幸村誠のレビュー一覧
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ネタバレ「愛し合うことだけは どうしてもやめられないんだ」
ここへ帰着するとは…いい意味で予想を大幅に裏切られ、爽快だった。宇宙飛行士の開拓物語で終わるのか、と予想していたからだ。ただ、この言葉が「人間同士」と限定されたものにしか聞こえず、評価・レビュー共に書き直す事にした。再読したらまた気付く事もあるかもしれんが、主人公のハチマキが動いても読者である自分に躍動感が生まれなかった、と言うのが一番大きいかもしれない。
4巻の見返しに作者が書いていたことはとても身近な人としての未熟さを素直に文章にしているととても頷けたのだが、それが作品の中の主人公が体現しいる、と言うと言う風に感じなかった、と言うだけだ。 -
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ネタバレ自分の「生」の「力」を見失うハチマキ。ここの下りの描写はある人にはとても抽象的に見える事だろうが、一度でもメンタルにダメージ食らって病気であると自覚した人間には至極解り易い。
愛を知らないと自分を保っていられなくなるのが人間なのかもしれない、そんな事が描いてある。
個人的に冒頭部分に地雷が…ハチマキが自動販売機で飲み物を買ってると、そこに通りかかった車が猫を跳ねる、跳ねられた猫はハチマキの目の前を腸引きずりながら道を渡り、木々の闇の中に消えていく、と言う描写なのだが、その時のハチマキの姿がただ傍観しているにしか見えず、この主人公に感情移入が難しい、と思ってしまった。『孤高の人』の中に「他人の -
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雪の山中での、復讐者(ヒルド)と贖罪者(トルフィン)の緊迫感溢れるやりとり。第8巻まででは、トルフィンが復讐者の立場でアシェラッドと対峙していたのと、一種の相似形になっているのも面白い。
通奏低音として流れるキリストの教え、人を赦すことがいかに難しいかが、ヒルドの心情を通して伝わって来る。
回想シーンで、ヒルドがベアリングを考案していたけど、実際に実用化されたのいつぐらいだろう。回想シーンのヒルドはとっても可憐で可愛らいしいのに、こんなにも強面で猛々しいアマゾネスになってしまった原因を作ったトルフィンの罪は果てしなく深いと思った(笑
相変わらずの素晴らしい作画だけど、やられっぱなしのトル