あらすじ
弱くても戦え! 『元彼の遺言状』著者、注目の新鋭が放つ面白さ最高の「公取委」ミステリー。
ウェディング業界を巣食う談合、下請けいじめ、立入検査拒否。市場の独り占めを取り締まる公正取引委員会を舞台に、凸凹バディが悪を成敗する!
公正取引委員会の審査官、白熊楓は、聴取対象者が自殺した責任を問われ、部署異動に。東大首席・ハーバード大留学帰りのエリート審査官・小勝負勉と同じチームで働くことになった。二人は反発しあいながらも、ウェディング業界の価格カルテル調査に乗り出す。数々の妨害を越えて、市場を支配する巨悪を打ち倒せるか。ノンストップ・エンターテインメント・ミステリー!
「デビュー2年目の勝負作です。わくわくドキドキ、ちょっぴり身につまされ、不思議と力が湧いてくる。理屈抜きで面白い王道エンターテインメントを目指して書きました。エンタメの幕の内弁当、どうぞ召し上がれ!」―新川帆立
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Posted by ブクログ
元彼の遺言状もだけど、読ませる力がすごい。法律に疎いので最初50ページあたりまでは読めるか不安になるのにラスト200ページから一気読みだった。続編も絶対読む!!
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«自分で選んで、信じて進む»
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今まで読んだ事件ものやミステリーの中で、過去一真相に辿り着くまでに手間がかかる、まさに紆余曲折を経て正義を掴み取る話だったなと思います。探偵や弁護士、警察等と違って、自分の意思で思うように動けない「お役人」のもどかしさがひしひしと伝わってきました。公正取引委員会の皆様、いつもご苦労さまです。
剣持先生のシリーズとはまた色の違う作品でしたが、主人公の白熊さんがもがき、悩みながら前に進んでいく姿に元気を貰いました。立場上、自分の意志の赴くままに行動出来ないもどかしさは弁護士でも公正取引委員会でも、他の職業でも同じなんだろうと思いますが、自分の決断を他人任せにせず、決定や行動に責任を持つことってやっぱり大切だなと思いました。
小勝負君とのこれからの関係が気になるところ。次作も楽しみです!
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ドラマは途中までしか見ませんでしたが面白く読めました。小勝負さんの表現がドラマよりねちっこい感じでしたが、かえって面白かった。お仕事系の本としても読めました。公正取引委員会は珍しい。
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以前、額賀澪さんの『トッカン』シリーズで税務署を舞台にしたいわゆる『お仕事小説』を読んだことがありましたが、本作は公正取引委員会を舞台にした作品ということでどんなものかと思いつつ読みましたが、話のテンポも良く、登場人物のキャラも立っていて、面白くサクッと読めました。
本作は続編もあるようなので、またいずれ読みたいと思っています。
なお、額賀澪さんの『トッカン』シリーズも結構面白かったです。
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2022年刊。「このミス」大賞受賞者である事は、読み始める時にやっと気が付いた。348ページ。公正取引委員会のメンバーが主役。登場人物の命名が面白く分かり易い。キャラも立っている。良く構成されていて面白いとも思うのだが、文章が何かブツ切りな印象で、最後まで馴染めなかった。でも、続刊を読みたいと思うには充分でした。
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公正取引委員会が不正をあばくお話。
刑事にあこがれたが親の反対であきらめた主人公
優秀な米国帰り、性格に難があるエリート相棒。
めちゃくちゃなコンビだけど、なかなかいい感じにおさまっていく。
主人公のお話で警察官に諦めたのは、
母親が危険だから親子の縁を切るといわれたから
という不満と母親に伝えたところ
親子の縁を切ってでもいいから、警察官になればよかった
