奈倉有里のレビュー一覧

  • 赤い十字

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    一気に読んだ。とても面白かった。恐らく膨大なアーカイブから着想を得た、粛清のソ連を描いた作品。運命等という軽い言葉では表せない時代。

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    2022年01月25日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    2022年に出ていた本、知らなかった。綴られる絵日記の絵にも、言葉にも胸がいっぱいになる。22年からはや数年の月日が過ぎた。人々はどう生きているのか、思いを馳せる。

    …わたしは民族で人を分けない。
    人を定義するのは、民族ではなく行動だからだ。
    多くのロシア人が戦争に反対しているということも知っている。…

    その思いで、母語のロシア語のまま本書を綴ったのも、心打たれる。

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    2026年02月01日
  • ロシア文学の教室

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    学生向けの平易なロシア文学の入門書。生徒や先生の会話で多様な視点から作品が紹介される。

    学生時代に出会いたかった。

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    2026年01月09日
  • 文化の脱走兵

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    ロシア文学には馴染みがないけれど、紹介されている詩がとても面白い。
    奈倉さんの感性とエピソードがユニークで可愛らしく、じんわり心が温まる。

    「猫背の翼」が特に好き。
    猫鯨に私もなりたい。

    戦争や原発のことを考えると心がギュッとなってしまうが、「気づくことは気づかないよりずっといい」という言葉に救われた。
    大きなことはできなくても、好きなものを好きだと言う、考えることをやめない、今いる場所でできることをやる。
    そういう生き方を選択したいと思った。

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    2025年12月28日
  • 文学キョーダイ!!

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    実はお二人の著書をひとつも読んでいないまま、なぜかこの対談にたどり着いた。
    ある種極端な環境で育ったおふたりだからか、世の中をとてもニュートラルに見つめているように感じた。この価値観の人達が書く文章は読んでみたいと思ったので、近々手を出そうと思う。

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    2025年12月27日
  • 文化の脱走兵

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    逢坂冬馬さんの本が大好きで、そのお姉さんも本を出されていると知り、興味をもち読んでみた。2人の価値観の根底はやはり似ていて、奈倉さんの本も負けないくらいに素敵だった。以下、感想。

    文学は、多くの人が生きた証であり、伝えたいメッセージであり、時代、その時の価値観が自ずと反映されている。それを一つ一つ丁寧に紐解きながら、思いを馳たり、自分自身に昇華させたりしている、筆者。

    多角的視点と言えば硬い表現になるが、感情や物事の機微に触れる、感じ取る力がすごいし、そんな力を私も読書することでつけていきたいと思った。

    ロシアが大好きな筆者だからこそ、ウクライナ戦争に対してのより強い悲しみ、哀愁を感じる

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    2025年12月14日
  • 文化の脱走兵

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    作者のひとがらがわかる素晴らしいエッセイ。
    読んでると雪が見たくなり、幼い日の景色を思い出したりする。
    しかし、ノスタルジーの中にも鋭い政治批評や反戦の意思があり、読み応えがある。
    ウクライナ戦争から原発まで、静かに行動する姿は胸を突くものがあった。優しいひとがらは両親や周囲の人が育んだものだろう。引用されている詩にも癒された。

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    2025年11月19日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    言語を学ぶ楽しさ、言語を学び続けるためのコツ、学びたい言語圏の文化の理解のしかた…言語を学び翻訳できるように至るまでのルートを分かりやすく楽しく教えてくれる本。
    翻訳したい人は参考にこの本を携帯するのもアリだと思う。読みながらわくわくした。

