奈倉有里のレビュー一覧

  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    翻訳のすすめ。翻訳ってただ単語を訳す作業ではなかったんや。奈倉さんは原書を10回は読み尽くして、好きなフレーズは暗記するほど。音声もあればそれも聞き尽くすとか。そういう作業をしてはじめて翻訳にとりかかるそうだ。

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    2024年01月30日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    外国語を読むってどういうこと?それは言葉の白地図を作ることらしい。目的の言語をまず選ぶことで白地図に印が付く。それから色々なクエストをやっていくのだ。その手助けにこの本はなってくれるかも。作者のロシア語を学んでいった経験が表れている。

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    2024年01月22日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    ロシアの迷信
    鳥が家の中に入るとそのいえの誰かが死ぬ。もし入ってきてしまったらすぐに外に放った上で、その日はその家でない方が良いとも言われていると言う。
    鳥が飛んで入ってきても不潔だと言うが、これにはロシア語で朝を意味するバーバチカがおばあちゃんを意味するバブーシカ似ているため、おばあちゃんの例が迎えに来たことを連想するからだと言う説がある。古代ギリシャ語で長であり魂でもある募集型の話が思い浮かぶが、実際飯の中には古代ギリシャ由来のものも多い。
    忘れ物をして一旦家に戻るのが不吉というものがある家と外との境界線である色をまたぐことが何か決定的な行為でありその前後混同すると良くないと言う類の名称世界各地にありこの飯もその一つ見られているしかし忘れ物して家に戻れないと言うのも困るのでこれには幾つかその行いをなかったことにする方法が伝えられている。よく聞くのは、鏡に自分の姿を映して舌を出すと言う方法。鏡がない時は自分のことをパパと払って、その肩越しに後に向かって3回PePePeと唾を吐く真似をするのでも良い。あるいは道中の無事を願うおまじないで家消すと言う方法。出発前にみんなで少しの間腰掛けると言うものだが、これには家を出る人の無事を願う効果と、家に残された座敷わらしのような妖怪…もとい精霊であるともボーイに家を任せたぞと頼む効果もあると言われている。一説によるとどもボーイは心配性なので、そうやって行ってきま~すをつけないと家主についていってしまって、家を守るものがいなくなるらしい。なかなかいいやつなのだ。

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    2024年01月21日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    本文に『「わたしがこの日記をかくのは戦争反対!」とさけぶためである。戦争に勝者はいない。そこにあるのは血、破壊、そしてわたしたちひとりひとりの心の中に出来た大きな穴だけだ。』とある。

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    2024年01月05日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    読んでいて何となく堀江敏幸氏の本を思い出した。

    なにも言えなかったのは、言うべきことがなかったからではない。ただ、どの言葉も心を表しはしなかったからだ。そして言葉が心を超えないことを証明してしまうような瞬間が人生のどこかにあるからこそ、人はどうしてその瞬間が生まれたのかを少しでも伝えるために、長い長い叙述を、本を、作り出してきたのだ。

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    2023年11月17日
  • 赤い十字

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    ベラルーシのミンスクで語り手であるサーシャと、彼に自分の生い立ちを語る老婆タチヤーナ。
    タチヤーナの語る話は、第二次大戦前のソ連に生まれ、戦争に夫をとられ、夫がナチス・ドイツの捕虜となり、つまり、「虜囚の辱め」に甘んじた裏切り者となったため、反逆者の妻としてとらえられ、娘と引き離され、、、という重なる悲運に満ちた人生だった。
    そのような悲惨なソ連の状況を生んだ張本人はヨシフ・スターリンなのだが、そのスターリンが死に、その悪行が明らかになっても、やがて時間が経つと、スターリンを持ち上げる人々が生まれてくるのだという予言が語られるが、タチヤーナの人生の最後にあっても、その亡霊の様に蘇るスターリンの影響が明らかになる。
    ソ連という国の底の知れない恐ろしさのようなものを感じずにはいられない。
    そして、戦前戦後の日本にも似たようなものを感じてしまう

