石田夏穂のレビュー一覧
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ネタバレ工事現場とは、自分の人生で一番遠い場所の一つである。
泥々していて、埃っぽくて、暑くて、危険。そんなところで働いている人たちが怖かったりもする。
事務所での小競り合い、本社の人間とのリモート会議、現場での職人とのぶつかり合いなどなど、土臭さが薫ってくるようなシーンの数々。
そんな、自分とは程遠い世界の話だからこそ、かなり新鮮で興味深く最後まで面白く読めた。これぞ、小説の醍醐味。
安全担当の松本が「安全」を振りかざして空気を読まず安全指導をする姿には、うーんと思わざるを得ない。
正しいことが最善なのか。大事だけれど流れを読んでうまくやることも社会人には重要というのは、真面目な人間にとってはかな -
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「世紀の善人」「小人二十面相」「わたしを庇わないで」の三編
「世紀の善人」
最初何のことか分からず読み進めたけど、すごいブラックユーモアで目を見張った
言葉の羅列の逸脱と、その規則正しく繰り返されるリズムが軽やか
主人公安井は三國造船で働く人を通称「サンゾウ」と括りつける
サンゾウ 非常に扱いの難しい生き物
仲間意識の強い生き物
極めてデリケートな生き物⋯
なに、その観察眼?
サンゾウ→ムセゾウ→クミゾウ→モジゾウ⋯センゾウ⋯
むせたらムセゾウになるし、組合の人はクミゾウに変換されてるし?
結果サンゾウは新たに生まれたり死んだりしながら、これからもサンゾウでありつづけるらしい
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スミスがスミスマシンのことだと知って借りたけど、芥川賞候補とのことで失敗したと思った。
今まで読んだ芥川賞とその候補はたいてい意味がわからんから避けていた。
が、これは面白かった!というかわかりすぎた。
と言うのも私も筋トレにハマったことがあって。
田代誠が復活した頃です。(て誰がわかんねん笑)
女が30過ぎで独身だと、飲み歩くでも趣味でも何でもいいんだけど何かないと退屈すぎたんだよね。
私の場合それが筋トレで、昨今のブームからもわかるように筋トレってのはハマるようになってます。(断言)
原宿のGジムがメインで、もちろんマシンでなくフリーフェイト、本文にもあった通りそっちの方がかっこいいか -
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パンチの効いた3編の短編集。
笑ってしまったけれど、意外に考えさせられる
内容で面白かった。
《世紀の善人》
三國造船に勤める女性社員、安井。
なんでもかんでも仕事を押し付けてくる、
昭和世代の男性社員を、一括りに「サンゾウ」と
みなす。最後に、完全に弾ける安井に呆然となるか、果たして拍手喝采か。
安井はあの後、どうなってしまうのだろう。
気になる。
《小人二十面相》
卒業旅行で、友人とディズニーランドに行くことになった望。写真を撮られるのが大嫌いなので行きたくない。そんな時、条件が合うと奇跡の一枚を
撮れる事に気付く。
望の気持ちは分かる、私も苦手。
ただ、奇跡の一枚、自分でそう思っていて -
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ピンクの見返し、カバーの脱力系のイラストにピンクのチェックの表紙。タイトル含め何だかおちょくられているようだが、実際そうなのかもしれない。
笑ってしまうのだけれど‥笑えないのかもしれない。笑ってはいけないのかもしれない。
*世紀の善人
三國造船、略して三造:サンゾウの積算部で働く安井。事務作業も雑用も片っ端から押し付けてくる職場の男たちを個体識別せず一括してサンゾウとみなし、感情を捨てて日々過ごしている。組合のクミゾウ(特記事項がある場合には呼び名のバリエーションがある)からチェックシートの使用を提案され、そのために始めたサンゾウの観察で、安井の能力?は研ぎ澄まされる。その行き着く先は‥
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かつて建設工事会社の下請会社で働いていた。安全靴と安全帯とヘルメット、軍手を穿いて、早朝暗い小屋の焚火に集まり挨拶をして、今日の仕事の道具を軽トラに積み込むのが毎日の日課だった。
大手デベロッパーの工事現場などに入ったことはない。二階建てのプレハブ事務所なんて贅沢だろう。でも、緑十字の「アンゼン」職責の人が2人以上も居るということが新鮮であった。勿論、私がいたところには、そんな職責はいない。社長か副社長が担っていたのだろう。もっとも、私は仕事に就いたあと、この会社には10以上の労基法違反がある、と数えた時点で「辞めさせてもらいます」と申し入れたのではあるが。
小説なので、安全チームの仕事の -
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ネタバレ全く知らない世界のことを知ることができるのが小説の醍醐味の一つだなと、
あそこの社屋の立て直しや、こっちの新しいマンションも、こんなふうにいろんな人がいろんな思いを抱えながら作ってくれているのかなと思いながら読んだ。
かつて有名企業で積算を経費削減をガツガツしていた主人公、後期を遅らせればその分仕事が続いて収入が続くと作業の邪魔をする松本。
チームとはいっても結局は自分から見える世界はとても狭くて、良かれと思ってしたことが、あらぬところで事故を招く。大きな工事だとより大変なんでしょうね。
現場のことは何も知らないけど、みんなで仲良く仕事してくれたならと思し、誰でもできる仕事だとはとても思え