石田夏穂のレビュー一覧

  • ミスター・チームリーダー

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    よくあるお仕事小説かと思って読み始めたけれど、趣味のボディビルを中心に物事を考える主人公・後藤の思考が面白い。彼が周囲を、「脂肪の多さ」という点で嫌悪したり、仕事上で役立つか否かという点すら「役に立たない奴は余分な肉」に見えてしまうという、彼のストイックすぎる視点がなんとも。後藤は本気だろうけれど、おかしみを感じる。ボディビルダーが普段どれほど並々ならぬ努力を続けているのかもよく分かった。このページ数ならラストはこうなる他ないのだろうけれど、続巻に期待したくなる一冊。

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    2026年07月24日
  • わたしを庇わないで

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    超絶面白い!
    2つ目の話は、小学生目線なのに、文体が変わらなくてちょっと違和感だったけど、1つ目の話が最高だった〜
    階段使ったら死んじゃうんだよねぇ〜

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    2026年07月22日
  • わたしを庇わないで

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    この人の本を読んでいると、普通って何だろう?と思わされる。
    使われるワード(世紀の善人でいうサンゾウみたいな)に心を掴まれる。初めて目にする造語だけれど、読み進めていくと、その概念とか、話の中での意味合いとかがすんなり理解できるように書かれているのが面白かった。

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    2026年07月21日
  • ミスター・チームリーダー

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    ネタバレ

    超ストイックなボディビルダーの後藤係長が、人間を“代謝物”としてしか見なくなる過程に強い衝撃を受けた。無駄を削り、生産性を上げ、停滞を悪とみなす現代組織の価値観は、一見正しいようでいて、人間を脂肪や老廃物として扱う冷たい世界を生む。辞める人を「自然減」と呼ぶ発想もまた、新陳代謝の名で人を排出する現代社会の皮肉そのものだ。後藤だけが異常なのではなく、私たちの社会の論理を極限まで比喩として押し進めた姿だと思う。効率や自己管理を絶対視するほど、人間性が欠落してゆく危うさに鋭く切り込んだ作品だと感じた。④

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    2026年07月18日
  • わたしを庇わないで

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    『わたしを庇わないで』というタイトルから、誰かを守る/守られる物語だと思っていた。でも読み終えて感じるのは、むしろ「庇う」という行為そのものへの静かな疑いを描いた一冊だったということ。
    収録された3作品はシチュエーションこそ異なるものの、人との距離感や、自分と他者の境界線という共通したテーマが流れている。印象的なのは、登場人物たちが決して悪意で動いているわけではないところ。相手のためを思った行動の中に、優越感や自己満足といった別の感情が混ざり込む。その善意の「ズレ」を、石田夏穂さんは過度に批判することなく、淡々と描き出す。
    読んでいる間は登場人物たちの少し歪んだ思考に戸惑う。でも次第に「これ、

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    2026年07月14日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    現実って感じで好きなテーマのアンソロジー

    すき↓
    かわうそをかぶる
    ヤリモク

    どっちも短編としての完成度が高かった
    ・vtuberの人格に乗っ取られて(望んでるから乗っ取られるとは違うか?)、現実の人格が憎らしくなってくるのはバーチャル世界が常になるとそうなるのかな…
    ・ヤリモクは言葉遊びのタイトルに、短い中に伏線を張って、救われない起承転結が見事


    次点で↓
    まぶしさと悪意
    霊感インテグレーション

    snsの功罪って感じのまぶしさと悪意
    インターネットと心霊、都市解で学んだ好きな組み合わせの霊感インテグレーション

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    2026年07月13日
  • 緑十字のエース

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    かつて建設工事会社の下請会社で働いていた。安全靴と安全帯とヘルメット、軍手を穿いて、早朝暗い小屋の焚火に集まり挨拶をして、今日の仕事の道具を軽トラに積み込むのが毎日の日課だった。

