あらすじ
霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。そして、助かった二人もなぜか現場から逃げ去ってしまった。数日後、男は女から別れを告げられた。「卑怯者!」という言葉を残して。男は自身の「罪」を償うために刑事に転職するが――。全てを懸けて意地を貫き徹した男を描く、白眉の“証明”シリーズ。
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Posted by ブクログ
深夜の公園でデート中に暴漢に襲われた笠岡。助けに入った警官を見殺しにしてしまい、贖罪の気持ちから自身も警察官になり当時の犯人を探す。
一見無関係に見える3組の家族の物語。それぞれに負った業が深く、特に最後のある人物の独白はあまりに残酷。
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「証明三部作」ではこれが一番好きです。たぶん他の二作に比べ、派手さがないのか映画化されてはいませんが、三浦綾子の「氷点」や野沢尚の「深紅」あたりが好きな方はこれもチョイスしてみてはいかがでしょう。
Posted by ブクログ
「証明三部作」の二番目。
那須警部がちらっと出てくるぐらいで「人間の証明」との関連はほとんど無い。
「人間の証明」が秀逸すぎて若干見劣りするけど十分に引き込まれる作品です。主人公のなかば投げやりな人生の選択とその結末は、世の中や人生の不合理を感じさせます。
Posted by ブクログ
ご都合主義的な展開の中、主題として "卑怯" という心の弱さが様々な局面で現れる。それが男女の愛憎や戦争下の生死の狭間における選択肢の戸惑いが露わになる。生への執着は常に昂ることなく時折自暴自棄気味になる。他者に言える信条と言えない本心、その揺れ動きに人の業が包摂している。この物語に通底する切なさは私たちの共通する道程かもしれない。