石田夏穂のレビュー一覧

  • 我が手の太陽

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    上手いといわれる溶接職人の傲慢と失墜の行程、か。どんな分野でもありそうだ
    自分以外のせいにする
    みえない何かのせいにする
    或いは病のせいなのか
    含みを残して、主人公は転落してゆく

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    2025年05月27日
  • ミスター・チームリーダー

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    自分がストイックにやってると、他人が手を抜いているように感じたりする。それって勝手に自分を追い込んで勝手にカリカリしてるだけなんだけど、それに気づけるかどうかで大分人間関係が変わってくるよなと。
    体型の話が地雷の人は読まない方がいい。主人公がボディビルダーである以上は避けられないので。

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    2025年05月18日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    作家7名によるアンソロジー。
    カワウソの妖精・雨露ゆゆというVtuberと交際していると噂された音楽プロデューサー「うみの」が殺害された。ゆゆの活動を続けるべきか否か、視聴者の判断を仰ぐべく配信をすることに…浅倉秋成『かわうそをかぶる』。
    動画配信アプリで一躍人気者になった女子高生。若手女性教師は彼女が動画を撮らなくなった訳を探ることに…大前粟生『まぶしさと悪意』。
    霊能力者と相談者のマッチングアプリで「幽霊からプッシュ通知が届く」という不具合が起きている。案件を任されたアプリ開発会社の新人社員がアプリをインストールしたところ…新名智『霊感インテグレーション』。
    年齢を偽り、マッチングアプリで

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    2025年04月27日
  • 我が手の太陽

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    たぶん、日本で初めての溶接工の生きざまを描いた小説。石田夏穂さんの小説はそのユニークすぎる切り口がスキです。そのなかでも本作品はそのマニアックさで群を抜く。個人的には興味のある業種で色々と勉強になりました。ただ、面白かったか?というと、石田夏穂さんにしては、、、


    本の紹介

    第169回芥川賞候補作。

    鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場で も花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認 める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに 陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロス ポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習で は取り戻すことはできない。現場仕

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    2025年04月25日
  • 我が友、スミス

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    別の生き物になりたい。
    誰かに傷つけられるでもなく、誰に同情されるでもない、超然とした生き物になりたい。

    ってところがいいのよー!

    体を鍛えて出した女性がたどり着いた境地とは?

    現代を生きる女性によるボディビル小説!!

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    2025年04月14日
  • ミスター・チームリーダー

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    岸辺露伴は動かない、に出てくる短編のRANに似た傾向の内容だった。RANは、ランニングマシーンに取り憑かれた男で、ミスターチームリーダーはボディビルに取り憑かれた男が主人公。

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    2025年04月10日
  • 我が友、スミス

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    タイトル見て、中身読んで、そうなんだ!ってなる人多いと思う。
    芥川賞の候補なんだけど、かなり読みやすい。

    もともとトレーニングとか(これを読んだ後でも)全く興味はないが、この世界とトレーニーの気持ちはなるほどなぁと頷けるものがありました。youtobeで見た事あるフィジーク超戦中youtuberがなんでそこまでってとか見てるだけだと理解不能だったが、今ならわかる。

    その実、本で訴えたいことはとっても明確でそこが素晴らしく感じた。自分が何のためにそれをするのか、どうしてそこまでする必要があるのか、そして最後は自分がどうありたいのかのポイントまでシッカリ着地して読後の清々しさったらない。


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    2025年04月02日
  • 我が友、スミス

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    近い世界に踏み込んでみると、その人はその人の世界で努力をしていることを知る。立場の違いによる偏見は往々にしてあることだけど、そこでぐっと考えられるかどうか

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    2025年03月09日
  • ミスター・チームリーダー

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    読みながら続きがとにかく気になる、何が起こるかわからない
    自分に厳しいから他人に厳しいこんな管理職いやだ…
    後藤にもボディビルの事情はあるけど、それと同じように他者にも私的な事情があるところまで気がつけない
    なにも筋トレに拘らず、全能感は判断を狂わせてしまう怖さがあった
    ずっと一人称の語りだから菊池が本当はどんな表情でどう思ってたのかあんまりわからないのがみそだよな

    めっちゃ面白かったけど、行き過ぎてぬるっと現実に戻る、以外のパターンが読みたいかも

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    2025年03月08日
  • ミスター・チームリーダー

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    ネタバレ

    ボディビルの大会出場を目指してウェイトコントロールしている男性が主人公。
    この小説がとにかく面白いのは、気持ちいいくらい体型至上主義なところ。
    そのため、デブにはかなり厳しい。
    「バルルルルン!」とか、「ブヨヨと全身で驚く。」とか、「デブなら動く機会になるからちょうどいい。」とか、コンプラ的には大アウトな文言が並ぶ。が、それが小気味いい。
    (私自身全然スリムではないので、後藤の言葉に耳が痛い部分はあったが。)

    どれだけコンプラに反した言動・思考でも、この本の中の正義は後藤にあるから、デブは悪だし、会社にとって使えない社員はチームにとってただの脂肪なのだ。ここまではっきりしてると本当に気持ちい

