あらすじ
弱くても戦え! 『元彼の遺言状』著者、注目の新鋭が放つ面白さ最高の「公取委」ミステリー。
ウェディング業界を巣食う談合、下請けいじめ、立入検査拒否。市場の独り占めを取り締まる公正取引委員会を舞台に、凸凹バディが悪を成敗する!
公正取引委員会の審査官、白熊楓は、聴取対象者が自殺した責任を問われ、部署異動に。東大首席・ハーバード大留学帰りのエリート審査官・小勝負勉と同じチームで働くことになった。二人は反発しあいながらも、ウェディング業界の価格カルテル調査に乗り出す。数々の妨害を越えて、市場を支配する巨悪を打ち倒せるか。ノンストップ・エンターテインメント・ミステリー!
「デビュー2年目の勝負作です。わくわくドキドキ、ちょっぴり身につまされ、不思議と力が湧いてくる。理屈抜きで面白い王道エンターテインメントを目指して書きました。エンタメの幕の内弁当、どうぞ召し上がれ!」―新川帆立
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とても面白かったです、一気読みしてしまいました!
続きがあることを期待してしまいます。
(追記:続きありました!!!)
・聞いたことない職業だけど、人物がとても個性的で内容が理解しやすい
・そういうことだったのか、という種明かしもありスッキリする
・人間の汚いところから綺麗なところまで、事件に絡めて描き出されていて、結構ぐっとくる部分も多かった
一気に読んでしまったので、
もう一度最初から読み返したいです。
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次作を期待させるような終わり方。
体育会系で叩き上げ一般職の女主人公、エリートツンデレ総合職の同僚男子。よくある設定、だけどそれがやっぱり面白い。
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公正取引委員会ダイロク部のノンキャリアの女性審査官 白熊楓は、お人好しで、いつも相手のことを考えてしまう。空手の選手で、大会では万年2位という成績だった。「筋肉バカ」のキャラクターとして見られていた。その上司に、キャリアのエリート審査官、小勝負勉がやってきた。小勝負は、愛媛県出身で、実家はみかん農家、東大首席のエリートで、経済取引局で5年ほど経験後、ハーバード大学留学を経て、公正取引委員会のダイロク部局にきたのだ。法律に基づいて、クールに対応する。白熊楓とバディを組む。小勝負は、正論すぎたり、図星すぎたり、一番言ってはいけないことを言ってしまうというタイプで、人が傷つくということを考慮しない。
小勝負は、独占禁止法第一条を重視する。
「この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする」
国民経済の民主的で健全な発達ということが、独禁法の基本で、潰れたほうがいい会社もあると強調。それが、巡り巡って国民の生活になる。
白熊楓の父親は、警察官だった。交番強盗に入られ、身を挺して犯人を捕らえたが、右足を打たれた。それを契機に、景観を辞めた。白熊楓は、父親に憧れて警察官を目指し、警察学校にいたが、父親の事件があってから、公正取引委員会の仕事をはじめたのだった。
公正取引委員会は、ウェディング費用に関してカルテル疑惑がある北関東のS市を拠点とするホテル3社 ホテル天沢SとSクラシカルホテルと温泉郷S。ここに公正取引委員会は、調査に入ろうとするが、うまくいかない。逮捕権も持っていないのだ。弱小官庁の持つ悲哀が明らかだ。
そして温泉郷Sの社長が刺されて意識不明になった事件があった。犯人は?
