森村誠一のレビュー一覧
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新田義貞によって鎌倉は陥落され、鎌倉幕府は崩壊する。いよいよ後醍醐帝による親政が本格化するのかというと、帝は権力欲はあるけど統治能力は乏しい。それは、新田義貞、楠木正成も同じで、彼らは国の統治能力というか統治意欲はなかったようである。必然的に足利尊氏の影響力が強まってくる。
それにしても、吉田兼好が語る言葉は印象的だ。「志が低い。なんのためのご親政か。どう改めても民草が幸せにならなければなんにもならぬ。尤もそのような志を抱いて世を改めた者はおらぬがの」
護良親王の最後は壮絶だった。この時代は、暗殺という手段があり、まったく油断ならない。
菊夜叉が相変わらず活躍する。一時、北条高時の息子、時行とともに鎌倉を奪還してしまう。
佐々木動誉がキーマンとして興味を引く。 -
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楠木正成が後醍醐天皇の勅文を受け取ったシーン、泣けました
そもそも生き残っていることが奇跡のようなものですし。
北条高時が赤橋守時に見せた人間的な優しさもよかったです。
幕府のトップに立つ者としては能力に欠けていたのでしょうが、とても人間らしい素朴で情に深い心を持った人だったのかもしれません。
それにしても、この時代における、自ら腹を切ることに対する美学や、徹底した主従関係には考えさせられるものがありますね。
少しだけ登場する吉田兼好がかっこいいです。
広く穏やかな心を持ちつつ、争いごとにはめちゃくちゃ強い。
まさに、正義の味方ですね!
「徒然草」の著者がこんな面白い人物だったとは知りませんでした〜。 -
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本の帯に「驚愕のラスト!!」などと書いてあったので、逆にあまり期待せずに読みました。そもそも、そんなコピーを言われれば言われるほど、逆につまらなく読んでやろうという先入観(意地悪?)が働いてしまいますので・・・。
本編は、いわば「たわいもないごく普通の推理小説」。時刻表が出てくるも、トリックは特に無く、2行ぐらいで解決。「なんだこりゃ」と思ってしまいました。時刻表が出てきた時点で、松本清張の「点と線」のような壮大なトリックを期待していたのですが・・・。
しかし!!
本当に驚愕のラストが待っていました。こんな読者に対する「良い意味でのトリック」があったのか!!と思います。具体的には読んでみて欲しいけれど、とにかくビックリしました。どこまでが真実で、どこまでが虚実か。作者の意図は僕が悩んでいる時点で達せられているようです。
この本は、途中で「つまらない」と言って読むのを止めては駄目ですよ!何が何でも、とにかく最後まで読みきって下さい。
本当に、「驚愕のラスト」なのですから・・・しかも、いきなり最後だけ読んでも分からないんですから・・・。
久々の傑作。やっぱり森村小説はいいですね。 -
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7月24日は、作家・森村誠一の忌日。
『人間の証明』は、1976年第3回角川小説賞を受賞した、〈証明三部作〉の一作であり、社会派サスペンスの金字塔です。
新装版のあとがきでも作者自身が触れていますが、本作の映画化をきっかけに、角川書店は黄金期へと向かいました。
「読んでから見るか、見てから読むか」
今でも映画ファンの行動心理を見事に言い表したこのキャッチコピーは、
すでにこの時代に完成されていたのです。
映像化一覧
* 映画版(1977) 主演:松田優作(棟居刑事)
* ドラマ版(1978) 主演:林隆三(棟居刑事)
* ドラマ版(2001) 主演:渡辺謙(棟居刑事)
* ドラマ版(2004) 主演:竹野内豊(棟居刑事)
今思い返すと、森村誠一氏は中山七里氏ほどではないにせよ、やはり多作な作家だったと思います。
私もホテルマンという経歴を活かした作品がとても好きで、何作か読んでいました。
本作も再読になりますが、歳を重ねたぶん深みに
