【感想・ネタバレ】緑十字のエースのレビュー

あらすじ

大手デベロッパーのエリート社員だった浜地は、とある事情から閑職に追いやられて自己都合退職し、どうにか中堅ゼネコンの契約社員となる。だが、そこで任されたのは、ショッピングモール建設工事現場の安全衛生管理責任者。……俺、未経験なのに!? 浜地の教育担当となった松本は、度を超えた厳しさで安全指導をする男。……バカ真面目すぎる。だが、浜地はやがて知ることになる。松本の行動に隠された本当の目的を――。ユーモア+苦み+スリルを混合してミキシング! 唯一無二の読後感が待ち受ける工事現場ノベル、堂々完工!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

旧財閥系の大手デベロッパーで積算部長をしていた浜地が、ある出来事をきっかけに会社を辞めた。50歳を目前にした彼がようやく入社したのは台島建設。積算業務のはずがいきなり現場に飛ばされ、経験したことのない安全衛生管理責任者をすることになる。家族には転職したことを言えず、現場では年下の教育担当者に違和感を覚え……。
工事現場のあれこれは想像することしかできないが、映画やドラマで観たような光景が広がる。お手軽だけど、お仕事小説としても、サラリーマン小説としても、家族小説としても読める。おもしろかった。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

工事現場で作業員の安全を守る「安全屋」だが、こんなに忌み嫌われる存在だったとは知らなかった。(あくまで本書の話。しかも、融通が利かなすぎる安全屋であることが嫌われるポイント高し。)
皆のために嫌われ役を買って出てる訳でしょ?辛い役どころだと思う。
工事は早く終わらせなければならないが、安全対策は万全にしないといけない。どっちもやれば良いじゃんと思うのは簡単だが、実際には天候に左右されたり、下請け会社の内部事情だったりと、そんなにうまくいかない。

こんな世界に急に放り込まれた主人公は、よく困惑せずに仕事を続けているなと感心する。
しかも嫌われている上司の悪口も言わずに...。さすが、元大企業でバリバリ働いていただけのことはある。
終盤では、誰でもできる仕事と周囲に言われても、安全管理の仕事含め工事現場で働く人全体に誇りを持つようになっていて、人は変わっていくものだなと思った。

筆者の小説が好き=働く人が好きってことなのかもしれない。筆者自身もそうなんだと思う。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

これまでの作品同様話しは面白く読みやすい量だったが、いかんせんテーマの内容についての知識が自身になく理解がすんなり出来ないこともありました。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

なんだかスカッとしました。

お仕事小説といっても、なかなか普通の人はわからない世界をこんな視点で描くってやっぱり著者ならではで最高!

蓋を開ければ出てくる人みんな、結局は根はいい人なんだよね。いろんなしがらみの中で生きているんです、頑張っているんだと。

これから、工事現場を通り過ぎる目が変わります。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

以前働いてた会社で仲良くなって、
今も連絡をとり続けてる人が、
建設業界に転職していて。
(その人自身は現場ではなく、人事総務なのですが)

私が好きな石田夏穂さんが建設業界を描いてる…!
どんな世界なのか気になるし、石田さんが描く建設業界を見てみたい。読むしかない…!
お金ないけど単行本を購入しました。
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唯一無二の
読後感が
待ち受ける
工事現場ノベル、

堂々
完工

ユーモア+苦味+スリルをミキシング!
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大手デベロッパーでエリート社員だった浜地は、
ある事情から追われるように退職し、
中堅ゼネコンの契約社員となる。

そこで未経験の現場の安全衛生管理を担当することに。

家族には退職も転職も言えずにいて。
そんなに土埃が舞いそうな場所で、
外にいたら、日焼け含めて絶対バレるのでは、と。苦笑

浜地自身の心境の変化と、
どこまでも正論で厳しく指摘する指導係の松本。
スケジュールと関連会社と、
どうしようもない場面でも安全衛生管理を怠らない。そんな松本の行動に隠された秘密とは…

淡々と粛々とした文章のなかで、
少しの謎解きがあって、
どう考えても不自然じゃん!と突っ込みたくなって
クスッとするのに、
突然豆鉄砲喰らうような気持ち。

本当に石田さんの作品好きです。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

相変わらず突き放した感じで描かれる物語が面白い。

東大を卒業し大手デベロッパーに勤め、その時の事故の責任を取らされる形で退職した浜地。
転職もままならないなか、皮肉にも再就職先は建設現場の安全衛生管理責任者だった。
かつて元請け発注側だった浜地が、工賃を削った現実を自らの再就職で味わう応報に、中年男の悲哀がより切実になる。
最後に家族と向き合う場面の微妙な虚飾も、浜地の辛さを余韻深く締め括っていた。
石田夏穂らしいお仕事小説だった。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

工事現場を舞台としたお仕事小説。
現場の安全管理する安全衛生管理責任者が主人公。

そこそこ面白く読めたが、終わり方が中途半端でスッキリしなかった、
浜地はこのまま家族に嘘をつき続けるのか、松本・桜井の今後はどうなるのかが描かれてなくて残念。
もっと胸のすくような結末を期待していたので、残念だった。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いろいろな業者が関わる工事現場では、工期や予算、品質、安全など、それぞれが大切にするポイントが違うもの。読み進めながら、やっぱり安全が第一だよなーとあらためて感じた。「泥引き」という言葉を知れたのも興味深かった。大規模工事とは違うけれど、住宅建築の現場を見るたび、現場がきれいだと作業する人の環境もきっと守られているんだろうなと思う。

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2025年12月07日

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