奈倉有里のレビュー一覧

  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    ロシア・ウクライナ周りの話やそこに住んでいる人々のことが窺い知れるだけではなく、文学を好きでいていいんだ、と思わせてくれる本。本当に読めてよかった。

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    2024年10月20日
  • 文学キョーダイ!!

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    本を読むことを全力で全肯定してくれて、胸がいっぱいになった。

    饒舌な逢坂さんと、穏やかな語り口で本質を突く奈倉さん。姉弟だけに、共通の価値観(素晴らしいご両親と祖父!)が根底にあり、難しい話もかなーりわかりやすく話してくれてる。
    知識量や解像度がすごいし、難しい本ばかり読んでるんだろうな、と思いきや、角田光代を絶賛したり(サイン会に並んだそうだ)、りぼんやジブリやショッカー(⁉︎)などなど、わかりやすい比喩をあげて説明してくれて親近感をもった。
    私は同志少女の戦争のゲーム性みたいな書き方が少し嫌だったのだが、そのあたりの作者の意図もわかってよかった。

    2人ともニュートラルで、自分の軸がしっ

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    2024年09月21日
  • 文化の脱走兵

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    ロシア文学研究者の名倉有里さんのエッセイ。随所にロシアの詩歌が散りばめられ、とても美しく
    心が洗われる。
    今までロシア文学に触れたことがほとんどなかったので、正直驚く。正確に言えば何に驚いているのかというと、知らずのうちに『ロシア=悪』の感覚でいたこと。今現在戦争をしているロシアという国と、そこに暮らす人々を同じものとして捉えていた。とても怖いことだ。
    戦争をすることは決してロシアの人々の総意ではない。調べ、考え、知ろうとすればちゃんとわかるのに。

    最終章の『柏崎の狸になる』では、“柏崎原発を人類の当事者として考えたい”という著者の言葉が、胸に刺さる。

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    2024年09月20日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    物凄く好きな本。
    ロシア語を学びにロシアへ赴いた20歳の女性の、文学に対する情熱、大学の先生や学生との葛藤、戦い、そしてロシアという国を前にして感じる無力感。
    などが激しく伝わってきた。
    文字に込められた感情が躍動していた。

    P38
    語学学習というと、心の底にあるドロドロした得体のしれないもの。それを掬って言葉にしていくことは、その言語で思考できるようになるための第1歩。
    →自分も留学経験があるから分かる。
    母語では言えるのに、、、!と何度も悔しさを噛み締めた瞬間。言いたいことがあるのに、その感情を伝えたいのに、言葉が分からないばっかりに地団駄を踏むしかなかった。

    「言葉は人を繋ぐこともで

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    2024年09月07日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    兵士となり、戦闘に加わり、帰還した少年たちの叫び声
    わたしたちは、彼らを目の前にした時、どういう言葉をかけられるのだろう
    私にはわからない

    こういうときだからこそ
    no more war

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    2024年09月06日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    翻訳家の翻訳についてのお話。

    語学を学ぶポイントについて
    P26
    これをしている時が心地いいな!
    というものを見つけたら、趣味や楽しみのカテゴリーに入れる→ただ楽しむ。
    勉強という自覚がない方が身になる。

    →これは確かに納得出来た。

    P32
    留学生時代にルームメイトのマーシャとの会話。
    「言葉を学ぶと、子供時代を体験出来るみたいで楽しいね」
    と著者が言うと、
    マーシャは
    「世界にはたくさんの言語があるから、まだまだいくつもの子供時代が体験出来るよね」

    こういう発想は無かった。
    赤ちゃんでも大人も、言語学習とはまず、一つ一つの音を覚えることから始まる。
    自分もそうやって中国語を覚えてきた

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    2024年09月04日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    作者は、作中の元兵士や母親などに寄り添おうとしていると思う。
    アフガニスタンの元兵士や母親たちの話を同様にまとめる必要があるだろう。

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    2024年07月15日
  • 文学キョーダイ!!

