あらすじ
もっと、あなたにわかってほしい。聞いてほしい。
本書は、「こころのつながりの不全」を感じている方々のために、具体的な対処法を示す本です。
「もっとしっかり、つながりたい」
「もっと話を聞いてほしい」
「わかってほしい」
そんな気持ちを叶えるための具体的な対処法を示した本です。
また同時に、周囲にいるほかの人が、その気持ちに応えるために、「もっとうまく話を聞ける人間になりたい」「もっと気持ちをわかりたい」そのためにはどうすればいいか、その技術を具体的に示した本です。
「話を聞く技術」や「傾聴」については、これまでにも多くの本が出されてきました。
それらの多くは、「話を聞く側」がスキルフルで有能であることに力点が置かれていたように思います。
しかし、いくら「聞く側」が有能で技術に長けていても、「話す側」「聞いてもらう側」にまったく意欲がなければ、それはよい結果にはつながりません。
「聞く―聞いてもらう」「わかる―わかってもらう」関係は、本来二人でつくり上げていくものです。
(「はじめに」より)
●本書はこんな方におすすめです
・職場の人間関係、友人や恋人、家族のことなど、自分やまわりの人のことで悩みがある方
・カウンセリングを学んで、それを自分の仕事に活かしたい企業の管理職や人事担当者、学校の先生、福祉関係者や医療関係者
・自分の仕事にカウンセリングの要素を加えて、相手からの信頼を厚くしたい方
・医療、教育、福祉などの対人援助職やコーチ、キャリアコンサルタント、アドバイザー
……etc.
※カバー画像が異なる場合があります。
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Posted by ブクログ
・あいづちとうなずきは「低め、ゆっくりめ、大きめ」で。
・話を聞く側は、話をする側よりも、少しだけ大きな声ではっきりと「ええ、ええ、なるほど...」と相槌をうつ。
・最初は軽く前傾姿勢で、徐々にリラックスした姿勢に。
・「わかってほしい」モードのときは、話す側の目をしっかり見ながら、前傾姿勢
「探索」モードの時には、相手とは目を合わさず、むしろ話す側と同じ方向を向きながら、一体感を味わうように聞く。
・相手が話をして良かった、と思うのは「この人は、打てば響くひとだ」と思える時。
・話を聞いて自分がどんな気持ちになったか述べる
・傾聴とは、二人で丁寧に言葉を交わしながら「わかってもらう」関係を二人で作っていく営み。
・相手の心の鏡になる。
・①原因探し、犯人探しを辞める
②「例外的にうまくいっているときのイメージ」「解決できたときのイメージ」を具体的に書いて語り、実行可能なものを見つける
・話し手が大事なところに「とどまる」工夫、「流さない」工夫をする。
・何のために話を聞くのか。それは、「自己との対話」「自分自身との対話」をお手伝いするため。
・「自己との対話」の深さが、人生の深さを決める。
・人間はひとりでは、表層的で観念的な思考の次元から、より深い次元へとシフトする事はなかなか出来ない。
・
Posted by ブクログ
この本を読んだきっかけは、自分が実際のところ相手に寄り添った会話や傾聴ができているか確かめたかったからだ。
相手の話を聞く姿勢、聞き方について勉強になる部分が多かった。
自分は相手の話を聞く時自分の意見や解決策言いがちになっていたが、本当の傾聴は「相手の心の中に入り込む」、「自分も相手になる」ことだということにこの作品を通して気づくことができた。
なかなか実践となると難しいことも多くあるが、心がけながら実践していきたい。
Posted by ブクログ
【書名】
プロカウンセラーのこころの声を聞く技術聞いてもらう技術
諸富祥彦
【目的】
コミュニケーション能力向上のため。人との対話を充実させるために、プロの会話のマインドセットとテクニックを学ぶ。
【印象に残ったポイント】
・聞いてもらう技術に着目していることが、個人的には新鮮。一般的には、聞き方が述べられている本が多い印象がある。
・「その人の不機嫌はその人のせい」、不機嫌コントロールで他人が動いてはいけない。お互いのために。
・人間関係では原因探しより解決志向アプローチ。(仕事柄、原因にフォーカスしてしまいがちだけど)
・アドバイスは相手からするとダメ出しの一種。だから、アドバイスは禁物なんだなと認識(p159)
・なんで?どうして?は非難の言葉(p169)
・傾聴とは、自己との対話の補助輪。
・人は一人では深く自分の内面に潜れないため、ディープリスニングが重要。ときに凡人も天才に変わる。
【ふりかえり・気づき】
・用途を反転させると聞かない技術と聞いてもらわない技術の話でもある。時と場合によっては、逆の使い方をしたい。(本書のNG例より)
・聞く側、わかってもらう側の大原則を実生活に生かす。
・わたし(素人)は職務として聞く技術、聞いてもらう技術を駆使してはいない。なので、できている時とできてないとき、できている項目とできていない項目にムラがある。
とくに気を付けたい点は手元にリスト化しておいて、すぐ見られるようにしておきたい・一日五分、週に一時間一人時間で心を漂泊させる(外的な刺激から自分を遮断する。メディア、スマホ、読書NG)
【要点】
・聞く初級:穏やかな心でイライラしていない状態で、余計なことを言わずに聞く。(とくに、助言は禁物)
・わかってもらう初級:聞いてほしいを明示し、相手のタイミングで聞いてもらう。わかって欲しいことは言う。
・聞く中級:反応は低くゆっくり大きく、視線は顔をぼんやり時折合わせ、距離と角度は相手に合わせ、要旨と気持ちを時折確認し、話が終わったら自分の気持ちを伝える。
・わかってもらう中級:自分事としてまずは気持ちを話し、状況説明を補足する。聞く側の努力に協力と感謝。
