新川帆立のレビュー一覧
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第一回アルパカ文学賞
ひまりが四肢麻痺になったことで直面する厳しい現実と、周囲の人々が何事もなかったかのように前へ進んでいく姿との対比が苦しいくらい上手く描かれていた。
実際に四肢麻痺の障害を負いながら弁護士として活躍されている方の当事者にしか語り得ない多くの固有のエピソードをベースにしていると謝辞に記されているとおり、想像を超える細かいレベルでの苦労を知り打ちのめされた。
自分だったらあえて苦労をして働く道を選ばないと思う。
だけど、物語はひまりが語る「この道をたどったからこそ役立てたことがあり、結ばれた縁もある」という言葉の通りで、確かな希望があり表紙のひまわりのような直向きで明るい作品 -
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はい王道w
二巻目にしてキャラ相関図がエグいことになってます
矢印があっちにもこっちにもΣ(゚Д゚)
さては帆立ちゃん…なんも考えてないなw
きっと楽しんで書いてるんだろうな〜ってのが伝わってくるのよ
なんかそれだけで嬉しくなっちゃう
そして一巻目のときも書いたけど、ほんとキャラがベタいの
ストーリーも学園ものでベタいのよ
だけど申し訳ないが、わいベタいの大好きなのよ
(まずベタいって普通に使ってるけど初耳な)
そしてこれも前作のレビューでも書いたけど、ベタいのにちゃんと色がある
素晴らしい
そして、のりのりで書いてるだろうから、筆も早い
三巻もすぐ出るみたい
楽しみや! -
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『少年X』に暴行を加え、死に至らしめた『少年A』。少年院を退院後、土木作業員として働きはじめた『少年A』は寮の部屋で遺体となって発見された。めった刺しにされていた、という。犯行後すぐに自首してきた犯人は、『少年X』の母親の田村美雪だった。インターネット上で『少年A』の情報を集めていた田村美雪は、同時期に同じ少年院で生活を共にした『少年B』の密告をもとに、『少年A』を殺害した、と語る。盛んにメディアで取り上げられたこの事件は、「目には目を事件」と呼ばれた。少年院で共に同じ時間を過ごした『元少年五人』のうち、果たして誰が、『少年B』だったのか――。
ネタバラシにはならないよう気を付けますが、未 -
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この本を知らない方は、まずは作品紹介を読んでください。
ネタバレなくらいあらすじが書いてありますから。
作者の帆立さんは脊損患者ですか?ってくらいリアルに感情表現されてるし、社会の障害者に対しての差別や仕組みに憤りを感じさせる書きっぷり。
手も足も動かない、座ってる体勢を維持するのも大変、「安静は麻薬」と言われリハビリに励むも、これ以上の回復を見込めない「回復の限界」にぶち当たる。
24時間介護ヘルパーにお世話にならないと生きていかれない現実。重度障害者。
生きてく事でさえサバイバルな状況なのに、弁護士を目指すって…あらすじを読んだだけじゃ伝わりませんよ、この迫力がある感動は!
この -
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すっごく面白かった。考えさせられた。ドキュメンタリータッチで描かれているフィクションだ。少年院で過ごした時のグループ5人のそれぞれの想いが描かれている。その中の1人が復讐で殺されたあとの、お話なのだ。子供の時って脳が発達してないから、どうしても自己中心的になって、不運は全部、人のせいにしてしまう。ようやく少し反省しても、いつもいつも白い目で見られるとやはり、後戻り、グルグルと悪い方向へ行っちゃうのかな。自分のしたこと、悪いこと、取り返しのつかないことに対して、どう向き合っていくのか。無邪気すぎて、単細胞?すぎて、少年たちが、とても、かわいそうに感じた。でも、彼らの反対側には、被害者の家族の悲し
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ポトラッチ 贈り物を受け取ると、それよりも良い物をお返しに渡す。確かに、日常でそんな場面がある気がします。相手の喜ぶ顔が見たいからと、そう思いながら色々と贈り物を選んでいました。しかし、良く考えてみると、もしかしたら自分の為に選んでいるのかも。先に貰った相手より自分の方が良い人なのだと。
物語の始まりとして、残された元彼の不思議な遺言状を始まりとして、関係ある人々が様々な思惑で動き出します。
主人公の分かりやすく強気で合理的な弁護士という設定もあり、わかりやすい推理小説かと思いましたが、人の気持ちとは、簡単ではないなと思わせる結末でした。
贈り物とは、贈る側の気持ちと受け取る側の気持ちが入 -
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ある日、不運な交通事故に遭い、首から下が全く動かなくなったひまり。商社勤務で外国語も扱う彼女にとって、突然の人生の転換。
家族にも介護をしてもらい、懸命にリハビリをするが歩くことは全く叶わないという絶望の状況下の中、リハビリセンターの中でも、障害の具合は人それぞれ、少しでも動く部分があるだけで、他の人への苛立ち・嫉妬があったりと、本当に細かな人間模様が窺える。
自暴自棄になっていたある日、幼なじみのレオと再開し、ひょんなことから弁護士を目指すことになる。
この弁護士を受けようと思ったのも、体は動かないが口は動く、また他の一般職に引っ掛からななったからという、非常に不純な理由であった。
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ひまわり大賞の受賞から一年近くが経過し、ようやく手にすることが出来ました!
とても、とても、良かった( ᵕᴗᵕ )*・
生きることの素晴らしさ
諦めないことの大切さ
人の温かさ…
色々なことに気付かされ
「よし!明日も頑張ろう!」
と元気が出ること間違いなし!
33歳のひまりは交通事故で頸随を損傷し、四肢麻痺となってしまう。
総合商社に勤務し、世界中を飛び回っていたそれまでの生活から一変し、重度障害者として生きていかねばならない。
懸命にリハビリを続け社会復帰を目指すが、元の会社には受け入れてもらえず、就職活動も手応えなし。
そんな時、幼馴染みのレオに後押しされ、自立するため弁護士 -
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事故に遭い人生が一転する主人公のひまり
状況や設定だけ見ると辛く苦しい物語が始まるのか…と思いきや重々しい読み味ではなく思いの外ぐんぐんと前に進んでいくので読みやすい
もちろん悩みや葛藤がまったくない訳じゃない
ひまりなりに差別や出来なくなった苦しみはあるのだけど周りの同級生、会社の人、同じ立場の仲間、家族、幼馴染み、介護士さん等にアドバイスされ支え合いながら出来ないならやり方を工夫する、前例がないだけで断られたなら説明する、前例を作ってしまおうと進める強さがある主人公だった
ひまりにとって言葉は最後の砦
周りと共存し繋がるための武器なのだ
そんな彼女は助けられるだけじゃなく明らかに周りを -
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ネタバレ最初、本当にあった事件のルポルタージュのようなものだと思った。ところが後半、ルポを手がける女性が誰なのかわかったところから、単なるルポルタージュではなくなる。重たいテーマだなぁ。
人を殺して、でも少年だからと「少年法」で守られ、数年で社会復帰。当然、殺された子の親からすれば、なぜうちの子は命を奪われ、未来も奪われたのに、犯人はのうのうと生きているのか?と憎しみが湧くものだと思う。
堂城くんのようにやってしまったことを反省し、後悔し、償いたいと考え、でも償うことの意味を考え、悩み、苦しみ…。それを読んでいると、生きてほしかった、と思ってしまうのだが、自分の娘が殺されたとなると、私も美雪のように、