石田夏穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
石田夏穂さんの作品は初めましてです。
身体を構成する筋肉と脂肪を、職場の組織とシンクロさせているところが斬新でした。
主人公の後藤は会社で係長を務めており、ボディビルの選手でもある。ボディビルの大会に出場するために無駄な脂肪を落とし、筋肉をつけることに執着するために、その考えが職場にも反映されていく。
無駄な脂肪=役に立たない人材を排除していくことで、仕事がスムーズに進むように思えますが、本当に脂肪(ここで言う役に立たない人材を含めて)はいらないものなのか?という問いが突きつけられます。
組織の筋肉(仕事ができる人材)だけが残ると、その人材に負荷がかかり過ぎてしまう。
何事もバランスなんだろう -
Posted by ブクログ
「冷ややかな悪魔」が気になってたけど、こちらは115頁、473円とお求めやすく、ナツイチよまにゃクリアしおりがほしくて購入
不当に人事部に異動させられた主人公が会社の不利益になるような人材の採用を試みて復讐しようとする話
優秀な人「財」を逃がし、代わりに駄目な人間を採ろう
会社に対し、一介の従業員が与える最大の損害は何だろう、自己都合退職であると
顔と退職率には一定の相関があるのではと考えだす
退職者には整った顔が多い ずるずると会社に残るのは冴えないやつばかり
「とっとと辞める秀才」を一人でも多く採用すること そちらの方が長い目で見て会社の体力を奪うと推測
そして顔の寸法だけを -
Posted by ブクログ
自分の決めたルールと制限にのめり込んでいく話だいっすき!わたしがかなりそうなので、安心と興奮で脳みそ熱くなる。
上に、ジェンダーの葛藤まで描かれていて、もう本当にド真ん中ぶっさされた。
勝手に押し付けられる「女性らしさ」がなんか嫌で、それから逃げたくて飛び込んだ先にも、結局また似たような枠があってしんどくなって
でも一方で「女だから得すること」や「女だから通じるだろう」って思ってたりもして、女性像への反発と依存でぐるぐるしてる自分を改めて思い知らされたというか
“女”を使って立ち回る方が楽だから自分からやる時もあるくせに、それを他人から求められるとムカつくっていう、あのねじれについて考えさせ -
Posted by ブクログ
ネタバレブランチで紹介されているのを見て面白そうだったので手に取りました。
主人公の彼は係長に昇進したばかりの新米管理職。
趣味で頑張っているボディビルの大会に向けて、2か月で7キロの減量中。筋トレはもちろん、口に入れるものもグラム数を計ってきっちり管理しながら1日6食。涙ぐましい努力を重ねています。
そんな彼のチームは、お菓子ばかり食べているぽっちゃり系使えない人ばかり。デブの彼らにイライラし、次第に彼らを脂肪とみなし排除作戦に出ます。。
自分の体脂肪を減らす過程と、チームの働かないメンバーを脂肪とみなして排除していくことをシンクロさせて描いているのが面白く、自分の意志で動かせる筋肉を賛美し、動 -
Posted by ブクログ
面白いです!最初から最後まで常に口元が緩んでしまう作品です面白いです✨
会社では係長、プライベートではボディビルの選手でもある後藤さんは無駄が嫌い。
社内でも私生活でも効率を求める男です。
そんな彼の迫りくる大会までの日数と係長としての葛藤が面白可笑しく描かれています!
特に後藤さんがストレスを受けると【ブヨヨ】とお肉が揺れる瞬間があります。
この時読者の私にも“あれ?今私のお腹も揺れなかった?!”と感じさせられました(≖ㅂ≖)
物語が体感を持って楽しめる1冊です✨
石田夏穂さんの作品は初めて読みましたが、これをきっかけに他の作品を読んでみようと思います! -
Posted by ブクログ
主人公の後藤は、ボディビルの大会に出るために、あと二ヶ月弱で七キロ落とさなければならない。
会社では係長に任命され部下を持つ立場になったばかり。
今までは人に頼るより自分でやってしまった方が早いと、何でも一人で仕事をこなしてきたが、これからは部下を育て、動かす立場に。
後藤の脳内は、ボディビルのためのボディメイクと係長の立場がシンクロしてくる。
仕事のできない部下(不必要な脂肪)は削ぎ落とす!
自分にとっての理想の職場環境は、仕上がったボディと同じ。
でも、いらない脂肪にばかり目を向けていた後藤は大事な筋肉を育てることがおろそかになり……
ボディメイクのためのストイックな生活、自分に厳しいがた