奈倉有里のレビュー一覧

  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    大切なのは体験をどのように作れるか(一緒に作っていけるか)、素直な感覚をベースに考え試行錯誤すること

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    2023年08月07日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    「文化というものはそもそも、自国/他国(異国)という線引きにはなじまない。(中略)文化を学ぶことはむしろ反対に、「〇〇人としてのアイデンティティ」をほぐし、解消し、もっと広い地平に踏みだすことなのだ。」

    本書は4章からなるゲーム攻略本仕立てとなっており、上に記したのは第2章「文化のえらびかた」にあり思わずメモしたところ。そのほか章ごとのコラムがあり、巻末の作品案内にはQRコードも付いていて便利。世界は広くて複雑で、だからこそ仲間を探して歩き続けないと。10代以上すべての人のための「あいだで考える」シリーズ。


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    2023年07月30日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    『夕暮れに夜明けの歌を』がとても良かった奈倉さん。
    これの「あいだで考える」シリーズは「10代以上すべての人のための人文書シリーズ」となっているので、中高生が取っつきやすいようルビも振ってあるし、この本はゲームのような形で進むが、「翻訳をしたい」と考えている中高生はレアだろう。旅行で使う日常会話やメールならAIが簡単に作成してくれる。留学や移住を考えていなければ、語学学習の意欲は下がって当然。受験があるから英語はやるけど。翻訳小説を読む中高生も少ない。景気が悪くて、若い人も内向きになっているからで、もちろん若い人の責任ではないが。
    だから、文学作品の翻訳をしたい人はそもそも多くない。文学の翻訳

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    2023年07月29日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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     アフガン戦争の真実。ソ連政権の巧みなプロパガンダにより徴兵された少年たちは、亜鉛の棺に入れられて帰還した。母親たちは、その棺を開けることは許されなかった。
     アフガン帰還兵、戦没者の母親たちへの多くのインタビューから、戦場で何が起こっていて、人間はどのように破壊されていくのかが明らかにされる。

     この著書が広く世界中で読まれているのは、アフガン戦争の真実を暴いた、ということよりも、「戦争」「戦場」の持つ普遍的な悍ましさ、戦争へ駆り立てる権力者の欺瞞もまた普遍的であることを暴いたと言うことだろう。どんな戦争も、ベトナム戦争も、今起こっているウクライナでの戦争も、そしてかつての太平洋戦争も、同

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    2023年05月04日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナ信仰が起きた時、彼女はそこにいた。
    画家、絵本作家であり、妻であり、母である作者。
    彼女は、自分に起きたこと、家族に起きたこと、今あることを、えんぴつでスケッチして、日記に書いた。
    それは今ライブで起きていること。
    だから物語としてまとまっている話ではない。
    しかし、それはリアルでライブ。
    今、彼女はブルガリアに避難してきている。
    愛犬と二人の子供と共に。
    夫は、ウクライナ国内に残っている(全てのウクライナ男性は、国外に出られない)。
    彼女の母親は、ウクライナ国内に残っている(老人、家族は身軽に動けない)。
    それを知ること、それを感じることのために、本書を手に取った。

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    2023年04月11日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナ戦争初期の戦闘地域へルソンから脱出した作家が記録した日記。
    市民の様子家族をイラストで描いた本。現在も続くウクライナ戦争の市民の様子、地下での生活、避難生活がどのようなものか、戦争に巻き込まれるとどんな生活になるのか、映像として出てこない地下での生活がスケッチされてよくわかる。戦争下の市民の生活が、いかに悲惨なものかを感じる。自分がもし著者と同じ立場だったらという事を考えさせられた。

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    2023年03月05日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    ネタバレ

