柊サナカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
柊サナカさんの本は「谷中レトロカメラ店の謎日和1、2」、「お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖 」を読みましたが、今回もカメラが登場しています。(とにかくカメラにお詳しい!)何も温もりある作風で、ユーモアや人情味があってほっこりします。
この「人生写真館の軌跡」は連作ミステリーということですが、先にご紹介した2作とはちょっと違った切ない内容のファンタジーになっています。
亡くなった方をお迎えし、走馬燈に使う写真を選ぶ現世と黄泉との境にある写真館。古事記の黄泉比良坂(よもつひらさか)より名前をとった平坂が案内役となり、お茶をお出ししたりしながら、生きた年の数の写真を選ぶお手伝いをします。何故、平坂は記憶を無くしたのか、そして写真を選ぶお手伝いをしながら自分を知る「誰か」を待っているー。
第一章 おばあさんとバスの一枚
第二章 ねずみくんとヒーローの一枚
第三章 ミツルと最後の一枚
第一章で登場するのは92歳の老女。生前保母さんをしていて長い道のりを生きてきました。その歴史を振り返るストーリーとなっています。
(写真選びが終わり、少しの間この世に戻って会う美智(なち)先生、、、。)
第二章では、リサイクルショップを経営していた47歳の鰐口の思い出を振り返ります。イジメ問題も出てきます。そして、“ねずみくん“と鰐口との関係性がとても印象に残りました。
ねずみくんの言った最後の一行が切なく、心に響きます。涙、、
第三章、7歳の児童、辛くなります。そしてミツルとは、、、。この章で全てが繋がります。(ネタバレ厳禁ですね、)
近年のニュースにあるような辛い内容もありますが、写真館の平坂さんの優しさに包まれて癒されていきます。柊サナカさんの、心温まる連作ミステリー・ファンタジーになっています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ想像していた話とは違い、現実感があり、すごくよかった。
じんわり目尻に涙がたまるような余韻があり、すぐに続編を読みたくなった。
全編通して上手に生きられない人達が、宅配便をきっかけに前に踏み出すことができるようになった。
どの話も心にしみたが、特に第4話の「最後の課外授業」が好きだ。
周りから少し外れている5人の生徒達に、先生から特大のプレゼントが届いた。
滞っていた人生が少しだけ開けたようで、明るい光があることに気づけたと思う。
もしかして、これから友達になれるのかな。想像すると、とても微笑ましい。
第3話の「かくれんぼ」は悲しかった。
最期まで、かくれんぼが上手だった。
歩くのも難しいのに、彼を心配して駆け寄った気持ちを思うと、胸が痛かった。
再生と引き換えるには、彼は大きなものを無くしてしまった。
その喪失感と一緒に生きていかなきゃならないなんてしんど過ぎると思ったけど、彼女の気持ちを知れたことが、生きる糧になるのかな。
2024/06/18 18:32 -
Posted by ブクログ
YouTube「ほんタメ」で紹介されていて気になっていた一冊を駅前の書店で見つけて即購入しました。
少し前に転職して、
山手線を使うようになったので、
どうしても通勤中に読みたかったんです。
数ページの中にオチまでつけて、
さらに30駅分というのが本当にすごい。
そして最後には幻の駅という+1駅が。
くすっと笑えるものから、ホラー、ミステリーまで。
個人的に好きだったのは、
「一駅目【大崎駅】通勤電車の流儀」
電車のなかで子どもに向かって叱り飛ばすお母さん。
九九が言えなくて泣きそうになってる子ども。
乗客たちが力をあわせて子どものピンチを助けようとする話です。
「十五駅目【西日暮里駅】ワタシヲ ワスレナイデ」
ホームの端できょろきょろしているロングヘアの女性。
彼女はおもむろに駅の柱にそっと塗装する。
いったいなぜ?
「二十八駅目【恵比寿駅】撲滅フラッシュモブ」
この世で撲滅したいもの…それはフラッシュモブ。
フラッシュモブが大嫌いなのに、なぜか車両内のフラッシュモブに巻き込まれる…
一話一話が数ページなので、
息抜きにちょこちょこ楽しめました。
山手線を利用されている方はぜひ! -
Posted by ブクログ
千駄木すずらん通りの一番端にある4代続くトトキ時計店。十刻藤子は妹が三子の出産で手が離せなくなった母の代わりに店番をしていた。時計に無関心だった藤子の前に、スイスから来た不思議な兄弟がトトキ時計店のビルに住み着き、シンボルである時計塔を20年ぶりに動かすと言い出して…
時計職人だった父が失踪し、ヤケになって大阪へ飛び出した藤子が母に請われて実家に戻ってくるが、時計に対して本当に無関心だったが、スイスからやってきたジャンとアキオによって少しずつ時計への興味が出てきた事が父とのわだかまりが解けてきている様でホッとしました。ジャンの時計への情熱と蘊蓄がすばらしく、17歳なのに天才時計職人なのも頷けました。
藤子への想いはどこまで本気なのかは解りませんが、案外本気なのかもしれないですね。
続編希望です!