白熊は、市役所職員の談合疑惑の聴取対象者、豊島浩平を道路工事事業をめぐっての談合の尋問していた。聴取が終わったら、豊島は自殺する。そのことで、白熊は精神的に参っていた。また、自殺させたということで、ダイロクに移されたのだ。豊島浩平には、県立高校に通う美月という娘がいた。
ホテル天沢のオーナー天沢雲海。ホテル業大手天沢グループのトップ。天沢は、「清く、正しく、金を使う」と言い、金の稼ぎ方はどんな悪どいことでもいい。しかし、使い方だけにこだわり、立ち行かなくなった企業を買収して立て直していた。ある意味では、村社会の顔役だった。
小勝負は、優秀な支配者がいて、その支配者のもとで人々に利益があてがわれる。人々の生活は向上するけれど、それでいいのか?と問う。
白熊は、フラワーショップの石田七瀬を訪ねる。七瀬は妊娠していて、身重だった。そこにオリエンタルポピーと名札がついた鉢花があったが、実はハカマオニゲシだった。栽培や所持が禁止されている植物。それを知っていて、白熊は見逃す。結局、それが問題となる。
また、石田の夫は、温泉郷Sの社長を指した犯人として拘束されていた。しかし、真犯人は?
公正取引委員会は、やはり地味な仕事だね。そんな中で、必死に頑張る白熊楓、空回りが多い。でも、白熊楓は、行動する。
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公正取引委員会、名前ぐらいは知っている程度だったが、面白かった。
ホテルのカルテル、花屋の結託など日常的にありそうな話が盛り込まれていた。エンタメとしてもよかったが、小勝負さんと白熊さんのちょっと何かありそうな感じもおもしろかった。
徹也が最低すぎるのでなんとかぎゃふんといわせてほしい。
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さすが新川帆立らしい読み易さ
公正取引委員と言うマイナーなお役所仕事の内情を軽やかに時には熱く描いてくれて読み終えた頃にはスッキリしました
ドラマ先行で観ていたためどうしても小勝負が坂口健太郎の声で再現されてしまって… 味付け無しで読みたかったなと少しだけ後悔
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★4.5
テンポもキャラも仕事も恋愛も事件の絡みも、全て心地よかった。スルッと読めて爽快。
無人精米機の駐車場とか、チロルチョコ一個とか、何てことない言葉のチョイスにクスリと笑えるし、リアリティを感じる。次作も必ず、読む。
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ドラマは途中までしか見ませんでしたが面白く読めました。小勝負さんの表現がドラマよりねちっこい感じでしたが、かえって面白かった。お仕事系の本としても読めました。公正取引委員会は珍しい。
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以前、額賀澪さんの『トッカン』シリーズで税務署を舞台にしたいわゆる『お仕事小説』を読んだことがありましたが、本作は公正取引委員会を舞台にした作品ということでどんなものかと思いつつ読みましたが、話のテンポも良く、登場人物のキャラも立っていて、面白くサクッと読めました。
本作は続編もあるようなので、またいずれ読みたいと思っています。
なお、額賀澪さんの『トッカン』シリーズも結構面白かったです。
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2022年刊。「このミス」大賞受賞者である事は、読み始める時にやっと気が付いた。348ページ。公正取引委員会のメンバーが主役。登場人物の命名が面白く分かり易い。キャラも立っている。良く構成されていて面白いとも思うのだが、文章が何かブツ切りな印象で、最後まで馴染めなかった。でも、続刊を読みたいと思うには充分でした。
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公正取引委員会が不正をあばくお話。
刑事にあこがれたが親の反対であきらめた主人公
優秀な米国帰り、性格に難があるエリート相棒。
めちゃくちゃなコンビだけど、なかなかいい感じにおさまっていく。
主人公のお話で警察官に諦めたのは、
母親が危険だから親子の縁を切るといわれたから
という不満と母親に伝えたところ