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    逢坂冬馬と奈倉有里の姉弟対談本。いや、これ対談ってレベルの内容じゃないから。知的探究心超強めでベクトルもロシアに向いているっていうのが揃っているからなのか、ロシア・文学(本)・戦争に関する知識の濁流に揉まれました。面白かったです。
    本が好きで人に本を勧めることのある職業の人は読むべき一冊。同士少女~が面白かった人にはオススメ。あと、トルストイとかゲーテ好きな人にも。
    逢坂さんの、大塩平八郎本、楽しみにしてます。
    あと、さとうまきこさんは私も大好き。色々読みたい本が溜まる本でした。

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    2024年07月15日
  • 文学キョーダイ!!

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    奈倉有里と逢坂冬馬による対談集、『文学キョーダイ』。
    逢坂冬馬は『同士少女よ敵を撃て』で鮮烈なデビューを果たし、アガサクリスティー賞、本屋大賞を受賞。迫力ある、フェミニズム小説とも言えるとても力のある作品。今年3月には、2作となる『歌われなかった海賊へ』を出版している。
    一方、奈倉有里はラジオに出演しているのを聞いて初めて知り、その際紹介されていた著書『夕暮れに夜明けの歌を』を読んでみると、文学への愛と情熱があふれており、感動したのと同時に同い年ということもあり刺激を受けた。
    その二人が姉弟であることは、それぞれが文壇に登場後に発覚したことらしく、ずいぶん驚かれたとか。もちろん私もびっくりした

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    2024年07月13日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    ロシア文学、ロシア語が大好きな気持ちが溢れ、明るいエネルギーに満ちた本。
    現代の世界のニュースには触れず、あくまで魅力的な文化を持つ国として光を当てている。
    そんなにひたむきになれるものに出会えるのは幸せであるし、語学の学習は魅力的だと感じさせてくれた。

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    2024年06月26日
  • ロシア文学の教室

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    「自分がふだん暮らしている世界とはまったく違う、はるか遠くに感じられるものごとにじかに触れるためには、いったいどうしたらいいのでしょう。この授業では、あなたという読者を主体とし、ロシア文学を素材として体験することによって、社会とは、愛とはなにかを考えます。」
    (シラバスより)
    本書は“ロシア文学”を学ぶ“教室”で、主人公のユーラ達が本を読むことで考えたり体験する話。
    目次だけでも若者世代への簡潔な読書案内になっているのも素晴らしいが、本の世界が一瞬で現実になる演出(それも本の中だけど)も素晴らしい。
    人生経験を積んだ世代ならではの発見もきっとあるはず。豆知識や覚えておきたい名台詞もあり紹介され

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    2024年06月20日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    クエスト13の翻訳論は、白眉。
    まず、原文を何度も読むのだ、と。
    それから日本語だ、と。

    トルストイが孫と手を繋ぐ方の手が、手袋を外していること。

    学習法。効率の良さ(文法書)、効率の悪さ(行き当たりばったり)、理解度チェック(執拗な確認)

    言葉を、学ぶことは子供時代を体験するという側面もある。

    占いを毎日見てみる。

    使い捨てカイロはロシアでは役に立たない。

    翻訳は読書体験を再現すること。

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    2024年06月08日
  • ロシア文学の教室

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    例えば、知人の前で本を手にしていて「何の本?」とでも尋ねられた時、「ロシア文学の関係の本で、これから読み始めようとしている」とでも応じたとする。こういう場合、十中八九は「多分…手にしないような種類の本だと思う」という反応が在ると思う。
    実は、偶々ながら例示したような出来事が実際に在った本書である。新書で377頁と、少し厚めな感じがする一冊だ。が、読み易く、その厚さが気にならない。
    雑誌連載を基礎に整理したということであるらしい本書だ。特段にその連載記事に触れた経過は無く、「ロシア文学を説く」ということに漠然と興味を覚えて手にした。そして「意表を突かれた」と思えるような叙述方式に少し引き込まれた

