森村誠一のレビュー一覧
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「人間の証明」のタイトルが出てきたときはゾクッとしました。
犯した罪は許されないし、犯人が殺人を犯してまで守りたかったものは全て喪ったけれど、人間だと証明はされた。
母の思い出だけに縋って日本までやってきたのに、生活と地位を守りたい母に殺されてしまうのは悲しい。松本清張「砂の器」に動機が似ている気がします。
全ての人間を憎む棟居さんを始めとする警察の執念も凄かったけれど、まさか棟居さんの父親が彼女を庇ったことで亡くなった原因の女の子が八杉恭子で、父親を殺した米兵のひとりがアメリカで事件を追ってくれていたケン・シュフタンだったなんて…因果因縁、と思いました。
妻に蒸発された男が、妻の不倫相手を突 -
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ネタバレ小説に実際の事件が隠れていることや、その小説を自分の作品として発表して作家デビューするなど、設定が面白かったし、誤字から本人の作品じゃないことを見抜くなどはさすがだなあと思いました。
ただ、高見の行動や人物像だけ腑に落ちなかった。
純子とのやり取りでは紳士的な感じがするのに、真美子を脅して体を要求していたのが意外だったし、保険金の受取人を純子にした理由もよく分からなかった。渡した小説の重要性を伝えたかったのか?
最後の最後の刑事の魂とは?という部分がなかなかよかった!
解説で小説における自然描写について書かれていた。小説を読んでいる時に風景の描写が続くと煩わしく感じていたけど、登場人物の -
購入済み
久々の森村誠一。江戸時代の歴史的な事件を巧みにつなぎ合わせて倒幕計画の一部として
いるところが面白い。江戸はしばしば大火災に見舞われているが、今でも原因がよくわか
っていないものも多く、これが意図的な放火だとすればまさにテロ。次々に襲い掛かる闇
の勢力との戦いが果てしなく続く。
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全体的にストーリーの組立が良く出来てるなーと思いました
最初読んでる内はどう言う風に進んで行くんだろう?と思ってましたが、登場人物それぞれの人間性が出てきてリアルな展開に引き込まれていきました
最後はまさにタイトル通り「人間の証明」となり、今一度人の心の底にある物を改めて考えさせられる内容でした
「全て失ったが1つだけ残したものがあった」この一文がこの作品のタイトルに込められた思いの全てを表しているんだろうなと深く心に刻まれました
事件の真相ばかりに気持ちが行ってましたが、終わりに向けての複数の伏線の回収も見事でした
ただ、難しい表現が多かったのと、性的な表現が好きじゃなかった、、、と言 -
購入済み
素晴らしいと思う
森村誠一氏の作品については、いつも思うことではありますが、まず印象に残るのが、読んでいくうちに、どんどん引き込まれて私としては非常に興味深い作品として思っております。本作品の人間の条件も「下」を購入しようかと考えております。本作品の感想としても興味をそそられる作品であり、感想の内容としては長くなるのでここでは控えておきます。今後とも良い作品をよろしくお願いしたいと思っております。
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森村誠一のお得意分野、家庭内暴力、それを煽る害悪の原因であるテレビ、心理学などのいろいろな豆知識、残存証拠と家庭崩壊と十八番がここまでそろうか。って、このテーマ何作目だ。
最近純文学ばかり読んでいたので、箸休め的な1冊。一部の人から「どこがやねん」とツッコまれるが、あくまでも森村誠一や松本清張は箸休めなの。
勉強もせず、3流の高校にしか入れなかった息子が、父母へ暴力を振るう。父である波多野は苦々しく思っているものの、仕事の何でも屋が忙しく、根本的な解決を見いだせない。そこへ、小中学校の同級生である的場が現れ、「殺人をしてみたい」と言い出す…。
窮鼠猫を噛むというか、猫に鈴をつけにいくとい -
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おおよその概要は知っていたが、あらためて読んでみた。
凄惨。
こんなことが、実際に行われていたかと思うと、また、それが検証されずに隠蔽されていることを考えると、肝が冷える。
もっとも、731部隊については、大嘘であるとの批判も根強い。太平洋戦争では、日本は国土を焼かれた犠牲者であるという認識を持つ人も多いと思う。
しかし、戦争を仕掛けたのは日本であるとの認識は、さまざまな社会的な背景はあったにせよ、きちんと理解しておいたほうが良い。同時に、731部隊という集団が実在していたことも、知っておいた方が良い。この時の知見や技術を持って、戦後、沈黙しながら権益を享受した者たちがいたことも忘れてはならな -
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ネタバレ評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
漆原院長夫妻は、浪人中の息子の性欲処理のため、女性を誘拐する。だが、誘拐した松葉尚子を誤って殺害。スキャンダルを恐れて隠蔽をはかるが、なぜか死体が消えてしまう。一方、尚子の兄・潤一の妻が、多摩川で殺害される。刑事たちは、小さな糸口から二つの事件の繋がりを見つけ真相に迫っていくが…。性、金銭、名誉で心を満たすエリート。大都会の人間たちの激しい欲望と滑稽さを描くミステリー。
ページ数自体が少ないため、事件はサクサクすすみ、犯人もサクサク分かる。伏線も余りなく・・・
この事件を引き起こした原因である院長夫妻の馬鹿息子に関してはほとんど書かれていないた -
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2人の一流アルピニストによる、一人の女性を巡っての競争と殺意。
全体を通して、うまく「盲点」を利用して犯罪を隠し、容疑者を隠し、動機を隠し、逃げ場を隠すということに成功している。
登山(および下山)というある程度時間がかかるだろうという暗黙の了解を用いて、鉄道ミステリのように時間との戦いを用いているところがポイントであり、大きな盲点となっているわけだが。
ただ、前半でほぼ容疑者は確定、手段も特定されてしまう上、一応解決したかのように語られてしまうので、中盤で結構ダレるのが難点。動機の無い点を強調してるんだけど、ちょっと不明瞭だったかな。 -
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ネタバレ80歳を迎えた森村誠一氏が、引き渡すべき果実の集大成を試みた書だそうです。「健康に生きる覚悟」、2014.3発行、再読です。熟練した夫婦関係で、互いに自立を。(妻は、仕事で夫の不在時代から、自分自身の世界を持っている)「夫婦は一心同体」より「夫婦はもともと他人」をベースにした緊張感を! もっともだと思いました(^-^)
約10年のホテルマン生活から作家になり、その時から健康管理をと。48年間の健康に対する考え方と実践が紹介されています。森村誠一「健康に生きる覚悟」、2014.3発行、再読。①やることがある朝の目覚めは素晴らしい ②平凡な日常を大事にすることが健康につながる ③何もしたくない
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