石田夏穂のレビュー一覧

  • 我が友、スミス

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    筋トレに熱中する女性会社員が、パーソナル・ジムを開業する女性にスカウトされて、ボディ・ビル大会出場を目指すというお話。全篇にわたって筋トレの専門用語が満載で、トレーニング方法も微に入り細を穿った解説がされている。ちなみに、タイトルの“スミス”とはトレーニング機器“スミス・マシン”のことで、主人公がもっとも愛用しているものだ。
    大会に向けて肉体改造に励みながら、女性ボディ・ビルダーに課せられた筋肉以外の審査基準に疑問を持つ主人公。さて、大会の結果はいかに?
    第45回すばる文学賞佳作&第166回芥川賞候補作。

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    2025年07月26日
  • ケチる貴方

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    極度に冷え性の女性が主人公。そして、彼女は生活でも精神的にもケチ、吝嗇家ともいう。
    そんな彼女が新人教育を受け持ち与えていく事で体温を得ることを知り、出し惜しみしなくなると優しくなり、周りとの関係が変わっていく。そして、女性として雑に扱われても行く。
    心の無駄遣いと体温の関係に悩む主人公だが、これって生きて行く常識的なことなのか?女性故なのか?割り切る必要のないものなのかもと思えるところで物語は終わる。
    面白い

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    2025年07月25日
  • 我が友、スミス

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    スミスって筋トレのマシーンの名前だった
    ボディビルダーの主人公が大会を目指して筋肉を鍛える。それだけの話なんだけど、自分との向き合い、女性らしさへの反発を抱えてもがく。苦しむと書くと作者に失礼な気がする。何気ないひと言が女性という性を傷つけんだなと、これは感想。
    面白い

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    2025年07月24日
  • ミスター・チームリーダー

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    石田夏穂さんの作品は初めましてです。
    身体を構成する筋肉と脂肪を、職場の組織とシンクロさせているところが斬新でした。
    主人公の後藤は会社で係長を務めており、ボディビルの選手でもある。ボディビルの大会に出場するために無駄な脂肪を落とし、筋肉をつけることに執着するために、その考えが職場にも反映されていく。
    無駄な脂肪=役に立たない人材を排除していくことで、仕事がスムーズに進むように思えますが、本当に脂肪(ここで言う役に立たない人材を含めて)はいらないものなのか?という問いが突きつけられます。
    組織の筋肉(仕事ができる人材)だけが残ると、その人材に負荷がかかり過ぎてしまう。
    何事もバランスなんだろうなぁと感じた作品でした。

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    2025年07月23日
  • 我が友、スミス

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    自分の決めたルールと制限にのめり込んでいく話だいっすき!わたしがかなりそうなので、安心と興奮で脳みそ熱くなる。
    上に、ジェンダーの葛藤まで描かれていて、もう本当にド真ん中ぶっさされた。

    勝手に押し付けられる「女性らしさ」がなんか嫌で、それから逃げたくて飛び込んだ先にも、結局また似たような枠があってしんどくなって
    でも一方で「女だから得すること」や「女だから通じるだろう」って思ってたりもして、女性像への反発と依存でぐるぐるしてる自分を改めて思い知らされたというか
    “女”を使って立ち回る方が楽だから自分からやる時もあるくせに、それを他人から求められるとムカつくっていう、あのねじれについて考えさせられた

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    2025年07月21日
  • 黄金比の縁

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    会社の不利益になる人間を採用する__
    人事部小田が仕掛けた会社への復讐とは

    前向きになれるわけでもなく、仕事を頑張ろうと思えるわけでなく...異色の"お仕事小説"でした(笑)
    話の切り口が斬新で、相変わらず石田さんのユーモアが冴え渡っていて、面白かった〜!!

