石田夏穂のレビュー一覧
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ネタバレ作家7名によるアンソロジー。
カワウソの妖精・雨露ゆゆというVtuberと交際していると噂された音楽プロデューサー「うみの」が殺害された。ゆゆの活動を続けるべきか否か、視聴者の判断を仰ぐべく配信をすることに…浅倉秋成『かわうそをかぶる』。
動画配信アプリで一躍人気者になった女子高生。若手女性教師は彼女が動画を撮らなくなった訳を探ることに…大前粟生『まぶしさと悪意』。
霊能力者と相談者のマッチングアプリで「幽霊からプッシュ通知が届く」という不具合が起きている。案件を任されたアプリ開発会社の新人社員がアプリをインストールしたところ…新名智『霊感インテグレーション』。
年齢を偽り、マッチングアプリで -
Posted by ブクログ
たぶん、日本で初めての溶接工の生きざまを描いた小説。石田夏穂さんの小説はそのユニークすぎる切り口がスキです。そのなかでも本作品はそのマニアックさで群を抜く。個人的には興味のある業種で色々と勉強になりました。ただ、面白かったか?というと、石田夏穂さんにしては、、、
本の紹介
第169回芥川賞候補作。
鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場で も花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認 める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに 陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロス ポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習で は取り戻すことはできない。現場仕 -
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タイトル見て、中身読んで、そうなんだ!ってなる人多いと思う。
芥川賞の候補なんだけど、かなり読みやすい。
もともとトレーニングとか(これを読んだ後でも)全く興味はないが、この世界とトレーニーの気持ちはなるほどなぁと頷けるものがありました。youtobeで見た事あるフィジーク超戦中youtuberがなんでそこまでってとか見てるだけだと理解不能だったが、今ならわかる。
その実、本で訴えたいことはとっても明確でそこが素晴らしく感じた。自分が何のためにそれをするのか、どうしてそこまでする必要があるのか、そして最後は自分がどうありたいのかのポイントまでシッカリ着地して読後の清々しさったらない。
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ネタバレボディビルの大会出場を目指してウェイトコントロールしている男性が主人公。
この小説がとにかく面白いのは、気持ちいいくらい体型至上主義なところ。
そのため、デブにはかなり厳しい。
「バルルルルン!」とか、「ブヨヨと全身で驚く。」とか、「デブなら動く機会になるからちょうどいい。」とか、コンプラ的には大アウトな文言が並ぶ。が、それが小気味いい。
(私自身全然スリムではないので、後藤の言葉に耳が痛い部分はあったが。)
どれだけコンプラに反した言動・思考でも、この本の中の正義は後藤にあるから、デブは悪だし、会社にとって使えない社員はチームにとってただの脂肪なのだ。ここまではっきりしてると本当に気持ちい -
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◎かわうそをかぶる / 浅倉秋成
いわゆる隠キャオタクがVtuberとして有名になり、リア充を蔑む自分と、恋人がいない現状に苦しむ自分との相反する感情に苦しむ話。
どんなに有名で満たされてても欠けたピースはあるし、それをアイデンティティとしてたらその狭間で苦しむよなあ…
イサナはどうなったの?誰か考察求む。
◎まぶしさと悪意 / 大前粟生 (アオ)
架空のSNSで人気になった女子高生と教師について。
うーん、何エンドになるんだろう。
◎霊感インテグレーション / 新名智
心霊系アプリの不具合を調査する奇妙な運命の主人公について。
ホラーとも違う世にも奇妙な話のような世界観。後味はよい。