奈倉有里のレビュー一覧

  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    ロシア、という言葉の先入観から、大国らしい描写もあるのかと思いきや、等身大の感覚で読み進めることができました。肩肘はらず、またリラックスしすぎず。学生時代の話は、想像を沸き立たせる描写がとても新鮮でした。むしろ、今の社会情勢から振り返ると、周囲の人たちとのエピソードが優しくて泣けるような感覚も。私はあまり表現が得意な方ではないですが、多くの文化や人の感性に触れてその感じ方や対処を学ばれたのだな、と感じました。だから紛争中の今が悲しくなります。
    素敵な人たちが描かれています。おそらくこの本を通じてしか出会えないです。他の人が描いても異なる描写になるでしょう。

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    2023年12月24日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    社会人になってから、近くに置いておきたい本の1つ。

    アフガンってこんなに悲惨やったんやというのと、よくもこれを出版したなというのが率直な感想。重い内容なのは間違いないのに、どんどんと引き込まれる。情景が鮮やかに浮かび情が湧きながらも、どこかでそれを冷静に落とし込みながら、アフガン帰還兵の証言と裁判に触れることができた。「戦争は女の顔をしていない」とはまた別の衝撃で、これは、本当に今のロシアがやっていることと見事に重なる。アレクシェーヴィチのようなインタビュアー・伝え手になりたい。自分の原点を思い出したような気持ちにもなって。さて、がんばるか。

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    2023年11月30日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    "文字が記号のままでなく人の思考に近づくために、これまで世界中の人々がそれぞれに想像を絶するような困難をくぐり抜けて、いま文学作品と呼ばれている本の数々を生み出してきた。"
    この一文がすごく沁みてくる本。

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    2023年11月26日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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     翻訳の極意も興味深かったが、ことばに向き合う姿勢が面白い。
     特に、「ことばの子供時代」が新鮮だった。自分の子に読み聞かせしているとき、自分の中にいる子どもの自分にも読み聞かせている感覚になることがあったが、同じようなことなのか?
     「文化」に枠組みはない。忘れずにいたい。

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    2023年11月11日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    ロシア語研究・翻訳家の著者が翻訳について語る。
    クエストを提示して、どう解決するかを考える形なのでわかりやすい。
    外国語を学ぶことの意味から始まり、翻訳の極意に至るまで。単に言葉を置き換えるだけでない楽しみを伝えてくれる。

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    2023年11月07日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    ネタバレ

    「同志少女よ、敵を撃て」→「文学キョーダイ!!」からたどり着いた。
    ロシアの文学大学留学中をメインとした、エッセイ。当時の様々な背景を持つ人々との交流や文学への愛が大いに綴られている。

    恋をする同級生や、ニーチェ本で卒倒する子。おかゆ文化、3人で教会へ行く話等もある。この大学は、日本人は奈倉先生1人。ロシア語で全てコミュニケーションを取り、ロシア語をフランス語に訳す授業もあったらしい。自分なら直ぐに帰国するので、純粋に凄いと思う。

    ロシア内部の不穏な空気も描かれている。突然人が消えたり、警察が犯罪を平気で行ってたり。教授が「ロシア語よりウクライナ語より文学的で優れている」と言ったり。歴史で

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    2023年10月30日
  • 文学キョーダイ!!

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    姉の奈倉有里さんと弟の逢坂冬馬さんの対談で構成されていて、お2人の育った家庭や仕事、戦争についてなど読み応えたっぷり。

    特に「小説」について話されている箇所が、よかった。私が映画について深い感想をもてないのは、ビジュアルからすぐにその状況や意味を察知するのが得意じゃなく、察知しよう考えようとするともう次のシーンにいってたりして、自分のペースではみれず、想像の余地もあまりなくて、っていうのが原因なのかも!
    それに対して小説は読み手がどう受け止めても、想像してもいい、読者にゆだねられてるみたいな、だから好きなのかもしれない。

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    2023年10月29日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    こんなにも没頭して読書し、勉強した留学生活……。
    ただただすごい。

    ……という視点で読んでいたのだけど、終盤、アントーノフ先生との顛末がえがかれるに至って、涙をこらえながら読むことに。
    文学への、詩への情熱を媒介に、アントーノフ先生とユリの間には、たしかに愛情が流れていたように思うけれど、それはやはり文学への愛情だったんだろうな。そしてアントーノフ先生を追いつめ、アルコール依存症へと駆り立てたものは、文学者らしい鋭敏な感覚で嗅ぎ取った時代の転換だったのかもしれない。

    そうか……クリミア併合は2014年だったのか。ソチ五輪という言葉が出てきてどきっとしたけれど、ウクライナ侵攻も北京五輪の直後

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    2023年10月27日
  • 文学キョーダイ!!

