森村誠一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに読後に感無量の気持ちを味わった。
読むきっかけは著者の森村誠一さんの訃報のニュースをテレビで見たことから。自分より半世紀以上年上の方が書いた本、特に当時は戦争について興味を持っていたので悪魔の飽食を読むつもりだったのだが、こちらの方が先に目につき何気なく手に取った。
昔の人が書いた本だから読みにくいだろうかという心配は驚くくらい杞憂に終わった。
インターネットとスマホがないことを除けば全く不自然なことはない、どんどんと物語に入り込んでしまう巧みで魅惑的な文体。読みづらいなどと感じることは一切なかった。ああ世間は惜しい人を亡くしてしまったと思わされた。
作中にもある通り、西条八十 -
購入済み
超高層ホテル殺人事件
イハラ.ネルソンホテル竣工パーティーの最中、16階部屋の窓から、人が突き落とされのが、人々により目撃される。当該部屋への訪問者は認められず、密室殺人の状況である。
さらに二件の殺人事件が発生する。大阪で発見された被害者。被疑者は浮かんだが、東京に住んでおりアリバイ崩しが困難をきわめる。
時を同じくして東京で被害者が発見される。こちらの被疑者は大阪に住んでいる。
警視庁那須警部らは、二件の殺人事件の関連性を疑い、被疑者のアリバイ崩しを展開する。
密室崩しやアリバイ崩しが読みどころの一つとなっている。 -
購入済み
新.新幹線殺人事件
新幹線の座席に生きたえた男が。新幹線ダイヤのトリックに、誘拐事件が、詐欺事件が、2人目の殺人事件が、複雑に絡み合う謎が紐解かれる。詐欺事件に関連して、思いもかけない人物が浮かび上がる。
詐欺に加担する単身赴任の男、およびその家族が、どちらかというと脇役的に描かれている。これについては、作者後書で解説されている。
最近、ご逝去された森村誠一氏へ、つつしんでお悔やみ申し上げます。 -
購入済み
高層の死角
東京にある巨大ホテルの経営者が密室殺人。その秘書の女性も遠隔地で殺された。女性は主人公刑事の愛した女性であった。ライバルであるホテルの人物が浮かび上がる。主人公ら捜査陣の鬼気迫るアリバイくずしが描かれる。
数十年ぶりに読みかえしたが、ホテルマン出身の著者、社会派推理作家の原点が宿る。 -
匿名
購入済み殺人の赴任
安定のおもしろさの森村誠一の作品ですね。始めからぐいぐいと読者を引き込んでいきます。細かい描写も素晴らしく、はりめぐされた伏線の回収も見事です。最後のどんでん返しもいつもワクワクします。
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購入済み
分水嶺
初期の作品であるが、タイトル「分水嶺」がまさに作品の内容を表している。ときには生命をかけた山仲間、ザイルパートナーの二人であったが、そのご分水嶺に降った雨の雨粒のごとく相反する人生をおりなす。
二人の女性との愛、昭和の時代背景(広島被爆者やベトナム戦争時代のアメリカ)もからませ、主人公二人の数奇な生き様や葛藤を描いた物語である。
数十年ぶりに読み返してみた。私の中では「分水嶺」が最初に出会った森村作品であり、その後、森村作品に魅せられ没入していくこととなった。 -
匿名
購入済み殺人組曲
森村誠一特有の鋭い観察力と精密な描写で 読者をぐいぐい引き込んでいきます。張られた伏線に興味が深くなり最後のどんでん返しが見事に読者にはまります。
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購入済み
野性の条件
森村氏の作品としては、珍しい創作と言える。映画007なみの活劇ストーリー、悪(某国殺し屋集団)と正義(野生に目覚めた主人公たち)の壮絶な闘いへ引き込まれる。棟居刑事達も登場するが、正義側に組みすることもなく脇役的な存在として描かれている。
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購入済み
誉生の証明
2003年初版。今は2022年も暮れなんとする。2022年は統一教会問題が政府与党に激震をもたらしている。本書ストーリーに現れる教団、現実を彷彿とさせる。活劇冒険的なストーリー仕立な部分もあり、筋立ても良く星五つとした。牛尾刑事が端役的に顔をだすのも興味深い。
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Posted by ブクログ
【老いる意味】
私の好きな作家、森村誠一さんの体験談、思いがしっかり記されている著書。
老人性うつを発症して、認知症も併発した時の心の動揺や葛藤から始まり、それがあったからこそ今を大切に生きることが読者に訴えられています。
著者は1933年生まれなので、88歳米寿、それでもガラスペンを原稿に走らせる気力体力が素晴らしいです。先に書いた困難を乗り越えて、その過程では、クスリをもらっていた薬剤師さんから、「84歳や85歳なんて充分若いし、うつから立ち直れば、また青春が始まる」と言われたことが、著書にとって心の支えになったりしたこともあったとのこと、まだ50代の私たちにも心に響く言葉です。
『道が続
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