    大手デベロッパーの工事現場などに入ったことはない。二階建てのプレハブ事務所なんて贅沢だろう。でも、緑十字の「アンゼン」職責の人が2人以上も居るということが新鮮であった。勿論、私がいたところには、そんな職責はいない。社長か副社長が担っていたのだろう。もっとも、私は仕事に就いたあと、この会社には10以上の労基法違反がある、と数えた時点で「辞めさせてもらいます」と申し入れたのではあるが。

    小説なので、安全チームの仕事の

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    2026年07月13日
  • わたしを庇わないで

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    石田さん、最近立て続けに本を出してくれて嬉しい。
    しかも今回はいつもよりちょっと厚めの本だし。表題作含む3編のお話どれもが面白い。
    なんでこんなに人の微妙な心理を描くのが上手いんだろう。

    自分の容姿が嫌いすぎて、写真をたくさん撮るであろう場所:ディズニーランドに行きたくない女子とか、会社の奴らを全員「サンゾウ(会社にちなんだ呼称)」と呼んでいる女性とか、現実にもいそうな人物が主人公。彼女たちの気持ちにちょっと共感しつつ、オチはどうなるのだろうと期待感を高めながら読み、どちらの短編も満足。

    表題作が1番好みだった。「デブって言う単語を使わないでください」って言うこと自体が「you are d

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    2026年07月12日
  • ノーメイク鑑定士

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    なんか癖になる面白さなんよな〜、今回のも面白かった
    特に表題作は切実でおかしみがあって、石田さんの真骨頂やんなと思った
    働いてるからわかるけど、働くことはわたしにいろんな身体的な制限をする。それって当たり前だと思ってたけど、どこまでその権利があるんだよって話ですね

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    2026年07月11日
  • わたしを庇わないで

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    著者の筆は時に摂生、時に過剰。新作を食むたび、私は高カロリーと低血糖のW撃ちに遭ってきた。
    今作は短編集。トップバッターの「世紀の善人」は三國造船、通称サンゾウで働く社員たちをつぶさに観察し分析する安井が主人公。有象無象の憎きサンゾウたちから、クミゾウ、フーゾウ、センゾウなどと対象を抽出し仕掛けていく。
    ラストに向かって安井は常軌を逸していくのだが、不謹慎にも笑いが止まらない。「◯△□!」安井の背を押す私は共感以上に、狂気に乱舞だったのか。
    冷静になった今”庇わないで“とごちていた。
    今後も更なる脱皮作に期待する。

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    2026年07月10日
  • わたしを庇わないで

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    人と人との間に生じる構造的な権力関係やアンコンシャスバイアス。ルッキズムやポリコレ。それらを抉るような鋭いカウンターパンチ。
    庇うという行為の傲慢さ。庇う側が自分の正しさや価値観を押し付けることで、当事者の選択肢や主体性を一方的に奪ってしまう。これは致命的に矛盾してしまっている。
    「庇うという行為はその庇われる人の劣勢を一方的に確定してしまうこと」
    正しさについては常に考え続けることにします。

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    2026年07月10日
  • 黄金比の縁

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    社会の縮図たる会社はテキトーで無責任で矛盾に満ちている。女性軽視は根強く、その場凌ぎの判断と評価、そして「縁」で人を不当に扱う。抜群のユーモアとセンスで現代日本における「身体」や「外見」について切り込んできた著者が、今作で描くのは新卒採用。会社に復讐するために、会社の不利益になる人間を採用する。選考基準は「顔の黄金比」のみ。面白過ぎる。

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    2026年07月09日
  • 緑十字のエース

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    ネタバレ

    全く知らない世界のことを知ることができるのが小説の醍醐味の一つだなと、
    あそこの社屋の立て直しや、こっちの新しいマンションも、こんなふうにいろんな人がいろんな思いを抱えながら作ってくれているのかなと思いながら読んだ。

    かつて有名企業で積算を経費削減をガツガツしていた主人公、後期を遅らせればその分仕事が続いて収入が続くと作業の邪魔をする松本。
    チームとはいっても結局は自分から見える世界はとても狭くて、良かれと思ってしたことが、あらぬところで事故を招く。大きな工事だとより大変なんでしょうね。