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    10月8日(日)に高田馬場芳林堂であった2人でのトーク参加の条件である書籍購入。2人のサインを頂き、帰宅して、速攻で読みました。キョーダイが普段は余り話をしないことと、お互いが何をやっているのか気にもしておらず、成果物のみでお互いを理解しているとか、育った環境やそれぞれ別の道を歩くことになったこととか、興味深く書かれています。
    逢坂冬馬さんの前著『同志少女よ、敵を撃て』の内容とギャップのある平和主義を、思想面からも書かれています。とても興味深かったです。買う価値ありですね。

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    2023年10月19日
  • 文学キョーダイ!!

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    ネタバレ


    「同志少女よ、敵を撃て」の作者が男性と聞いて、逢坂先生に興味が湧いた。お姉さんとの対談本。2人がどのような環境で育ち、どのような考えを持っているのか。非常に考えさせられる本だった。

    ※ ネタバレがあるので、先に「同志少女よ、敵を撃て」を読んでからこの本を読んでください。

    ◎「ゆっくり見守ってくれる」「さかなクンになればいい」10-13ページ「受け取りかたをサポート」58ページ「大絶賛と大酷評の両極しかないわけじゃなくて、いい作品の
    中にも変なところはあるし、評価が低い作品にも思わぬ良さがあるよね」62ページ

    親はそれぞれ熱中しているものがあり、出世を促さない。自分の子供が社会に馴染めず

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    2023年10月14日
  • 文学キョーダイ!!

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    自身のロシアの大学で文学を勉強した経験を書いた『夕暮れに夜明けの歌を』著者の名倉有里さんと、『同志少女よ、敵を撃て』の逢坂冬馬さんの姉弟対談。

    彼らが姉弟だと知らずにそれぞれの著作に触れて感銘を受けた身としては、この2人の対談が読めるのはとても楽しみであったし、実際付箋を貼りながら夢中で読んだ。

    2人の幼少期や家族の話、そして文学について、戦争や平和について語られる言葉はどれも深く、考えさせられた。

    「本を読むことが、風を吹かせることにつながる」
    「(本を読むことは)必ず世界が拡張する」
    「どんな言葉を拾っていったら平和につながるんだろう」


    言葉と文学と平和について、言語化している2

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    2023年10月14日
  • 文学キョーダイ!!

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    読み終わるのが惜しいくらい久々の大ヒット。
    「夕暮れに夜明けの歌を」のな奈倉有里と「同志少女よ、敵を撃て」の逢坂冬馬の姉弟が、忌憚のない意見をバンバン吐露してる貴重な対談本。互いに敬語を使うのに、(笑)、内容は忖度なしの言いたい放題で溜飲が下がること下がること!楽しい読書だった。

    どうやったらこんな姉弟が育つのか、「夕暮れ〜」でも登場した両親がやはりキーパーソンのようだ。丁寧に愛情込めて育てられたのですね。理3の4人の子供を育てた佐藤亮子さんもかなり子どもの教育に関わってたけれど、彼女と違って、子どもに学歴よりも教養を身につけさせることにシフトしている姿勢が潔くて清々しい!価値観が真っ当で柔

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    2023年10月05日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    「文學界」の連載で好きになったロシア文学者の奈倉有里さんのエッセイ。モスクワの文学大学での留学中、ロシア文学や言葉の大切さについて真摯にそして熱中して勉強している様子がとても瑞々しく描かれています。悩むことやつらいこともあるけど、学ぶことは楽しいというのが伝わってきました。ロシア文学は今まで読んだことがなかったけど、奈倉さんのおかげで読んでみようと思えました。

