奈倉有里のレビュー一覧

  • 文化の脱走兵

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    『夕暮れに夜明けの歌を』が本当に素晴らしかったので読んですぐに注文した本『文化の脱走兵』。奈倉さんの静かで穏やかな筆致はそのままに、2022年から始まったロシアによるウクライナ侵攻の影が落ちるなか、何を見て、何を感じ、何を心のよすがに生きていくか、人間性を失わないためには何を大事にするべきか、奈倉さんだけの言葉で語られる。好きなものや好きなことを大事にすること、それは誰にも脅かされないこと、常に心に脱走兵を住まわせること。

    だけど、いくら心に脱走兵を住まわせていても、それが心の中にいるだけではどうにもならなくなってきていることも事実だと思う。このエッセイが書かれてからも、ウクライナ侵攻の先は

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    2025年06月15日
  • 文学キョーダイ!!

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    作家逢坂冬馬と姉のロシア文学者奈倉有里の対談が1冊になったもの。
    「同士少女よ敵を撃て」も読んでいないし、この作者のお姉さんがロシア文学者とも知らなかったのに、なぜか興味を持ち読みました。
    まず、姉弟でこんなに、平和について、戦争について語ることができるなんてほんとにびっくりでした。
    誰もが戦争について平和についてもっと考えるべきだし、表明していかないと世界はどんどん戦争に向かって行ってしまうという危機感を抱き、そうだよなと気づかせてくれた1冊となりました。

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    2025年06月01日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    翻訳者による言葉についてのお話。
    翻訳者がどんなことを意識して言葉を考えているか。その頭の中がちょっとわかったような気がする。
    彼女との出会いは、「夕暮れに夜明けの歌を」というエッセイであった。言葉を大切にし、丁寧に紡がれた文章が印象的だった。
    そして本書も、言葉に真摯に向き合う著者の姿勢に感銘を受けた。
    本書もエッセイも、著者の人となりが滲んでいる。
    そんな風に思える文章が書ける人はきっと素敵な人なんだろうなと思う。

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    2025年04月07日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    淡々とした語り口とは裏腹に、そこには静かに燃える情熱を感じる。
    後半のアントーノフ先生との関係は、切なくも美しく感じた。誰もが感じることの出来るものではない彼らの繋がりを、羨ましくさえ思った。
    言葉を学んでいく過程の瑞々しい表現もとてもよかった。

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    2025年02月26日
  • ロシア文学の教室

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    とても面白かった。
    構成がユニークで、こんな文学ガイドってあっただろうか。
    ガイドっていうのは軽いか…
    大学の講義形式になってるが、教授が一方的に講義するわけではなく…
    学生たちが小説の中の登場人物になって体験する…

    どの小説も読んだことがなかった。全部読むというところまでは絶対無理だが、せめて「復活」とか「白夜」とか、チェーホフの短編集(何か読んだことがあると思うのだが、挙げられていたものはどれも読んでなかった)とか、せっかくだからこれを機会に読むというところまでいかないといけないのだが。

    青空文庫のアプリの中には、もともと読もう思って読めていない「桜の園」と「かもめ」だけが入っている。

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    2025年02月22日
  • 文学キョーダイ!!

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    奈倉有里さんと逢坂冬馬さんがご姉弟と知った時から、こういう本を待望していたんだと思う。よくぞ出してくださった。

    ミーハー的な気分でどんなご家庭でお育ちになったのか知りたかった。納得。自分の子育てにはもうとっくに手遅れなのだが。そもそも親の中身が違うのだから、何十年前から自分をやり直さなければいけない。

    「キョーダイ‼︎」のイメージでもう少し軽い感じを想像していたが、内容はとても濃く考えさせられた。文学を愛し、小説を愛し、おかしいことには声を上げ、世界の平和のために行動する。そんなお二人の著作をこれからも楽しみにしていきたい。そして考えを深めていきたい。

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    2025年02月20日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    10代の頃に読みたかったな(と言っても妖怪あきらめにすぐに負けていたのではないか)。
    構成が面白く、イラストも切って飾りたいくらい可愛かった。

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    2025年02月17日
  • ロシア文学の教室

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    ネタバレ

    授業のたびに物語の登場人物に転生できたら羨ましい?