    やはりすごい本だった。裁判の記録も有難い。
    今回の戦争で,またこんな話がごろごろ生まれているんだろうなと思うと,気が重いというか本当に辛い。

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    2023年02月16日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    モスクワ五輪ボイコット。その原因となった侵攻。無事兵役から帰還した息子が起こす殺人事件。そこから物語は始まる。兵士、看護師、補助員という名目の女性、残された母。数々の証言で浮き彫りにする戦いの実態。何故か訴えられる著者。ドキュメンタリー小説とは?証言の持ち主は証言者その人ではない。それは創作であり事実である。戦争とは?侵略と防御。大義はあっても犠牲は伴う。圧勝、苦戦、敗走。程度の差こそあれ被害は被る。傷つくのは市民、身体だけでなく心も。平和憲法を抱く日本。戦わないはずの国で自分事として考えてみる。

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    2023年01月15日
  • 赤い十字

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    ネタバレ

    ロシアからベラルーシのミンスクに引っ越してきたサーシャは同じフロアの91歳の老人・タチアーナの懐古話を聞く羽目になる。最初は嫌々だったものの段々と自ら彼女の人生を聞きに行くようになる。

    恵まれていた子供時代、初恋、外務人民委員部での書類処理の仕事、恋愛結婚、そして開戦。

    赤十字から送られる捕虜の扱いに関する手紙を処理する仕事の最中にタチアーナは捕虜リストの中に夫の名前を見つけ、彼女は大胆な行動を取る。1945年7月、夫の帰りを待っていた彼女は逮捕され娘を取り上げられた上、収容所へ送られてしまう。

    ソ連の人間の尊厳を微塵も大切と思わないお粗末極まりない手段に辟易してしまう。現在の戦争にも通

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    2022年12月22日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    1979年-1989年のアフガン戦争に派遣され、心と身体に傷を負った帰還兵士(と言っても臨時に徴収された少年が多かったようだ)や、死亡した子どもたちの特に母親から聞き取った内容、見せてもらった日記や手紙などを元にまとめた本である。

    傷の覚めやらない内でのものなので、その気持ちや行いに偽りはないだろう。
    仲間内でのリンチ、命令に沿わなかった時の仲間への背後からの射撃、上官によるブーツや靴下を舐めさせる等のいじめ、新人工兵に対する地雷突破命令、罪もないアフガニスタン民間人の虐殺、強奪、強姦、これら凡そ人間的ではない日常を紛らわすために、麻薬を吸いウォッカをがぶ飲み、無ければ不凍液に手を出す。

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    2022年12月12日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナで戦争に巻き込まれた著者の生々しい絵日記。
    鉛筆一本で描かれた殴り書きのような筆致が、すぐそばで爆発が起こり、地下シェルターに逃げる必要のある現実を突きつけてきます。
    著者とは職種が違いますが、私も仕事で絵を描きます。
    絵を描くことでの心の安定と、戦争下でも営まれる、人々の生活と会話や自分の思いを文字として書き留める記録としての意味合い。
    戦争が早く終わり、終わった後にこそ、この本をどの立場の人にも手に取って読んでもらい、戦争がいかに愚かなことであるのか、同じ人間が、民族・言語・宗教・肌の色などで対立することが無意味であるかを学んでほしいと願うばかりです。

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    2022年11月18日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ロシアによるウクライナ侵攻により、過去から続いてきた『日常』が、どう変えられてしまったのか。

    瞬間的な激変や衝撃、外部と内面の関わりが日記として、個人的記録として、今、日本にいる私の目の前にある。
    家族が一緒に居られない不安。
    そのような精神下でも、一人で子ども2人を育み、稼がなければならない不安。
    不安で潰されそうでも、希望に向かっていく強さ。

    日本に来ているウクライナの方々の不安を想像する。

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    2022年10月25日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻