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    2025年07月04日
  • ケチる貴方

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    私の抱える脂肪細胞の数は、いまここに過去最小なのである。その代償であるダウンタイムとの闘いは、いまも一歩一歩ゴールに近づいているのだという、私の好む着実感に繋がる。
    (その周囲、五十八センチ/ケチる貴方)

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    2025年06月20日
  • ケチる貴方

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    面白かったぁ〜。同じ冷え性として共感出来るところ多くてクスクス笑えた。冷え性と脂肪吸引がテーマのお話し。自分と戦う女子の気持ちわかる。なんか元気でる本。

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    2025年06月01日
  • 我が友、スミス

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    自分自身も筋トレを趣味として、割と長く続けている身ではあるので、トレーニングをする際の表現やそこに溢れる感情の描き方が秀逸だと感じた。

    新しい世界に入ったと思っていても、表面的には違うが、結局どの世界でも本質的な理は変わらないのだと気づくところに、リアルさを感じ、共感し、物語の終わり方にも、個人的に非常に心地よさを感じる作品だった。

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    2025年05月29日
  • ケチる貴方

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    脂肪吸引に興味があって手に取った笑
    面白かった〜
    新感覚というか、今までに読んだことないタイプの小説だった!
    女性差別の描写がリアルだからフェミニズム小説ぽいのだけど、どちらの女性主人公の仕事内容も技術系で、ちゃんとリアルなのが珍しい
    女性主人公が無愛想でユーモラスって、漫画ではあるけど小説ではあんま見たことないかも

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    2025年05月11日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    SNSにうっすら蔓延る嘘をテーマにしたアンソロ。お気に入りは、炎上したVtuberの浅倉秋成「かわうそをかぶる」と、本当にホラーが起こるアプリの新名智「霊感インテグレーション」。石田夏穂「タイムシートを吹かせ」はらしさが凄い。これ絶対将来的読み直したい。

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    2025年05月04日
  • ケチる貴方

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    2作品が掲載されています。どちらも短いので気楽に読めて、作者の方の発想がとても面白い作品です。
    1作目は主人公が冷え性というのでどんな話になるのだろうと思い読み始めました。美容に偏った内容ではなく、仕事の話(しかも結構リアル)が書かれていて、読みながら主人公に共感する部分もありました。
    2作目の話は脂肪吸引に取り憑かれている女性の話でした。脂肪吸引をやったことがないのですが毎年年初に痩せることを目標に掲げている身のため、とても興味深く読みました。壮絶な思いをすることがわかり、簡単に手を出してはいけないと思いました。

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    2025年03月07日
  • ケチる貴方

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    「冷え性」「脂肪吸引」の話って何だろう?
    全く展開が想像できなくて、興味深々で購入。
    体の冷えは心の冷え...まさかそうくるとは!
    主人公の会社での省エネ&低体温ぶりは共感できるし、シュールで淡々としていながらくすっと笑えて面白かった。

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    2025年01月07日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    今時のネット社会がテーマの短編集。

    七人の若手作家達が書いているのだけど、その中に若手ではないが^^自分の推し作家である杉井さんが入っていたのでそれを目当てに読み出したのだけど他の作家さんのお話も面白かった。

    題材的にはVtuber、tiktok、マッチングアプリ、押し活などいかにもなもので、内容的にはミステリあり青春ものありサスペンス調のお話ありとバラエティがあって、なかなか面白かった。

    個人的にはtiktok絡みの青春ものが読後感が良くて好き。

    杉井さんのお話は「世界でいちばん透き通った物語」の後日談なのだけど改めて霧子さんがホームズで燈真くんがワトソンなのだなと納得した。

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    2024年09月04日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    この現代に潜むゾクゾク感がたまらない!
    SNSはやっぱり恐くて、でもこんなに温かいものだったなんて、今まで知らなかったなぁ。

    特に好きな話は、
    自分の娘がパパ活?をしている可能性があり、それを止めるべく取る父の行動に鳥肌が止まらない、結城真一郎「ヤリモク」。
    YouTubeの配信に熱を注ぐ変人な同級生を裏で支える主人公。果たして彼女たちの行く末はー。佐原ひかり「あなたに見合う神様を」。
    PCを使えない上司の指導係になり、不満を募らせる女性。その女性はその腹いせにその上司の管理下にあるタイムカードの数字をいじり、自分の残業時間をいじるというゲームを行っていた。最後の彼女の言動にに思わず胸を打たれる、石田夏穂「タイムシートを吹かせ」。

    現代は、数多の嘘が溢れている。
    その嘘に振り回されることもある。
    でもその中で救われることがあることも
    忘れたくない…
    少しずつ人を傷つける嘘や言動が減って、
    誰かを温かい思いで包むような
    SNSの世界で溢れるといいなぁ

    p.220 暴力は…(あなたに見合う神さまを)
    「人を支配するもの、人の幸福を妨げるものはおしなべて暴力よ」

    p.238 最強の人(あなたに見合う神さまを)
    「すごい。最強じゃん、この人。
    神さまの首なんて、
    いつでもすげ替え可能ってことでしょ?
    すげ替えて、自分を磨き続けるってことでしょ?
    そんなの、もう、一生、幸せじゃん。」

