石田夏穂のレビュー一覧
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石田夏穂さんのお仕事小説に間違いなし
いわゆるホワイトカラーだった主人公が体のいいリストラにあい、同業界のブルーカラーとして働く。
ホワイトカラーの無自覚な見下しが色んなところで感じるけど、机の上の仕事の先は現場にあると文字どおり地に足をつけて日に日に実感していくのがいい。
石田夏穂さんの『この手の太陽』にも繋がる安全と工期とそこに関わる人達の立場とか思惑に、業種を超えて共感したりムカついたり。
『この手の太陽』では安全含めてプロだと思う、という感想を持ったけど今回の主人公は現場の人間としてはまだプロになれていなくて、ホワイトカラー元管理職の中年男性が振り回され意識変容しないといけない自分にグルグルするのが切なくもリアルで良かった
ラスト、あなたも人間でしたか!とキーマンの彼を好きになった
石田夏穂さんは本当に現場にいて、職人さんや現場責任者たちと関わっていたんだろうなぁ
事務だって営業だって同じだけど、工事とか医療ってそれが人の死に直結するところが「個人の問題」と言いきれないところで、それぞれの価値観とぶつかる職業倫理を石田夏穂さんは現場への敬意をもって描き続けてると思う -
Posted by ブクログ
いまや「お仕事系小説」といえば、石田夏穂さんの名前が真っ先に挙がるのではなかろうか。そう感じさせるほど、その作風はすでに定着しつつある。本作もまた、石田夏穂さんの最新作らしく、期待を裏切らない面白さだった。
エリート社員だった主人公の転職先は建設現場。そこで出会う先輩の安全衛生管理者、いわゆる「緑十字(あの安全の旗)のエース」の暴走ぶりが、今作でもなかなかに強烈だ。少し変わったタイトルだとは思っていたが、読み進めるほどに「これ以外のタイトルはありえない」と納得させられる。
先輩の暴走だけでなく、家族を持ちながら転職に失敗していく主人公の悲哀、さらに作中で起こるある事件の犯人探しなど、物語は一方向にとどまらない。複数の要素が絡み合い、さまざまな角度から楽しめる作品だと感じた。 ★4.1
実は年内に読み終えていたのだが、『子供部屋同盟』の感想にて、年末の挨拶を書いてしまったため、本作の感想は年をまたいでの投稿となった。奇しくも2025年の最初に読んだのも、石田夏穂さんの作品『ミスター・チームリーダー』。年明けの風物詩になりつつあるのかもしれない。
新年明けましておめでとうございます。 -
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就活を描く小説は数あれど、“会社にもっとも損害を与えることのできる採用“を行おうとする人事担当目線の小説はさすがに初めて読んだ。
淡々と進む展開が気持ちよく、皮肉が効いていて面白い!石田夏穂さん初読みですが、他の作品もかなり気になります。
新卒でも中途でも就職活動をしている身としてはズブズブに落ち込んでいたあの頃の私にあげたい本。
流石にここまでの(ある意味)美学をもって採用活動している人はそう居ないと思うけれど、採用側も意外とこんなもんだよ、というかそもそも人が人を選び採るってめちゃくちゃ傲慢じゃん、採用基準って結局好みじゃん、みたいな、うっすら感じていたことが言語化されていて少しスッキリ。
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ネタバレ最高。面白すぎる。リース会社に勤める主人公・後藤は係長に出世する。彼はボディビルダーの選手でもあり、過酷な減量に取り組んでいる、という話。自分が体型にストイックであるために、肥満体型の同僚や部下がどうしても目につくし気に入らない……という話。減量しているからエネルギーが足りないのに、マッチョだから職場の引越しを手伝わされるのを見て、今の世の中、趣味で絵が上手い人に仕事の絵を描かせたり、趣味でホームページ作ってる人に会社のホームページ作らせたりするのはハラスメントな気がしてくるのに、趣味でムキムキな人には力仕事頼んじゃうよなあと思った。あと、後藤は太っている同僚が仕事中にお菓子を食べることを軽蔑しているけど、後藤も減量のために食事をこまめにとっていて、息抜きのための間食と、崇高なボディビルのためのこまめな食事、どちらも仕事中にほかごとをやっているという意味では同じで、なぜ前者のみ咎められるのかと問われたら確かにぐぬぬとなるなあと思った。
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Posted by ブクログ
ボディビルをしている中間管理職後藤の理想を追求してやまない奮闘記
チームが締まれば己の肉体も仕上がる!?話
後藤は体脂肪率十パーセントのボディビルの選手
大会に向けて減量トレーニングに励むが肥満体型揃いの職場仲間から邪魔される
この飽食の職場は締まらなければならないと考え部内の人材の無駄に切り込み始めると、自身の体にも変化が見え始める
組織の代謝を上げると自身の減量もなぜか進む!?
ボディビルの選手が顔だけゲッソリしてることに今まで気がつかなった。
増量期と減量期があることも知らず身体のムキムキさだけみてた。
身体と組織をシンクロさせるとか発想が?はてなだったけど読んでみると
分かりやすく切り口が面白い。
後藤を見てみたい。
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Posted by ブクログ
ー 後藤はデブが嫌いだった。自分の身体に対するリスペクトに欠けているから。自分の体型なんて、自分の意思で、どうにもでなることなのに。(P13)
ボディ・ビルダーである後藤係長。
脂肪は後藤係長にとって無駄なものの象徴。
筋肉と違って自分の意志で動かすことができない。脂肪は勝手気ままに振る舞ってただ身体にぶら下がっているだけ。
そして、使えない部下は脂肪のごとく無駄な存在。
あたかも脂肪を除去するように係から追い出し、引き締まった筋肉質の組織を作ろうとする。
後藤係長の奮闘の結果やいかに
苦笑いが止まらない小説。
不快に思う方もいるかもだけど、石田さんのこういうシニカルさ、僕は大好き。
早く芥川賞獲ってほしい