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    2025年10月23日
  • 文化の脱走兵

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    「文学キョーダイ!!」を読んで、逢坂冬馬さんとの姉弟関係やお二人の世界観が面白くて、こちらの本も手に取りました。弟さんとの対談の時のほうが、より、面白さ際立っていたようです(対談なので第三者の舵取り有った故かと)。エッセイだし、200ページくらいだし、ペロッと読めるだろと思っていたら、想像よりかなり深い考察や文学的素養が散りばめられており何度か寝落ち。これは、短時間の電車内で一つずつ読むべき本だった…。
    ロシアの文学に携わっている人や詩も良く出てきました。猫と鯨の詩はかなり楽しく読みました。ロシア語だと一文字違いなんですって。マザーグースもそうてすが、原文はとても面白いのに訳すと今一つっていう

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    2025年10月21日
  • 文化の脱走兵

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    2025.09.29
    文化の脱走兵

    作者の感性がむき出しになっている、そんな本であった。自然を繊細に感じ表現したり、戦争や国籍などの枠にとらわれることを嘆く優しさ溢れる文は私にはかけないなぁと考えさせられた。

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    2025年09月29日
  • 赤い十字

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    ばあちゃん、安らかに眠れ
    国家に、全体主義に、独裁者と権力側に虐げられた人々よ、安らかに眠れ

    戦争において敵国は脅威
    ぶん殴ってくる
    自国も味方ではない
    平気で踏みつけてくる

    戦争、紛争は各地で続いている
    新たに起こるかもしれない
    酷かった過去のお話ですまないことを皆知っている
    繰り返してしまう歴史に恐れ慄かなければ

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    2025年09月27日
  • 文学キョーダイ!!

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    青木理さんとの対談本で奈倉さんを知って興味出て、読んではないけど逢坂さんの事も知ってて、へぇ姉弟なんだぁーと思ったから読んでみた。
    姉弟なんだから家族の話は出るだろうと予想して、本を読む家族はどんな家族なのかと興味があり読んだ。本を読むことは考え力に繋がると思ってたから、子育てをしていて、そういうのも知りたかった。

    同世代だし、生きてきた時代も共感できた。戦争を反対していく立場をはっきり示していて、最後は反戦本にもなってると思った。

    肝心のお二人の小説も翻訳本読んだ事ないのでこれから読んでいきたいと思います。

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    2025年08月29日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    ネタバレ


    その国で出会ったすべてがつながって。

    ロシアに留学していた日々を綴ったエッセイ。渡航時の不安、出会った人々、文学大学の授業、日常と事件、そこから考えた自分、国、文学、言葉。どうして、と問う事態になっている今だからこそ、ロシアを見つめる。

    途中まではふむふむと、米原万里を思い出したりしながら読んでいた。しかしアントーノフ先生の話を一通り終えて、これは壮大なラブレターだと思った。恩師への敬愛と感謝を込めた大きな意味でのラブレター。そう思ってから全体的に見て、やはりこれはラブレターだと思う。ロシアへの、文学への。

    歴史には詳しくないけど帝国ロシア、ソ連、ロシア連邦と変わってきた中で、幾度とも

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    2025年08月17日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    神戸のおしゃれな本屋さんで買った。背表紙やタイトルに惹きつけられた。なにか文学の特定のものを探しにいくフィクションかと思っていたが、そうではなかった。ロシアへ留学した日本人の女の人の留学日記だった。ちょっとした時間に読めるコラムのように小気味よく分けられていてた。見出しに詩や文学からの引用が2行ほどあり、その引用になぞらえて、話が展開する。
    プロフィールを読むと、ぼくの一年先輩だった。
    ここから書くのは、本の内容じゃなくて、この本を読んで思い出したことを書く。
    大学で論理学という授業を採った。コンピュータが始まる前に人類が到達していた機械言語の本流のかけらに興味があったのだった。たしか土曜の午

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    2025年08月08日
  • 文化の脱走兵

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    とても素敵なエッセイだった
    ロシアとウクライナの戦争が始まり、ロシアの大学にいた作者が、今どんな風にロシアを見ているのか興味を持ったのです

    結果、反戦と平和をただ願い
    自然と人を愛している、そんな文章に心を打たれました

    戦う勇気ではなく、逃げる勇気を持とう
    この本を読めば、その意味が深く理解できることと思います
    様々な情報が溢れるこの世界で、正しい情報とは何か?その情報の意味を考えることがどれだけ大切なことなのか?表面だけ見てわかったつもりになっていないのか?

