森村誠一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実に素晴らしかった!!
この本は、6編からなる短篇集なのだが、いずれも人間の心の闇というテーマで統一されている。
『夢の虐殺』は、毎日ひたすら繰り返される、没個人の社会生活に嫌気がさしたサラリーマンが主人公だ。彼は、一旦は、今の生活を捨て、かつて思い描いていた夢を実現させようとするのだが・・・。
よく、サラリーマン生活を捨て、自分らしく生きる!!それがよいのだ!!と言ったテーマの本をみかけるが、この話はそういった類の本より、もう一歩踏み込んで書かれている。
会社の歯車として働き、決して一個人としては認識されることのない生活を送るサラリーマンが、今まで培ってきたもの(社会的地位、家庭など) -
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棟居刑事の断罪
松葉絵里子はプリンセスホテルで矢代昭と待ち合わせていたが、彼は現れなかった。矢代は絵里子を捨てて、玉の輿にのったようだ。絵里子はふとした気の迷いから、偶然知り合った鮫川正之と一夜を共にしてしまうが.....
物語では、成城署の強盗殺人事件、狛江署の轢き逃げ事件、厚木署の山林殺人死体遺棄事件の関連性が解き明かされていく。所轄成城署の事件には、警視庁捜査一課強行犯捜査班、那須版が投入され、棟居弘一良も加わった。
捜査陣が、矢代、鮫川、絵里子の事件との関わりに迫っていく。 -
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異型の深夜
一挺の拳銃、コルト45M1911を案内役にさまざまな人生の断面が描かれる。しかし拳銃の銃爪が引かれることはない。
相沢邦子は夫の上司の妻である大津隆子に執拗ないじめを受けていたが.....
『邦子は一挺の拳銃を手中にして、凝縮した殺意を指先にこめ、大津隆子を銃口の前においていた。』
小柴新次と中臣時枝は店のタブーを破った禁断の恋が発覚し、小柴は見せしめの屈辱を受けるが.....
『なぜ時枝が拳銃をもっているのか分からない。わかるのは、獰猛な殺意を秘めた銃口からヒタヒタと押し寄せる殺気が本物であることだけである。ホステスが悲鳴をあげた。「小柴さんを放すのよ。早く!」 』
内海晴彦は -
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悪の条件
山科刑事は、休暇中に期せずして、後に担当する殺人事件に関わる女性、香川(竹野美紀)と、上高地にて一夜を共にしてしまう。新宿署の牛尾刑事とコンビを組んで殺人事件の捜査にあたる。山科は、牛尾に内緒で事件と香川の関わりを探る。牛尾は山科に不信を感じてくる。
さらに山科は、悪に身を染めてしまう。山科の内に眠っていた悪の本性が目覚め走り出してしまう。正義と渡り合うためには、悪の条件を全開しなければならない。いま山科を支配しているものは刑事の魂ではなく、悪の魂である、
狛江署の古参刑事石井と牛尾は、山科の悪を見破って本人に告げた。山科は悩む。そして壮絶なエンディングが綴られる、森村誠一著。 -
Posted by ブクログ
30年ほど前に読んだはずが、内容はまったく覚えておらず、まるで初読のようだった。
清純派女優八木橋紀子との逢瀬後、自宅マンションに戻った助教授宮本洋一郎は、妻の死体を発見し、一人息子が見当たらない事態に遭遇する。
身代金誘拐かと疑い、警察に通報することを躊躇う。
やがて犯人から連絡があり、身代金を払うが・・・
一方、不倫の帰り道で作家の牧野啓介は交通事故を起こし、子供をはね死なせてしまう。
同時別個に発生した誘拐事件と交通事故が、どのように関連してくるのか、興味津々に頁を捲る。
宮本と紀子が恰も探偵のような役割で犯人追跡を行うサスペンスミステリー。
初出は1973年と、50年ほども前の小説だが -
Posted by ブクログ
【2025年118冊目】
一人暮らしのOLである邦枝の楽しみは、マンションの窓から双眼鏡を使って世界を見ることだった。拡大することで暴かれてしまう人々の躍動。ところがひょんなことから邦枝は殺人事件を目撃してしまい――「残酷な視界」の他6作の短編集。
病原体ミステリーということですが、実際に病原体を題材にしているものが全てではなかったような印象を持ちました。どちらかと言うと男女の関係性に重きを置いたものが多かったような気がします。短編集に共通するのは、多くの作品において殺される前の被害者の視点が書かれていることでしょうか。読者としては突如視点を失うことになりますが、作者の手腕でしっかり物語は続
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