幸村誠のレビュー一覧
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ネタバレ「愛し合うことだけは どうしてもやめられないんだ」
ここへ帰着するとは…いい意味で予想を大幅に裏切られ、爽快だった。宇宙飛行士の開拓物語で終わるのか、と予想していたからだ。ただ、この言葉が「人間同士」と限定されたものにしか聞こえず、評価・レビュー共に書き直す事にした。再読したらまた気付く事もあるかもしれんが、主人公のハチマキが動いても読者である自分に躍動感が生まれなかった、と言うのが一番大きいかもしれない。
4巻の見返しに作者が書いていたことはとても身近な人としての未熟さを素直に文章にしているととても頷けたのだが、それが作品の中の主人公が体現しいる、と言うと言う風に感じなかった、と言うだけだ。 -
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ネタバレ自分の「生」の「力」を見失うハチマキ。ここの下りの描写はある人にはとても抽象的に見える事だろうが、一度でもメンタルにダメージ食らって病気であると自覚した人間には至極解り易い。
愛を知らないと自分を保っていられなくなるのが人間なのかもしれない、そんな事が描いてある。
個人的に冒頭部分に地雷が…ハチマキが自動販売機で飲み物を買ってると、そこに通りかかった車が猫を跳ねる、跳ねられた猫はハチマキの目の前を腸引きずりながら道を渡り、木々の闇の中に消えていく、と言う描写なのだが、その時のハチマキの姿がただ傍観しているにしか見えず、この主人公に感情移入が難しい、と思ってしまった。『孤高の人』の中に「他人の命に干渉するな」と言葉がある。猫はどんなに肉体が傷ついていても動ける限りは更なる災難から遠ざかろうと本能で動くだろう、それに対し、人間であるハチマキが手を差し伸べたとしても猫の命は助からなかっただろう。ハチマキは猫だから傍観したのでは?それが人間であったら当然駆けつけるのでは?ひき逃げした車に追いすがるのでは?
この場面と4巻最後の「愛し合うことをやめられないんだ」は人間同士の場合のみ、と言う限定された定義であり、全ての命には向いてないのか、と思ってしまう場面だった。彼は2巻に登場するタナベに「愛がない」と散々言われる男で、そのタナベも「人間には愛がある」と言う事が解らないまま生まれ、愛と言うものを言葉に出しているからこそ確認できている様な、そんな素振りに見える事があった。この二人が結婚する事になるのだが、男女の仲は当人同士にしか解らないものがあるとして、彼らに子供が出来た時、その子供が他者に迷惑をかけた時「子供がやった事ですから」と頭も下げない親になるんじゃないだろうか、とかなりぞっとした。
宇宙飛行士漫画としては主人公以外の人たちの物語の幅がある事で面白い漫画だ、と思ったが、3巻の冒頭部分がどうも引っかかってしまう。ハチマキの中にはこの黒猫の様が憑りついたような描写が後々に出てくるのだが、結局、猫の姿を借りた何かに彼は「救われた」と言ってしまう。あの時、何もせずにその死を見ていただけの自分の存在を悔いていると言う心情描写として描かれているのは解るのだが、自己完結にしか見えなかった。
恐らく私はこの主人公の人間性があまり好きになれなかっただけだろう。フィーの方が人間力は高い。ユーリの妻への想い、彼を助けに行ったハチマキの姿も義務的であって感情に揺り動かされて、と言う風に見えなかったのはこの辺りに起因している、と読み進めている内に解った。彼は共感力があまりない人間じゃなかろうか。 -
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雪の山中での、復讐者(ヒルド)と贖罪者(トルフィン)の緊迫感溢れるやりとり。第8巻まででは、トルフィンが復讐者の立場でアシェラッドと対峙していたのと、一種の相似形になっているのも面白い。
通奏低音として流れるキリストの教え、人を赦すことがいかに難しいかが、ヒルドの心情を通して伝わって来る。
回想シーンで、ヒルドがベアリングを考案していたけど、実際に実用化されたのいつぐらいだろう。回想シーンのヒルドはとっても可憐で可愛らいしいのに、こんなにも強面で猛々しいアマゾネスになってしまった原因を作ったトルフィンの罪は果てしなく深いと思った(笑
相変わらずの素晴らしい作画だけど、やられっぱなしのトルフィン一行に鬱憤がたまる巻なので、星は4つです。 -
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11世紀ヨーロッパを舞台にしたヴァイキング叙事詩。
戦争も奴隷制度もない国を作るため、北の果てヴィンランドを目指すことを誓ったトルフィン一行。遠征のために必要となる莫大な資金を得るため船で東方ギリシアの都・ミクラガルドへ向かいます。そこに、船乗りになることを願って夫のもとを飛び出した花嫁グズリーズが仲間に加わり、身寄りのない赤ん坊と犬も追加。しかしその後ろからは、グズリーズ奪還の追手が迫る…。
新たな旅が始まるとともに、トルフィンは殺戮に明け暮れた過去とも向き合わなければならない模様。とても辛そうですが、どうなるのかとても楽しみ。冒険の始まりは、いつでもドキドキしますなぁ。