    現場のことは何も知らないけど、みんなで仲良く仕事してくれたならと思し、誰でもできる仕事だとはとても思え

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    2026年07月08日
  • わたしを庇わないで

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    「世紀の善人」「小人二十面相」「わたしを庇わないで」3篇の中編。

    パワハラやルッキズムに対するコンプライアンスやポリコレの欺瞞に対して痛烈な皮肉と毒をもって切り込んでいく作品。

    石田さんの作品はほとんど読んでいるが、毎回そのテーマには胸躍らせる。
    今回秀逸だったのはやはり表題作で、ルッキズムに対する通りいっぺんの“コレクトネス”に対して痛烈なカウンターパンチを喰らわせる。

    「この世に無害な褒め言葉はない」はそのとおりだし、「“庇う”という行為は、その庇われる人の劣勢を一方的に確定してしまうことだ」というのも深く頷ける。
    表面的な正義じゃなく、一歩踏み込んで自分の頭でいろんなことを考えなき

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    2026年07月07日
  • ケチる貴方

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    人生において何をケチるか

    大切なものは目に見えないってすごくいい言葉だと思うけれど、それって外見に少しでもコンプレックスがあったら真正面から受け止めきれない言葉だなって思った

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    2026年07月06日
  • 緑十字のエース

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    石田夏穂さんの書く話は何か淡々としているのにじわじわと面白い。
    ゼネコンエリートで数字を扱う部署から転職して工事現場の「安全」と言われる部署で働くおじさんの話。転職のことを家族に話せないまま、朝の5時台に家をでて出勤する。
    小さな現場事務所内での人間関係が濃密に描かれている。取材力がすごいのか、リアルにこういう現場で働いていたのかなと思わせられるくらいに細かい描写。知らない世界を見せてくれる作者の本が好きだ。
    何となく主人公の顔を、俳優の小手伸也さんを想像しながら読んでいた。顔はず〜っと頭にあるのだが、名前が分からず、色々検索してようやく小手伸也さんの名前がわかった。すっきり。

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    2026年07月05日
  • ノーメイク鑑定士

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    サクッと1日で読んだ!
    熱くも冷たくもないちょうど良い温度感で物語が着々と進んでいく感覚
    おもしろワードや、あ、わかる〜!って思う場面もあり楽しかった

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    2026年07月03日
  • 我が友、スミス

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    先ず読んで思ったのが、著者の石田さん、「やってますね!」
    筋トレを愛している男は数多くいますが、女性で筋トレにハマり、ボディビルダーとしての道を進むのは、相当のめり込まなければいけないと思います。
    そんなのめり込みの心情を上手く描けていて、すごく共感しながら読みました。
    親からも女性らしくないと反対され、競技の中では女性らしくなければならず、筋トレのみならず、笑顔、立ち方、化粧、ヒールでのパフォーマンスなど、女性ならではのビルダーの悩みや苦悩が描かれていて、余計マッチョな女性にリスペクトしたいと思いました。

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    2026年07月03日
  • わたしを庇わないで

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     石田夏穂さんは、女性軽視のパワハラ・モラハラ、容姿や体型の揶揄など、社会的風潮へ皮肉と笑いを誘いながら強烈な「毒」を吐きます。その衝撃に心揺さぶられ、深くえぐられる3編です。
     
     3編の共通テーマを強いてあげればルッキズムが根底にある気がしますが、表題作が出色の出来と感じました。水産会社の広報部員・アヤノは「デブ」を自認しており、食べ歩き企画の代替リポーターをインスタにアップしたところ、その食べっぷりに予想外の反響があり…。

     人に「デブ」なんて普通言えません。でも、この暗黙のタブーに石田さんは切り込みます。主人公は、美辞麗句の偽善者より罵詈雑言の正直者がマシだと思い、自分を守る臆病者よ

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    2026年07月01日
  • ノーメイク鑑定士

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    今回も、いつも以上にテーマの選定が、秀逸です。
    それにしても、なぜこれほどそれぞれのテーマに対して、例え理系にしても、細かい専門知識があるのか、不思議です。

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    2026年06月28日