奈倉有里のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
あまりに素敵なものごとの捉え方に口角があがる。
ロシアの詩をはじめとする文学を挟みながら、奈倉さんがこれまで見てきたものや感じてきたことについて書かれているエッセイ、なのですが、
普通のエッセイとはまた違った読み心地。
普通に生活してたらロシアの詩に触れる機会なんてないし、詩に関連するような奈倉さん自身のエピソードを交えて紹介されているので心にも残りやすい。
ただ単に自分で翻訳された詩を読んでいたとしても、ここまで色んな景色は見られなかっただろうなと思う。
好きな話はいくつもあるけれど、
「猫背の翼」が特に素敵。
猫背の痛みが、好きな物(本)を追ってきた証だという、これまた素敵な捉え方で -
Posted by ブクログ
ネタバレよかった!この2人が姉弟という事への興味で読み始めたが、成人してだいぶ経ってからこんなに深い話をする機会はふつうの家ではあまりないのではないか。長い時間をかけて何回も対談をしたものを編集の人がまとめたとの事。
3つのパートに分かれていて、特にパート3ではまさに今、ロシアやウクライナの人々がどんな状況に置かれているのか、他人事ではない、関心を持ち続けて、考えることを手放してはいけないと、2人ともが話している。国民が賢くなるのを嫌がるのはどこの国でも同じなんだと。翻訳家としてロシアの学者の言葉を伝えたいとか、作家が政治的な発言をしてもいいんだ。自分の作品を誤読されたくない、など切実な話も出てきて、 -
Posted by ブクログ
たいへん面白かったです。注目のロシア文学者の姉と「同志少女よ、敵を撃て」の作家の弟。まさかの姉弟ですが、この本の対談で必然的な関係性も分かります。普段からこんな知的な会話をしているのでしょうか。
翻訳するときに「これを読むことが平和につながるかどうか」と考える姉。読書するときに「自分はこれを好きでもいいんだって思えるのはすごく大事」と考える弟。その2人を育てた放任主義のジブリ映画「耳をすませば」のような家庭。
今、話題の三宅香帆さんの新書「なぜ働いていると〜」の元ネタもありました。映画「花束みたいな恋をした」のくだり。三宅さんも奈倉有里さん大好きと言っていたので、ここから大ヒットのヒント -
Posted by ブクログ
奈倉有里の解説を読むべき。この人の解説はいつも素晴らしい。
もちろんフィリペンコの本作はよくぞ書いてくれたと握手を求めたいほどのできだ。
ルカシェンコの恐怖政治はウクライナ戦争をきっかけに知ったが、理不尽大統領トランプも尻を捲って逃げ出すほどのメチャクチャぶり。実際の出来事を書き込みながらフィクションとして仕上げたことは驚嘆としか言いようがない。ベラルーシの人々の心に強く働きかけたことと思う。彼の勇気を賞賛する。
普通の、当たり前の考えの人を苦しめる政治家が跋扈する世の中は正常ではない。あんた気は確かかと叫びたい。あんた! ルカシェンコ、プーチン、トランプ、ナタニエフ…… -
Posted by ブクログ
逢坂冬馬は「同志少女よ…」と「歌われなかった…」
の2つの小説を、姉さんの奈倉有里のはエッセー「夕暮れに…」と「世界」臨時増刊のシュリマンの講演を翻訳したものの2つしか読んでない。が、注目しているキョーダイである。
二人が縦横に語る本作は読めば読むほど素晴らしいと思えた。期待の1000倍以上の内容だった。なるほど育てたこの親にして育ったこの子。そうそうありそうな家族ではない。それにしても二人それぞれに見事な自立ぶりである。
高校生や大学生にぜひ読んでほしい。自分が何者かになろうとすることをきっと支えてくれるぞと思った。
子どもを育てる親にも必読だ。
窮屈な世の中に倦んでいる大人にも今一度元気を -
Posted by ブクログ
素敵な本でした。ロシア語にちょっと興味があるかなぁと考えいたこの今、この本に出会ったのは運命的かなと思いました。
ロシアは常にミステリアスで、一歩近づけたと思っても二歩遠ざかるような国。その懐に思い切り飛び込んで、著者は自ら道を切り拓いてきた、もちろんそんな自負はなく、大好きで、大好きだからこそ、諦めない気持ち、今となれば奇跡のような数々の出来事。
そして、それは過去では無く、今日を生きる私にまで繋がって、現在進行形であること。
バトンを渡された訳では無いけれど、本を通じて繋がって、私もちょっとだけ関わる事が出来た、
もうちょっと私も、私の向き合いたいものに真正面から向き合ってみようという気持