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    2023年11月13日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    翻訳の心得。クエスト形式で進んでいく読みやすい本。ただ言葉を置き換えるのではなく、背景とか、読んだ時の読書体験とか、それが読者に伝わるように訳す不断の努力を感じた。異文化の反対は自文化であって自国の文化ではなく、文化は国に属するものではなくて国民としてのアイデンティティを確立するものではむしろない、というのが印象に残った。本という文化において、異国の人ともむしろ友達になれる。純粋な文化、というのは存在しない。
    あとは、「マーシャにサラファンを着せる」という『大尉の娘』の訳について。サラファンは農民の着物で、貴族の格好をしていると強奪の対象になるからあえて農民の着物を着せるという父親の判断なのだけど、それが自然と分かるようにシンプルに訳すにはどうしたらいいか、という話もよかった。サラファンは晴れ着で死装束だという訳註がついたこともあるというが、それは全く解釈違いで、権威ある翻訳のそうした間違いは影響大だなと思った。

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    2023年09月24日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    大切なのは体験をどのように作れるか(一緒に作っていけるか)、素直な感覚をベースに考え試行錯誤すること

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    2023年08月07日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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     アフガン戦争の真実。ソ連政権の巧みなプロパガンダにより徴兵された少年たちは、亜鉛の棺に入れられて帰還した。母親たちは、その棺を開けることは許されなかった。
     アフガン帰還兵、戦没者の母親たちへの多くのインタビューから、戦場で何が起こっていて、人間はどのように破壊されていくのかが明らかにされる。

     この著書が広く世界中で読まれているのは、アフガン戦争の真実を暴いた、ということよりも、「戦争」「戦場」の持つ普遍的な悍ましさ、戦争へ駆り立てる権力者の欺瞞もまた普遍的であることを暴いたと言うことだろう。どんな戦争も、ベトナム戦争も、今起こっているウクライナでの戦争も、そしてかつての太平洋戦争も、同じであろう。

     今回増補された、この著書を巡る裁判の顛末。権力の恐ろしさを実感する。

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    2023年05月04日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナ信仰が起きた時、彼女はそこにいた。
    画家、絵本作家であり、妻であり、母である作者。
    彼女は、自分に起きたこと、家族に起きたこと、今あることを、えんぴつでスケッチして、日記に書いた。
    それは今ライブで起きていること。
    だから物語としてまとまっている話ではない。
    しかし、それはリアルでライブ。
    今、彼女はブルガリアに避難してきている。
    愛犬と二人の子供と共に。
    夫は、ウクライナ国内に残っている(全てのウクライナ男性は、国外に出られない)。
    彼女の母親は、ウクライナ国内に残っている(老人、家族は身軽に動けない)。
    それを知ること、それを感じることのために、本書を手に取った。

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    2023年04月11日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナ戦争初期の戦闘地域へルソンから脱出した作家が記録した日記。
    市民の様子家族をイラストで描いた本。現在も続くウクライナ戦争の市民の様子、地下での生活、避難生活がどのようなものか、戦争に巻き込まれるとどんな生活になるのか、映像として出てこない地下での生活がスケッチされてよくわかる。戦争下の市民の生活が、いかに悲惨なものかを感じる。自分がもし著者と同じ立場だったらという事を考えさせられた。

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    2023年03月05日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    ネタバレ

    やはりすごい本だった。裁判の記録も有難い。
    今回の戦争で,またこんな話がごろごろ生まれているんだろうなと思うと,気が重いというか本当に辛い。

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    2023年02月16日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    モスクワ五輪ボイコット。その原因となった侵攻。無事兵役から帰還した息子が起こす殺人事件。そこから物語は始まる。兵士、看護師、補助員という名目の女性、残された母。数々の証言で浮き彫りにする戦いの実態。何故か訴えられる著者。ドキュメンタリー小説とは?証言の持ち主は証言者その人ではない。それは創作であり事実である。戦争とは?侵略と防御。大義はあっても犠牲は伴う。圧勝、苦戦、敗走。程度の差こそあれ被害は被る。傷つくのは市民、身体だけでなく心も。平和憲法を抱く日本。戦わないはずの国で自分事として考えてみる。

