    2026年07月03日
  • 我が友、スミス

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    先ず読んで思ったのが、著者の石田さん、「やってますね!」
    筋トレを愛している男は数多くいますが、女性で筋トレにハマり、ボディビルダーとしての道を進むのは、相当のめり込まなければいけないと思います。
    そんなのめり込みの心情を上手く描けていて、すごく共感しながら読みました。
    親からも女性らしくないと反対され、競技の中では女性らしくなければならず、筋トレのみならず、笑顔、立ち方、化粧、ヒールでのパフォーマンスなど、女性ならではのビルダーの悩みや苦悩が描かれていて、余計マッチョな女性にリスペクトしたいと思いました。

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    2026年07月03日
  • ノーメイク鑑定士

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    今回も、いつも以上にテーマの選定が、秀逸です。
    それにしても、なぜこれほどそれぞれのテーマに対して、例え理系にしても、細かい専門知識があるのか、不思議です。

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    2026年06月28日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    杉井光さんと浅倉秋成さんの作品を読んだ。
    透き通った世界の短編ということで、数十ページに現代的なトリックを仕込ませた新しいミステリーがとても面白かった。すぐに気づく深町さんも良き。
    浅倉さんのvtuberをネタにした作品。孤独な叫び声を上げながら生きている姿は、何となく命に嫌われているの歌を思い出した。自分には苦しさが気持ちがいいという感覚は分からないが、彼女にとってそれは唯一の生を感じている感情なのだろうか。

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    2026年06月25日
  • 我が手の太陽

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    芥川賞候補作となった一作。

    著者自身のキャリアにも通じる建築現場を舞台に、今回は溶接工の世界を描きます。精密な技術描写は文学的に思えました。

    しかし本作の興味深さは、単なる職業小説にとどまらない点にあります。溶接という行為は、個々の部材を結合し、やがて巨大な構造物の一部として機能する。その視点は次第に、人と人が結びついて成立する組織や社会そのものへと広がっていくのではと。

    高い技術を持つ職人が、自らの技能への確信を失っていく過程は痛々しい。責任感が喪失感へ、そして絶望感へと変質していく姿は あらゆる職能に通じると思います。

    一方で、その転換点となる出来事にはやや引っかかりも残りました。現実として描くのか、あるいは幻想として描くのか、もう少しどちらかに振り切れていたなら、ラスト4行のほのかな救済が もっと小説の核とみなされたのではないかしら。

    タイトルが 孤立しているようだけれど
    三島の『鉄と太陽』を連想させるのは考えすぎかな。芥川の『歯車』に赤い輪が不吉な感じで表現されていたけど、接点はないんかな。

    職業小説と純文学の接点を探る意欲作として印象に残りました。

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    2026年06月24日
  • 緑十字のエース

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    緑十字のエース

    筋トレお仕事系石田さんの小説2冊目。この人の仕事系小説にどハマり。共感とドキドキ感と応援したくなる気持ち。読んでてとにかく元気もらった。
    工事現場の安全屋のお話。そんな仕事があるなんて知らなかった。
    工事現場てこんなに大変なんだと。色々勉強になった。
    工事がどうなるのか。続き読みたい。

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    2026年06月19日
  • ノーメイク鑑定士

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    相変わらずの仕事小説。好きだわー石田さんの書く話。表題作含む4編の短編集だけど、どれも面白い。

    表題作はスッピンの女子社員を探せという使命を仰せつかったスッピン女子社員の話(笑)。
    自分がそもそもスッピンなのに、スッピンと化粧の違いも分からないような上司に犯人を突き止めて報告しなければいけないという変な状況になっている。
    私の職場にもスッピンらしき女性は何人もいるが、実は化粧しているのかもしれない。そんなこと確認しても何の意味もないから、いちいち確認なんてしないけど。
    しかし、うっすら化粧しているのに「私、化粧してないんですよ~」と嘘をつくのは笑えた。マウントなのか、自己満足なのか。
    個人的には清潔感があるなら何だっていいと思う。

    マッチ棒のように細い男が、職場で筋トレ趣味の男に出会う話では、筋トレ男がウザく感じた。自分が鍛えてるのは良いと思うが、周りにそれをさりげなく押し付けてくるのはどうなのか。
    鍛えててもいざというとき、役に立たない筋トレ男をマッチ棒男が翻弄するようなラストは小気味良かった。

    もっと石田さんワールドに浸かりたいのに、いつも薄い本ですぐ終わってしまうのが残念。

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    2026年06月19日
  • ケチる貴方

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    2022年第44回野間文芸新人賞と
    2023年第40回織田作之助賞
    両候補になっています

    同時収録の「その周囲、五十八センチ」とともに、女子の悩める体質がテーマとなっています。体質の話だけに リアリティがあるのですが、どこか象徴的にストーリーが落とされていきます。大衆小説と純文学のハーフ、今は、ダブルって言うんでしたっけ?
    新陳代謝をケチるのか
    感情起伏をケチるのか
    労働稼働をケチるのか
    果ては人生をケチるのか
    これから 楽しみな方です。

    小説としては、そんな感じに楽しみましたが、
    「ケチる貴方」の中の協力会社の見積からの予算制作には、わかりみがありすぎて、相見積三社必須だったから、大変なのよ笑
    最後仲良くなった業者さんには データおねだりしましたよ
    コピー機のリース会社のお兄さんが 最新機種に変更すれば 紙ベースがエクセル変換できますって営業するから 変えてみたけど 文字化けお化けだったわ。
    文字化けって せめて日本語内にして欲しい。異世界の呪術みたいな文字集団やめて欲しいです。

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    2026年06月16日
  • ノーメイク鑑定士

