石田夏穂のレビュー一覧

  • ミスター・チームリーダー

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    あまりにも[デブ]という言葉が繰り出される回数が多くて、クラクラしました。ラストは[そりゃそうだ]と[そうきたか]という2つの感想。面白いし考えさせられるし、なんとも言えない読後感でした。

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    2025年05月02日
  • ミスター・チームリーダー

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    かなり昔、太っている方は自分にも甘いと思うと言っていた友人を思い出した。

    タバコも同じく、吸っていない人からすれば意思が弱く、酒も同じ構図だと思う。

    また、チームについても、目に見えた成果を出さずとも、地味な仕事をする人も大事だし、優秀な人だけだと争い始めたりするので、などなど、ビジネス関係でなく、小説だからこそ突っ込めることが醍醐味だった。

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    2025年04月23日
  • 我が友、スミス

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    「何となく筋トレを始めてみた」から、声をかけられて本格的に大会を目指して鍛えてステージに立つ話。
    その過程で、評価される側に立つことで見えてくる周りの価値観に、主人公の葛藤を通して考えさせられた。
    ステージに出るからには賞を取りたい一心でトレーニングをして、スキンケアをして、髪のお手入れをして、脱毛もしてひたすら努力をしている姿についつい引き込まれてる。
    最後の最後に、周りの評価に疑問を持ち、そのままの自分でステージに立とうと決意をしたところがすごかったし、かっこよかった。
    筋トレを通して、自分の思うカッコよさとは何かを考えさせらる本。

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    2025年04月07日
  • 我が友、スミス

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    筋トレ小説。
    目標に向かってストイックに自分を追い込む主人公を見て、ダイエットすると言いつつ「きついから」「無理そうだから」とルールを緩める自分の甘さに気づかされた。
    やっぱ本気でやるなら、ここまでストイックにはできないかもしれないけど、翌日筋肉痛でひーひー言うくらいがんばらないといけないと思えた。(やりすぎはよくないけど)
    元気とやる気が出る小説だった!
    くじけそうになったらまた読もうと思った。
    がんばるぞ!!

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    2025年03月24日
  • ケチる貴方

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    2作品が掲載されています。どちらも短いので気楽に読めて、作者の方の発想がとても面白い作品です。
    1作目は主人公が冷え性というのでどんな話になるのだろうと思い読み始めました。美容に偏った内容ではなく、仕事の話(しかも結構リアル)が書かれていて、読みながら主人公に共感する部分もありました。
    2作目の話は脂肪吸引に取り憑かれている女性の話でした。脂肪吸引をやったことがないのですが毎年年初に痩せることを目標に掲げている身のため、とても興味深く読みました。壮絶な思いをすることがわかり、簡単に手を出してはいけないと思いました。

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    2025年03月07日
  • ミスター・チームリーダー

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    自己管理のあり方を、他人にも押し付けてしまう主人公の思考。幸せな生き方ではないと思いつつも、共感できる部分もあり、複雑な気持ちに。

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    2025年03月02日
  • ミスター・チームリーダー

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    ストーリーは面白く、文章量も少ないのであっという間に読み終わった。
    組織で働いている人なら誰もが「あるある」と思うような場面や、「いるいる」というようなキャラクターが出てきて面白いのだが、自分にも後藤のような一面や、大島やミエちゃんのような一面があるのかも…と、ブヨヨとさせられる。

    以下ハッとさせられた引用。
    「後藤はデブが嫌いだった。自分の身体に対するリスペクトに欠けているから。自分の体型なんて、自分の意志で、どうにでもなることなのに。」
    「デブは総じて理解が遅い。自分の身体もコントロールできないやつに、ものを人並みのスピードで理解できるわけがないのだ。」

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    2025年02月27日
  • ミスター・チームリーダー

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    シニカルなお仕事小説。ボディビルの大会に出る係長の後藤。太っている部下や上司の描写が半端ない…。部下を脂肪のように不要だと切り捨てると、後藤の体重も減るんだけど、最後はまさかの結末でした。

