石田夏穂のレビュー一覧
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ネタバレ初めて挑戦した筋トレ小説。素人でもなかなか楽しく読める、そして共感もする内容だった。
作中では、主人公であるU野がボディ・ビル大会に出場するまで、体や自信の変化をU野は感じつつも、「女性らしさ」に関する疑問を変わらず抱えていた。
一方、読者である私も、女性向けのボディ・ビルの世界で、ここまで女性らしさを求められている現実に驚いたものである。単に「筋肉をつけたい、強くなりたい」という動機で筋トレを始め、ボディ・ビル大会に挑んだ結果、自分の筋肉を美しく見せるために「女性らしい」美しいものを身につける、「女性らしい」所作を行う。こういった必要とされる行動を鑑みると、「男とはこうあるべき、女とはこうあるべき」という思想が筋トレ世界でも一部残っていることに気付かされる。
ただ筋トレ小説として興味深いだけでなく、現代社会への風刺としても考えさせられる内容であった。 -
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表題作はじめ著者得意のお仕事小説4短編集です。サクッと読めますし、サラリーマンだと共感できる内容が多く、おすすめですね
考えてみれば、人に「化粧をしていますか?」と訊くのは「大便したあと尻を拭きますか?」と訊くのに似ている。
「御社にスッピン社員がいる」という取引先の一言から、
塗装会社の営業部員・中村に、「スッピン女子捜し」の密命が下る。
あの手この手で同僚たちの化粧事情を探る中村。
しかし、彼女には秘密があった。
実は中村自身が、人生で一度も化粧をしたことがないスッピン女子なのだった――(ノーメイク鑑定士)。
働くみんなの日常は、事件で溢れている。
気鋭の著者が綴る、新時代のお仕事小説全四篇! -
Posted by ブクログ
コントを4作読ませていただきました(*≧∀≦*)
石田夏穂さんの作品はいつもププッと笑わせてもらえるけれど、今作はもう思いっきり笑わせにきています。
「残業している悪い子はいないかー」と脅しに来るナマハゲとか、ノーメイクで出勤して来るのは誰かを探す探偵(?)とか、もう大笑いさせてもらいました。
これはぜひともドタバタコメディのお芝居にして舞台で演じてもらいたいですꉂꉂ(ˊᗜˋ*)あるいは、主人公はあくまでも真顔で演じきるドラマか映画でもいいかも(*´艸`)
どれもお仕事小説で、職場って急に決まったルールとか人間関係に踊らされてばかりだなーとつくづく感じました。
時々読みたくなる石田夏穂さん、今回も堪能しました(*ˊ˘ˋ*) -
Posted by ブクログ
姉文庫。
せっせと筋トレに勤しんでいた主人公が、 あるきっかけからボディビルの大会を目指し、専門のジムに通うことになる。
トレーニングをして、 大会を目指して、 身体のことにも、自分自身のことにも、 いろんな気づきが生まれていく。
でもこれは経験を通して人が変わっていく話というより
変わらないことを決める話
だったように思う。
最後はもったいないなという気持ちもあった。
でも、それ以上に清々しかった。
筋トレしてるひとも、してない人も、自身の生活のなんらかに当てはめて読むと思う。
ナオコーラさんの解説にあったとおり。
苦しかったな、良かったな -
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ネタバレ表題作のタイトルが気になって読み始めたが、『世紀の善人』から面白すぎた。大人しい安井の心の声、どんどん変化するサンゾウの呼び名。秀逸。バウムクーヘンを見るたびに思い出しそう。
今時こんな男尊女卑の会社なんてあり得ないだろうと思いつつ、サンゾウは保護団体がケアしなければ死ぬ設定で頑張る安井を応援。
やる事リストの付箋を剥がすとか可愛いものから、センゾウの背での跳躍、良くこんな世界思いつくな〜。
『わたしを庇わないで』も期待通り。
ミス・グランデの発言に対する「今も太ってるだろ」の心の声。切り返しがとてもシャープ。間接「デブ」の金字塔立てやがってには笑った。けれど、ナナミ先輩に激白した後でアヤノは何故泣いたの?と気になっている。
やるしかない状況で精一杯頑張っただけなのにねと言いたい。
「何かを褒めることは不可避的に何かを貶すことである」と普段うっすら感じている事をはっきり突きつけられてハッとした。 -