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    2024年06月07日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    課題のために読み始めたが、美しい文章と遠いロシアの地で作者に起こった様々な出来事に魅了されてあっという間に読み終わってしまった。

    特に文学大学での日々の回想録において、作者が講義や多様な文学作品に没頭する描写が印象的だった。そして、自分はこんなに文学研究にのめり込めないので羨ましくなった。

    何かに夢中になることとロシア文学の素晴らしさを再認識させられると共に、混乱を極めるロシア周辺の情勢と、昨今の文学軽視の風潮に思いを馳せた。

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    2024年06月07日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    珠玉。地を穿つような学びは人間の奥底に通じている。無力のようで、実は深く大きな力として。アントーノフ先生への思いは限りなく尊く、胸を打つが、これは現実なのだと思い直しすと、粛然とせざるを得ない。

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    2024年05月31日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    3月に青木理「時代の叛逆者たち」で逢坂冬馬の姉だと知り、4月にネットの古本屋で見つけた「世界臨時増刊」でエカテリーナ・シュリマンのウクライナ戦争に関する講義を読んだ。奈倉有里の翻訳である。
    そして本書。ロシア語、ロシア文学に興味を持ちロシアに渡って文学大学で学んだ日々を友人や教師との交流などを交えて教えてくれる。
    学ぶ姿勢の深さにまず驚かされた。深いから到達点も高い。彼女がこの先もおおいに発信してくれることを願っている。楽しみな人だ。楽しみな姉弟だ。

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    2024年05月29日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    とても楽しく、感動もあり、文学を愛す著者の渾身の一冊なのだろうと、共感もありました。魂のこもった文学にまた出会いたいです。

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    2024年04月27日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    最近全然聞かなくなってしまった、高橋源一郎の飛ぶラジオで紹介された作者。ゲストで出演もされていた。それを聞いて以来読みたいと思いつつ一年くらいがすぎてしまって、やっと読んだ一冊。
    作者がロシアに留学し、語学学校を経て、ゴーリキー文学大学で過ごした日々を綴ったエッセイ集だ。
    作者は私と同じ82年生まれ。こんなにも言語・文学を探究し、愛し、体感した作者に一種の感動を覚えた。
    素晴らしい先生や友人たちとの出会いを、自身の文学的な力にすることができたのは、紛れもなく、作者のあくなき探究心と好奇心と努力だ。
    作者が愛したロシア文学とそこに住むさまざまな国から来た友人や同級生たち。敬愛する先生との出会いと

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    2024年03月30日
  • 文学キョーダイ!!

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    きょうだいがいるっていいな、と思いました。
    幼い頃、共通のあたたかな経験と記憶があって。成長とともに違う道を歩み、今、重なり合うところにきている。けれど、少し違っている。

    文学、生き方、政治との付き合い方など、深く、骨太で、興味深い対談でした。

    本とともにある生き方。本によるつながり。
    時代や地域を越えて感じる、普遍的なものの存在。

    本好きの私にとってはたまらない内容でした。

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    2024年03月19日
  • 文学キョーダイ!!

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    『ことばの白地図を歩く』。若者向けにゲーム仕立てでおもしろく読みやすいけれど、内容は驚くほど専門的。書いたのはどんな人なんだろう?と気になって経歴をみると紫式部文学賞を受賞した『夕暮れに夜明けの歌を』の著者であり、あの『同志少女』『歌われなかった海賊へ』の逢坂冬馬さんと姉弟だと知り驚いたり納得したり。
    「有里先生」と「逢坂さん」。3歳ちがいのおふたりは対談の中でお互いをこのように呼び合い、「文学」「作家という職業」、「戦争や武器」について、専門家同士としてリスペクトしつつ、存分に語り合う。ご両親のエピソードも紹介されるがこれがまた
    言葉かけと言い距離感といい、「親の背を見て子は育つ」の諺どおり

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    2024年03月06日