あらすじ
【冷え性×脂肪吸引】
コンプレックスを抱えるすべての人に捧ぐ、痛快"身体"小説!
どうして私は、金太郎のようにガッチリ、ムッチリなのに、こんなにも寒がりなんだろう。
佐藤は極度の冷え性だが、その見た目のため、同僚にバレないように暖をとって生活している。
しかし新入社員の教育担当になった途端、身体が火照り始めーー?
第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と、
第38回大阪文芸賞を受賞した、脂肪吸引がテーマの「その周囲、五十八センチ」を豪華同時収録。
~こんなに冴えない人間であるが、それでも私は自分がいちばん可愛い。~
どうしてこの身体は、頑なに熱を生産しないのだろう。
骨と皮なら理解できるが、お前は脂肪の塊じゃないか。(ケチる貴方)
私の脚は、生まれながらに、人並み外れて太かった。
脚が太いと、ヒトの人生は、ものすごく難易度が上がる。(その周囲、五十八センチ)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『ケチる貴方』と『その周囲、五十八センチ』が収録されている。
『ケチる貴方』の主人公は、備蓄用タンクの設計と施工を行う企業に勤めている。現場の施工管理を担当する優秀な女性社員だ。
金太郎のような体なのに超冷え性。
冷え性であることを隠して働いているが、新人教育担当になって自分を曲げてから体がほてり始める、という内容。
『その周囲…』もそうだけど、体にフォーカスしたのが新しいと思った。
『ケチる…』はお仕事小説としても面白い。
昔新聞で、うろ覚えだけど、「小説というのは新しい国を作るようなもの。どこかで読んだようなものを書くな」という某作家のコラムを読んだことがある。
著者が作ったのは、新しい国だなぁと思った。
Posted by ブクログ
面白い。表現の仕方や文章がとても好き。
最初冷え性とタイトルが繋がらなかったけど、そういうこと!?って思った。
毒とユーモアと会社や社会への問題提起のバランスが非常に良かったです。
Posted by ブクログ
給湯器を破壊するレベルの冷え性の解決の糸口は、どんな温活でもなく自分自身の態度にある、ということに気づく女性のお話と、
脂肪吸引を生きがいとする女性のお話の2篇が入った小説。
どうしたらこんなお話思いつくんだろう。
淡々とした文章に所々刺さるブラックユーモア、皮肉。
突飛な背景、考え方を持つ主人公なのに、描かれる切実な想いには共感(というか同情なのかな)できる。
石田さんの小説は組織で働くことへの解像度が高いところも少し痛くて、とても好き。
Posted by ブクログ
冷え性を改善すべく温活に励む主人公。
でもただの冷え性ではなく、心の冷え性だったのかも。閉じ籠って遠ざかっていくことで冷え固まっていたけれど、近づいてほぐれることであたたまる。
そんな気がしました。
「その周囲、五十八センチ」では、その解釈があったのかー!と驚き。
私も脚太い族ですが、愛でていこうと思います!