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    2025年02月18日
  • 我が友、スミス

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    筋トレを題材とした小説です。
    トレーニーの方はあるあるな描写が数多くあるのではないでしょうか。
    コンテストに向かって主人公の見た目が変わっていきます。コンテストで勝つためにピアスを開け、ヒールをはき、ポージングの練習をし、日焼けをする。ですが、なぜ笑顔でなくてはならないのか?と自問します。
    コンテストであるが故、順位がつき、勝ち負けが決まります。しかし、結局は全て他人がそれぞれの物差しで決めた順位であり、自分がなりたい身体になるのが最も本質的であり、尊いものではないだろうかと考えさせられた。

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    2025年01月11日
  • ケチる貴方

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    「冷え性」「脂肪吸引」の話って何だろう?
    全く展開が想像できなくて、興味深々で購入。
    体の冷えは心の冷え...まさかそうくるとは!
    主人公の会社での省エネ&低体温ぶりは共感できるし、シュールで淡々としていながらくすっと笑えて面白かった。

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    2025年01月07日
  • 我が友、スミス

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    「火曜は脚の日だ」。
    筋トレをしているか、もしくは知っている者であれば、きっとこの書き出しにグッと掴まれるだろう。

    自分に身近であればあるほど、小説は面白いのかもしれないと思う。無論、小説だからこそ味わえる体験というのもあるのだろうが、主人公に感情移入しやすいというのは、やはり面白さが格別なものになる。
    私の入会しているジムもスミスマシンは一台のみ。なので、主人公の気持ちが痛いほどよくわかる。「あーもう!早く使いたいのに!」、私はそう思っても決して声や表情には出さないが、普段思っていることがこうして小説として描かれると、どうにもこそばゆい感情が身体を駆け抜ける。

    異色の筋トレ小説という部分

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    2024年12月13日
  • 我が友、スミス

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    大学生のころ、全国チェーンの大手スポーツクラブでアルバイトをしたことがあります。受付希望で面接に行ったら、シフトの関係か、急な欠員で困っていたのか、真偽のほどは未だにわかりませんが、ジムスタッフとして採用されました。初めは、マシンの使い方から学び、入会したての初心者の方へ案内する日々。長く務めるにつれ、フリーゾーンで毎日のように黙々とトレーニングをするマッチョなおじさまたちと話す機会も多くなったことを懐かしく思い出します。
    本書は、そっち、フリーゾーンで黙々とトレーニングをする人が主人公です。

    主人公はU野。U野をBB大会(ボディビルの大会)の道へ進むようスカウトするのはO島。パーソナルトレ

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    2024年11月28日
  • 我が友、スミス

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    ネタバレ

    U野が真っ直ぐ自分と向き合う姿がただただカッコいい作品だった。例えのレパートリーの豊富さとなにより筋トレやボディビルの解像度が非常に高い。インストラクター方の意見もしっかり理解してる上で自分の気持ちを曝け出す、あの本番ステージは輝いていたに違いないと思う。本当に足を運んで見たかったと思えるくらい素敵だった。彼女なりの「女性らしさ」「ボディビル大会」へのアンチテーゼがひしひしと伝わってきた。S子の絡みを最後に持ってくるのも、そこに気持ちの変化を表現するのも良い。

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    2024年11月14日
  • 我が友、スミス

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    最近筋トレを始めた私にとっては親近感のあるテーマ。しかし、筋トレ、ボディビルに関心がなくても、何かしら響くものがあると思う。
    世の中には様々なステージがあるが、どのステージに立っても女性は容姿でジャッジされて「大変」なのだ。例えそれが容姿とは関係ない仕事や筋肉のステージであっても。女性が周りの視線を気にせず主体的に生きることが、どれほど難しいことか。
    ヒリつくようなストイックなトレーニングと「別の生き物」を目指す様が手に取るように伝わってきて、一気読みしてしまった。最後は意外な展開だったが、悲壮感は全くなく、ある種の清々しさで締めくくられている。そう、自分の人生のステージは「自分で演出」するん