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    2024年08月19日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    SNSが題材なだけあって「ありそう…」と怖さとふむふむが混同した読後感。

    笑ってよいのか怖がった方がよいのか…。
    さまざまな切り口のアンソロジーならではの楽しさもありました。

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    2024年06月17日
  • 我が手の太陽

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    挫折知らずだった職人肌を襲う衰え・不調。その自らを追い詰め、追い詰められていく様が恐ろしい。溶接作業や現場仕事のディテール描写にも痺れる。

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    2024年06月01日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    画面の
    向こうに
    隠された

    秘密と嘘
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    仕事帰りの書店で見つけて購入しました。
    「世界でいちばん透きとおった物語」のスピンオフがあるということで。

    7作品中、6作品が平成生まれの作家さん。
    時代感じます。笑
    昭和生まれの私…おののきました。笑

    「かわうそをかぶる/朝倉秋成」
    人気VTuberへ楽曲を提供していた音楽クリエイターが殺された。
    犯人は、VTuberの熱心なファン。
    自分はあてがわれた役を演じてるだけなのか。

    「まぶしさと悪意/大前粟生」
    Tipshotというショート動画SNSでバズって神格化された女子高生。
    彼女とのコラボ、動画目当てで入学してくる学生たち。
    そんなときに彼女が突然動画投稿をやめた。
    教師と彼女とのやり取り。

    「霊感インテグレーション/新名智」
    呪いのアプリ。幽霊から届くというプッシュ通知。
    本当に幽霊は存在するのか。

    「ヤリモク/結城真一郎」
    アプリで知り合った女性。彼女を持ち帰る。
    妻子ある身でありながら、やめられない理由。

    「あなたに見合う神様を/佐原ひかり」
    少し変わっている、痛いと思われそうな権藤さん。
    彼女は、大好きな動画クリエイターwataruのアクスタを持ち歩き、祭壇をつくる。
    大好きなwataruを感じたくて、GONチャンネルを始める。
    好きなものにまっすぐな権藤さんと、
    家族不和で父親から暴力を受ける私。
    権藤さんを馬鹿にする教師。
    権藤さんと私は学校の外で出会い話すようになる。

    「タイムシートを吹かせ/石田夏穂」
    私は、パソコンのできないおじさんたちのフォローをしている。色々教えている、サポートをしている。
    だから少しだけタイムシートを吹かせる。

    「君がため春の野に/杉井光」
    未だに動く亡き夫のアカウント。
    その謎に隠された秘密と嘘。

    どれもこれも「今」って感じで、
    じゃあ心に何が残る?と言われると
    まーまー私も年取ったなあと思わされます。苦笑
    転職当時の余裕のないなか、
    ただただ面白いという気持ちで読んでました。

    好きだったのは、
    「まぶしさと悪意」「あなたに見合う神様を」です。
    どちらも女子高生が主人公なのですが、
    成長していく自分と周囲の環境で、
    挫けそうになりながらも進もうとする感じが。

    私が高校生のときはまだスマホではなく、
    ドコモのiモード主流とかでしたが、
    とにかく小さい機械のなかで繋がれる感覚は
    今思えば依存していたかもしれないです。
    そう考えると今の世代は、どうなんだろう。
    スマホのない人生なんて考えられないんだろうな。

