石田夏穂のレビュー一覧

  • 黄金比の縁

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    採用担当ってそうそう…と、あるあるに頷きつつ、なんてフワフワしているのかと言われて目から鱗。そういうものだと思い込んだまま、かつて5年の期間を過ごしていたよ。

    この主人公、ハマれば大活躍する人「財」だったろうに、ボタンの掛け違いがもったいない。

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    2025年08月24日
  • 黄金比の縁

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    化学工場の設計をする会社で、10年前から新卒採用チームの一員として働いているベテランの主人公。部下の中村、太田とともに、合同説明会にてブースを設営、リクルートスーツの学生たちの勧誘に勤しみ、応募者を四分の一に絞る一次面接を担う。「人事部の小野さん」として社内の信頼も厚い彼女には実は、入社時は優秀で、会社の中核である花形部署での活躍が約束されていたのに、社内の少々難ありのマスコットを社外に洩らしたという、納得のいかない理由で異動になったという経緯があり、会社に恨みを持っていた。新卒採用における彼女の理念は、「会社の不利益になる社員を採用すること」。そのために目をつけたのが、顔の黄金比だった。

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    2025年08月16日
  • ミスター・チームリーダー

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    大好きな作家さんの一人である。石田夏穂さんはいまでも一般職で働いている方で、その働く中でのあれこれを書いている「9.5時間、戦えますか。」というエッセイが毎回本当に面白い。天才だなぁと思いながら、早く本になってくんねぇかなぁと思っている。
    今回の作品も、仕事や趣味でうまくいかない人が、あることをきっかけにそれらがうまく回りだすのだか…という話なので、「ケチる貴方」や「黄金比の縁」が好きな私からするとどんなアプローチなのか楽しみだった。
    読んで思うのは、中編が多い作家さんなので、もう少し書いてほしいなと思うときがある。面白いからこそ読んでみたくなってしまう。でもまずはご自身の体を寵愛していただい

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    2025年08月02日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    7名の若き作家たちのSNS系など令和の時代のアンソロジー。目玉は杉井さんだろうか。「世界でいちばん~」の続編?のような短編で唯一の書き下ろし。他は小説新潮で特集された作品と結城さんの「#真相を~」から1編。目玉の杉井さんが一番のキャリアというのがうむうむ、というところか。全体的にシニカルな作品が多くやはり令和を切り取ることになるとこういった作風が増えるのだろうか。その中で佐原さんの作品は純粋?な青春もので良かった。

    浅倉秋成 かわうそをかぶる
    Vチューバーを題材にした作品。一番怖かった作品かも。タイトルの良さと2重人格?のような造りがよかった。
    大前粟生 まぶしさと悪意
    文藝出身ながらエンタ

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    2025年07月28日
  • ミスター・チームリーダー

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    「後藤が思うに「自分らしく」は、人が手を抜くときの常套句で、それを口癖のように唱えていたら、人間は最もヘナチョコな状態になってしまう。だって、この世に素のままで評価される人はいない。赤の他人に認められるために、誰しも懸命に努力するものだ。人間の価値はいつだって自分らしくを超えたところにある」

    多様性の時代という言葉で自分らしさを簡単に片付けている令和では叩かれる文章かもしれないけど、心のどこかで、そうなんだよねとも思う。

    頑張ってる人は自分らしさがどうのいう前に、今日も一生懸命働いている。

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    2025年07月18日
  • ミスター・チームリーダー

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    ネタバレ

    体づくりと組織づくりをリンクさせているチームリーダーの話。
    組織に貢献しない人材=脂肪、組織に貢献する人材=筋肉として、脂肪を排除することに躍起になるリーダー。
    脂肪は落としすぎたらダメっていう結果になった訳だけど、リーダーは脂肪を許せるかな?
    ケチる貴方と似てるなぁと思いながら読んでて、読み終わった後に同じ作者だと気付いた。

    読む前はマッチョで優しいリーダーと仲間たちの話かと思ってたから、ブラックな面が全面に出ているリーダーにびっくりしたけど、否定もしきれずテンポも良くて読みやすく…
    ストイックな後藤の一喜一憂にこちらも巻き込まれるのが気持ち良い。楽しい読書体験だった。

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    2025年07月18日
  • 黄金比の縁

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    面接官復讐モノと言えば簡単だが、しっとりやって来る結末は怖い。黄金比と縁の関係性も独特で、黄金比が主人公の武器ならば縁は妬ましくも恐れ多くもそれこそ縁もゆかりもない武器であって使い方こそしれど実用に適してはいない。黄金比も黄金比とは名ばかりでクセのある主人公特有の黄金比であり今の世の中的にそれは有りなのかと頭を悩ませる半分、今の世の中整形が身近な分これこそが近代的表現なのかと空を仰ぐことしか出来ない。あと薄いけど読むのには苦労する。
    予想外のところから的を当てて来る後輩ほど怖いものはないなと思った。

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    2025年07月11日
  • 黄金比の縁

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    主人公の、会社への復讐心には重さを感じず笑ってしまいました。
    復讐のために会社に不利益になりそうな人間を採用する人事なんて!
    恨みがすぎる。
    しかし、強く共感してしまいます。
    「分かる、分かるよ」と、読みながら何度も頷きました。

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    2025年07月11日
  • ミスター・チームリーダー

