あらすじ
大手デベロッパーのエリート社員だった浜地は、とある事情から閑職に追いやられて自己都合退職し、どうにか中堅ゼネコンの契約社員となる。だが、そこで任されたのは、ショッピングモール建設工事現場の安全衛生管理責任者。……俺、未経験なのに!? 浜地の教育担当となった松本は、度を超えた厳しさで安全指導をする男。……バカ真面目すぎる。だが、浜地はやがて知ることになる。松本の行動に隠された本当の目的を――。ユーモア+苦み+スリルを混合してミキシング! 唯一無二の読後感が待ち受ける工事現場ノベル、堂々完工!
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Posted by ブクログ
大手デベロッパーで効率や予算を優先する立場にいた浜地が、取り返しのつかない事故を招き閑職に追いやられる。転職を余儀なくされた浜地は、新しい職場で安全管理業務を担当し、皮肉にもかつて自分が軽視していた現場の安全を守る立場となる。
自らのプライドにより転職したことさえ家族に隠していた浜地が、現場を無事に終わらせることに目を向け、仕事や労働に対する責任を全うすることにプライドをもちはじめる。
仕事に誇りをもつとはどういうことか、それを地位や給与だけで見出していないかなど、いろいろ考えさせられた。
Posted by ブクログ
大手ゼネコンの部長から家族に隠して格下業者の外勤となった主人公。
先日「ノーメイク鑑定士」がクソ笑える面白さだったのですが、これは同じ職場を舞台としたお話でも毛色が全く違うオーソドックスな小説でした。「ケチる貴方」の方向か。
ちょっとお話が、全体の中で短めだったように感じました。前職を去るきっかけとなった話と、”安全”をやる現在との兼ね合いのこと、自分の境遇と次男のこととの相似、工期と安全の間の正解のない問題など、掘り下げて劇的に書こうと思えば面白くなる要素はいくつかありつつ、あえてさらっと流しているような、良く言えば上品で、でもちょっとあっさりというか、読者側に預けすぎのようにも感じました。
腹をくくっておきながらとっさに寝返ってしまうというラストはとても人間ぽくてよかったです。