    うわべだけの理解になってはならないとずっと思っているけれど、改めて考えることの大切さを知った本です

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    2025年08月02日
  • 文学キョーダイ!!

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    逢坂冬馬さんの「同志少女よ敵を撃て」を読みたいと思いつつ、こっちに先に手がのびました。姉弟の幼少期の過ごし方や、読んできた本、お二人の戦争や平和への思いなど、背景のようなものが見えて、お二人の著作をますます読みたくなりました!

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    2025年07月30日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    あなたとわたしをつなぐことばの魔法。

    「はじめに」を読むと何の本なのかわからなくなって面食らう。読み始めて、ああ、言語学習の本かな、と思う。そしてだんだんと翻訳の話だとわかってくる。著者の読書体験に似たものを自分も持っているし、言語学を学んで翻訳を面白く思っていたこともあるので、楽しく読めた。

    本を読む文化というのは、共通するところと違うところを見つけて喜ぶ文化だと思う。本著でも紹介されていたように、生活習慣の細かいところや植物の名前などは何を指す言葉かわかってもどういう意味があるのかわからないこともある。原語で読んだ感覚まで伝えようとするのであれば、翻訳の腕の見せ所となる。子どもの頃に読

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    2025年07月30日
  • 文学キョーダイ!!

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    文学研究家・翻訳家の姉、小説家の弟。

    この2人が姉弟だったなんて、そりゃ高橋源一郎さんも椅子から転げ落ちるだろう。そんな偶然の一致が起きることは滅多にない。しかしこうやって対談を読むと自分も姉妹だからわかるという雰囲気がある。同じような文化を享受しつつ、ほんの数年の差や本人の受け取り方で異なる視点。別の方向に目を向けているのに、共通する意識。面白く読んだ。

    本を読むことの強さを感じる。友だちがいなくたって、いろいろなものに縛られていたって、本を読むことで世界は広がり、自分は変わる。自分もそう思っている。だから本を読めるように生きていきたい。大学はある意味計算ずくで卒業してしまったけど、ひた

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    2025年07月29日
  • 文化の脱走兵

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    ネタバレ

    2022年から2024年にかけて、「群像」に連載したエッセイをまとめたもの。戦時だからこそ、源氏物語をロシア語に訳したデリューシナ先生と文学の話をしたり、オンラインゲーム上のチャットでロシアやウクライナやカザフスタンのさまざまな年代の人たちと他愛ない話をしたり、そういう営みが尊いのだと思う。たくさん引用されているロシアの詩や、白秋など日本の詩からもまた、文化すなわち人々の暮らしや日常の気持ちが読み取れる。
    子ども時代に帰りたいけれど、子ども時代への切符はないのだという詩もあったけれど、奈倉さんの子ども時代や祖父母のいる新潟県巻町、留学時代の追憶もたくさんあった。住民投票で原発を食い止めた町、巻

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    2025年07月23日
  • 文化の脱走兵

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     え? 奈倉有里さんて、あの逢坂冬馬さんのお姉様! いやいや失礼ながら存じ上げませんでした。そもそも今回の選書は、先日読んだ第1回「生きる本大賞」受賞作『死ぬまで生きる日記』(土門蘭さん)つながりで、本作が第2回生きる本大賞・第76回読売文学賞を受賞しているからでした。

     奈倉さんの肩書が、ロシア文学研究者・翻訳者となっており、逢坂さんの本屋大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』や連なる作品も、姉弟が互いに刺激し合い、影響し合ってる?と想像しました。(お二人の対談本『文学キョーダイ!!』も読んでみたい!)

     肩書から受ける硬派な印象とは裏腹に、文章が綺麗で穏やかさと誠実さを感じます。あちこちに

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    2025年07月18日