新川帆立のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まず主人公の圧倒的な行動力とポジティブさに驚かされる。重度障害という絶望的な状況に直面しても、ただ社会の支援を待つのではなく、自ら弁護士になるという前例のない目標を掲げて即座に動き出す不屈の精神にはただただ感嘆するばかりだ。「もしも自分なら...」と考えると、例え弁護士ではなく違う職業であっても到底このレベルのポジティブな活動や思考は出来そうにない。本当にすごいと感心してばかりの読書だった。
この手の作品を読みながら毎回思うのは「他人事じゃないぞ」ということ。今は普通に毎日を送っている自分が、もしかしたら明日交通事故にあって重度障碍者になるかもしれない。自分ではなくとも家族がそうなるかもしれない。そういう思考で読み進めると、一層この主人公のポジティブさが素晴らしく思えてくる。
モデルになった実在の人物がいるそうだが、この作品は障碍者の人々やその家族などを勇気付ける一作になっているだろうことは間違いない。 -
Posted by ブクログ
政治の世界で女が働くということはこういった偏見や差別と戦うということ。すごく身につまされた。
ここに出てくる女性は常に戦ってる。うっすら何かに怒ってる。鬼滅の刃のしのぶさんを思い起こされる。
今は日本初の女性総理が誕生したけど、その前にこの作品が世に出てたことが大きい。
SF読んでても思うけど、人が想像しうることはいつか現実になる可能性がある。
性的マイノリティが政界でトップになることもきっと必ずやってくる。
和田山記者や沢村秘書が高月さんやお嬢の後を必ず継いでくれるはず。私たち女性が今当たり前に働いているのは、先人が苦労して繋げてくれた結果でもあるとよく思う。 -
Posted by ブクログ
北鎌倉の縁切寺の門前に事務所を構える、離婚を専門に扱う弁護士松岡紬を主人公にした5話からなる連作リーガル小説。
この主人公、昔から忘れ物が多く、行き先や集合場所も間違えるドジで方向音痴、目的地に着くのにひとの倍もかかるという、いわば愛されキャラ。
離婚という深刻な問題を扱いながら、軽快なリーガルエンターテイメントになっている。
各話ごとに主役が変わる。
第1話は、相談者の牧田聡美。第2話は、紬の幼馴染みで松岡事務所の探偵を担当する出雲啓介。第3話は、紬の父で縁切寺の前住職の松岡玄太郎。第4話は、主人公の松岡紬。第5話は、1話の相談者で紬の事務所のスタッフとなった聡美。
シリーズ化されることを期待したい。 -
Posted by ブクログ
あくまでエンタメ・ミステリとして読むと、すごく面白い。最後の方はワクワクしながら読んでしまった。
最初は「なんだこの主人公?」と思っていても、過去の話が明かされたり、主人公自身が変化していったりするうちに、最後には好きになっている。
個人 的には、キャラクターの掘り下げがもうちょっとある方が好みかな。エンタメにそこまで求めるのは違うのかもしれないけれど、篠田との関係性なんかはもう少し広げられたんじゃないかと思う。
「男のメンツだけは潰さないように」という着眼点も面白い。ただ、結果的に悪い奴があまり出てこないせいか、そのアイデアが十全に活かされきっていない気がしたのが少しもったいなかったかな。