    青い空に独りぼっち。
    上を見上げず、スマホを見下ろす。
    読み終わった後に装丁を見ると、
    何とも言えない気持ちになります。

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    2024年05月06日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    ⚫︎感想
    エンタメの短編集。全体を通して面白かった。
    石田夏穂さんの作品全部読みたい!という動機で読んだため、最初に読んだのは石田さんの「タイムシートを吹かせ」。石田ワールド全開、しかもちょっといい話で終わっていて良かった。レジェンドはレジェンドたる歴史を持っていた。
    「かわうそをかぶる」浅倉秋成さん。「六人の嘘つきな大学生」以来。若者を描くのが上手いんだな〜と思ったし、今作は女の子のVtuberが主人公なので器用さを感じた。本音と建前と本当の自分ってどこ?…怖くて、でも、こんな世界もあるのかなぁと思える、漫画みたいに画像が浮かんでくる作品だった。
    「まぶしさと悪意」大前粟生さん。TikTokと思われる動画が有名になる女子高生の話。若さという眩しさが光る。
    「霊感インテグレーション」新名智さん。二つのアプリを巡る今どきなお話。短い中にスリリングな要素があり、一気に読めた。
    「ヤリモク」結城真一郎さん。あー、なるほど!そういう展開。
    「あなたに見合う神さまを」佐原ひかりさん。権藤さん最高。おもしろかった。青春もの。
    「君がため春の野に」杉井光さん。ミステリー仕立てのお話。




    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    『世界でいちばん透きとおった物語』の杉井光、『六人の噓つきな大学生』の浅倉秋成、『#真相をお話しします』の結城真一郎など、最注目の作家が集結!“今を生きる私たち”をリアルに切り取る7つの物語!

    彼らのその後が読める。本書のための書きおろし! 『世界でいちばん透きとおった物語』スピンオフ「君がため春の野に」収録!

    これが当たり前になった時代で、あなたならどう生きる? 
    信者に人生を壊されたVTuber、バズって神格化された女子高生、呪いのアプリの謎に迫る調査員、娘に似た女性をマッチングアプリで探す男、学校の机に「推し」の祭壇を作る彼女、上司を騙して残業代を増すOL、未だに動く亡き夫のアカウント。それぞれの物語に隠された、生きていくための秘密と噓。ベストセラー『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフも収録した、新進気鋭の作家たちによる現代のリアルを切り取る7つの物語。

    かわうそをかぶる(浅倉秋成)
    人気音楽クリエイターが殺された。犯行動機は『VTuberを守るため』。彼と交際の噂があったVTuber雨露ゆゆは失意の中、事務所に言われて釈明配信の準備を進める。身も蓋もない噂だけで人生を壊されたゆゆは、これまでの人生が走馬灯のようにフラッシュバックしてくる。

    まぶしさと悪意(大前粟生)
    信じられないだろうが、ショート動画を撮りたくてうちに入学してくる子はいる。理由は赤羽海荷がいるから。動画がバズり、カリスマ女子高生として崇められた彼女は、ある日を境に動画を投稿しなくなった。かつて副担任だった私は彼女の様子が気になり、動画を撮らなくなった理由を探ろうとする。

    霊感インテグレーション(新名智)
    訳あり社員が集まる会社に入社した私は、「幽霊からプッシュ通知が届くらしい」といった報告が多発している通称“呪いのアプリ”の調査に乗り出す。どこにも不具合が見つからない中、ひょんなことから解決の糸口を見つけ出すのだが……。

    ヤリモク(結城真一郎)
    三十二歳。独身。そう彼女は信じているが、実際は四十二歳。妻子持ち。我ながら罰当たりな男。マッチングアプリでお持ち帰りを企んでいる男は、今回も小柄でショートカットの女性と出会い、いつものテクニックで目的を果たそうとする。

    あなたに見合う神さまを(佐原ひかり)
    権藤さんの机には、ダンス系ユーチューバーWataruさんのグッズを奉っている祭壇がある。クラスでは浮いた存在の権藤さんだが、ある日、日課の早朝ランニングをしていた私は、推しのダンスを練習している権藤さんを見つける。

    タイムシートを吹かせ(石田夏穂)
    月末。上司のアカウントにログインをして、今月の食費分だけ残業代をかさましする。それは私と会社を繫ぐためのもの。パソコン音痴でパワハラは当たり前、前時代的な上司、通称“レジェンド”の介護をしている私は、どうにかこうして会社を辞めずに生きている。

    君がため春の野に(杉井光)
    前作『世界でいちばん透きとおった物語』を書きあげた僕は、「SNSがテーマ」のアンソロジーに短編を依頼される。無事書き上げた僕は打ち上げで、亡き夫のSNSアカウントが未だに動いているという相談を受ける。そこに隠された秘密と噓とは。

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    2024年05月14日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    7人の作家のアンソロジー小説。
    VTuber、TikTok、位置情報を利用したアプリ、マッチングアプリ、YouTuber、Teams、故人のSNSアカウント・仮想通貨口座を題材にしており、令和の時代を感じる。

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    2024年04月15日