親子の縁を切ってでもいいから、警察官になればよかった
自分で決めたことだから母親に文句言うのはおかしい
っていうところが印象に残った。
母親のそんな考えってあるのーっていうぶっ飛び加減が面白い。
親なら子供を応援してあげなさいって思ってしまうな。
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公正取引とは何なのかというのをよく学べた。その正義の側は、決して曲がった手段を使えず、あくまで法令遵守で戦わなくてはならない。とても歯痒いのだが、決して不正を許さない姿勢が心地良い。九州から帰ってきて成長した楓の続編が読みたい。
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若手の公正取引委員会職員が、弱小組織故の理不尽に立ち向かうお話。
帆立さんらしい、流れるような展開で、ふと気がつけばページ数が進んでいる感じ。
間違いなくおもしろい1冊ですね。
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いやー、面白かった。一気読みしちゃった。すごいテンポがよくてスイスイ読める。公正取引委員会なんて初めて知ったよ。地域の名士に従って生きること。分かるわー。田舎特有というか。過干渉の母親とか優秀過ぎる男とか、ちょっと誇張され過ぎてる気もするけど、まぁ分かりやすい。最後はちゃんと悪が捕まってスッキリ。王様を失ったS地域がどうなるかは分からん。多額の寄付を受けていたところはまぁ困るんだろうな。ほんとお金って何なんだろうと思う。続編ありそうだなと思ったら、ちゃんと出てたわ。すぐ読みたい。
Posted by ブクログ
348ページ
1600円
8月20日〜8月21日
公正取引委員会に勤める白熊楓は、先日聴取した豊島が自殺したことで心をいためる。その件が原因で配置換えされ、そこでキャリア組の小勝負と共に仕事をすることになる。天文学的な確率でついていない白熊は、騙されたり、監禁されたり、命の危険にまでさらされる。
公取委のことはよくわからないけれど、さくさく読み進めることができた。章が変わるごとに、人物の名前にフリガナがふってあったり、さりげなく人物がわかるような記述があって、誰これ?何て読むんだっけ?という小さなストレスがなく、読み
やすかった。ついていない白熊と、天才的な小勝負の今後が気になる。
Posted by ブクログ
公正取引委員会の審査員のお話
公取 検察 警察 恋愛 浮気 母親 同僚 ちょっとロマンス うまく構成されていておもしろかった。
伏線の回収も無理やり感なく新川さんの小気味良い感じでよかった。
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公正取引委員会って言葉だけは聞いたことあったけど、こういう地味で目立たない人達がいなかったら、私達の生活はもっと悪くなってるんだと思う。色々な人の職業との向き合い方、理不尽なことへの対処法は参考になったかな。
主人公の彼氏が心変わりして別人と結婚するというのは想像できるけど、自分が予約を入れてた式場で彼氏が自分以外の別の人と結婚してるシーンを想像すると心が痛かった。でも、現実はこういう人いるのかもなぁ。
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公正取引委員会の女性審査官の葛藤と成長を描くお仕事ミステリー。シリーズ1作目。
◇
正義感が強く、考えるよりまず身体が動くという体育会系気質の白熊楓。
公取委審査官として1本立ちすべき5年目だったが、公共工事の談合疑惑で事情聴取した参考人に自殺されてしまう。
責任を取る形で楓の指導係を解かれた上司の遠山は昇進が絶望的に。楓も次年度から九州事務所への異動を打診され、それまでの期間は風見キャップのチームに入り桃園の下につくよう命じられた。
新チームで楓とペアを組むことになったのが東大・ハーバード出身のキャリアという期待の星、小勝負勉だ。
情に囚われがちな楓に対し、合理的で理屈優先の小勝負。そんな対照的な2人が挑むのはウェディング業界のカルテル疑惑である。
ひと癖もふた癖もあるカルテルの首魁を相手に調査・内偵に出向いた楓と小勝負だったが……。( 第1章「弱くても戦え」) ※全6章。
* * * * *
お仕事小説であり成長物語でありミステリーでもある。盛りだくさんの非常にエンタメ性の高い作品でした。このあたりはさすがノリにノッている新川帆立さんで、どんどん読み進めさせる出来栄えになっています。
