石田夏穂のレビュー一覧

  • 我が手の太陽

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    何の仕事であろうと、傲慢になったり失敗したりすることがある。事務仕事でいつもしているチェックを疎かにしたがため、大変になったという経験も誰しもあると思う。そういう時には何か感じるところがあり、その書類をチェックのため2度と見たくないという感情が働いたためだったのだろうか。
    この小説は芥川賞候補になったが、読む価値は大である。

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    2023年10月08日
  • 緑十字のエース

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    以前働いてた会社で仲良くなって、
    今も連絡をとり続けてる人が、
    建設業界に転職していて。
    (その人自身は現場ではなく、人事総務なのですが)

    私が好きな石田夏穂さんが建設業界を描いてる…!
    どんな世界なのか気になるし、石田さんが描く建設業界を見てみたい。読むしかない…!
    お金ないけど単行本を購入しました。
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    唯一無二の
    読後感が
    待ち受ける
    工事現場ノベル、

    堂々
    完工

    ユーモア+苦味+スリルをミキシング!
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    大手デベロッパーでエリート社員だった浜地は、

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    2025年12月07日
  • 緑十字のエース

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    相変わらず突き放した感じで描かれる物語が面白い。

    東大を卒業し大手デベロッパーに勤め、その時の事故の責任を取らされる形で退職した浜地。
    転職もままならないなか、皮肉にも再就職先は建設現場の安全衛生管理責任者だった。
    かつて元請け発注側だった浜地が、工賃を削った現実を自らの再就職で味わう応報に、中年男の悲哀がより切実になる。
    最後に家族と向き合う場面の微妙な虚飾も、浜地の辛さを余韻深く締め括っていた。
    石田夏穂らしいお仕事小説だった。

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    2025年12月03日
  • 黄金比の縁

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    奇奇怪怪ラジオの二人が面白いって言っていた作家。読んでみた。
    ダークで賢いけど間抜けで、くすりと笑った。

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    2025年11月27日
  • 我が手の太陽

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    石田夏帆さんのTheお仕事小説
    技術的職業のプロは共感する部分もある多いのでは
    安全に配慮する下手な医療者か、安全に配慮しない上手な医療者か、と置き換えて解像度の高さに頷くばかり
    ただ安全てそれ自体が技術のうちでもあると思うから、やっぱりそこは守らないとダメとは思う
    タイトル回収に全能感の幻を感じた

    年齢とともに衰えていくいろんなものって怖いんだよね
    意識しなくても完璧だったのに、それが崩れていく恐怖
    最前線で働き続ける技術職はそこに折り合いつけてブラッシュアップし続けないとできない

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    2025年11月19日
  • ケチる貴方

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    面白い。表現の仕方や文章がとても好き。
    最初冷え性とタイトルが繋がらなかったけど、そういうこと!?って思った。
    毒とユーモアと会社や社会への問題提起のバランスが非常に良かったです。

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    2025年11月09日
  • 我が友、スミス

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    ジム通いをしていた会社員が、ある出会いからボディービル大会出場を目指す。筋トレが彼女の体そして心にも変化をもたらす。
    大会に出たのかと思うぐらいトレーニング描写が細かくて、自然と脳内でIt's My Lifeが流れた。石田さんのお話は意表を突いてくる面白さがある!

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    2025年10月28日
  • ケチる貴方

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    給湯器を破壊するレベルの冷え性の解決の糸口は、どんな温活でもなく自分自身の態度にある、ということに気づく女性のお話と、
    脂肪吸引を生きがいとする女性のお話の2篇が入った小説。

    どうしたらこんなお話思いつくんだろう。
    淡々とした文章に所々刺さるブラックユーモア、皮肉。
    突飛な背景、考え方を持つ主人公なのに、描かれる切実な想いには共感(というか同情なのかな)できる。
    石田さんの小説は組織で働くことへの解像度が高いところも少し痛くて、とても好き。

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    2025年10月23日
  • 黄金比の縁

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    就活を描く小説は数あれど、“会社にもっとも損害を与えることのできる採用“を行おうとする人事担当目線の小説はさすがに初めて読んだ。
    淡々と進む展開が気持ちよく、皮肉が効いていて面白い!石田夏穂さん初読みですが、他の作品もかなり気になります。

    新卒でも中途でも就職活動をしている身としてはズブズブに落ち込んでいたあの頃の私にあげたい本。
    流石にここまでの(ある意味)美学をもって採用活動している人はそう居ないと思うけれど、採用側も意外とこんなもんだよ、というかそもそも人が人を選び採るってめちゃくちゃ傲慢じゃん、採用基準って結局好みじゃん、みたいな、うっすら感じていたことが言語化されていて少しスッキリ

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    2025年10月15日
  • ケチる貴方

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    冷え性を改善すべく温活に励む主人公。
    でもただの冷え性ではなく、心の冷え性だったのかも。閉じ籠って遠ざかっていくことで冷え固まっていたけれど、近づいてほぐれることであたたまる。
    そんな気がしました。
    「その周囲、五十八センチ」では、その解釈があったのかー!と驚き。
    私も脚太い族ですが、愛でていこうと思います!