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    ボディービルにあまり興味は無いものの、怖いもの見たさなところはあり、その小説は珍しいのではと気になっていた本です。

    相容れない事だらけだろうし、耳の痛いセリフが満載だろうし、何なら腹が立つだろうな。
    と、わかっていながら読んだので、苦笑いしながら楽しめましたました。
    ボディービルダーとお仕事がうまく掛け合わさっていると思います。

    「自分らしく」はひとが手を抜く時の常套句。
    これには少々ドキッとさせられてしまいました。

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    2025年07月06日
  • 黄金比の縁

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    とある出来事から一部上場企業の採用担当となった主人公が会社に対して復讐を実行していく話。
    一見会社のためになっていそうな提案をしながら、会社への復讐として業務に取り組んでいるというシチュエーションが新鮮で面白かったです。
    彼女の復讐がどうなるのか、もう少し最後まで見たかったです。
    働くには誰もが避けて通れない採用活動の裏側を見られたのも新鮮でした。

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    2025年07月01日
  • ミスター・チームリーダー

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    相変わらず淡々とシニカルで面白いが、
    “社会生活と自分の身体が連動する”という本筋がケチる貴方と同じやないかーい、と感じてしまった。
    ボディビルという題材、上記の展開等、
    石田さんの作品がマンネリしているように感じる。
    他の側面が見たい。

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    2025年06月23日
  • ミスター・チームリーダー

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    自分をしっかり律してコントロールできる人は凄いけど、みんなができるわけじゃないんだよな。怠けてるようにしか見えなくても、どうしてもできない事もある。そんな言い訳して自分に甘い自分だけど、気がついてるだけ良しとして。自分の常識を人に押し付けて勝手にイライラしないようにしよ。効率より塩梅。課長が1番大人ね。

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    2025年06月07日
  • ミスター・チームリーダー

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    ボディビルと会社の人間関係をうまく関連させて、無駄をなくす、削ぎ落とす、効率化を図ろうとする主人公の行動や発言が歯に衣着せぬもので面白かった。

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    2025年06月01日
  • 我が手の太陽

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    上手いといわれる溶接職人の傲慢と失墜の行程、か。どんな分野でもありそうだ
    自分以外のせいにする
    みえない何かのせいにする
    或いは病のせいなのか
    含みを残して、主人公は転落してゆく

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    2025年05月27日
  • ミスター・チームリーダー

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    自分がストイックにやってると、他人が手を抜いているように感じたりする。それって勝手に自分を追い込んで勝手にカリカリしてるだけなんだけど、それに気づけるかどうかで大分人間関係が変わってくるよなと。
    体型の話が地雷の人は読まない方がいい。主人公がボディビルダーである以上は避けられないので。

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    2025年05月18日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    作家7名によるアンソロジー。
    カワウソの妖精・雨露ゆゆというVtuberと交際していると噂された音楽プロデューサー「うみの」が殺害された。ゆゆの活動を続けるべきか否か、視聴者の判断を仰ぐべく配信をすることに…浅倉秋成『かわうそをかぶる』。
    動画配信アプリで一躍人気者になった女子高生。若手女性教師は彼女が動画を撮らなくなった訳を探ることに…大前粟生『まぶしさと悪意』。
    霊能力者と相談者のマッチングアプリで「幽霊からプッシュ通知が届く」という不具合が起きている。案件を任されたアプリ開発会社の新人社員がアプリをインストールしたところ…新名智『霊感インテグレーション』。
    年齢を偽り、マッチングアプリで

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    2025年04月27日
  • 我が手の太陽

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    たぶん、日本で初めての溶接工の生きざまを描いた小説。石田夏穂さんの小説はそのユニークすぎる切り口がスキです。そのなかでも本作品はそのマニアックさで群を抜く。個人的には興味のある業種で色々と勉強になりました。ただ、面白かったか?というと、石田夏穂さんにしては、、、


    本の紹介

    第169回芥川賞候補作。

    鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場で も花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認 める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに 陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロス ポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習で は取り戻すことはできない。現場仕

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    2025年04月25日
  • 我が友、スミス

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    別の生き物になりたい。
    誰かに傷つけられるでもなく、誰に同情されるでもない、超然とした生き物になりたい。

    ってところがいいのよー!

    体を鍛えて出した女性がたどり着いた境地とは?

    現代を生きる女性によるボディビル小説!!

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    2025年04月14日
  • ミスター・チームリーダー

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    岸辺露伴は動かない、に出てくる短編のRANに似た傾向の内容だった。RANは、ランニングマシーンに取り憑かれた男で、ミスターチームリーダーはボディビルに取り憑かれた男が主人公。

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    2025年04月10日
  • 我が友、スミス

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    タイトル見て、中身読んで、そうなんだ!ってなる人多いと思う。
    芥川賞の候補なんだけど、かなり読みやすい。

    もともとトレーニングとか(これを読んだ後でも)全く興味はないが、この世界とトレーニーの気持ちはなるほどなぁと頷けるものがありました。youtobeで見た事あるフィジーク超戦中youtuberがなんでそこまでってとか見てるだけだと理解不能だったが、今ならわかる。

    その実、本で訴えたいことはとっても明確でそこが素晴らしく感じた。自分が何のためにそれをするのか、どうしてそこまでする必要があるのか、そして最後は自分がどうありたいのかのポイントまでシッカリ着地して読後の清々しさったらない。


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    2025年04月02日