    本書は、ウクライナ北東部のロシア国境にほど近い都市ハルキウ在住のアーティスト、オリガ•グレベンニクさんが、侵攻直後から2週間の自身の体験を綴ったものです。

    オリガさんは、ハルキウでの数日の生活の後、ウクライナ西部のリヴィウ、そしてワルシャワ、ソフィアへ、幼い子ども2人と避難していきます。

    本書では、オリガさんの当時の日記であり、その時の鉛筆による文章とスケッチがそのまま掲載されています。

    その筆跡や文章、絵には直接的には過度に感情を揺さぶるような大げさなものはありません。
    (絶望、と書かれた絵にすら、正直なところタイトルと文脈がなければ絶

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    2022年10月08日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    WW2のソ連軍の女性兵士のドキュメント書いた人がアフガニスタンでのソ連兵士にインタビューした本。インパールまではいかないけど凄まじく劣悪な状況。今のウクライナもこんな感じなのかしら。

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    2022年10月06日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    凄まじく、言葉にできないが、
    この戦争が可能であればウクライナの人々が望むような形で終わることを祈りたい。

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    2022年09月18日
  • 赤い十字

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    ベラルーシで何が起こっているのか、少しでも知る手がかりがあるのでは、と思い読んだ。

    著者のサーシャ・フィリペンコは国外で暮らしているそうだ。かつて見たドキュメンタリー番組でも、同じように心あるベラルーシの人々は、リトアニアに脱出していた。ルカシェンコ大統領の不正選挙の後、民主化運動へ息を潜め、ルカシェンコ政権のもと、自由な発言は国内ではできない状態だ。もちろん、ロシア連邦の中でも同様だ。

    どんな発言が許されないのか。
    社会主義の大義に反すること。そして、独裁者の意に背くこと。

    この小説でも、アレクシェーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」でも、逢坂冬馬「同志少女よ敵を撃て」でも同様に描か

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    2022年07月22日
  • 赤い十字

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    「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず」かつて日本が戦時中に兵士たちの訓戒とした言葉だ。それはソ連も同じだった。
    2000年、ベラルーシの首都ミンスクのとあるアパートに青年サーシャが引っ越す事から物語が始まる。同じ階に住む老婦人タチヤーナは91歳でアルツハイマーを患っており強引なコミニケーションで自らの半生を語りだす。彼女が第二次世界大戦で夫が戦地で捕虜になり彼女の生活は一変され放浪されていった。経験した者が話す血の通った話に、青年は引き込まれていってしまう。

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    2022年06月29日
  • 赤い十字

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    著者と同じ名前の主人公、サーシャは、30歳の青年。ロシアからベラルーシの首都、ミンスクに越してきたばかりだ。
    家族に大きな不幸があり、母親が再婚相手と暮らしているこの街に住むことになったのだ。
    だが越してきた早々、階の入口ドアに奇妙な赤い十字が描かれているのを見つける。苛立ちながらそれを消すサーシャに、同じ階に住む老婆が話しかけてくる。十字は老婆が描いたもので、アルツハイマーを患っているため、自分の家の目印にするつもりだったのだという。
    自分の不幸で手一杯で辟易気味のサーシャに、老婆は強引に身の上話をし始める。
    それはソ連の暗部にまつわる、強烈に皮肉な人生の物語だった。

    老婆、タチヤーナは、

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    2022年06月20日
  • 赤い十字

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    引っ越し先で知り合った隣人は、認知症を患う元ソ連の外務省職員。
    夫が他国の捕虜となったことを彼女が知ってしまったことから始まる運命は、軽妙なタッチでぐいぐいと読ませる。
    そしてそこからの地獄は「理不尽ゲーム」同様。

    国家というものが、いかに簡単にそこで暮らす人々を切り捨ててしまえるのか…ジュネーブに残された赤十字のアーカイブ資料は語る。

    最後の一文に悲しみしかない。

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    2022年01月20日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    本当に一夜にして生活が一変したという事実が強く伝わってきた。
    平和だった日本も昨今何かのきっかけで戦争がおきてもおかしくない状況なので人ごとでは無い。

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    2026年01月31日