文化の脱走兵

文化の脱走兵

1,672円 (税込)

8pt

本を片手に、戦う勇気ではなく逃げる勇気を。
言葉を愛する仲間たちに贈る、待望のエッセイ集。

「国でいちばんの脱走兵」になった100年前のロシアの詩人、ゲーム内チャットで心通わせる戦火のなかの人々、悪い人間たちを化かす狸のような祖父母たち──あたたかい記憶と非暴力への希求を、文学がつないでゆく。

「もし本が好きになったら──私たちがその人たちを見つけて、めいっぱい大切にしよう。世界中のたくさんの本を翻訳して、朗読して、笑ったり泣いたりしよう。」(「クルミ世界の住人」より)

紫式部文学賞を受賞したロングセラー『夕暮れに夜明けの歌を』の著者による、最新エッセイ集。

【もくじ】
クルミ世界の住人
秋をかぞえる
渡り鳥のうた
動員
ほんとうはあのとき……
猫にゆだねる
悲しみのゆくえ
土のなか
道を訊かれる
つながっていく
雨をながめて
君の顔だけ思いだせない
こうして夏が過ぎた
巣穴の会話
かわいいおばあちゃん
年の暮れ、冬のあけぼの
猫背の翼
あの町への切符
柏崎の狸になる
あとがき 文化は脱走する

【装幀】
名久井直子

【装画】
さかたきよこ

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文化の脱走兵 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    今読めてよかったな〜。どこか遠い世界の話だと思ってしまっていた戦争のことを、ちゃんと考えないと逃げないといけないなと改めて感じた。
    実際日本が戦争にどれぐらい近いのか、一般市民にはわからないかもしれないけど……。
    文化を疎かにしないように。
    どの本もそうではあるけど、この本は奈倉さんの人生を生きてい

    0
    2025年11月02日

    Posted by ブクログ

    子どもの頃の思い出がロシア詩の美しさへとつながり、そこから現在進行中の戦争に生きる人々へのまなざしへと自然に広がっていく。そんな文章に彩られた素晴らしいエッセイ集。著者の優しく温かな人柄がにじみ、いつまでも読み続けていたくなる。

    0
    2025年09月28日

    Posted by ブクログ

    戦争が起きている今だからこそ読みたいエッセイだった。ロシアに留学した経験があり、翻訳者で文学者でもある作者が感じていること、そして文学や言葉の力について書かれていた。

    詩の世界の奥行きを楽しむとともに、時代を越えて読み継がれる詩の力を感じた。詩は少ない言葉で表現するからこそ、読み手の世界や感覚に委

    0
    2025年09月19日

    Posted by ブクログ

    優しく美しい文章に、同じくらい美しい詩が添えられ時どきの思いが綴られる。ロシア文学に魅せられた著者が、今のロシアとウクライナの戦争について静かに怒り悲しんでいる様子がひしひしと伝わってくる。考えることをあきらめない、絶望してしまわないためには物語が必要。戦う勇気ではなく逃げる勇気を。著者の思いが強く

    0
    2025年05月26日

    Posted by ブクログ

    本好きなら共感できる、
    言葉にしづらいふわふわした想いを、言葉にしてくれる。
    ロシア、ウクライナに暮らす
    一人一人の友人を思い浮かべながら書かれた文章は、ニュースで見るウクライナ情勢とは別世界。
    多くの人が読んでほしい本。

    0
    2025年05月11日

    Posted by ブクログ

    あまりに素敵なものごとの捉え方に口角があがる。

    ロシアの詩をはじめとする文学を挟みながら、奈倉さんがこれまで見てきたものや感じてきたことについて書かれているエッセイ、なのですが、
    普通のエッセイとはまた違った読み心地。

    普通に生活してたらロシアの詩に触れる機会なんてないし、詩に関連するような奈倉

    0
    2025年05月04日

    Posted by ブクログ

    なぜ人は文学を読むのか。文学は何を人にもたらすのか。
    文学が持つ力を信じ、文学者に敬意を持つ著者。
    ロシアの詩人の詩を紹介しながら、今の時代にもその力失われていないことを感じさせる。

    0
    2025年03月12日

    Posted by ブクログ

    出てくる詩人や詩は、全くわからなかったけどそれでも面白かった。なんといっても、話の流れが上手くてそこに引き込まれたな。
    買うつもりがなかったのに、本屋さんでパラパラっと中身をみて即購入した本。

    0
    2025年02月15日

    Posted by ブクログ

    著者から見たロシアと現代社会、文学との繋がり。今生きているこの奇跡に感謝を覚えながら、大切に読み切った。世界に絶望してしまわないために、文学が、物語が必要であること。改めて気付かされた。いつかロシアに行って、奈倉さんが見た景色や、歴代の詩人が感じた瞬間を自身の身体で受け止めたい。

    0
    2025年02月09日

    Posted by ブクログ

    ロシア文学研究者の名倉有里さんのエッセイ。随所にロシアの詩歌が散りばめられ、とても美しく
    心が洗われる。
    今までロシア文学に触れたことがほとんどなかったので、正直驚く。正確に言えば何に驚いているのかというと、知らずのうちに『ロシア=悪』の感覚でいたこと。今現在戦争をしているロシアという国と、そこに暮

    0
    2024年09月20日

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