石田夏穂のレビュー一覧
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ネタバレ初めて挑戦した筋トレ小説。素人でもなかなか楽しく読める、そして共感もする内容だった。
作中では、主人公であるU野がボディ・ビル大会に出場するまで、体や自信の変化をU野は感じつつも、「女性らしさ」に関する疑問を変わらず抱えていた。
一方、読者である私も、女性向けのボディ・ビルの世界で、ここまで女性らしさを求められている現実に驚いたものである。単に「筋肉をつけたい、強くなりたい」という動機で筋トレを始め、ボディ・ビル大会に挑んだ結果、自分の筋肉を美しく見せるために「女性らしい」美しいものを身につける、「女性らしい」所作を行う。こういった必要とされる行動を鑑みると、「男とはこうあるべき、女とはこうあ -
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『わたしを庇わないで』というタイトルから、誰かを守る/守られる物語だと思っていた。でも読み終えて感じるのは、むしろ「庇う」という行為そのものへの静かな疑いを描いた一冊だったということ。
収録された3作品はシチュエーションこそ異なるものの、人との距離感や、自分と他者の境界線という共通したテーマが流れている。印象的なのは、登場人物たちが決して悪意で動いているわけではないところ。相手のためを思った行動の中に、優越感や自己満足といった別の感情が混ざり込む。その善意の「ズレ」を、石田夏穂さんは過度に批判することなく、淡々と描き出す。
読んでいる間は登場人物たちの少し歪んだ思考に戸惑う。でも次第に「これ、 -
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かつて建設工事会社の下請会社で働いていた。安全靴と安全帯とヘルメット、軍手を穿いて、早朝暗い小屋の焚火に集まり挨拶をして、今日の仕事の道具を軽トラに積み込むのが毎日の日課だった。
大手デベロッパーの工事現場などに入ったことはない。二階建てのプレハブ事務所なんて贅沢だろう。でも、緑十字の「アンゼン」職責の人が2人以上も居るということが新鮮であった。勿論、私がいたところには、そんな職責はいない。社長か副社長が担っていたのだろう。もっとも、私は仕事に就いたあと、この会社には10以上の労基法違反がある、と数えた時点で「辞めさせてもらいます」と申し入れたのではあるが。
小説なので、安全チームの仕事の -
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石田さん、最近立て続けに本を出してくれて嬉しい。
しかも今回はいつもよりちょっと厚めの本だし。表題作含む3編のお話どれもが面白い。
なんでこんなに人の微妙な心理を描くのが上手いんだろう。
自分の容姿が嫌いすぎて、写真をたくさん撮るであろう場所:ディズニーランドに行きたくない女子とか、会社の奴らを全員「サンゾウ(会社にちなんだ呼称)」と呼んでいる女性とか、現実にもいそうな人物が主人公。彼女たちの気持ちにちょっと共感しつつ、オチはどうなるのだろうと期待感を高めながら読み、どちらの短編も満足。
表題作が1番好みだった。「デブって言う単語を使わないでください」って言うこと自体が「you are d -
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ネタバレ全く知らない世界のことを知ることができるのが小説の醍醐味の一つだなと、
あそこの社屋の立て直しや、こっちの新しいマンションも、こんなふうにいろんな人がいろんな思いを抱えながら作ってくれているのかなと思いながら読んだ。
かつて有名企業で積算を経費削減をガツガツしていた主人公、後期を遅らせればその分仕事が続いて収入が続くと作業の邪魔をする松本。
チームとはいっても結局は自分から見える世界はとても狭くて、良かれと思ってしたことが、あらぬところで事故を招く。大きな工事だとより大変なんでしょうね。
現場のことは何も知らないけど、みんなで仲良く仕事してくれたならと思し、誰でもできる仕事だとはとても思え -
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「世紀の善人」「小人二十面相」「わたしを庇わないで」3篇の中編。
パワハラやルッキズムに対するコンプライアンスやポリコレの欺瞞に対して痛烈な皮肉と毒をもって切り込んでいく作品。
石田さんの作品はほとんど読んでいるが、毎回そのテーマには胸躍らせる。
今回秀逸だったのはやはり表題作で、ルッキズムに対する通りいっぺんの“コレクトネス”に対して痛烈なカウンターパンチを喰らわせる。
「この世に無害な褒め言葉はない」はそのとおりだし、「“庇う”という行為は、その庇われる人の劣勢を一方的に確定してしまうことだ」というのも深く頷ける。
表面的な正義じゃなく、一歩踏み込んで自分の頭でいろんなことを考えなき -
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石田夏穂さんの書く話は何か淡々としているのにじわじわと面白い。
ゼネコンエリートで数字を扱う部署から転職して工事現場の「安全」と言われる部署で働くおじさんの話。転職のことを家族に話せないまま、朝の5時台に家をでて出勤する。
小さな現場事務所内での人間関係が濃密に描かれている。取材力がすごいのか、リアルにこういう現場で働いていたのかなと思わせられるくらいに細かい描写。知らない世界を見せてくれる作者の本が好きだ。
何となく主人公の顔を、俳優の小手伸也さんを想像しながら読んでいた。顔はず〜っと頭にあるのだが、名前が分からず、色々検索してようやく小手伸也さんの名前がわかった。すっきり。