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    石田夏穂さん6冊目。
    会社員のいろんな場面が詰め込まれた短編集で一気読み。

    人の外見についてあれこれ言ったり、働き方改革だったり、ちょっと今さら感。この本があと2〜3年早く出版されていればもっと楽しめたのにと思います。

    最初の3作までは⭐︎3でしたが、表題作は石田夏穂さんらしさ溢れる笑える文章で、めちゃおもしろかったです!
    デミグラスソース顔とかオカチメンコとか、ワードセンスが最高でした。

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    2026年06月13日
  • ミスター・チームリーダー

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    ミスターチームリーダー
    石田夏穂

    初めての作家さん。脳筋お仕事系小説が多いみたいでずっと気になってた作家さん。
    ボディビルダーで新人マネージャーの奮闘小説。大会に仕事に大変
    筋肉もマネジメントも思った通りにならないんだなぁと同情しながら楽しく読んだ。

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    2026年06月11日
  • ノーメイク鑑定士

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    「フットブレイク」は職場で裸足。
    「未経験の男」はタバコの火の不始末で近所の空き家を燃やしてしまう。犯人だとバレたくないので筋トレをしようと決意!?
    「ノーメイク鑑定士」は取引先の意向で職場のすっぴんを探す。
    ズレてるけど、そこがいい。

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    2026年06月10日
  • 冷ややかな悪魔

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    海外出張のために生きている主人公が、体脂肪率が高すぎるために出張禁止を命じられる。海外出張のためにジム通いをはじめる。
    ハッキリものをいうバリキャリ主人公、結婚しなくても恋人がいなくても幸せに生きていて最高のはずなのに、途中から雲行きが怪しくなる。
    ひとつ嘘をつくと止まらなくなるんだな。
    その嘘はダメだよとソワソワしてしまって読むのがしんどかったけど、さくっと読めたしまさかのオチも面白かった。
    石田夏穂おもしろいな〜ほかの本も読む。

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    2026年06月09日
  • 我が友、スミス

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    筋トレにのめり込む女性会社員がボディビル大会への挑戦する話

    U野さんは会社帰りに日々筋トレに励む
     
    筋トレを始めたきっかけは運動不足云々⋯歯切れ悪く答えていたがO島に別の生き物になるといわれ、大会出場⋯

    大会に向けて身体を整えていくが、
    ボディビル女性に対する"女性らしさ"のという世間の常識に対する違和感を感じてる

    筋トレって何!?って思ってたら文中に書いてあった
    「筋トレというのは、実に不思議な行為だ。大方誰にも頼まれていないのに、重りを持ち上げたり、引っ張ったり、振り回したり、特定の非日常的な動作を繰り返すのだから。」

    ドーピング疑いの15番の筋肉は「ちょっと水っぽかった」って?
    見る人が見るとわかるらしいです
    ってドーピングなんてのもあるんですか!?
    私には無縁の筋トレ
    スミスマシンも知らず、筋トレする人をトレーニーということも知らず⋯
    知らない世界すぎてのめりこめなかったけど、面白く読めました

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    2026年06月04日
  • ノーメイク鑑定士

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    ネタバレ

    フットブレイク:
    職場で裸足でいること、ひとりだけパイプ椅子、などユーモアのあるお話だった。パイプ椅子に土踏まずを押し付けるの、確かに気持ちいい。

    未経験の男:
    ガリガリの主人公。
    日本人男性は女に3キロ痩せろと言うなら、自分が3キロ金肥大すべき。というマッチョと食べないダイエットをしてる女の子もでてきて面白かった。

    我らがDNA:
    残業警察に追い立てられることでしか残業から逃れられない主体性のなさ、よくわかる〜と同意しかなかった。
    さまざまな残業警察が登場する中で、主人公が残業のDNAに振り回せれる様が面白かった。

    ノーメイク鑑定士:
    表題の話なだけあって一番面白かった。
    化粧していないことが悪いのではなく、化粧という形を使った清潔感のなさやブスを指摘する呪いの言葉である。人の化粧を見抜けないくせに、女の化粧を指摘することの図々しさと意地の悪さがよく現れていた。

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    2026年05月22日
  • ノーメイク鑑定士

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    どこにでもありそでなさそなお仕事(?)短編集。
    石田節が冴え渡り、職場でのちょっとしたズレが笑いやホラーにかわってゆく。
    短編なのでフォーカスされて掘り下げるところが『そこ??笑』ってなるのが楽しい。
    日常に潜む狂気。

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    2026年05月11日
  • 我が手の太陽

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    この人の本を読むのは3冊目になるのかな。そうか、1冊ごとに舞台というか、世界というか、業界というか、丸ごとイチから作っていく人なんやね。
    この本の業界は溶接のプロが主人公だ。専門用語はよく分からなかったが、分からなくても十分その危険さとか特殊さのようなものは伝わってきた。『プロジェクト ヘイル メアリー』のような感覚。工事現場、建設現場と言っても、建設物や場所、請負業者によって、作業員の人たちのモチベーションが変わるんだなーと、当たり前と言えば当たり前のことに新鮮な発見があった。最寄駅から私の職場までの道すがら、もうずっと長く工事している現場があるのだが、その長さにも理由のあるのが分かった。連休明けからは工事現場への関心具合も変わりそうだ。
    それにしても、この本は最初から最後まで、ずーっと心臓がぎゅーっとしたまま、超特急で読み終えた!危険物を取り扱っている描写、危険な現場でさらに危険な行為に及ぶ主人公、集中力の必要な作業中に思考が逸れていく、、、もうっっ!次何が起こるんだろう!馴染みのない業界なだけに、予想がつかず、余計にハラハラした。この石田さんの本はこれからも追い続けよう。

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    2026年05月03日