自分で決めたことだから母親に文句言うのはおかしい
っていうところが印象に残った。
母親のそんな考えってあるのーっていうぶっ飛び加減が面白い。
親なら子供を応援してあげなさいって思ってしまうな。
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公正取引とは何なのかというのをよく学べた。その正義の側は、決して曲がった手段を使えず、あくまで法令遵守で戦わなくてはならない。とても歯痒いのだが、決して不正を許さない姿勢が心地良い。九州から帰ってきて成長した楓の続編が読みたい。
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若手の公正取引委員会職員が、弱小組織故の理不尽に立ち向かうお話。
帆立さんらしい、流れるような展開で、ふと気がつけばページ数が進んでいる感じ。
間違いなくおもしろい1冊ですね。
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いやー、面白かった。一気読みしちゃった。すごいテンポがよくてスイスイ読める。公正取引委員会なんて初めて知ったよ。地域の名士に従って生きること。分かるわー。田舎特有というか。過干渉の母親とか優秀過ぎる男とか、ちょっと誇張され過ぎてる気もするけど、まぁ分かりやすい。最後はちゃんと悪が捕まってスッキリ。王様を失ったS地域がどうなるかは分からん。多額の寄付を受けていたところはまぁ困るんだろうな。ほんとお金って何なんだろうと思う。続編ありそうだなと思ったら、ちゃんと出てたわ。すぐ読みたい。
Posted by ブクログ
348ページ
1600円
8月20日〜8月21日
公正取引委員会に勤める白熊楓は、先日聴取した豊島が自殺したことで心をいためる。その件が原因で配置換えされ、そこでキャリア組の小勝負と共に仕事をすることになる。天文学的な確率でついていない白熊は、騙されたり、監禁されたり、命の危険にまでさらされる。
公取委のことはよくわからないけれど、さくさく読み進めることができた。章が変わるごとに、人物の名前にフリガナがふってあったり、さりげなく人物がわかるような記述があって、誰これ?何て読むんだっけ?という小さなストレスがなく、読み
やすかった。ついていない白熊と、天才的な小勝負の今後が気になる。
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公正取引委員会の審査員のお話
公取 検察 警察 恋愛 浮気 母親 同僚 ちょっとロマンス うまく構成されていておもしろかった。
伏線の回収も無理やり感なく新川さんの小気味良い感じでよかった。
Posted by ブクログ
公正取引委員会って言葉だけは聞いたことあったけど、こういう地味で目立たない人達がいなかったら、私達の生活はもっと悪くなってるんだと思う。色々な人の職業との向き合い方、理不尽なことへの対処法は参考になったかな。
主人公の彼氏が心変わりして別人と結婚するというのは想像できるけど、自分が予約を入れてた式場で彼氏が自分以外の別の人と結婚してるシーンを想像すると心が痛かった。でも、現実はこういう人いるのかもなぁ。
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優しさが必ずしも人を救うとは限らない的な訴えが「ヴィクトリアンホテル」に通ずるところがあるかもしれない。でもただ白熊さんの運の悪さが強調されているだけかもという感じもする。特に自分がうまくいかない時に共感できるような物語になっていて良かった。
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最初は主人公がぐずぐずしすぎて厳しいかなと思いつつも、ストーリーに引っ張られて読み進めるうちに主人公が成長していき、最後は気持ち良く読み終えた。
