諸富祥彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
身体の変容、自明性の喪失、違和感やプレッシャーと無気力。どうして、その生活様式を強いられるのか。強いられなければ、できなかったというネガティブな結果はない。毎日、学校に行かなければならず、毎日、集団に溶け込むか、向き合うか、そんな登校ノルマが無ければ、不登校も劣等感もない。サピエンスにおける社会性獲得のために認知共有と役割分担、その手段を学ばねばならない。また、偏差値等計測可能な指標に基づき、効率的に社会リーダー層を選択していく事が有効。学校教育はそうした機能面から設けられた制度で、それを強いられる学生である期間は苦痛にもなるだろう。同じ境遇の仲間意識が救いにもなるが、しかし、同時にヒエラルキ
-
Posted by ブクログ
最初は教師の仕事の過酷さを述べています。
時間外労働が多かったり、子どもの指導や保護者対応の困難さであったり、どんどん増えていく仕事の量に現場の先生は疲れ切っているというもの。
現場にいれば「その通り」としか言えないくらい当てはまることばかり…。
高校教師でも大変な時代なのに、小学校や中学校の の先生はさらに辛いだろう…。
また、教員間いじめについても書かれています。
最も困難にしているのが、同僚との関係だとか。
どうも本書は小学校の現場での話が多いようです。
私は高校教師をやっているため、本書で書かれているような教員間いじめにあまり出くわしたことがなく、衝撃的でした。
本書にも高校の先 -
Posted by ブクログ
フランクルの考える「人生を生きる意味」は、独特だ。自己実現のために努力して「追い求める」というポジティブ思考ではなく、人生で起こること=「人生から問われていること」ととらえ、それに全力で応えていくという使命感から成り立つととらえている。
追い求めていては、際限なく欲求が高まり、欲求不満状態に追い込まれるのだと。
「人生から問われている者」だと原点に立ち戻ることで、慢性的な不満状態から解放されるという。
これまでに読んできた哲学書とは異なる視点であり、このような考え方もあるのか…と感じる。
生きる意味の根本を「使命感」でとらえるのは、窮屈ではないかな?と思う一個人の感想。 -
Posted by ブクログ
4章と 6章を読めば、事足りる。終章を足しても良い。そこだけ読めば、すごくよい内容で子育て中の親やこれから親になる人にお勧めしたい。
他は繰り返しだから、一回読んでも理解できない場合は読むと良い。
警鐘を鳴らすのが目的だから、やたら煽ってくる。私だったらそれはしませんを3回繰り返した時には、ちょっとぎょっとした。手を替え品を替えればいいのに。
あと、暗黙知とインプリシットな思考は同じものではないと思う。暗黙知を掲げて説明を始めた部分で結構信用を失った。暗黙知は思考することそのものではなく、言葉にはしないが共有されている知識や考え方やり方のパターンを指す。暗黙知という語は一回しかでないで、あと -
Posted by ブクログ
1ヶ月前にフランクルの「夜と霧」を読んだところだったが、分かりやすく解説してくれていて、理解が深まった。
夜と霧についてもそうだし、フランクルの生い立ちや、どのような思想家の影響を受けてきたのかがよりわかったので、フランクルの別の著書やフランクルに影響を与えた思想についても知りたいと思った。
諸富氏や姜尚中氏が引用している中の、「それでも人生にyesと言う」という言葉というかフランクルの思想に感銘を受けた。
夜と霧が、ジャーナリズムとして戦争の悲惨さを伝えるものではなく、一人の人間が究極まで生と死について悩み、希望を見出した過程を描いた作品であったことを再認識した。
自分にも絶望と呼べ