あらすじ
私たちは必要なつながりを持てずにいるとき、惨めでさみしく、つらい気持ちになることがある。しかし、この一人の状態を「どうせ一人でいるのなら」と主体的に選択し直すと、全く異なる意味合いを帯びてくる。大きな自由と解放感が得られる。さらに世間の喧噪から離れて徹底的に孤独に徹し、「深い、一人の時間」を持つことではじめて、より深く自分自身であることができ、真実の自己と内面的な充足が得られる。そして同時に、逆説的に、もっとも強く他者とのつながりを感じ取ることができるのだ。つまり、孤独との向き合い方が、人生を豊かなものにするために問われているのである。孤独こそ、すべての人間に共通の当たり前の真実。いかに孤独を引き受け、自分の人生に課された使命をまっとうするか。あなたよ、孤独の達人たれ!
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Posted by ブクログ
『 中高年というのは、すでに他の人にとっては無用で厄介ものである。けれども重要なのは、自分が自分自身にとって迷惑なものにならないようにしなくてはならない。
「自分を喜ばせなさい。自分をかわいがりなさい。自分を抑えなさい。」モンテーニュ 』
中高年には、なんだか手厳しい言葉もあるが、これが、中高年が一人の時間をエンジョイするための大きな秘訣らしい。
興味深い内容ばかり。
○「深い自己」を持つための四つの条件
○「真の自己」を生きるための人間性心理学
○ 自分の人生を変えるためにやってほしいこと
○ 孤独の条件
○ 自分の内側との付き合い方・フォーカシング
等々
『何を選ぶかはさほど重要ではない。
何かを本気で選ぶということが大事なのだ』
キルケゴール
本当の意味での「孤独」を知る。
厳しくも美しい生き方だと知る。
カッコ良すぎる。今は唯の憧れ。だけど、何度も読み返し、出来るところから始めたい。
"自分を喜ばせ、自分をかわいがり、自分を抑えて"
美しく老いたいから。
Posted by ブクログ
人と話した2倍自分の時間を持つといいと書いてあった。
人とずっと居ても疲れちゃうし、誰とも会わずに居ても寂しいし、人間は複雑だ。でも多分みんな同じ思いなんだろうな、とも思う。
最近思ったことは割とみんな同じこと思ってるってことだな、私だけ特別なんだとか、私は違うとか、良く思ってたし、多分まだ思ってる方なんだけど、そこまで自分は特別すごくもないし、凡人なんだなと思ったな
Posted by ブクログ
「孤独」に生きることの意義・重要さについて臨床心理士の著者が求めたもの。
孤独というように一人きりでいると辛く惨めな気持ちに支配されてくるときがある。しかしここから一歩踏み出し、考えを変えてみるとそれはそれでよい意義が見つけられるものだという内容。
以下、心に残った部分の抜粋
・まず友達がいない。パートナーがいないなど自分で選んでいないのに追い込まれた孤独は「孤立」であり、とても辛いものだ。
・次がどうせ一人なら一人を楽しもうという「選択的孤独」。これは周りの目を気にせず、自分が本当にやりたいことをやるという自由で伸びやかな時間である。
・最後が「単独者として生きる」ように自分の内面と深く向き合い、自分が何者であり、何をすべきかを熟考し「何か」に没頭する。これは精神をとても豊かにすることである。
・本当の自己というのは自己と関係しようとしている中で浮かび上がってくるものである。
・深い自己を持つための条件「他者との比較をやめる」「一人の時間を持つ」「自分の内側とつながる」「我を忘れて取り組める何かを持つ」
・目的意識で動くのではなく、寄り道のように妙に気になることを大切にすることが大切。
・人といるとき。一人でいるとき。仕事をするときでスイッチを切り替えることが大事。
・一人であることは多様性を認めること。それが社会の成熟でもある。
・結婚している人が独身者よりも不幸と感じている人が多い。結婚というのは博打である。
・心が成熟している人は「人はわかってくれない、理解してくれないものである。わかってくれる人にだけわかってもらえればいい。そういう人がいなければ自分に正直であればよい」と考えられる人。
・「諦念」とは失望でなく、「こんなもんか、仕方ない。自分に合った事をしよう。」と考える事。
・苦しみに囚われたときの反駁法
「Actual event(好きな人に振られた)」⇒「Belief(恋愛出来ねば人生終わりだという信条)」⇒「Consequence(絶望感に打ちひしがれる)」⇒「Dispute(けれども、価値はそんな事では決まらないのでは?)」⇒「Effect(いくら好きでも振り向かれないこともあるだろう)」
・自分が本気で選び取った自分は本気で生きること
