石田夏穂のレビュー一覧

  • 黄金比の縁

    Posted by ブクログ

    ちょっと復讐劇にクスッと笑ってしまうところがありました。
    こんな仕返しの仕方あるかぁと思って新しいお仕事小説でした。
    小説のお値段としても安い方なので内容にも価格にも満足です!

    0
    2025年08月03日
  • 我が友、スミス

    Posted by ブクログ

    筋トレに熱中する女性会社員が、パーソナル・ジムを開業する女性にスカウトされて、ボディ・ビル大会出場を目指すというお話。全篇にわたって筋トレの専門用語が満載で、トレーニング方法も微に入り細を穿った解説がされている。ちなみに、タイトルの“スミス”とはトレーニング機器“スミス・マシン”のことで、主人公がもっとも愛用しているものだ。
    大会に向けて肉体改造に励みながら、女性ボディ・ビルダーに課せられた筋肉以外の審査基準に疑問を持つ主人公。さて、大会の結果はいかに?
    第45回すばる文学賞佳作&第166回芥川賞候補作。

    0
    2025年07月26日
  • ケチる貴方

    Posted by ブクログ

    極度に冷え性の女性が主人公。そして、彼女は生活でも精神的にもケチ、吝嗇家ともいう。
    そんな彼女が新人教育を受け持ち与えていく事で体温を得ることを知り、出し惜しみしなくなると優しくなり、周りとの関係が変わっていく。そして、女性として雑に扱われても行く。
    心の無駄遣いと体温の関係に悩む主人公だが、これって生きて行く常識的なことなのか?女性故なのか?割り切る必要のないものなのかもと思えるところで物語は終わる。
    面白い

    0
    2025年07月25日
  • 我が友、スミス

    Posted by ブクログ

    スミスって筋トレのマシーンの名前だった
    ボディビルダーの主人公が大会を目指して筋肉を鍛える。それだけの話なんだけど、自分との向き合い、女性らしさへの反発を抱えてもがく。苦しむと書くと作者に失礼な気がする。何気ないひと言が女性という性を傷つけんだなと、これは感想。
    面白い

    0
    2025年07月24日
  • ミスター・チームリーダー

    Posted by ブクログ

    石田夏穂さんの作品は初めましてです。
    身体を構成する筋肉と脂肪を、職場の組織とシンクロさせているところが斬新でした。
    主人公の後藤は会社で係長を務めており、ボディビルの選手でもある。ボディビルの大会に出場するために無駄な脂肪を落とし、筋肉をつけることに執着するために、その考えが職場にも反映されていく。
    無駄な脂肪=役に立たない人材を排除していくことで、仕事がスムーズに進むように思えますが、本当に脂肪(ここで言う役に立たない人材を含めて)はいらないものなのか?という問いが突きつけられます。
    組織の筋肉(仕事ができる人材)だけが残ると、その人材に負荷がかかり過ぎてしまう。
    何事もバランスなんだろう

    0
    2025年07月23日
  • 黄金比の縁

    Posted by ブクログ

    「冷ややかな悪魔」が気になってたけど、こちらは115頁、473円とお求めやすく、ナツイチよまにゃクリアしおりがほしくて購入

    不当に人事部に異動させられた主人公が会社の不利益になるような人材の採用を試みて復讐しようとする話

    優秀な人「財」を逃がし、代わりに駄目な人間を採ろう

    会社に対し、一介の従業員が与える最大の損害は何だろう、自己都合退職であると

    顔と退職率には一定の相関があるのではと考えだす

    退職者には整った顔が多い ずるずると会社に残るのは冴えないやつばかり

    「とっとと辞める秀才」を一人でも多く採用すること そちらの方が長い目で見て会社の体力を奪うと推測

    そして顔の寸法だけを

    0
    2025年07月22日
  • 我が友、スミス

    Posted by ブクログ

    自分の決めたルールと制限にのめり込んでいく話だいっすき!わたしがかなりそうなので、安心と興奮で脳みそ熱くなる。
    上に、ジェンダーの葛藤まで描かれていて、もう本当にド真ん中ぶっさされた。