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    2025年02月21日
  • 我が手の太陽

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    溶接作業についてまったく知らなかったが、いろいろと知ることができ、自分も、仕事に慢心しているのでないかと感じられた。中年以上の人には感じるところが多いのではないかと思う。

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    2025年01月27日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ◎かわうそをかぶる / 浅倉秋成
    いわゆる隠キャオタクがVtuberとして有名になり、リア充を蔑む自分と、恋人がいない現状に苦しむ自分との相反する感情に苦しむ話。
    どんなに有名で満たされてても欠けたピースはあるし、それをアイデンティティとしてたらその狭間で苦しむよなあ…
    イサナはどうなったの?誰か考察求む。

    ◎まぶしさと悪意 / 大前粟生 (アオ)
    架空のSNSで人気になった女子高生と教師について。
    うーん、何エンドになるんだろう。

    ◎霊感インテグレーション / 新名智
    心霊系アプリの不具合を調査する奇妙な運命の主人公について。
    ホラーとも違う世にも奇妙な話のような世界観。後味はよい。

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    2025年01月23日
  • ケチる貴方

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    読み進める内に著者の経歴が気になり、調べてみたら広い意味で同業界にお勤めと知り、色々合点がいく。女性も増えたとはいえ、この界隈の中小ベンダーともなると旧弊の企業文化が残存する上、業務の属人化も著しい。自身のノウハウを教示することに逡巡する主人公の心情は共感出来、男尊女卑の価値観を押し付ける年配社員の醜悪さも目に余る。併録作「その周囲、五十八センチ」の『痛みに耐えることで得られるものが確約される』という打算的な思考にも頷くしかない。世間と己の間に介在するギャップに対して折り合いをつける難しさを改めて考える。

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    2025年01月16日
  • ケチる貴方

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    ネタバレ

    2025/01/08リクエスト 1
    極度の冷え性持ちの佐藤が新人の教育係になり、体質が変わっていく。体で覚えた仕事術をただで教えるのが面白くない気持ち、わかる!
    でも、それを教えたところ冷え性が改善するとは…
    もう一作は、脂肪吸引依存のエリート女性。
    どちらも描写が異常に詳しく、その道に疎くても、なんとなく想像できる。冷え性はよく分かるが脂肪吸引は部位により痛みが違うのか…知らなかった。

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    2025年01月14日
  • 我が手の太陽

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    お仕事小説。
    未知の世界である溶接の描写が続き、画としては想像しづらかったけど、どんな職業にも言えるが深い世界だなと感じた。
    これまで読んだ石田夏穂さんの本にあった、清々しい毒みたいなものがこの作品にはなく、硬派な感じ。要するに面白くはなかった。それでも読ませるから(年々、合わないと最後まで読みきれなくなってしまった)、筆力があるんだなあ。
    専門職って良くも悪くもプライドが高いよね。それがあるからこそ良い仕事ができるのだろうけど。

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    2025年01月06日
  • ケチる貴方

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    ネタバレ

    独特な世界観

    なかなか理解しにくい

    寛容を発揮すると体温が上がる


    脂肪吸引にハマる
    人生最大の試練 失恋から立ち直る ことではない
    内腿と膝上の脂肪吸引手術を受けた後に、その脚で家に帰る こと

    脂肪吸引は裏切らない

    あなたが人よりもうんと頑張れる人になれたのは、その脚のおかげ

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    2024年12月28日
  • ケチる貴方

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    冷え性と脂肪吸引の2つの物語。
    この主人公たちの気持ちが少しでもわかってしまう自分がいる。
    極度の冷え性に悩んでいた主人公。
    冷え性故に極力無駄なことをしないように行動する。
    私も冷え性なんだけど、自分ももしかして、ケチってる?!と考えだしてしまった。
    脂肪吸引依存症の主人公。
    自分も減らない脂肪に悩んでいるからこそ、わかるところもある。
    でも脂肪吸引は怖いからやれない…
    彼女は結局は褒められたいという承認欲求だったのかな。
    納得できるより良い自分になるために、努力を惜しまない姿は尊敬できる。

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    2024年12月18日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    Vtuber、動画投稿、SNS、アプリなど今どきお題満載。
    タイムシートを吹かせ、が面白かった。PCを使えない古稀越えレジェンド上司の相手をする代わりに残業代のデータを細工し、毎月食費だけを、上乗せして怒りを収める女性。
    上司ほどではなくても、パソコンをうまく使いこなせるわけではない私は、とっくに時代遅れ。
    なので他の作品は十分に理解できず流し読みも。

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    2024年12月01日
  • 我が手の太陽

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    芥川賞候補作のお仕事小説です。
    専門用語が多く、イメージしにくい箇所もありましたが、老いていく溶接工の心の葛藤が描かれています。
    溶接工としてのプライドを守るため、安全が疎かになったり、責任転嫁をしたりと自分を傷つけていく様が辛いです。
    老いに素直になれず、自分を見誤る姿に共感しつつ情けなくなってしまいました。

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    2024年11月24日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    CL 2024.11.13-2024.11.14
    若手作家によるアンソロジー。
    嘘があふれた世界=SNSにあふれるネット社会、ということなのかな。
    SNSを肯定的には捉えていない作品が多かった中で「あなたに見合う神さまを」が爽やかでよかった。

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    2024年11月14日