Posted by ブクログ
初めて石田夏穂さんの本を読みました。
読みやすい文体で、引っ掛かりなく読めました。
2作とも配管や設備のお話が出てくるのは、石田さんが工学部卒だからなんだろうなぁ。その辺りもなるほどと思う知識が多く面白く読めました。
どれだけ暖かくしてもとてつもなく冷えてしまう女性と、脂肪吸引に取り憑かれる女性のお話でした。
題材は体なんだけれど、最終的に心との向き方を考えさせられるお話でした。
Posted by ブクログ
冷ややかな悪魔・黄金比の縁・我が友、スミスに続いての石田夏穂さん。やっぱりこの石田さんの辛口ユーモア、たっぷりな言葉選びが大好きです。150ページちょいなので、イッキ読みしちゃった。
Posted by ブクログ
極度に冷え性の女性が主人公。そして、彼女は生活でも精神的にもケチ、吝嗇家ともいう。
そんな彼女が新人教育を受け持ち与えていく事で体温を得ることを知り、出し惜しみしなくなると優しくなり、周りとの関係が変わっていく。そして、女性として雑に扱われても行く。
心の無駄遣いと体温の関係に悩む主人公だが、これって生きて行く常識的なことなのか?女性故なのか?割り切る必要のないものなのかもと思えるところで物語は終わる。
面白い
Posted by ブクログ
私の抱える脂肪細胞の数は、いまここに過去最小なのである。その代償であるダウンタイムとの闘いは、いまも一歩一歩ゴールに近づいているのだという、私の好む着実感に繋がる。
(その周囲、五十八センチ/ケチる貴方)
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面白かったぁ〜。同じ冷え性として共感出来るところ多くてクスクス笑えた。冷え性と脂肪吸引がテーマのお話し。自分と戦う女子の気持ちわかる。なんか元気でる本。
Posted by ブクログ
脂肪吸引に興味があって手に取った笑
面白かった〜
新感覚というか、今までに読んだことないタイプの小説だった!
女性差別の描写がリアルだからフェミニズム小説ぽいのだけど、どちらの女性主人公の仕事内容も技術系で、ちゃんとリアルなのが珍しい
女性主人公が無愛想でユーモラスって、漫画ではあるけど小説ではあんま見たことないかも
Posted by ブクログ
2作品が掲載されています。どちらも短いので気楽に読めて、作者の方の発想がとても面白い作品です。
1作目は主人公が冷え性というのでどんな話になるのだろうと思い読み始めました。美容に偏った内容ではなく、仕事の話(しかも結構リアル)が書かれていて、読みながら主人公に共感する部分もありました。
2作目の話は脂肪吸引に取り憑かれている女性の話でした。脂肪吸引をやったことがないのですが毎年年初に痩せることを目標に掲げている身のため、とても興味深く読みました。壮絶な思いをすることがわかり、簡単に手を出してはいけないと思いました。
Posted by ブクログ
「冷え性」「脂肪吸引」の話って何だろう?
全く展開が想像できなくて、興味深々で購入。
体の冷えは心の冷え...まさかそうくるとは!
主人公の会社での省エネ&低体温ぶりは共感できるし、シュールで淡々としていながらくすっと笑えて面白かった。
Posted by ブクログ
読み進める内に著者の経歴が気になり、調べてみたら広い意味で同業界にお勤めと知り、色々合点がいく。女性も増えたとはいえ、この界隈の中小ベンダーともなると旧弊の企業文化が残存する上、業務の属人化も著しい。自身のノウハウを教示することに逡巡する主人公の心情は共感出来、男尊女卑の価値観を押し付ける年配社員の醜悪さも目に余る。併録作「その周囲、五十八センチ」の『痛みに耐えることで得られるものが確約される』という打算的な思考にも頷くしかない。世間と己の間に介在するギャップに対して折り合いをつける難しさを改めて考える。
Posted by ブクログ
2025/01/08リクエスト 1
極度の冷え性持ちの佐藤が新人の教育係になり、体質が変わっていく。体で覚えた仕事術をただで教えるのが面白くない気持ち、わかる!
でも、それを教えたところ冷え性が改善するとは…
もう一作は、脂肪吸引依存のエリート女性。
どちらも描写が異常に詳しく、その道に疎くても、なんとなく想像できる。冷え性はよく分かるが脂肪吸引は部位により痛みが違うのか…知らなかった。
Posted by ブクログ
独特な世界観
なかなか理解しにくい
寛容を発揮すると体温が上がる
脂肪吸引にハマる
人生最大の試練 失恋から立ち直る ことではない
内腿と膝上の脂肪吸引手術を受けた後に、その脚で家に帰る こと
脂肪吸引は裏切らない
あなたが人よりもうんと頑張れる人になれたのは、その脚のおかげ