矢月秀作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どんなに綿密な計画を立てても、思いもかけないトラブルに見舞われることがある。
潜入捜査においても、ほんの少しの油断や警戒心の緩みがつまづきの原因となってしまう。
常に危険と隣り合わせの仕事なのだと、今回の物語を読んであらためて気づいた。
潜入捜査班に所属するメンバーたちには、彼ら独特のプライドがあるらしい。
捜査員としてふさわしい力量があれば尊敬もするし、逆に力不足だと思えばチームの一員として危惧を抱く。
だが、いずれも一線で活躍する潜入捜査員たちなのだ。
それぞれに得意な分野は違っても、みな一流の役者であることは間違いない。
それでも、トラブルは起きてしまうものなのだろう。
矢月さんの書いた作品を読むのはこのシリーズが初めてである。
読みやすさだけでなく、ストーリー性もあり、何よりも登場人物たちが魅力的だ。
「ACT」シリーズはまだ2巻しか発売されていないらしい。
できれば第3弾も読んでみたいものだ。 -
Posted by ブクログ
とにかく設定が面白かった。
まるで劇団が公演を行なうように、シナリオに沿ってそれぞれが与えられた役を自分のもにしていく。
サポート体制があるとはいえ、危険な捜査であることに変わりはない。
チームを組んだメンバーたちは、それぞれの役を与えられた舞台で完璧に演ずる。
主人公である田宮の人物造形がいい。
リアルな生活で劇団に所属はしている田宮は、俳優としてまったく使い物にならない。
けれども潜入捜査官としての田宮はプロ意識が強く、役に完璧になりきることを得意としている。
新人捜査官の吉沢に心構えを伝える場面では、多くを語らずともその行動で捜査官としてのあるべき姿を伝えている。
体型や声色、話し方まで役にあわせて作り上げられていく潜入のための架空の人物。
捜査の過程で知り合った人間を犯罪行為に巻き込みたくないと苦心する田宮の行動が、彼の捜査員としての優秀さと人としてのあたたかさを感じさせてくれた。
テンポのある展開、起伏にとんだストーリー、魅力ある登場人物たち。
警察小説ではあるけれど、新鮮な思いで読むことができた物語だった。 -
Posted by ブクログ
暗殺とは 政治的、宗教的な理由で 要人を殺害することである。
この場合は 犯罪者 を殺すことで、暗殺と言う概念とは
ちょっと、違うのではないか?
警察が 官僚組織の最たるもので、官僚が そのような仕組みを
みとめるわけがない のであるが、
これは フィクションだから、楽しみたい。
問題は 暗殺の対象者を 誰にするかである。
エボラウイルスに 抗体をもっている人間を
人体実験で 探し当てる。まるで 731部隊に近い。
研究の目的は間違っていないが 手法が間違っている。
『悪の飽食』的なグループで なぜか つながりが ロシアとは
みょうな 方向へ 突っ走っている。
この物語で言うならば イスラムの方が 見えて来るのでは。
抗体の遺伝子が確定できたなら、
別に 人体をそのままおくる必要はない。
ただの運搬体に過ぎない。
射撃の名手が周藤 チーフとなって リクルートする。
際だった相手は 神場。剣の使い手。黒波と恐れられる存在。
このオトコの造形は、おもしろいね。圧倒的な強さ。
黒波は、そんなに、性格も ねじれているわけではない。
コードネームを使う必要があるのかな。
どうやっても、名前を使わざるをえない。
モグラは ひとりで なんでもこなしていたが、
それを 分業のチームにしたので、仕事はやりやすくなる。
でてくる 政治家が ちょっと 小物 過ぎる。
首相になりたい だけでは しょうがない。
首相になって 何をしたいかだが。
政治資金稼ぎという 視野狭窄的政治家。
悪は もっと 圧倒的な 悪でないとねぇ。
秘書が ちょいワル かな。 -
Posted by ブクログ
武装化を図る組織に公安捜査員が潜入する。
ただ公安捜査員が裏組織に潜入し、武装隆起の計画を阻止する、だけで終わらず、一人の警察官が公安捜査員として一から教育を受ける過程も描かれていて面白かった。まぁ、警察内で実際にこんな謀略めいた引き抜きやら教育やらが行われていたら、引いてしまうけれども(苦笑)。 面白く読めたものの、さすがにその場面でリアルさを感じることは少なかった。しかしながら、その過程を読んだ上でも、終盤のどんでん返しは私の想像を超えていて、驚くものだった。何だかんだしながらも最後は爽快に終わって、読後はすっきり、かな。ハードアクション作品であるのは間違いないが、やたら派手なアクションだけで終わってしまう最近の矢月作品の中では面白く読めた。
野党の名前が現在の名前とモロ被りしてるのが笑えた。この本の方が先だよね? -
Posted by ブクログ
振り込め詐欺の犯罪組織に、主人公・田宮たちACTメンバーが潜入捜査する。
ACTメンバー、特に田宮の潜入のための変装の仕方が凄まじい。最初のホームレスになり切る段階で、その気迫に圧倒されてしまった。アドリブも交え、また際どい場面も切り抜けながらも、スルスルと組織の中に入っていくのが、多少都合よく感じながらも面白く読めた。「もぐら」のようなハードなアクションはあんまりなかったけど、終盤はさすが著者さんらしいアクションも楽しめるし、田宮さん格好良し。で、そんな主演俳優を堂々張ってる田宮さんなのに、表では冴えない劇団員を演じている(?)のが、何かカワイイ。
これもシリーズ化されるのかな?次なる田宮の活躍を期待。 -
Posted by ブクログ
三巻完結予定のアクション小説の第二巻。前巻に比べると随所に伏線が散りばめられ、謎に満ちた展開であり、第三巻へのつなぎという感は否めない。それでも派手なアクションが満載で、十分楽しめる作品になっている。
前作でテレビ局の地下倉庫で爆発に巻き込まれた日向太一は九死に一生を得て、天才科学者・嶺藤亮と共に公安からコードネーム・リンクスを与えられる。日向と嶺藤に与えられた任務は…
第二巻にして、反政府組織・クリムゾン対リンクスという構図が明確になる。恐らく、第三巻ではリンクスが勝利し、日向と嶺藤は無事、家族の元に戻るというハッピーエンドの結末を感じさせるのだが、まだまだ波乱の展開があると思う。