引き込まれていきました。
第一章のタイトルは「エトランゼの死」。
読みながら「そういえば、こんな章題だったか」と思い出しました。
フランス語で“エトランゼ”とは「異邦人」のこと。カミュの『異邦人』のそれです。
アメリカから来た外国人の死を描くのではなく、
“異邦人として受け入れられなかった”ジョニーの死を暗示しているのだと思います。
そして物語を追ううちに、ジョニーだけでなく、
登場人物たちそれぞれが自分の生活の中で〈社会の異邦人〉になっているようにも見えてきます。
『人間の証明』と聞けば、同世代の多くがあの曲が脳内再生されるのではないでしょうか。
西條八十の詩「ぼくの帽子」(通称「麦わら帽子」)は、この作品の根幹にあります。
作者・森村誠一自身のあとがきによれば、
この詩の記憶こそが執筆の出発点であり、二十年以上、心の中に抱き続けていたそうです。
小説の導入から事件の解決に至るまで、
この詩がまるで物語のために書かれたかのような錯覚さえします。
罪を許さないラスト
ニューヨークの刑事の死
それが棟居の父への暴行事件と結びつきます。
そこにも 人間としての証明を読むことになりました。
すんごいよかったわ(*☻-☻*) -
購入済み
異常の太陽
『鳩の目』
目を入れ忘れた民芸品鳩車が事件を解決する。塚本と津上富枝は、共謀して一億6千万円の小切手を横領していた。塚本は鳩車を2個購入するが、1個は未完成、盲鳩であった。
「異常の太陽」
子供の絵の先生を恐喝していた父親が殺された。砂本刑事はその子供が描いた絵「異常な太陽」から真犯人に迫る。ただ同一人物から絵を習っている息子の描いた異常な絵を察知したときは、刑事としての自身が終る事態だった。
「赤い蜂は帰った」
滝沢と吉木は研究者で、蜜蜂の帰還能力の試験のため、吉木は食紅で色付けした蜜蜂20匹を携えて低山の鐘ヶ岳から放した。その直後に事件は起きた。帰還しなかった一匹の蜂が事件を解決する、意外な人物が事件を誘発していた。
「残酷な視界」
志賀邦枝は夜な夜な高層の居室から双眼鏡で他人のプライバシーを覗き見するのが日常であった。ある夜、酔客が電車が進入してくるホームから突き落とされるのを目撃したのが不幸の始まりであった。警察は見事な推理で殺人犯を検挙する。
「肉食の食客」
自堕落な新吉が三代にわたって永尾家に災いをもたらす。何もせず、唯一、蟻の巣を観察していた。蟻の巣に居候して生きるシジミ蝶に、永尾家にとっての自分を見いだしていたのか。永尾家のとった最終手段は、奇しくも蟻によって露見されてしまう。
「奔放の宴」
浅川は相思相愛の昌子に違和感がつのってくる。昌子は、過去の不始末をネタに、ある人物に脅されていることを夫に白状した。浅川は興信所を使いその人物の悪事を洗い出し、警察にたれみ事件は解決した。しかし浅川は昌子の不始末にはさらに奥があったことを知ってしまう。
「七日間の休暇」
不幸な生立ちを持つ井川だったが、成長して休暇中のある日、記憶を失った若い女性に遭遇し世話せざるを得ない状況に。彼女に、小学生時代の憧れ美弥子を見いだす。物語の最後は井川に残酷な結末を与える、そして彼女は記憶を取り戻すのだが、、、、、 -
購入済み
棟居刑事の見知らぬ旅人
降矢浩季は何でも屋である、元自衛隊最精強、いずれもレンジャーバッジの所有者であるスタッフが所属する降矢エージェント事務所で代行業を営む。スタッフの1人岡野は、警視庁捜査一課の棟居刑事とバイブを持つ。
過去の知り合いである尾形優子から、忽然と音信不通となった妹の真美子の探索依頼をうける。高萩利行という人物が浮かび上がるが、2人とも同時期に行方不明になっていた。さらに秦野署館内でおきた表丹沢林道運転ミス偽装殺害事件が関連しているようだ。降矢側からの情報もあり棟居刑事等も動き出す。
某国のアノウラ大使が熱海のホテルで急死したことに端を発し、真美子が関わった悪の中枢が浮かび上がってくる、ここでは記さない。
悪の手先、変装にも長けている氷室要介と降矢の闘いが、ひとつの読みどころである。例えれば、明智小五郎と二十面相を彷彿とさせる。
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