    勝手に押し付けられる「女性らしさ」がなんか嫌で、それから逃げたくて飛び込んだ先にも、結局また似たような枠があってしんどくなって
    でも一方で「女だから得すること」や「女だから通じるだろう」って思ってたりもして、女性像への反発と依存でぐるぐるしてる自分を改めて思い知らされたというか
    “女”を使って立ち回る方が楽だから自分からやる時もあるくせに、それを他人から求められるとムカつくっていう、あのねじれについて考えさせ

    0
    2025年07月21日
  • 黄金比の縁

    Posted by ブクログ

    面白かった。石田さんの社会を少しひねくれた目線で見る文章がすごく好き。
    就活の採用する側の話は読んだ事なかったし、採用を決める基準が黄金比なのはとても驚いた。なんて斬新な設定だろう。
    でも読んでみて、黄金比で採用するのは結構いいんじゃない?と思えてくるからまたそこも面白い。
    今は「石の上にも3年」なんて考えは古いし、嫌だったり、合わなかったり、ステップアップの為だったりとすぐに会社を辞める人が多いと思う。
    だけど勤続年数にとんでもない価値が置かれているのも現実。
    勤続年数を金で買いたいなんて、今の時代ならではの文章だなぁと思った。

    0
    2025年07月14日
  • 黄金比の縁

    Posted by ブクログ

    エンジニアリング会社の人事部新卒採用の女性が主人公。元々は設計を担当するエリート社員だっだか、内部告発した事にされてしまい、人事部へ。
    採用では顔の黄金比率のみを尺度に合否を決める。
    それが会社への復讐となっている。整った顔の方が転職しやすいと云う理由。
    会社は主人公の思い通りに凋落していく。
    コネ入社の学生に対する最後の判断が秀逸。
    自分の価値観に従う主人公が痛快。面白い
    浅井リョウさんの解説も絶品

    0
    2025年07月14日
  • ミスター・チームリーダー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ブランチで紹介されているのを見て面白そうだったので手に取りました。

    主人公の彼は係長に昇進したばかりの新米管理職。
    趣味で頑張っているボディビルの大会に向けて、2か月で7キロの減量中。筋トレはもちろん、口に入れるものもグラム数を計ってきっちり管理しながら1日6食。涙ぐましい努力を重ねています。
    そんな彼のチームは、お菓子ばかり食べているぽっちゃり系使えない人ばかり。デブの彼らにイライラし、次第に彼らを脂肪とみなし排除作戦に出ます。。

    自分の体脂肪を減らす過程と、チームの働かないメンバーを脂肪とみなして排除していくことをシンクロさせて描いているのが面白く、自分の意志で動かせる筋肉を賛美し、動

    0
    2025年07月13日
  • 黄金比の縁

    Posted by ブクログ

    この作品読みながら、遥か昔、新卒で入社した会社は、私のどこがよくて採用したのかなぁ、なんて考えてしまった。

    人事課で新人研修した際に、棚をごそごそしていたら、なぜだか自分の採用時の書類が出てきて、思わずみてしまったことはあるけど。「採用範囲内」と書いてあった。
    3年でやめましたが。

    0
    2025年07月08日
  • 黄金比の縁

    Posted by ブクログ

    お仕事小説・・というわけでもない。
    カイシャ人事部の採用業務というものは、あれだけもったいぶって行われ、採用側も被採用側も、形式主義や茶番めいた儀式だということは分かったうえで、それを当事者として鹿爪らしく演じている。本当はいったいどういう意味があるのか・・というアイロニーに悩まされだしたら、それこそ、やっちゃいられまい。

    0
    2025年07月06日
  • 黄金比の縁

    Posted by ブクログ

    会社の不利益になる人間を採用する__
    人事部小田が仕掛けた会社への復讐とは

    前向きになれるわけでもなく、仕事を頑張ろうと思えるわけでなく...異色の"お仕事小説"でした(笑)
    話の切り口が斬新で、相変わらず石田さんのユーモアが冴え渡っていて、面白かった〜!!

