あらすじ
「教師を支える会」を主宰する著者は、教師の大変さを痛感する一方で、「教師ほど魂を打ち込める感動的な仕事はない」と断言する。
では、何が過酷で、何が感動的なのか? 教師が置かれているリアルな現実を説いていく。
最終章では、今どういう力をもった教師が必要とされているのか? 「『できる教師』に本当に必要な6つの資質」を紹介。
教育現場で働く人も、子どもを学校に通わせる保護者も必読の一冊。
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著者は「教師を支える会」代表として、数千人の教師たちと接し、全国の学校の問題に切り込んでいった。
2019年のOECD調査では、日本の教員の仕事時間は参加国中で最長(1週間で小学校54.4時間、中学校56時間)という結果が出ている。
学校は「ブラック職場」というイメージが定着しているが、現場教師の“作戦参謀”である著者は、過重労働だけではない教師の大変さを指摘する。
では、何が教師の負担に拍車をかけるのか?
「教育は人なり」といわれるが、過酷な現場で、教師は何を目指していけばいいのか?
これからのアフターコロナ時代に、求められる「教師の資質」とは?
「子どもを教育していくパートナー」である保護者にとっても、興味深いトピックを提言する。
現役の教師から、子どもを学校に通わせる保護者まで、教育現場に関係するすべての人に届けたい一冊。
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Posted by ブクログ
良書でした。
教員に寄り添って書かれているが、指摘だったり、助言だったりと、決して教員の肩を持つだけの内容にあらず。また、保護者側の目線で書かれている場面もあり、大変参考になった。また元気に仕事ができそうだ。
Posted by ブクログ
1.2.3章は現場の教師の大変さ、職員室の内情がとてもリアルに書かれていたので読んでいて納得できすぎて少ししんどくなりました。
4章では保護者対応について、5章では教師に求められる資質について書かれていたのでとても勉強になりました。
教師にとって、少数派の子どもに徹底的に寄り添うということができるかどうかが一番大切ではないかと思います。
多様化する要望、日々の忙しさのあまりきめ細やかな支援ができず、一人一人の子どもの内面とちゃんと向き合えていないのではないか、発達段階の違う子ども達を画一的な授業という形式にのせて一斉指導することは可能性を潰すことになっていないだろうか、など考えさせられることばかりです。
諸富祥彦さんの文章からは、また子ども達の成長のために頑張ろうという気持ちを奮い立たせてくれる情熱が伝わってきました。
「教師は関わった子ども達に影響を及ぼす責任ある仕事であること」を改めて思い出させてくれる一冊でした。
以下メモです
〈6つの資質〉
リレーションづくりの能力を持っていること。
人間関係のプロであること。
「ルールとふれあい」のある活気に満ちた学級づくりができること。
少数派の子どもに徹底的に寄り添うことができること。
教師であることの使命感と情熱を持っていること。
援助を求められること。
Posted by ブクログ
人間関係の問題から不適応を起こすのは、子どもだけでなく教師にも、大人にも言えることだと改めてわかりました。
時代が変わり、教育の世界も変わらなければいけないなと思います。
Posted by ブクログ
教師は人間関係のプロであることが大切。生徒との距離感も大切だし、初めての人との瞬時に関係を構築する力を高めていきたい。本書を読んで、教師はブラックであることには変わらないことが分かった。しかし、子ども達の人生に大きく影響を与える職業なので、誇りを持ちたい。また、少数派の子も守りたい。
Posted by ブクログ
これからの学校現場で求められる教師像とは?スクールカウンセラーを長く務めてきた著者による、教育現場で働く人も保護者も必読の一冊。
コロナの影響をはじめ、いじめ問題、新学力観の授業の在り方など、最新の教育現場の実情が述べられていました。
その中で教員がいかに大変な職業であるか、そしていかにやりがいのある仕事なのかが現場の実情をもとに述べられており、とても説得力を感じました。
また、学校側の面だけでなく、保護者側の視点も大切にとらえており、双方の連携・協力がいかに重要であるかも伝わってきました。
これからの教育が大きく変わっていかなければならないことを私たちはしっかりと受け止めていかなければならないと感じました。
Posted by ブクログ
子どもたちが憧れる職業のはずが、なぜここまで大変になってしまっているのか、を、知る事の出来る良い本です。子供を持つ親としては、先生方の思考をしる良い機会になりました。
P262~本当にいい教師とは。
1. 人間関係のプロ
2. 個人との関係だけではなく、
活気に満ちた学級づくり、対話のある授業づくり、
子供の思考と対話の促進へと展開できる。
3. 子供に寄り添い、決して切らない、見捨てない。
4. 教師としてのミッション、パッションに満ち溢れている。
本当にいい教師は、常に弱者の味方、少数派の味方。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 教師の何が大変なのか?
第2章 学校空間の悩ましい「人間関係」~神戸市東須磨小学校の教員間いじめ・暴行事件をもとに考える
第3章 追いつめられる子どもたち~いじめと不登校に立ち向かうには
第4章 保護者と学校のより良い関係
第5章 「できる教師」に必要な6つの資質
<内容>
さすが長くスクールカウンセラーをされている諸富先生、学校のことが、教師のことが、よくわかっていらっしゃる。しかし、その提言はなかなか難しい。タイトルの「いい教師」とは…①リレーションづくりの能力 ②人間関係のプロ ③対話型の授業ができること ④少数派の子どもに徹底的に寄り添うことができる ⑤教師であることの使命感と情熱(ミッションとパッション) ⑥援助希求力
※「リレーション」=誰とでもすぐに関係性を持つこと
「援助希求力」=すぐに誰かに相談できること
こうしたことは、簡単に見えて実がすごく大変。この本には、いくつか事例も載っているので、参考になると思う。
Posted by ブクログ
教員の立場に寄り添いつつもダメの教員は徹底的に断罪していて、視点が明確で読みやすかった。この本こそが正に「少数者の視点」に立っている。人間関係のプロになるのは難しいけど、その視点に立ち続けることは忘れてはいけない。
Posted by ブクログ
最初は教師の仕事の過酷さを述べています。
時間外労働が多かったり、子どもの指導や保護者対応の困難さであったり、どんどん増えていく仕事の量に現場の先生は疲れ切っているというもの。
現場にいれば「その通り」としか言えないくらい当てはまることばかり…。
高校教師でも大変な時代なのに、小学校や中学校の の先生はさらに辛いだろう…。
また、教員間いじめについても書かれています。
最も困難にしているのが、同僚との関係だとか。
どうも本書は小学校の現場での話が多いようです。
私は高校教師をやっているため、本書で書かれているような教員間いじめにあまり出くわしたことがなく、衝撃的でした。
本書にも高校の先生は、高校生に似てくる、個人プレイであるからかいじめが少ないといったことも書いてありましたが…。
教員は人間関係のプロであれ!
学級はルールとリレーションを意識…!
等々、教師として大切なことを改めて意識できた。
高校でも道徳は大切だとも感じた。