    …いや、本作品はロシア文学限定なのでそうでもないかな(笑)

    平凡な男子大学生が授業のたびに登場人物に転生し、自身の生活も顧みるというなかなかチャレンジングな作品。

    こんな授業があれば面白いしかなり身に付きそう(とは思いつつ『ソフィーの世界』では哲学はまったく身に付かなかった思い出があります。)大学に通ってるときもっと勉強しておけばなぁ、反省しきりです。読書って精神状態にも左右されるし、精神状態を左右してしまうので、授業のためなら割切ってどんどん読めるかもしれない。仕事でどんどんいろんなジャンルの作品を読む人、すごいなって思います。

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    2025年02月17日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    プラトンが指摘する「高貴な嘘」。パウロが伝える「働かざるもの食うべからず」、それを勤労の美徳としたプロテスタンティズム。しかし、そこに転がっているのは強者に吸い尽くされた弱者の死体。本書では、それが亜鉛の棺に入れられてご帰還だ。帰還兵が持ち帰った土産品を奪い取り私物化する、強者としての税関が腹立たしい。

    一点、私には判断がつかない。著者は多量なインタビューを基に原書を出版したが、内容に虚偽、創作があると訴えられた。ソ連兵の蛮行には罪が無いとは言わないが、他人に文書化されて客観的に見る自己には嫌悪感があるし僅かな差も気になるだろう。また、本来は忘れたい行為を記録される事で傷口が開く事だって。何

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    2025年02月09日
  • 文化の脱走兵

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    この作品 好きだな…♡

    銀世界が一面に広がる空の下だったり…
    枝葉を広げた大きな木の下だったり…
    行間からそんな風景が感じられて
    深呼吸をした気持ちになりました



    言葉という深呼吸…



    ロシアの歌集や詩や作家さんなど
    その時代の背景や文化や作家さんのお人柄など
    奈倉さんの優しい言葉で綴られており
    私の心の中に優しい風が吹いてきたように
    感じました



    奈倉有里さんは
    『同志少女よ敵を撃て 』の逢坂冬馬さんの
    お姉様!
    おふたりともロシア文化について綴っておられ
    素敵な間柄だな〜と思いました

    反戦、反原発、誰かを傷つけるものがあるならば
    それに意を唱え 芯の強さと優しい心と言

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    2025年02月03日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    なんと同士少女よ敵を撃ての著者のご姉弟。
    ロシア文学部へ留学した作者の現地交流を交えて、ロシア文学を紹介してくれます。

    この中から順次本を発注しております。

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    2025年01月01日
  • 文化の脱走兵

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    ネタバレ

    「僕は国でいちばんの脱走兵になった」は、

    1916年、19歳のセルゲイ・エセーニンが兵役を経験し、戦争について『アンナ・スネーギナ』で語った言葉のひとつ。

    ロシアの政治学者エカテリーナ・シュリマンは自身の政治番組で、ロシア人視聴者に、今日の戦争が終わった後に、「脱走兵」は賞賛の対象となるのか、それをふまえて「脱走兵」になるように呼び掛けることはできないか、と問われる。その際、「脱走兵の記念碑」に触れ、脱走兵は評価されるべきだと論じられたそうです。



    ロシアの大学で文学を学ばれ、ロシアに6年間暮らされていた、奈倉有里さん。

    これまで読んだことがなかったので、今回が初めてでした。

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    2024年12月24日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    遊び心があって、楽しい本でした♪
    するるっと読めながらも、なかなかに感心する部分がありました。
    特に4章は、なるほどなぁと唸りました。
    何度も何度も読書体験を積み重ね、母語の読者が感じる思いを蓄積させて、日本語が自然に出てくるまで読み重ねる。
    「辞書を拡張」していくという考え方。
    二葉亭四迷の「詩想」という考え方。
    ふむふむ。
    あと、外国語の星占いで外国語を学ぶ!
    これはぜひともマネしたい!!

