矢月秀作のレビュー一覧
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【意味のある死】
事件は解決し、犯人も自死。であるのにも関わらず、なにかが気になり事件と犯人の半生を追う、警察であり主人公の三浦賢太郎。
ページをめくる事に犯人の人生や人間関係が紐解かれていくのに、当初の人物像からはどんどん離れていく。この真相から遠のいていくさまは、よんでいて焦れったくもあり、逆にそこに惹き込まれていく自分がいました。
人間という生き物が、どんなに環境に左右されて生きているのかをまざまざと見せつけられる本作。
ぼく自身、家庭環境、学生生活がボロボロであったならば、今作の犯人と同じような人生の最後と似たようなものに向かうこともあったのではないか……。どうにも他人事に思え -
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矢月秀作『廻天流炎 D1警視庁暗殺部』祥伝社文庫。
シリーズ第6弾。今回はD1のメンバーが個々に指令を受け、潜入捜査を行うという少し込み入った設定で、なかなか陰謀の正体が見えて来ない。いつものような単純明快な設定の方が楽しめたように思う。
秘密裏に指令を受けた神馬悠大は池袋を牛耳る半グレ組織『フェイスレス』に凄腕の刺客として潜入する。また、D1のリーダー周藤一希も武闘派暴力団にヒットマンとして潜入を図る。2人は潜入の目的を知らされず、組織間の抗争で対峙することになる。一方、真中凛子、天羽智恵理の2人も若手政治家の秘書などに扮して、秘密裏に活動していた。
やがて、半グレ組織、暴力団、政界 -
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矢月秀作『警視庁特務部逮捕特科 アレストマン』徳間文庫。
またシリーズ化されるのかな。
かなり設定が粗い。何しろ主人公格の警官には神原という名字しか与えられていないのには、その妹には神原璃乃というフルネームが与えられているのだ。
描かれる事件も最近起きた半グレが素人を集めて実行した強盗事件をなぞっているだけのように思う。多少の山谷はあるが、やけにあっさりと事件は解決してしまう。
警視庁に人員不足を補うために逮捕を専門とした特務部逮捕特科が新設された。リーダーは神原という警官で、妹の璃乃をはじめとする格闘技、サイバー犯罪、潜入捜査、設備機器調達に長けた警官を集めていた。
上司の大森元 -
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2023.05.22 Audibleにて
いや、私が悪い。
仕事しながら聞いてしまった私が悪い。
もう、最後は誰が誰だか。。。
とりあえず、イマムラがなんかやったんよな?
3巻目の今作は、潜入していた捜査官のチバが帰ってこなくなってから話は始まる。
チバの様子を探るため、チバ同様のルートで潜入するタキガワだが。。。
途中、騙し騙されで、そっちに頭もってかれて、結局、潜入目的忘れちゃうんだよね。
だから、最後の方で誰がどうでどうなった?ってなっちゃうんだよな。
以下、ネタバレあり
手柄を上げる、成果を上げるっていう意味で、イマムラの策略は必要なのかもしれないけど、いらぁ~ってする。
だけど -
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2023.05.19 Audibleにて
相変わらず、囁くなぁ~
1巻の時、ずっとタキザワとヤブミと思ってたけど、タキザワじゃなくて、タキガワで、ヤブミじゃなくて、ヤブノやった。
2巻目となる今作は、革命家を潰せ!ってなストーリーで、結構2転3転する話。
騙し合いは、企みがある人達はみんなするもんなんですね。。。
以下、ネタバレあり。
面白いけど、アヤコとハタノさんかがあまり好きになれないんだよなぁ。。。なんかわかんないんだけど。タキガワが早く、ヤブノみたいに、公安にズブズブになって欲しい。。。
今回は、元々イロイロなことが気に食わないイマムラの、かなりドロッとした感情が気になる。なーん -
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2023.05.17 Audibleにて
ナレーターの人の話し方が、囁き口調で、あ、これ無理かもなぁと思いながら、聴いてたら、あらヤダ。意外と面白い。
何がどうしたくて、果たして主人公的な人は誰なのか全くわからなくて、なんだこの作品は!って思いながら、色んな意味でハラハラドキドキしっぱなしだった。
公安という仕事にスポットが当たってるだけあって、仲間内でも騙し合いがあるだけでなく、読者にも騙しがかるなんて、なかなか粋な作品だなぁと。
ストーリーは、って書こうとしたけど、難しいな。公安よ、銃の密造の証拠を掴め!ってな感じかな。銃って密造できるんだね。
銃って作るものってイメージがなかった。 -
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「刑事学校」というシリーズの続きのようですね。
知らずに読み始めてしまいました。
前作読んでなくても、特に問題なく読み切れましたが、よんでたらより面白うよめただろうな。
とんでもない暴虐の限りをつくし、最後は自殺した「萩谷」の生きし道を、刑事三浦が追いかけるというストーリー。
第三者にとっては「ひどい加害者」「ヤバイやつ」がいて、「かわいそうな被害者」がいて……というのはだいたいの事件の構図だけど、当たり前だけどその「ヤバイやつ」にも生きてきた道があって、その人なりの道理があるのか、と当たり前だけど気づいていなかった(実感をもってとらえていなかった?)ことを、しっかりと見せてくれる作品。 -
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矢月秀作『紅い塔』徳間文庫。
シリーズ第3弾。冒頭からの余りにも強引な展開で、ブルース・リーの『死亡遊戯』の真似みたいな設定に持って行ったことに失笑。
まるで漫画の世界。主人公の工藤雅彦が鬼のように強い。キックボクシング、骨法、テコンドー、ナイフの使い手を物ともせず、次々に倒していく。
しかし、物語は変な方向にシフトし、青春小説か、剣豪師弟小説のような結末を迎える。
殺し屋組織の頭首となった工藤雅彦は目立った活動をせず、身重の妻と大分の漁村でひっそりと暮らしていた。しかし、組織内に頭首の工藤を認めない反乱分子が生まれ、工藤は組織が用意した巨大な塔で反乱分子たちと対決することになる。各階