石田夏穂のレビュー一覧
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ネタバレ面白すぎて…どこが面白いというのを全然言語化できてないんですけどとにかく面白くて一気読みでした。
展開の仕方と、主人公のちょっと突飛な思考や行動が天才で、本当に面白かったです。特に表題作の「私を庇わないで」が最高でした。
全体的に皮肉のきいた作品で、それぞれの主人公がブラック企業で働き続けて居たり、自分を不細工だと思っていたり、「デブ」と自分を思っているんですが、そのことに対して、吹っ切れているというか、悲観的じゃない。諦めとも違う、そこに至るまでに諦めもあるのかもしれないけど、あんまりマイナスを感じさせない、自分をそのまんま受け止めている感じがあるように私は思えて、そこもいいなと思いました -
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何年も前に読んだ本で内容についての記憶が定かではないのだけど、強く残った印象は今なお鮮明である。
私はボディビルディングをする人の気持ちがまるで理解できなかった。
使わない筋肉を人に見せるために過酷なトレーニングするって、私は絶対する気にならない。
けれどこの本のおかげで、少しボディビルディングをする人の気持ちがわかるようになったと思う。
そして、人に見せる試合では、女性は女性らしくあらねばならないという部分にはショックを受けた。
まぁ、見せて評価してもらうんだから、得点が得られやすい努力をするのは仕方ないのかもしれないけれど、筋肉の美しさと、ハイヒールを履いて女性らしさを強調するのは同じく -
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やばいです。読みながら、笑いながら、悲しくなりながら、恐れながら、苦しくなりながら、一気に3篇、ページをめくりました。「人間の嫌な部分を書きたい」という著者インタビューに誘われて手にしました。著者は『我が友、スミス』でかつてない小説体験を与えてくれた石田夏穂。この新作を読むことによって『我が友、スミス』のような小説が、なぜ生まれたか?がちょっとわかったような気がしました。一貫しているのが「自意識」と「肉体(五感、顔、体型も含む…)」と「社会」のままならない関係です。前作の感想で「2022年のビルディングスロマンは筋肉女子によって成し遂げられた」と書きましたが、新作はそんなものじゃなかった…です
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ネタバレ自分も見た目ではわからない持病を抱えているので、他人に頼れず、己でケアするしかない悶々たる日々に共感するところが多かった。
また、仕事面では、後輩に自分が努力して獲得してきたノウハウを伝授するシーンの葛藤のわかりみが深すぎた。モヤモヤを感じていた理由はこれだ‼︎と、心のうちを明確に言語化してもらって、スッキリすらした。
その分、後半の展開にはもの凄い不条理を感じた。
不寛容イコールケチとは一概に言えないし、実際に女性であることで押し付けられることを「寛容であらねば」と、全部引き受けていたら、主人公は潰れてしまった。
世の中、鈍感で自分勝手な方が幸せに生きていけそうだなとはよく思うのだが、更に -
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小人二十面相、こういう時期あった…というか今も大概そんな感じ
自分の見た目とうまく付き合っていくことに四苦八苦する
誰かに見られる外面が整ったものであるようにしたいということと、自分自身が気分よく過ごせるようにしておきたいということ
結局後者のモチベーションが強いのかも
わたしを庇わないで、ルッキズム批判へのもやもやがぴったりと言語化された
"デブ"は事実であって、その言葉自体に評価的な意味は持たない?いやいやいや、と思うけど庇うことの意味を考えるとたしかにそれはそれで酷いことであって…?