    最近わりと翻訳本を読む機会が増えてきたんだけども、楽しく読書できていて、なんなら翻訳物(海外作品)いいじゃん!と思えてるのは、ひとえにこういう翻訳家さんの努力の賜物なのだなと、感謝感謝です!

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    2024年12月03日
  • シリーズ「あいだで考える」 ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ

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    言語や翻訳についての話だけではなく、どの章も生き方や価値観を揺さぶるような、掘り下げた内容ばかりだった。中でも文化についての文章にはぐっときた。

    ” 文化を学ぶということはむしろ反対に、「◯◯人としてのアイデンティティ」をほぐし、解消し、もっと広い地平に踏みだすことなのだ。” p.58

    この本に10代で出会える人がうらやましい!

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    2024年11月05日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    ただひたすら文学への愛と情熱を持って。
    著者のロシア留学の思い出が語られている。
    学生らしい友達との交流や生活のありようは微笑ましく、作者の勉強する姿に驚嘆したりしながら読んだ。
    そして。最後の2章が素晴らしい。恩師への想いをことばにのせているんだけど、何とも言えない感動があった。作者の学問や文学、ことばそして、人に対する誠実さは私のような末端の本読みにも届く力があった。

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    2024年11月03日
  • 文化の脱走兵

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    おっとりとした温かい文章の中、反戦・反原発の強い意志が込められていて、奈倉さんのエッセイはやはり好きだと思う。
    引用されている数々のロシアの詩も全部知らなかったので紹介していただいてありがたい。
    ゲームのチャットで、ロシアやウクライナ、周辺国の方々と交流されているのも、そういう手があるのかと感心した。外国語の習得は大変な努力がいるけど、それに見合った見返り(大変言葉は悪いけど)は現代だからこそしっかりあると思わされた。
    そうやって外国に住む人との距離が近くなっているのに、戦いは始まり、長引き、たくさんの人が殺される。誰も止められない。私たちはどういう時代に生きているのだろう。

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    2024年11月02日
  • 文学キョーダイ!!

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    お二人が育った家庭とその教育方針。偏見を助長するものは与えない、二人がそれぞれ好きなもの、人生を賭けられるものを見つけることを見守る。そこには人と比べない精神も養われていく。

    その二人は、ウクライナ侵攻がはじまり、戦争に否の声をあげる。それは育った家庭と同じ位相の大人としての人格がなせる技だ。

    自分が投影されていない、待たれていない言葉がどんどん放たれている現状を憂う部分が素敵だった。

    戦う言論だった。

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    2024年10月25日
  • 文化の脱走兵

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    『人間はあきれるほど忘れっぽく、目新しいことを言っていると思い込んでいる人物に限って過去の過ちを繰り返す』『文学は憎しみの連鎖を止めるための、人類の大切な共通財産である』
    感慨深いものがある。

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    2024年10月19日
  • 夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

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    奈倉有里さんのあまりにもまっすぐな「学び」に胸を打たれました。特に最後の「30 大切な内緒話」がとても良くて、温かな気持ちで読み終えました。本の中に出てくる詩や本が印象的でロシア文学に触れてみたくなりました。

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    2024年10月16日
  • 文化の脱走兵

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    「文化の脱走兵」まずそのネーミングが良い。
    これはエセーニンが脱走兵を称えた詩にヒントを得てつけたものだと言う。「ロシアで1番の脱走兵になった」と誇り、「僕は詩でしか戦わない」と表明したエセーニン。
    武器で戦うのではなく、文化で戦う脱走兵。

    奈倉有里のロシア文学ネタがやっぱり一番面白い。「つながっていく」のエピソードはゾクゾクした。偶然なのか必然なのか、人と人が繋がっていく醍醐味に痺れた。

    そして何より、一番驚かされたのは、柏崎移住。すごいなあ、この人は。おそらく姉弟共通の凄さとみた。「文学キョーダイ!」で知った家庭環境もまた、この人の行動力と真っ当な勇気を形成させたのだと思う。

    思いも

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    2024年09月24日