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自分が採用担当社員なのでとても面白く読みました。
そもそも人が人を選ぶってすごくおこがましいし、無理難題。人は未知数なので。「ひとは自分に似た人が好き」ってほんとだよなーと思います。採用活動というブラックボックスの中で「縁」という言葉は真実を表している思います。良くも悪くも「縁」。本人のポテンシャルは未知数。
これから採用活動に臨む人たちには、受けた会社から落とされても落ち込む必要は全くないよ、と言いたい。お見合いと一緒。
会社に復讐しようとする主人公がいいですね。石田夏穂作品は、ユーモアが効いてて大好きです。朝井リョウさんの解説もいい。 -
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タイトルとテーマ設定が面白そうという理由で購入し、しばらく積読でしたが、思い立って読んでみたところ、それぞれの登場人物の歪みみたいなものがとても好みでした。
本作は3編からなる短編集で、コンプレックスや、ルッキズム、会社の人間関係などをテーマにした作品です。女性が主人公ということもあり、それぞれが抱える問題も割と女性の悩みをテーマにしたものが多めだったかと思います。
しかし、その悩みを悲観的に捉えているのではなく、どちらかといえばユーモラスな切り口で捉えている主人公たちばかりで、そのステレオタイプにおさまらない視点が本作の魅力だったかなと思います。
個人的にはルッキズムを題材にした「わたしを庇わないで」が特に好みだったかなと思います。ルッキズムを否定する社会に変貌しつつある中で、直接的な誹謗中傷は減ったものの、間接的なものはまだまだ減らないのだなと感じる作品でした。
本作は割と思想感強めと言いますか、割と陰気のある切り口から物事をとらえる主人公多めなので、考え方に共感できる、できないは分かれそうな作品かなと思います。 -
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東大卒のエリート浜地が、訳あって転職をし、なんやかんやで、いきなり建設工事現場の安全衛生管理責任者になる。家族には内緒で、駅のトイレでスーツから作業着に着替える毎日……。
未経験の浜地の教育担当になった松本はバカがつくほどの真面目な仕事ぶりで、少しでもルールから外れたことをしている現場スタッフには厳しく指導をし、その度に仕事はストップ、仕事はどんどん遅れていくばかり……。
でも、安全衛生管理責任者とは、安全に事故なく現場が動くように指導するのが仕事なので、松本は何一つ間違っていないのです。でも、いちいちうるさいことを言われるのは腹が立ちますよね。どうしてもイザコザが起きてきます。人間関係がややこしいことになってきます。
でも!松本は正しいのです!
そんな松本に影響されて変わってゆく浜地……というお話では全くありませんでした!
さすが石田夏穂さん、そんな心温まる物語なんかでは終わらせません。
とにかく思ったのは、お仕事というのは、その立場ごとで正義が違ってくるし、うまく進めようと思ったら人間関係をよくしておくことは大事だし、でも、間違っていこることは間違っているわけだし、大変だということです。
そしてもう一つ、正義なんかとは別に、お金を稼ぐことはとっても大事なことで、それぞれ皆、仕事にしがみつくということです。
お仕事って大変ですよね。皆さん、明日からもお仕事頑張りましょう*(ˊᗜˋ*)و -
Posted by ブクログ
おもしろぉ。
淡々としたこの感じ、『黄金比の縁』の著者か!
知らずに手に取ったけどやっぱりおもしろい。
かなり卑屈な女性を主人公にした作品が3作。どれもなかなか独特で。
特に『世紀の善人』は痛快だった。
職場の嫌な人、嫌な事を何とかして自分の中で消化してやり過ごす。それを必死でやるんじゃなくて一歩引いてるのがまたおもしろい。
ラストのドタバタも笑えた。
表題作の『わたしを庇わないで』もよかった。
「デブ」ってさ、言わなくなったよね。
言葉の暴力、優しい言葉に変えても心の中で蔑んでいるなら同じだよねって事。
でも初めて「デブ」って言われて頭が真っ白になったり、なぜだか水回りの掃除を始めちゃったりするってことはやっぱり言われたらショックなんだよ。
容姿の自虐ネタはやっぱり笑えないなぁ。