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    2024年11月10日
  • 我が友、スミス

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    166ページを一気に読んだ。前半は笑いが止まらない、テンポの良いコントのようなスピード、コミカルな言い回し、筋トレする人の真剣さはボケか、鍛えれば謙虚になり哲学者になるって、ギャグか。ボディービルダーでポーズとっているのは可笑しくてたまらないと思っていたが、まさにそれ、しかしその真剣な取り組みを応援するような気持ちになって後半に進んでいく。大会で結果を出すための努力は惜しまない、もう周りは何も見えない、これを純文学的に高い評価を得られる文章にしたのは凄い、実に面白い、やられたわ。

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    2024年10月23日
  • 我が友、スミス

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    トレーニングをして大会にも出ている自分からすると、筋トレあるあるがちょくちょくでてきたり、共感できるシーンが多くて、めっちゃわかる〜ってなりながら一気に読めた。

    一方で、本作の軸となるボディビルと性別においての審査基準や価値観などの視点は、これまで深く考えたことがなかったので、自分にとっての新たな気づきになった。

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    2024年09月14日
  • 我が手の太陽

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    溶接工を描いた小説という事で興味をもって読んだ。読む前にネットで調べると、ハンダづけとアーク溶接の区別がされていないような解説があり、若干、技術的な正確性に不安のある話かと思ったが、全くの誤解。技術的に正確などころか、所謂、現場や職人の姿が極めてリアルに描かれている。そして、「手に職」をもって生きる「職人の手」をモチーフとしたメタファーが、このハンダから始まっているのだと小説の技巧にも舌を巻く。

    あるある話で言うと、やはり現場は安全第一と言いながら、そこを管理する人間によって、消耗品の交換タイミングがいい加減だったり、安全帯の使い方も目が行き届いていなかったりする。八重洲ビルの事故みたいな問

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    2024年09月14日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    今時のネット社会がテーマの短編集。

    七人の若手作家達が書いているのだけど、その中に若手ではないが^^自分の推し作家である杉井さんが入っていたのでそれを目当てに読み出したのだけど他の作家さんのお話も面白かった。

    題材的にはVtuber、tiktok、マッチングアプリ、押し活などいかにもなもので、内容的にはミステリあり青春ものありサスペンス調のお話ありとバラエティがあって、なかなか面白かった。

    個人的にはtiktok絡みの青春ものが読後感が良くて好き。

    杉井さんのお話は「世界でいちばん透き通った物語」の後日談なのだけど改めて霧子さんがホームズで燈真くんがワトソンなのだなと納得した。

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    2024年09月04日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    この現代に潜むゾクゾク感がたまらない!
    SNSはやっぱり恐くて、でもこんなに温かいものだったなんて、今まで知らなかったなぁ。

    特に好きな話は、
    自分の娘がパパ活?をしている可能性があり、それを止めるべく取る父の行動に鳥肌が止まらない、結城真一郎「ヤリモク」。
    YouTubeの配信に熱を注ぐ変人な同級生を裏で支える主人公。果たして彼女たちの行く末はー。佐原ひかり「あなたに見合う神様を」。
    PCを使えない上司の指導係になり、不満を募らせる女性。その女性はその腹いせにその上司の管理下にあるタイムカードの数字をいじり、自分の残業時間をいじるというゲームを行っていた。最後の彼女の言動にに思わず胸を打た

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    2024年08月19日
  • 我が友、スミス

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    ネタバレ

    我が友、スミス/石田夏穂
    ひたすらに自分を磨きたい、違う自分になりたいと筋トレに励みボディビルに出会い、女子BB大会に苦悩しながらチャレンジする主人公。
    筋肉だけでなくアクセや日焼け、笑顔なども必要だと知り苦しむ。
    決勝で主人公が魅せる決断にはバカだと思う人もいるだろうが凄くカッコよかった!
    私を見ろ!そんな声が聞こえました。

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    2024年07月18日