・幼少期は「人からの評価に依存」しているが大人になるとそれは不要になる。だから生き方は変えなくてはいけない。
・オープンな心を持ち続けて「あ、面白そう」を大切にする
・「そのうちしよう」ではなく「今、心を込めてしよう」と明日死ぬかのように生きる
・天命というのは発見した!ものでありながら、ずっと昔から知っているような気がするもの。
・フォーカシングやり方「心の一時停止をして、モードを切り替える」⇒「「今の自分に足りないものは?」など、自分に問いかけをする」⇒「浮かび上がる答えを待つ」⇒「浮かんできた答えを検証する」
最後のあとがきに著者自身も若いころに恋愛と仕事で非常に強い孤独に苦しんでいたようでした。その中で必死にどうにか生きようとしたみたいです。それがおそらくこの本になるのでしょう。
読みごたえもあり、共感できるところも多い良い本でした。
Posted by ブクログ
フォーカシングとマイスペースは本書での新たな発見だった。
自室以外でのお気に入りスポットを見つける。できれば落ち着けて多少のノイズがあった方が良い
そこでフォーカシング=自分の内面を見つめ合う作業をすると自分のしたいことこれからの事が導き出されるような気がした。決して今の自分を否定せず内なる欲求を呼び起こしたい。
少数で良いので深く人と繋がれることを当面の目標にしよう。
Posted by ブクログ
タイトルから哲学関連の本かと思って読み始めたのですが、心理学の本でした。他社からの承認欲求に押しつぶされて自分を見失うのではなく、単独者として自由に生きること。一人になって自分の内面と繋がれると、実は多くの他人と繋がって生きていることにも気が付けること。
定期的に自分の内面と対話する時間を持つことが大切なこと。それには、カウンセリングや心理学のセミナーが役にたつこと。そして、ニーチェ、キルケゴール、モンテーニュといった哲学者がどのように孤独と自分に向き合いながら生きたかが紹介されています。(やっぱり哲学の本でもあった)もう一人、天才ピアニスト グレングールドも哲学者と同じように生きたことも。
他社承認欲求の強い人が、ますますSNSによって、他人の目線を気にしながら生きるようになっている現代。かなり重要なことが語られていると感じました。
Posted by ブクログ
一生独りで生きていく勇気を与えられた。
ただ、壮絶なあとがきを読んで涙が出た。きっとこの著者自身「本当の大人」に今もなりきれていないのだ。常孤独という見えない敵と、自己を巡った戦いの場に常にいるのだろう。そういった意味では「本当の大人」という偽りの姿を、いかに継続していくかが、孤独の達人になるためのポイントだと思った。
Posted by ブクログ
著者は大学教授を勤めつつ、実地でカウンセリングも行う実務家。主に実存主義の立場から、外部から与えられる「人生の意味」よりも、深く豊かな孤独により捕捉される「自己にしか分からない価値」を大事にすべきと説く。やや詰め込み過ぎの感はなくはないが、終章「おわりに」の独白が泣かせる。「孤独の強さ」を伝える名文だと思う。
Posted by ブクログ
他人からの評価や承認欲求を求める人は成熟していない。まさに嫌われる勇気が求められる。成熟した大人になるためには自分は自分で良いと腹の底から思えるようになること。またただ一つのことに夢中になって取り組める生業があれば人生の九割は成功している。孤独ではなく自らひとりを選び取っている単独者として生きる。外側にばかり意識を向けず、どこまでも深く自己の内面と向き合うことがその人を大きく成長させる。
知らずのうちに孤独に慣れてきた私にとって、ここに来て思わぬエールをもらえた著書でした。
Posted by ブクログ
グレン・グールドも「孤独の達人」だったのか!何となくカウンセリングとは、カウンセラーに話を聞いてもらってアドバイスをもらうものかと思っていたが、本来は「自分の内面を深く見つめるための場」だそう。そうなるとカウンセラーの質というのがますます重要になるなぁ。
Posted by ブクログ
私たちは必要なつながりを持てずにいるとき、惨めでさみしく、つらい気持ちになることがある。しかし、この一人の状態を「どうせ一人でいるのなら」と主体的に選択し直すと、全く異なる意味合いを帯びてくる。大きな自由と解放感が得られる。さらに世間の喧噪から離れて孤独に徹し、「深い、一人の時間」を持つことではじめて、真実の自己と内面的な充足が得られる。そして同時に、逆説的に、もっとも強く他者とつながりを感じ取ることができるのだ。孤独こそ、すべての人間に共通の当たり前の真実。いかに孤独を引き受け、自分の人生に課された使命をまっとうするか。あなたよ、孤独の達人たれ。
一人で生きることができるのか。重い課題である。
ほんのわずかだが内容の重複が気になった。もったいない。