石田夏穂のレビュー一覧
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日々ジムに通い、トレーニングに明け暮れるU野は、ある日スカウトされ、ボディビルの大会に出場する事に。「筋肉だけで終わる話じゃないの」美容に対する意識が足りない事で指導者から注意されるU野は、筋肉をアピールする大会における美容の価値とは何かを思案するーーー
初めから最後まで、ずっと面白かった。
トレーニングし始めた理由を、別の生き物になりたいと語るU野は、ボディビルの大会に出場するにあたり、他者からの評価に目を向けなければならなくなる。髪型、ハイヒール、脱毛、笑顔、それぞれに疑問を抱きながらも、勝利のために全て行ったU野。そんなU野が迎えた大会にて得た結果、出した結論には驚かされたと同時に納得 -
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主人公が熱心に採用活動をすればするほど、その活動自体は成果を出すけど、比例して着実に会社の不利益になっていて、お互い噛み合ってしまっているところが皮肉で面白かった。
就活もビジネスも凄く平等に権利が与えられているように見えるシステムを作るのに、実は公平じゃないことが多くて、そういう歪さに初めて直面するのが就活なのかもしれない、、?
会社が定量的な物差しで決定をしてないことと対比して、主人公が一貫して同じ基準で採用活動をするところは、復讐というよりも会社へのアンチテーゼなのか?
内定を持っている先輩、OBOG訪問で会う社会人が神のように見えてしまう現象ってなんだったんだろう、、。この会社に -
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めちゃくちゃ面白かった。筋トレ小説。
とても背中を押されるし、モチベーションが上がる。
この小説を知った1年前は、「筋トレかぁ興味ないなぁ」って思ってたけど、自分がジムに通い始めてから読むとめちゃくちゃ面白いし、いい教材…!!
そうなの。ラットプルダウンは、始めたては背中に効かせにくいのよね!!共感!まさに今の私!!笑
ここまでストイックにできると楽しいやろうなぁ。
ジェンダーへのもやもや、ルッキズムへのもやもや、なんとも言葉に言い表しにくい(そういうものだと刷り込まれて生きてきちゃったから)ことたちへの不満感がヒシヒシ伝わってきて大共感。
そしてたまに挟まる力強い言葉たち。
最初、性 -
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ネタバレ女性のボディビルを書いた「わが友、スミス」の主人公と、男性のボディビルを書いた本書でこんなに主人公の性格が違うのか!というのが衝撃的だった。
男性ボディビルダーの主人公の他者(デブ)を見る目の辛辣なこと辛辣なこと。
脂肪=無駄なもの、というストイックな考え方が、現実の自分の会社のチームにまで及び、ついには自分の肉体にまで影響を与えていくっていうのはなかなか面白いなと思った。
最後、まぁうまく行かないという結末だろうなとは思ったけど、痩せすぎて失格、しかもそれに対しての主人公の帰結がいろんなやつを(チームに)入れよう、まではよかったけど、そしてそのあとにいらないやつは切ろうって繋がっていったのに -
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石田夏穂さんの作品は、1つ設定を決めてから主人公が突っ走っていくので、解説の朝井リョウさんも話しているが、石田さんの作品からしか得られない文章があるというのは、この人を読み続ける理由に十分なりうるなと思います。
今回だと、「就活生を黄金比の顔で採用する」という主人公の軸があるので、「新卒一括採用は信用ならない」ことや「人事部の他の人たちのよくわからない判断軸を批判しない」ということに含まれていると思いました。
それぞれの作品で、主人公の軸を動かされる場面が必ずあるが、それを悲観したり悔恨したりせず、グイっと主人公の軸を変えてすすんでいき作品が終わるのでそれがいい。出てくる登場人物は社会の -
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素人の私目線ですがジムの描写があまりにも「やってる人」っぽくてあるある〜!とか、上の人達だとそんなこと思ってるのか〜とか、リアルに感じられました。パワーラックとかベンチとか使いたかったのに、ようわからん事してる人(失礼)が数十分占領してて使えない時とか…あるよね…