笑われる方が楽なんだけど、その蓄積は後々響いてくるんだよなぁ -
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ネタバレとにかく、めちゃくちゃ笑った。
本書に登場する主人公たちはみな、「対等であること」や「誤魔化されないこと」をモットーとし、世の中の矛盾をどこまでもロジカルに暴いていく。そのワードセンスや言葉のチョイスが秀逸すぎる。物語を通して突きつけられる鋭い指摘をしっかり受け止めつつも、それ以上におかしさが勝ってしまって、終始笑いが止まらなかった。
収録されている三作とも甲乙つけがたい面白さだったが、特に惹かれたのは『世紀の善人』だ。
主人公の安井は、勤務先での理不尽な扱いや物言いに対し、まるで野生動物を観察するかのような視点を向ける。「サンゾウは、〇〇すると死ぬ」という独自の観察眼は最高だ。社名の -
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体脂肪率が高いため出張禁止になった会社員女性の話
ユカリ 勤続15年会社員 独身 37歳
出張、転勤、赴任の嵐 職場に座って働いたのは通算3年もない
海外出張が生きがいといってもいいくらい出張を愛してる
それなのに社の健診で体脂肪率が三十五パーセントだから、生活習慣病の人、およびその予備軍の人には、海外派遣はさせない、といわる
社の提携しているジムに通い、体脂肪率三十五パーセント以下を目指し、海外出張をもぎ取る決意をする
タイトルの意味!
最後にわかり痛快だった。そういう意味だったの!?って。
主人公は心の中では相手にチクリ言ったかと思うとその何倍も自分に対して苦言がでてくる。その -
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「女性の身も蓋もない本音」が、遠慮なく、それでいて辛口なユーモアたっぷりに描かれている。
主人公たちは、立派な人間とはいいがたく?、後輩に知識を教えたくないと思い、他人を見た目で判断し、自分のことを一番大切に思う。意地悪で偏屈で。しかし、その本音が隠されることなく語られるからこそ、妙な説得力を持って胸に迫ってくる。
読みながら感じたのは、この作品の背景には、男性が作り上げてきた会社や社会の構造があるということだ。もちろん時代は変わりつつあるが、それでもなお、男性中心の価値観が色濃く残る組織の中で、女性はどのように生きていくのか。その問いが、『ケチる貴方』にも『その周囲、五十八センチ』にも通底し -
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石田夏穂さんの小説は、見事に斜に構えた物語が大変魅力である。
本作の中で「世紀の善人」の''安井の仕事''は、全くもって理不尽でありながらも、視線を合わさず生きぬきながら無神経な男性社員たちを暗く見つめる。
そしてついに反撃に出た安井の行動と結末のカタルシスは、抑圧から自らを解き放つ安井への応援となっていった。
「わたしを庇わないで」のデブという言葉が、デブを庇う人間の裏側の感情を皮肉にも見事に表していく。
アヤノに対してデブを口にしない偽善者との戦いが、読者も意にしない展開が皮肉に溢れて読み手を飽きさせなかった。
人や社会や会社を独自な視点から痛 -
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読書備忘録992号。
★★★★★。
去年末に出ていた石田さんの準新作です!
流石としか言いようがないっす。
完璧なお仕事小説です。
そして今作、これまでに無かったメッセージ性が若干感じられました。
タイトルは緑十字です。
良く工事現場などに掲げられているあの白地に緑の十字が描かれた旗。
安全衛生の象徴であり、労災防止のシンボルです!
決して悪名高きミドリ十字ではありません!
私も安全靴などでお世話になりましたミドリ安全でもございません!
主人公浜地。アラフィフ。
東京二十三区の戸建てに住む。すごいやんか。
早朝に家を出て、駅のトイレでスーツから作業着に着替える。
そして下り電車に乗り、下 -
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ネタバレ体脂肪率の高さから出張を止められたキャリアウーマンが奮闘の中で発見をする
石田夏穂さんの面白さが凝縮された1冊。石田夏穂を知らない人は手っ取り早くこれを読むといいと思います。すごく面白いです。
相変わらず文章がまず面白い。北大路公子のエッセイでも読んでるようです。その上で、「アホかいな」と笑ってしまう謎の、しかして意外に世の中にありそうでもあるルールが設定され、苦闘する中で主人公が社会という総体のもたらす暴力的な眼差しにさらされていく。
それを真っ向から対抗したり批判する社会的な方向性(BUTTERとか)ではなく、辟易しつつもいつの間にか自分もそれを取り込んでしまい、有頂天になった