デビュー作『元彼の遺言状』が面白くて、それ以来好きな作家さん。
エッセイ、興味ある人いるかな、って書いてたが、面白いエピソード、話題が盛りだくさんだった。
バッグの話は作品とは関係ないけど、バッグへのこだわりの強さがとても刺激的だった。ここまで愛せる、こだわれるものがあるって、大変だけど、楽しいし
...続きを読む、かっこいいと思った。
アニメの話も興味深い。
オープニングや登場人物の描き方など、小説との違いなんて考えたこともなかった。
小説が色んな技法によって理論的、戦術的に書かれていることも、小説の書き方を学ぶ講座があることも知らなかった。
重たいテーマや深い考察が求められる小説も好きだが、忙しく疲れがちな日々の中では、読みやすい、楽しい展開と結末、ライトなミステリーなエンタメ作品は娯楽に程よく、エンタメ作品が軽いとか、商業的と批判される謂れはない。
作家さんはそれぞれ得意な分野があって、新川さんはアラサー女性が主人公で、経済小説寄りの企業小説、とのことだが、その中でも公正取引委員会を舞台にしようなんて、なかなか考えないと思うので、やっぱり新川さんにしか書けない、思い至らない視点で書き続けてほしい。
つい先日、漫画の実写化で不幸なニュースがあったが、エッセイにはドラマ化の話も出ていて、新川さんのスタンス、決めていることが書かれていて、実写化との向き合い方にもいろんな考え方があるんだなと思った。
作家さんによって考えは違うし、出版社の内情などなど深い話はわからないので何も言えないが、原作が好きで実写版を見てがっかりしたり、反対に、より面白くなってたという視聴者の感想はマイナスではないと思う。
たくさんの人たちが作り上げてくれたエンターテインメントを楽しみ、感じ、考えることができるのはすばらしいことだ。
「コンテンツビジネスは純然たるバリューを世の中に提供できる」
新川さんの仰るとおりだと思う。
何にしても本、小説が大好きなので、本をめぐって争いが起るようなことは二度と無いことを願うばかり。
原作にも実写脚本にも敬意を払い、多くのバリューが世の中に届きますように。
〈お気に入り〉
・バッグ愛好家の見るアメリカ
・税金と戦争と国際法
・東大女子という呪い
・悪気のないおじさんたち
・ドラマ化について思うこと
・『競争の番人』制作裏話