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やっぱり帆立さん、いいわあ。公正取引委員会の審査官てなに?と、よく分からないままページをめくると、いきなり、事情聴取を担当した人が自殺してしまうというダークな幕開けで始まる。もちろん、読み進めるうちに、主人公の白熊楓が困難を乗り越え、最後はスッキリ爽やかに終わるのだが、話はそう単純でもない。ストーリーがしっかりと練られている。人が生きていく上で乗り越えるべき問題や仕事へのスタンスなど、リアルに織り込みながら、ミステリ要素もちゃんとあって、最後にはきっちりまとまる。宮部みゆき以来のストーリーテラー登場、と言ったらいい過ぎかなあ。
Posted by ブクログ
公正取引委員会で働く主人公、白熊楓は仕事、母親との関係、彼氏との将来に日々悩み、失敗して落ち込むこともあるが、持ち前のポジティブさで、とにかく動く、やるという熱血タイプ。
賢い人への劣等感、現場での経験へのプライドなど頑固なところと、根っからの運の悪さに何か親しみを感じる。
リーガルミステリーは好きでときどき読むけれど、公取委を舞台にした小説は初めてで、質・量ともかなりの読みごたえ。
談合や下請けいじめを摘発し、公正で健全な市場、競争を維持するためには必要な組織・権力で、組織内部の実態は知らないけど、働く人たちのモチベーション、使命感が楓や小勝負のようだったらいいなと思う。
それにしても楓の元彼は最低だった。
あんな自己中、自己満足の別れ方をさせていいのか疑問だらけだが、そこがまた楓の人の良さであり、共感してしまう弱さでもあるなと思う。
Posted by ブクログ
公正取引委員会の審査官である楓。北関東栃木での案件の担当になる。
しかし、聴取した男性は聴取翌日に自殺。
自分の聴取にミスがなかったか、もっと出来ることがあったのではないかと、後悔しながら同じ栃木の別の案件の担当となる。
ホテル業界と花屋業界のいじめや締め出し、不当な値上げ、取引制限など、一見外からは見えない闇。
楓は、頭脳が良きすぎるチームメイト小勝負とすったもんだしながら、事件解決に突き進む。
公正取引委員会、文章内にもあったが確かに一般人にはあまり知られていないお役所だと思う。
その職員たちがどんな風に摘発するのか、フィクションとはいえ垣間見れた事は、とても良かった。
楓の怒る時に怒りきれない感じには、時々イラっとするが、彼女も仕事でのミスや婚約者との破談や母親との軋轢を乗り越えながら、少しずつ変化して行くのだろう。
自分の知らないお仕事系の話は、面白い。
Posted by ブクログ
良かった。小売業を相手にする業界で働いていることもあってか公取の業務そのものが興味深かったし、ストーリーから得られる教訓めいたものは実生活でも重宝すると感じた。特に
「よく考えもしないで正義という言葉を軽々しく使う人に腹が立つ。人に押し付けていいものだけを正義と呼ぶのだ」
『では正義に忠実に行動した結果、死人が出るようなことがあってもいいのか?』
「正しいことが行われない結果、死人が出るよりはいい」
の応酬には唸った。それを前提に「常に正しさを貫ける人間が公務員なのだ」の部分も印象的。公務員の両親のもとで育った子息子女が公務員になるの、なんだかわかる気がするよな。運が悪くて男に騙されて毒親を持ち天文学的な確率で貧乏くじを引いてばかりの楓ちゃんが、ほんのちょっぴり強くなっていく過程も良かった。帳尻合わせや読者ウケを狙ってないリアルな成長スピードだよね。その点で親近感というか、本当に後輩の女の子を見ているような気持ちになったです。どこにでもいそうな主人公だからこそ感情移入できる層も多いのでは?
公取という切り口から人間ドラマと人の成長を描く、綺麗にまとまったバランスのいいお話でした。あと徹也shine
Posted by ブクログ
公正取引委員会の女性審査官の葛藤と成長を描くお仕事ミステリー。シリーズ1作目。
◇
正義感が強く、考えるよりまず身体が動くという体育会系気質の白熊楓。
公取委審査官として1本立ちすべき5年目だったが、公共工事の談合疑惑で事情聴取した参考人に自殺されてしまう。
責任を取る形で楓の指導係を解かれた上司の遠山は昇進が絶望的に。楓も次年度から九州事務所への異動を打診され、それまでの期間は風見キャップのチームに入り桃園の下につくよう命じられた。
新チームで楓とペアを組むことになったのが東大・ハーバード出身のキャリアという期待の星、小勝負勉だ。
情に囚われがちな楓に対し、合理的で理屈優先の小勝負。そんな対照的な2人が挑むのはウェディング業界のカルテル疑惑である。