作品の肝は主人公の白熊楓の不器用さにあります。大学卒業まで空手に打ち込む青春を送っただけあって、楓はあまりスレていません。そして責任感が強く純粋で真っ直ぐ。しかもお人好しで情に脆い。
だから合理的で理屈っぽく個人主義の小勝負ですら、楓を放っておけないのです。2作目の『内偵の王子』で明らかになりますが、楓の損な性分は小勝負の母親とそっくりなのでした。
だから小勝負は、イラつきつつも楓をフォローせずにはいられません。このあたりの人物設定はうまいと思いました。
ポジション的に考えて、これからも小勝負の登場シーンは多いでしょうし、その魅力も十分描かれもするでしょう。
次作の『内偵の王子』でも小勝負は少ない登場シーンながら見事に存在感を放っています。
個人的には小勝負よりも、有能な諜報部員のような桃園さんの活躍をもっと見たいと思いました。
桃園さんは本作でもその片鱗を見せてくれてはいたけれど、まったく物足りない。例えば楓と2人で内偵に行く話なんておもしろそう。
シリーズはまだまだ続く ( そうなって欲しい! ) でしょうから、楓以外の人物にもスポットを当てた話を挿入していって欲しいと思います。
それにしても公正取引委員会の弱小ぶりがよくわかりました。
何と言ってもその地味さからくる存在感の小ささと立場の弱さ。公安同様に、調査や内偵、摘発が主業務であるのに公安ほどの権限は与えられていない。
そんな気の毒としか言いようのない役所です。
現代は経済中心の資本主義社会。公取委の存在意義はますます大きくなると思います。
この作品で公取委に関心が集まり、その体制の見直しに繋がればいいのになどと、夢のようなことを考えたりしました。
Posted by ブクログ
経済小説っぽいものを期待してたので少し物足りなかった。お仕事小説+成長物語という感じ。
丁寧に描いているのはこの作者らしいけど、展開が遅いとも言える
Posted by ブクログ
ドラマの方を先に観たけど、杏に当て書きされた?っほどシロクマさんが杏ぽかった。まぁ、容姿は違う感じだったけど。公取委って何してるのかわからないところだから、その仕事が垣間見られて面白かった。
Posted by ブクログ
新川帆立さんの本は初読みです。
公正取引委員会の審査官、白熊楓がイケメンキャリア職員の小勝負勉と組んで、ホテルウェディングの価格カルテルを摘発するまでのお話。
雰囲気が明るいので、安心してサクッと楽しく読めました。
ハプニングあり、付き合っている彼との結婚や母子の関係も織り交ぜられていて、前向きな気分になれました。すでにドラマ化されているけれど、まさにドラマ向けだな、と思いました。
装丁がとっても良かったです。
Posted by ブクログ
著者は、自分はエンタメ小説を書くとエッセイで書かれていた気がするが、まさにエンタメ小説という感じ。個性豊かな登場人物、社会派な内容もあり、恋愛要素もあり。
「元彼の遺言状」の主人公の麗子とは全然違うタイプの主人公。
サクサク読み進められます。続編には小勝負君は出てこないのかな…?2人はどうなるんだろう?と気になるところ。続編も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
テレビドラマを観てから読んだので、白熊楓は杏を、小勝負は坂口健太郎を、どうしても思い浮かべてしまったのが、いいのか悪いのか。公正取引委員会、SMAPが解散の後、テレビに出られなかった件で登場して、有名になった役所だ。たった何人かで仕事をしている、という話だったが、どうやらちゃんと大きな組織で動いているらしいと、この小説で知った。タイトルのインパクトもあり、目の付け所が面白い作家さんだと感心した。お仕事がテーマのライトノベルという印象。専門的な分野も庶民的なアプローチで読ませてくれる。実際の事案もこんな感じなのかしら?わからない分野だけに、違和感を抱きようもない。面白かったけど、文章に拙さを感じてしまって、気持ちよく読み続けられない部分もあった。主人公の白熊さんに、あまり魅力を感じられなくて、つい、イライラしてしまうところもあるので、もしかしたら、この作者さんと私、相性悪いかもと思った。
Posted by ブクログ
公正取引委員会という名前は知っていたが、こんな風な仕事をしているとは知らなかった。白熊が九州へ行ってからの仕事っぷりを見たいと思ったし、ドラマも見てみたくなった。