    0
    2025年07月04日
  • ケチる貴方

    Posted by ブクログ

    私の抱える脂肪細胞の数は、いまここに過去最小なのである。その代償であるダウンタイムとの闘いは、いまも一歩一歩ゴールに近づいているのだという、私の好む着実感に繋がる。
    (その周囲、五十八センチ/ケチる貴方)

    0
    2025年06月20日
  • ミスター・チームリーダー

    Posted by ブクログ

    面白いです!最初から最後まで常に口元が緩んでしまう作品です面白いです✨

    会社では係長、プライベートではボディビルの選手でもある後藤さんは無駄が嫌い。
    社内でも私生活でも効率を求める男です。

    そんな彼の迫りくる大会までの日数と係長としての葛藤が面白可笑しく描かれています!

    特に後藤さんがストレスを受けると【ブヨヨ】とお肉が揺れる瞬間があります。
    この時読者の私にも“あれ?今私のお腹も揺れなかった?!”と感じさせられました(≖ㅂ≖)


    物語が体感を持って楽しめる1冊です✨
    石田夏穂さんの作品は初めて読みましたが、これをきっかけに他の作品を読んでみようと思います!

    0
    2025年06月20日
  • ケチる貴方

    Posted by ブクログ

    面白かったぁ〜。同じ冷え性として共感出来るところ多くてクスクス笑えた。冷え性と脂肪吸引がテーマのお話し。自分と戦う女子の気持ちわかる。なんか元気でる本。

    0
    2025年06月01日
  • 我が友、スミス

    Posted by ブクログ

    自分自身も筋トレを趣味として、割と長く続けている身ではあるので、トレーニングをする際の表現やそこに溢れる感情の描き方が秀逸だと感じた。

    新しい世界に入ったと思っていても、表面的には違うが、結局どの世界でも本質的な理は変わらないのだと気づくところに、リアルさを感じ、共感し、物語の終わり方にも、個人的に非常に心地よさを感じる作品だった。

    0
    2025年05月29日
  • ミスター・チームリーダー

    Posted by ブクログ

    主人公の後藤は、ボディビルの大会に出るために、あと二ヶ月弱で七キロ落とさなければならない。
    会社では係長に任命され部下を持つ立場になったばかり。
    今までは人に頼るより自分でやってしまった方が早いと、何でも一人で仕事をこなしてきたが、これからは部下を育て、動かす立場に。
    後藤の脳内は、ボディビルのためのボディメイクと係長の立場がシンクロしてくる。
    仕事のできない部下(不必要な脂肪)は削ぎ落とす!
    自分にとっての理想の職場環境は、仕上がったボディと同じ。
    でも、いらない脂肪にばかり目を向けていた後藤は大事な筋肉を育てることがおろそかになり……
    ボディメイクのためのストイックな生活、自分に厳しいがた

    0
    2025年05月18日
  • ケチる貴方

    Posted by ブクログ

    脂肪吸引に興味があって手に取った笑
    面白かった〜
    新感覚というか、今までに読んだことないタイプの小説だった!
    女性差別の描写がリアルだからフェミニズム小説ぽいのだけど、どちらの女性主人公の仕事内容も技術系で、ちゃんとリアルなのが珍しい
    女性主人公が無愛想でユーモラスって、漫画ではあるけど小説ではあんま見たことないかも

    0
    2025年05月11日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    SNSにうっすら蔓延る嘘をテーマにしたアンソロ。お気に入りは、炎上したVtuberの浅倉秋成「かわうそをかぶる」と、本当にホラーが起こるアプリの新名智「霊感インテグレーション」。石田夏穂「タイムシートを吹かせ」はらしさが凄い。これ絶対将来的読み直したい。

    0
    2025年05月04日