・真の傾聴は相手になりきって、同じ目線で理解し、理解したことを確認する。話の急所で留まって、クライエントの気持ちを複数のロールで演じ、わかった&わかってもらえたを実現する。
Posted by ブクログ
非常にざっくりいうと人と気持ちの良いコミュニケーションをとるための考えから具体的な行動までが説明されている。
対人関係のコミュニケーションを感情を大事にしつつもどちらかと言えば論理的にさに重きを置かれているような印象。
こういった行動をすれば相手はこういう反応や感情が湧き起こるのではないかといった、まるで教科書のようであった。
Posted by ブクログ
聞く技術とわかってもらう技術。どちらも並べてみると難しくはないのだが、おそらくやってみるとなかなかできないことなのだろう。結論や結果を急ぎすぎるのが良くないのではないかと思った。
Posted by ブクログ
自分自身の多忙感から、傾聴について意識が薄れてきていたので、あらためて「そうだったよね」と確認することができました。会話の具体例の所で、読み手が少し立ち止まって考えるような文章構成であれば、もっと読みやすかったかなぁと感じました。とても勉強になりました。
Posted by ブクログ
最近、職場で意思疎通がうまくいかないなぁとか、コミュニケーションに悩むことがあったところ、書店のランキング上位に入っていたこの本を手に取ってみました。
著者は、傾聴やカウンセリングなどの書籍を多く手がけるプロカウンセラー。
傾聴など、聞く側の技術に特化した書籍はよくみますが、こちらは「相手に話を聞いてもらう技術」、つまり話をする側についても書かれているところがユニークだと思いました。
内容は大きく3部に分かれていて、1部では「聞く技術」と「わかってもらう技術」。初級編、中級編があり、それぞれのレベルに応じて技術を高めるための具体的な行動が示されています。
2部では実践編として、夫婦や上司・部下などのよくありそうな会話事例をもとに、どのように改善すればよいのか改善例が挙げられます。
3部では「ほんものの傾聴」と題して「聞く技術」の上級編になります。著書のプロカウンセラーとしての知見が凝縮された総集編という位置付けです。
なお、3部のあと最終章として「なんのために傾聴するのか」について触れることで、対話の役割・必要性をより深く理解できるようになっています。
改めて聞く技術、聞いてもらう技術を考えると、どちらも難しいなというのが正直なところですが、この本を読んで学んだことは、聞く側・聞いてもらう側双方の努力と協力が必要になるということだと思いました。
以下、気になったことをメモ
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わかってもらう技術とは。
勇気を出して「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」と言う。この一言が、「わかりあえる関係」をつくるための第一歩であり、すべてはここから始まる。
ちなみに「ちょっと話したいことがあるんだけど」はNG。相手が「何か文句を言われるのか?」と身構えてしまうため。
話をする時のポイント。
・話を聞いてもらう人と「いつ、どこで」話をするのかを約束する。突然いきなり話さないこと。
・一般論や周囲の出来事を話すのではなく、「自分のこと」「自分の気持ち」を話す。
・聞いてもらうための努力も必要。わかってくれようとしている相手へのねぎらい・感謝の言葉を伝える。
聞く技術とは。
大原則は「聞いたら、聞きっぱなし」「余計なことは言わない。そのままにする。
「でもね」「そうは言ってもね」を言わない。アドバイスもしない。
やってはいけないこと。
相手を誉めたり励ましたりしない。
「私なんかいいところがない」と言われた場合、
「そんなことはない、あなたには〇〇な魅力がある」とは言わない。
「自分にはいいところがない、と思ってしまうんですね」と相手の気持ちを受け入れる。
相手の調子にあわせてはいけない。
「そうですよね」「わかります」と言ってはいけない。
「相手の言葉をそのまま繰り返す」のはNG。
「〇〇ということでしょうか?」と要約するのもNG。
傾聴の上級編。ほんものの傾聴。
「あたたかな関心を寄せ、わかってもらえる関係を作る」
「相手の求めているものに応じた聞き方をする」
「人生という旅の同行者になる」
「話し手になる、なりきる」
最終章。傾聴はなんのために行うか?
(話し手の)自己との対話、自分自身との対話をお手伝いするため。
話し手は、話を聞いてもらうことで自分自身に耳を傾けるようになる。その過程を通じて、ありのままの自分を受容するようになり、前進しようとする。
傾聴は、この「自己との対話」の深まりを支える営みである。
Posted by ブクログ
聞いてもらう技術のほうはあまり踏み込んで書いていない印象でした。
わたし個人としても、聞いてもらう技術よりも、聞く技術のほうに興味があったので良かったのですが…。
それでも、もう少し一般的な人の具体例がほしかったところ。
それでも、上司部下、夫婦、教師と生徒などの関係別で具体例が示されている。
わたしもつい生徒の指導で感情的になり、嫌だと愚痴をいう生徒の声を否定していたと反省した。
傾聴といえば、おうむ返しというイメージがあったのですが、本書の内容はおうむ返しの危険性にも触れている。
相手が自分の話を聴いてくれていると感じるのは、どんなときなのかが具体的に書かれている。
最後の「自分の心を聞くために」という話はタメになりました。
この本の前に自己理解のための日記について書いた本を読んでいたので、5分間何もせずに自分と向き合う時間を作る。そのためにも日記をつける方法は有効だとこの本を読んで改めて感じた。