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    2023年01月15日
  • 赤い十字

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    ネタバレ

    ロシアからベラルーシのミンスクに引っ越してきたサーシャは同じフロアの91歳の老人・タチアーナの懐古話を聞く羽目になる。最初は嫌々だったものの段々と自ら彼女の人生を聞きに行くようになる。

    恵まれていた子供時代、初恋、外務人民委員部での書類処理の仕事、恋愛結婚、そして開戦。

    赤十字から送られる捕虜の扱いに関する手紙を処理する仕事の最中にタチアーナは捕虜リストの中に夫の名前を見つけ、彼女は大胆な行動を取る。1945年7月、夫の帰りを待っていた彼女は逮捕され娘を取り上げられた上、収容所へ送られてしまう。

    ソ連の人間の尊厳を微塵も大切と思わないお粗末極まりない手段に辟易してしまう。現在の戦争にも通じるものだと感じた。

    ロシアに近いベラルーシの作家の作品。とても読みやすい。新人作家さんがこうして台頭されてくるのは嬉しいですね。

    あと、やはりロシアのことを知りたければロシア系の作家さんの作品を読むというのは近道であり必然と再認識しました。各国における「○○は△△のことを暗喩する」などは他国の人間は知識として知っていても情を込めて書くことは難しいんじゃないかと。その土地で暮らして生きている人間にしか書けないものがあるんじゃないかと思いました。

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    2022年12月22日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    1979年-1989年のアフガン戦争に派遣され、心と身体に傷を負った帰還兵士(と言っても臨時に徴収された少年が多かったようだ)や、死亡した子どもたちの特に母親から聞き取った内容、見せてもらった日記や手紙などを元にまとめた本である。

    傷の覚めやらない内でのものなので、その気持ちや行いに偽りはないだろう。
    仲間内でのリンチ、命令に沿わなかった時の仲間への背後からの射撃、上官によるブーツや靴下を舐めさせる等のいじめ、新人工兵に対する地雷突破命令、罪もないアフガニスタン民間人の虐殺、強奪、強姦、これら凡そ人間的ではない日常を紛らわすために、麻薬を吸いウォッカをがぶ飲み、無ければ不凍液に手を出す。
    そんな中でも、故郷の母親や恋人の想い出は、唯一人間らしさを取り戻す瞬間なのだろう。

    著者のアレクシエーヴィチは戦争中から、実際に聞いた話を集めて本にした。ペレストロイカと共に言論の自由化が進み「亜鉛の少年たち」も新聞に一部掲載され、単行本も大部数で出版されている(日本語では1995年)。
    しかし独立して間もないベラルーシで1993年に、証言してくれた人たちにより、6年も経過した後に名誉毀損等で提訴される。この事件の裏には原告ら個人の意思ではなく、明らかに彼らをけしかけた黒幕の存在があった。必要なのは国家と為政者の絶対的権威と権力なのだ。
    この裁判の内容も記載されている。

    現在進行中のロシアによるウクライナ侵略も同じ文脈だ。ロシア国内の多くは片寄った情報にしか接することが出来ず、プロパガンダを信じている。正義のためだと派遣された兵士も多いだろう。恐らくそこで目前にするのは、40年前の状況の再現だ。
    彼らにも責任はあるだろうが、最も罪深い人は権威のトップに立つ人だ。

    こうも歴史は繰り返されるのか、なぜこのような人間が出来上がるのかと、暗澹たる気持ちになってしまう。

    ちなみに「亜鉛(メッキされた鋼板)」は、長時間を要する死体の保存と輸送性を考えて、棺の素材として使用されたようだ。完全に密閉され、故郷に帰っても家族すら開けることが許されなかった。
    証言を見ると分かる。身体として見分けがつくようであればましな方で、肉片や崩れ、欠損した身体や頭部等を見ると、家族の反感はどれほどのものになるか、それを見越してのことだ。