大会に勝つために歩き方とかポージング、脱毛、タンニングなどは予想の範囲だったのですが、髪型まで…てかエクステ!?とびっくりしました。別に男みたいになりたくて筋トレするわけじゃないけど、だからといって「女らしく」したいわけでもなく、ただ鍛えたいなぁって気持ちで筋トレしてるだけじゃ勝てない世界なんですね…
面白かったです!! -
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7つの短編集
新進気鋭の作家たちによる現代のリアルを切り取る7つの物語。
わかってるようでちゃんと理解していなかった
「推し活」「VTuber」についての理解が深まりました
どの作品も味わい深くオススメできるものばかりですが個人的には
『あなたに見合う神さまを(佐原ひかり)』が一番心に刺さりました
人を支配するもの、人の幸福を妨げるものはおしなべて暴力よ
と語る権藤さんのカッコよさと、少しづつ勇気をもって言葉の暴力に立ち向かう主人公。。
初めて著者・佐原ひかりさんを本作品で知りましたが他作品も追いかけてみます
あと石田夏穂さん作品はほぼ全部読んでいますが短編向きなのかも、とも感じ -
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『ケチる貴方』と『その周囲、五十八センチ』が収録されている。
『ケチる貴方』の主人公は、備蓄用タンクの設計と施工を行う企業に勤めている。現場の施工管理を担当する優秀な女性社員だ。
金太郎のような体なのに超冷え性。
冷え性であることを隠して働いているが、新人教育担当になって自分を曲げてから体がほてり始める、という内容。
『その周囲…』もそうだけど、体にフォーカスしたのが新しいと思った。
『ケチる…』はお仕事小説としても面白い。
昔新聞で、うろ覚えだけど、「小説というのは新しい国を作るようなもの。どこかで読んだようなものを書くな」という某作家のコラムを読んだことがある。
著者が作ったのは、新しい国 -
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読書備忘録931号。
★★★★★。
繰り返します!
この薄さでこの満足!★5つです。
そして石田さんのテッパンネタ。
問題ありません。
マンネリでも大いに楽しめます!
主人公は大手リース会社、株式会社レンタールの社員。後藤。
最近リーダー(係長)になった。
そして彼はボディビルダー!(石田さんテッパン!)
JBBCという硬派な協会の大会にエントリしている。
階級は5kg下げた75kg以下級。
大会が近い減量期にも関わらず81kg界隈をウロウロしてしまっている!
やばいやばい。
主人公が所属するのは建設資機材課第2係。
建設業界の大手顧客が相手だ。
出社すると、机にちんすこう!とか、サ -
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ネタバレ初めて挑戦した筋トレ小説。素人でもなかなか楽しく読める、そして共感もする内容だった。
作中では、主人公であるU野がボディ・ビル大会に出場するまで、体や自信の変化をU野は感じつつも、「女性らしさ」に関する疑問を変わらず抱えていた。
一方、読者である私も、女性向けのボディ・ビルの世界で、ここまで女性らしさを求められている現実に驚いたものである。単に「筋肉をつけたい、強くなりたい」という動機で筋トレを始め、ボディ・ビル大会に挑んだ結果、自分の筋肉を美しく見せるために「女性らしい」美しいものを身につける、「女性らしい」所作を行う。こういった必要とされる行動を鑑みると、「男とはこうあるべき、女とはこうあ -
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ボディビルダー側から見えるカイシャの風景に思わず噴き出しながら読んだ。
しかしなかなか哲学的でもあり思わずうなったフレーズも多い。
P7 ボディビルでは本来順位をつけられない者に順位をつける。そのために必ず隣の選手と比較される。ボディビルも「自分との戦い」とはよく言われるが、後藤は決して、そうは思わなかった。それは、どこまでも、他人との戦いだ。
P21 仕事を断るデブって、何なんだろうな。
P22 なぜ筋肉の上に脂肪が乗って、その逆ではないのか。それは、筋肉は脂肪よりも、価値の高い組織だからだ。
P27 真に自分の身体というのは、自分の意思で動かせる範囲のことだ。筋肉は自分の意志で動か