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    2025年10月12日
  • ミスター・チームリーダー

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    ネタバレ

    最高。面白すぎる。リース会社に勤める主人公・後藤は係長に出世する。彼はボディビルダーの選手でもあり、過酷な減量に取り組んでいる、という話。自分が体型にストイックであるために、肥満体型の同僚や部下がどうしても目につくし気に入らない……という話。減量しているからエネルギーが足りないのに、マッチョだから職場の引越しを手伝わされるのを見て、今の世の中、趣味で絵が上手い人に仕事の絵を描かせたり、趣味でホームページ作ってる人に会社のホームページ作らせたりするのはハラスメントな気がしてくるのに、趣味でムキムキな人には力仕事頼んじゃうよなあと思った。あと、後藤は太っている同僚が仕事中にお菓子を食べることを軽蔑

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    2025年10月02日
  • 我が手の太陽

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    かなり やさぐれた感じが良かったです
    ミスを隠そうとミスを重ねてどうにもならない感じで 読む側もいたたまれなくなりました

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    2025年09月28日
  • ケチる貴方

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    初めて石田夏穂さんの本を読みました。
    読みやすい文体で、引っ掛かりなく読めました。

    2作とも配管や設備のお話が出てくるのは、石田さんが工学部卒だからなんだろうなぁ。その辺りもなるほどと思う知識が多く面白く読めました。

    どれだけ暖かくしてもとてつもなく冷えてしまう女性と、脂肪吸引に取り憑かれる女性のお話でした。
    題材は体なんだけれど、最終的に心との向き方を考えさせられるお話でした。



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    2025年09月23日
  • 黄金比の縁

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    あっという間に読めました。それは、文章が短いから、という意味と、没入できるからという意味です。
    就職活動で被採用側の小説はいくつか読んだが、採用側の視点の作品は初めてかもしれない。
    何かをジャッジすると言う事は、そこに責任が発生する。なんとなくジャッジするのではなく、ある一定の基準に照らしてジャッジするということが大切である。意外とこんな単純なことが世間ではなされておらず、再確認させられる小説だった。

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    2025年09月15日
  • ミスター・チームリーダー

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    ボディビルをしている中間管理職後藤の理想を追求してやまない奮闘記
    チームが締まれば己の肉体も仕上がる!?話

    後藤は体脂肪率十パーセントのボディビルの選手
    大会に向けて減量トレーニングに励むが肥満体型揃いの職場仲間から邪魔される
    この飽食の職場は締まらなければならないと考え部内の人材の無駄に切り込み始めると、自身の体にも変化が見え始める
    組織の代謝を上げると自身の減量もなぜか進む!?

    ボディビルの選手が顔だけゲッソリしてることに今まで気がつかなった。
    増量期と減量期があることも知らず身体のムキムキさだけみてた。

    身体と組織をシンクロさせるとか発想が?はてなだったけど読んでみると
    分かりやす

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    2025年09月13日
  • ケチる貴方

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    冷ややかな悪魔・黄金比の縁・我が友、スミスに続いての石田夏穂さん。やっぱりこの石田さんの辛口ユーモア、たっぷりな言葉選びが大好きです。150ページちょいなので、イッキ読みしちゃった。

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    2025年08月25日
  • 黄金比の縁

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    舞台は
    女性社員比率が全体の一割
    年の採用人数が50人程度の
    (株)Kエンジニアリングの人事。

    物語としての抑揚はきっちりあるのだけれど、
    そういったあらすじの部分よりも
    各所にちりばめられた要素の
    社会構造への皮肉のような部分の方が読みどころ。

    解説の朝井リョウの文章も秀逸で
    今後の石田夏穂作品も楽しみになる。

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    2025年08月24日
  • ミスター・チームリーダー

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    ー 後藤はデブが嫌いだった。自分の身体に対するリスペクトに欠けているから。自分の体型なんて、自分の意思で、どうにもでなることなのに。(P13)

    ボディ・ビルダーである後藤係長。
    脂肪は後藤係長にとって無駄なものの象徴。
    筋肉と違って自分の意志で動かすことができない。脂肪は勝手気ままに振る舞ってただ身体にぶら下がっているだけ。

    そして、使えない部下は脂肪のごとく無駄な存在。
    あたかも脂肪を除去するように係から追い出し、引き締まった筋肉質の組織を作ろうとする。

    後藤係長の奮闘の結果やいかに

    苦笑いが止まらない小説。
    不快に思う方もいるかもだけど、石田さんのこういうシニカルさ、僕は大好き。

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    2025年08月22日
  • 我が友、スミス

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    ネタバレ

    芥川賞候補作ということで、読んでみました!

    「スミス」って誰だろう。
    まさか、器具の名前とは…!
    読んで驚きました。

    筋トレやボディビルに全く縁がないので、筋肉小説が読み進められるのか心配だったものの、サクサク読めた。

    社会人が、仕事だけではなく、何かに熱中することっていいなと改めて思わせてくれる1冊。

    私もU野のように、もっと、自分と向き合っていきたいと思いました。

    これが、デビュー作とはスゴい…。
    石田先生の他の作品も読んでみたい!
    そう思わせてくれる作品です!

    是非、オススメの1冊です!

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    2025年08月08日
  • 黄金比の縁

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    面白かった。そうか、そういう復讐の仕方があるのか。痛快だった。石田夏穂さんの冷静且つ皮肉混じりの文章好きだな。他の本も読んでみたい。

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    2025年08月08日