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    2022年12月12日
  • 理不尽ゲーム

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    ディストピア小説のように書いてある、たぶん本当にあるような話。
    初のベラルーシ文学は読んで衝撃でした。
    「1984年」くらい救いのないような現実がもしあるのであれば本当にやりきれない…

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    2022年11月23日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナで戦争に巻き込まれた著者の生々しい絵日記。
    鉛筆一本で描かれた殴り書きのような筆致が、すぐそばで爆発が起こり、地下シェルターに逃げる必要のある現実を突きつけてきます。
    著者とは職種が違いますが、私も仕事で絵を描きます。
    絵を描くことでの心の安定と、戦争下でも営まれる、人々の生活と会話や自分の思いを文字として書き留める記録としての意味合い。
    戦争が早く終わり、終わった後にこそ、この本をどの立場の人にも手に取って読んでもらい、戦争がいかに愚かなことであるのか、同じ人間が、民族・言語・宗教・肌の色などで対立することが無意味であるかを学んでほしいと願うばかりです。

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    2022年11月18日
  • 理不尽ゲーム

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    半年ほど前、ジャーナリストの金平さんが、ルカシェンコにインタビューをしにベラルーシへ行った時の映像を思い出した。街角で市民に問いかけると、何の問題もないと言っていた人も居たが、泣きなから訴えていた女性もいた。何を訴えていたのか具体的な内容は忘れたが、かなり怯えていたことが印象に残っている。この本にも、大統領選挙の結果を聞きに広場に集まっただけで、暴行を受け捕まってしまう場面があった。
    訳者の奈倉さんは言う「この本の世界と私たちの目の前にある社会には、継ぎ目などない」と。「もはや他人事ではありえないのだ」

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    2022年10月29日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ロシアによるウクライナ侵攻により、過去から続いてきた『日常』が、どう変えられてしまったのか。

    瞬間的な激変や衝撃、外部と内面の関わりが日記として、個人的記録として、今、日本にいる私の目の前にある。
    家族が一緒に居られない不安。
    そのような精神下でも、一人で子ども2人を育み、稼がなければならない不安。
    不安で潰されそうでも、希望に向かっていく強さ。

    日本に来ているウクライナの方々の不安を想像する。

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    2022年10月25日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻

    本書は、ウクライナ北東部のロシア国境にほど近い都市ハルキウ在住のアーティスト、オリガ•グレベンニクさんが、侵攻直後から2週間の自身の体験を綴ったものです。

    オリガさんは、ハルキウでの数日の生活の後、ウクライナ西部のリヴィウ、そしてワルシャワ、ソフィアへ、幼い子ども2人と避難していきます。

    本書では、オリガさんの当時の日記であり、その時の鉛筆による文章とスケッチがそのまま掲載されています。

    その筆跡や文章、絵には直接的には過度に感情を揺さぶるような大げさなものはありません。
    (絶望、と書かれた絵にすら、正直なところタイトルと文脈がなければ絶望を読み取ることは困難です。)

    ただ、地下室生活、爆撃による街の破壊、親•祖父母らとの別れ、夫との別れなど、オリガさんの体験は事実として圧倒的です。
    どうしたって伝わってくる不安、悲しみ、恐怖。
    そして生まれ育った街、家族、子ども達への暖かな愛。

    戦争反対と叫ぶことが本書の目的とオリガさんは言います。
    そういう本はもちろんたくさんありますが、本書には他の同様の本と大きく違う点があります。
    それは、誰かや何かを憎み悪くいう言葉や文章、表現が、本書では一言も、全く、存在しないということです。


    文章量としてはおそらく文庫本10ページ分もないくらいですが、きっと多くの人の心に残る一冊になると思います。

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    2022年10月08日