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    2023年10月02日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    『ことばの白地図を歩く』では著者がなぜ「ロシア語」に惹かれたのかをさらりと紹介していたが、本書は真逆。たったひとりの日本人留学生がどんな環境でどれほど熱心に学んできたか、友人達との交流や日々の生活やそんじょそこらの恋愛よりもよほど濃密な師弟関係に、最後に添えられた世界地図に、読み終えた今も経験したことのない感情で心が揺さぶられ続けている。
    「文学が歩んできた道は人と人との文脈をつなぐための足跡であり、記号から思考へと続く光でもある」
    世界にはその光を灯し続ける人々がいることを信じている。

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    2023年09月09日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    『ことばの白地図を歩く』
    ロシア文学の研究者であり翻訳者である筆者が外国語の学び方を小・中学生にも分かるような優しい言葉で指南します。ジュニア向けですが大人で外国語を学びたいと思う方にも発見が多くある本ではないでしょうか。迷信のコラムやロシア語に興味を持ったエピソードが良かったです。

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    2023年08月15日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    衝撃的なプロローグ、これから読もうとする全貌を示唆してくれる、著者の丹念な取材から得られた証言の数々、読めば読むほど絶望感しかない、可哀想な派遣され犠牲となった二十歳そこそこの少年たち、そして現実を受け入れきれない母たち、悲しすぎる。当時のソ連今のロシア何も基本変わってないのかもしれない。
    この作品を語る言葉「透徹」に納得する。
    以下に印象的な文を書き残す。
    ・九年もの間にソ連の製品はまったく進歩しなかった。包帯も然り、副木も然りだ。ソ連の兵士ってのは、いちばん安上がりなんだよ、なんにしても我慢を強いられ、文句も言えない。備品も与えられず、守られもしない、まさに消耗品さ。千九四一年もそうだった

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    2023年07月11日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    偉大で強大なロシア帝国の実現のために共産主義を利用したので、ソ連という国はこんなに不合理で歪んでいるのか?
    ロシア・ウクライナ戦争がはじまってからロシアに関する本を続けて読んでいる。まるでロシアではソ連が今も続いているみたいだ。一時期はロシアでも民主主義が力を持ちつつあると、思えた時期もあったと思ったけど…
    プーチンによる歴史修正によってソ連が復活してしまうのか?そんなことにはなってほしくない。

    演習へ行くと言われて、戦争へ連れていかれた若い兵士たちの声がロシア・ウクライナ戦争がはじまった当初は多く聞かれた。
    アフガニスタンへ兵士を派遣するときも、ソ連は開拓地へ行くようにと飛行機に乗せて、ア

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    2023年03月31日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナに住むある家族の日々が、鉛筆画で描かれている。
    自分たちの住む国や地域が、ある日戦争になったら…と考えさせられた。
    辛いことがあっても、生きていくしかないのだ。

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    2023年03月15日
  • 戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々

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    ウクライナ人の作者(ロシア語話者)が、勃発したウクライナ戦争とそれをうけての避難の様子を、鉛筆一本で書き記した日記です。

    「読み物」として整理されているわけではなく、事実を切り抜いた簡潔な文章と、ラフなスケッチで描かれる避難生活の日々が、戦争という大きな流れに翻弄されるリアリティを強調しています。
    「非日常」が「日常」になってゆく様子、悲しみや不安を抱えながらも新しい生活に順応していく子供たちの様子を見ると、(少なくとも兵士たちや巻き込まれた市民たちは決して望んでいなかったのに)戦争が起きた、という事態の異常さに胸が痛みます。

    日本が戦争を経験してからもうすぐ80年が経過しようとしています

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    2023年02月24日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    「戦争は女の顔をしていない」の著者であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ氏の著書『亜鉛の少年たち』を読みました。

    1979年から1989年までの約9年間行われた、ソ連によるアフガニスタンへの軍事派兵。

    この本は、アフガン侵攻に派兵されて帰還した兵士や看護師、そして彼・彼女らを送り出した母親たちの証言をもとにした「ドキュメンタリー小説」でした。

    前線に送られ戦死した10代の少年たちの遺体は、密閉されて遺族も開けることが許されない「亜鉛の棺」に入れられて戻ってきたという。
    そして、帰還することができた少年たちは、戦場での生活で心が凍りついてしまい、まるで金属のようになっていることがある、

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    2022年11月27日