幸村誠のレビュー一覧
-
ネタバレ 購入済み
絶望を紡いでいく
救いのない悲惨な話が続く。人間をここまでどうしようもない存在として描かれると、暗澹とした気分になる。それでも読み続ける魅力がある。
-
ネタバレ 購入済み
不戦の誓い
ヴァルハラの夢の中で、過去の自分が行ってきた殺戮の数々を思い返すトルフィン。不戦を誓ったものの、
平和な未来はあり得ない。どういう終わりを迎えるのか? -
ネタバレ 購入済み
戦わないトルフィン
耳を斬り飛ばされても、抵抗しない。奴隷の身分を受け入れて、戦わないことを選んだトルフィン。物足りなさを感じるのは、緻密な絵柄で暴力を淡々と描かれ、残酷に対して感性が麻痺していった故か。
-
Posted by ブクログ
新天地ヴィンランドを求め、旅をしてついによい土地をみつけたトルフィンたち。
剣で征服すればよいという仲間に対して、あくまで平和にことを進めようとする。
ここから先住民とどういう展開になっていくのか、というのを思わせるあたりで、25巻がおわった。
すぐに26巻に取り掛かる前に、前の巻を本棚から引っ張り出してぱらりらしてみた。ちなみに、ヴィンランド・サガは紙の本で読んでいる。紙で読み始めたから、そろえておきたくてね。
手に取った巻が、ヒルドのエピソードだった。
トルフィンが戦士だった時代に、彼はヒルドの家族を殺しているんだよね。復讐するヒルドが、最後にはそれを思いとどまり、トルフィンが再び剣をとるなら殺す、と監視目的で同道するようになるまでのエピソードを読み返す。
今の巻だけ読んでいると、ヒルドが少しでも打ち解ける雰囲気をみせると、ほっとすることもあるんだけどさ。過去の経緯をみると、そんな甘いものではないことが察せられる。
この物語は、トルフィンの罪と罰、いや、罰と言うにはトルフィンはもっと前向きかな。なら、罪と償いの話になって来ているのだろうと思う。
今のトルフィンをみて、もっと強くでればいいのにと思うことがあるにしても、トルフィンは自分の中で大きく傾いた天秤のもう片方に、必死に何かを積み上げてバランスをとろうとしているのだ、そんなふうに思えた。 -
購入済み
罪が生まれ時と消える時
長年この物語を、トルフィンの人生を見てきた。
トルフィンを通して僕らは生と死に振り回される人たちを何度も俯瞰しては"人が生きる意味"ということを考えさせられる。
着々と開拓が続く中、ちいさな実りに幸福を感じ、懸命に生きて貧しくも清々しい生の歩み。如何に他人より派手に着飾り自己承認と自己賛美のための見当違いな自己研鑽をし他人を罵り、争う。飽食しては腐らし捨てる世界とは程遠い、現代生活では感じ得ない清貧を数ページに渡って実感させてくれる。
血生臭く泥が跳ね人々の断末魔響く戦場からはじまったこの物語にとっては、サーガ史上初めて一番に長閑でそこにある何でも無い風景がとても平和的で幸せな日々が淡々と描かれる。
その中でも、人間が人間であるがゆえにまたちいさなちいさな赤黒い火種が燻りはじめるのだが。
台風のように荒々しい気の触れた子供と言われたトルフィン。父親の敵を取るために他人の父親を殺すことを何も考えてこなかったこの子が、奴隷に落ち、人間として再起した彼を、ここまで頑張ってきて小さな信頼を重ね、わずかながらも幸せを掴む彼を、ほんとうに ほんとうに心の底から祝福してあげたい。とそう思ったとき。そう思ってくれた人が生まれた時、トルフィンを永く見てきた自分は、心が震え、涙が溢れてしまった。
人間は手にしたものが多いほど、守りたいものが増えて身が重くなる、身が重いが為にまた遠心力も強くなり人生のふるいに掛けられる度に否が応にも大きく強く振り回される。
トルフィンは、またふるい落とされてしまうのか?サーガは続く。 -
購入済み
ここではないどこか(ヴィンランド)に向けて出発するところで話が終わります。
昔「地上の楽園」に向けて日本から船出した人達のようにはならないか、移住がうまく行ったとしても、力のある穏健派のトルフィンがいなくなった後はどうなるのか、今後の展開が気になります。