ひと癖もふた癖もあるカルテルの首魁を相手に調査・内偵に出向いた楓と小勝負だったが……。( 第1章「弱くても戦え」) ※全6章。
* * * * *
お仕事小説であり成長物語でありミステリーでもある。盛りだくさんの非常にエンタメ性の高い作品でした。このあたりはさすがノリにノッている新川帆立さんで、どんどん読み進めさせる出来栄えになっています。
作品の肝は主人公の白熊楓の不器用さにあります。大学卒業まで空手に打ち込む青春を送っただけあって、楓はあまりスレていません。そして責任感が強く純粋で真っ直ぐ。しかもお人好しで情に脆い。
だから合理的で理屈っぽく個人主義の小勝負ですら、楓を放っておけないのです。2作目の『内偵の王子』で明らかになりますが、楓の損な性分は小勝負の母親とそっくりなのでした。
だから小勝負は、イラつきつつも楓をフォローせずにはいられません。このあたりの人物設定はうまいと思いました。
ポジション的に考えて、これからも小勝負の登場シーンは多いでしょうし、その魅力も十分描かれもするでしょう。
次作の『内偵の王子』でも小勝負は少ない登場シーンながら見事に存在感を放っています。
個人的には小勝負よりも、有能な諜報部員のような桃園さんの活躍をもっと見たいと思いました。
桃園さんは本作でもその片鱗を見せてくれてはいたけれど、まったく物足りない。例えば楓と2人で内偵に行く話なんておもしろそう。
シリーズはまだまだ続く ( そうなって欲しい! ) でしょうから、楓以外の人物にもスポットを当てた話を挿入していって欲しいと思います。
それにしても公正取引委員会の弱小ぶりがよくわかりました。
何と言ってもその地味さからくる存在感の小ささと立場の弱さ。公安同様に、調査や内偵、摘発が主業務であるのに公安ほどの権限は与えられていない。
そんな気の毒としか言いようのない役所です。
現代は経済中心の資本主義社会。公取委の存在意義はますます大きくなると思います。
この作品で公取委に関心が集まり、その体制の見直しに繋がればいいのになどと、夢のようなことを考えたりしました。
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テレビドラマを観てから読んだので、白熊楓は杏を、小勝負は坂口健太郎を、どうしても思い浮かべてしまったのが、いいのか悪いのか。公正取引委員会、SMAPが解散の後、テレビに出られなかった件で登場して、有名になった役所だ。たった何人かで仕事をしている、という話だったが、どうやらちゃんと大きな組織で動いているらしいと、この小説で知った。タイトルのインパクトもあり、目の付け所が面白い作家さんだと感心した。お仕事がテーマのライトノベルという印象。専門的な分野も庶民的なアプローチで読ませてくれる。実際の事案もこんな感じなのかしら?わからない分野だけに、違和感を抱きようもない。面白かったけど、文章に拙さを感じてしまって、気持ちよく読み続けられない部分もあった。主人公の白熊さんに、あまり魅力を感じられなくて、つい、イライラしてしまうところもあるので、もしかしたら、この作者さんと私、相性悪いかもと思った。
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公正取引委員会という名前は知っていたが、こんな風な仕事をしているとは知らなかった。白熊が九州へ行ってからの仕事っぷりを見たいと思ったし、ドラマも見てみたくなった。
Posted by ブクログ
ドラマで観た競走の番人の原作。
ドラマは原作の内容に忠実に作っていたと思う。
それだけに、本を読んでもドラマを思い出す感じで、同情人物の顔にもドラマの配役がオーバーラップする。
面白いドラマだったのだが、ドラマを観て原作を読むと、ああこんなだったで終わってしまう。
公取のドラマ、なかなか面白かった。
Posted by ブクログ
09月-09。3.5点。
公正取引委員会の主人公。栃木県の旅館がカルテルを行っているとの情報で、捜査に。。
公取委の捜査内容がわかりやすく記述されている。殺人未遂も起き、なかなか面白かった。次作も期待。
Posted by ブクログ
ドラマで見ていたが、改めて本で読んでみた。
疾走感のある書き振りは、以前読んだ本ではついていくのがやっとな感じだったが、この小説ではとても心地よく読むことができた。
知らない職業ってたくさんあるなあ。