森村誠一のレビュー一覧
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夕映の殺意
小民沢から満州に渡り、桜花屯を開拓した中心人物志沢真二郎と志沢一族。戦争という時代が、匪賊が、桜花屯に対して行った略奪や殺りく。
時代は変わり、私立探偵事務所の片山竜次が、アメリカの実業家ハサウェイから、桜花屯の生存者の調査依頼を引き受ける。志沢真吉、真三、高の今が、複雑な関係が解明されていく。そしてハサウェイが、なぜ、いまだに桜花屯を気にしているか明らかになってくる。
当時、志沢一族の中に裏切りものがいた。匪賊を手引きして桜花屯を破壊した。その時、ハサウェイは何をしていたのか。
志沢真二郎は、いまだに裏切り者の彼らを許していなかったのである。
過去の事件が、現代まで尾を引いている。探偵片山と助手の志穂美久子が謎を解き明かしていく。 -
ネタバレ 購入済み
花の骸
出稼ぎ三人組が、お金に窮して高級住宅地のとある邸宅へ忍び込むが、そこで女性が殺害される現場を目撃してしまう。三人組の1人である島村は消息不明となり、もう1人の山根は死体となって発見される。
所轄の碑文谷署の下田刑事、本庁の太田刑事が事件を追って活躍する。本庁の那須警部も登場する。
三人が忍び行った邸宅で行われていたのは、国際人身売買シンジケートがからむ、女性による接待であり、それを取り仕切る悪の人物達が浮かび上がってくる。接待役のある女性がお客とのトラブルにより殺害される。
この現場を3人組が目撃したために、消されたのか? 捜査は停滞する。
太田刑事は、殺された山根の妻、克子に目を向ける。事件は、意外な方向へ展開していく。
若い下田刑事とベテラン太田刑事の語らいも興味深い。物語の最後に太田刑事幼少時のかすかな記憶が思い出されショッキングに終わる。 -
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棟居刑事の複合遺恨
中学の同級生、古田と芳賀、憧れの的だった若い教師、佐倉が織りなす「複合遺恨」の物語。
佐倉は悪の毒牙に合い若くして学校を去る。古田と芳賀はこんな佐倉のために仇討ちを果たすが、それは結果的に完全犯罪となった。
時は流れる。
棟居刑事と桐子は、穂高縦走登山中に古田と弓子のペアと知り合う。その後古田と弓子は、結婚するが、いまだ密かに佐倉への憧憬を持つ古田に違和感を感じるようになり別居する。
古田が裏高尾.陣馬山の山中に埋められた遺体となって発見される。捜査に当たった棟居、増成の両刑事は、保険金目当ての殺害を疑い、妻を訪ねる。なんと過去に穂高登山中に出会った弓子だった。
佐倉はクラブシェトワのママに転身していた。クラブには古田と芳賀の姿があった。
棟居刑事は、中学時代の古田と芳賀、教師だった佐倉の関係に気付づきはじめる。古田を殺害した犯人に迫るが決め手がない。
地中に埋められていた古田の薬指が欠落していた、棟居はこの謎に迫っていく。 -
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未踏峰(上)
本書前編は、八ケ岳で知り合った若者たち、男女各4人ペアのおりなす出来事が語られる。
雪吹晋平
中里秀樹
恋塚良行
印東浩
面川純子
市毛京子
真野美紀
牧村梨枝子
雪吹と純子は恋に落ちるが、純子の家柄から叶わぬ恋となってしまう。純子は、北上財閥の御曹司、北上栄二と政略結婚に追い込まれてしまい、辛い日々を過ごすことに。
京子は銀座のクラブでアルバイト中に、岡林に囲われの身となり、優雅な生活にハマっていく。
恋塚は父親と同じ職業である警察官になり、ふとしたきっかけで、新宿署の牛尾と懇意になる。
本書前編で事件は起きない、前編の九割は事件のプロローグと言えるが、最後に事件は起きた。牛尾と恋塚が手弁当で捜査を開始する。彼らが訪れた最初の聞き込み先は、何と恋塚が八ケ岳で知り合っていた京子のマンションだった。岡林が自殺? 不信を抱く、牛尾、恋塚、そして京子だった。
後編へ続く。 -
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誘鬼燈
新妻が待つ我が家の灯を思いだし「あの燈が鬼を誘ったのだ」と奥山が呟いてこの小説は終了する。新婚早々の奥山の妻が殺害される。野辺地署の針生刑事や津島刑事らが、犯人にせまる。
牛トラ運転手が殺害され、関わった家畜商が殺される。岩手県警捜査一課の佐竹刑事や青柳刑事が事件の真相を追求する。国道4号を走る牛トラのタコグラフから停車位置や時間が割り出される。
これら2つの事件の重なりが徐々に解き明かされていく。 -
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捜査線上のアリア
「エピローグ」が森村氏作、本体は津村豊和氏作の「操作線上のアリア」なる小説。この小説を持ち込まれた森村氏は、推理小説としてボツになるレベルと判断したが、何とか救いたいとの思いから「エピローグ」を追記した。
犯人が確定したと思えたが「エピローグ」でどんでん返し、思いもよらぬ犯人が浮び上がる。 -
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海の斜光
作家の成田は妻との思い出の地、佐賀を尋ねる。同じ宿だった女性と知り合う、若きころの妻の雰囲気を感じさせる。佐賀城跡公園を散策中に偶然にその女性と、再び遭遇し会話をかわし名刺を渡す。
後日、その女性の妹が、成田を訪ねてきて、姉が呼子港の七ツ釜で水死体となって発見されたことを告げる。
妹は佐賀へ行くという、成田は妹と同行することに。佐賀で姉の足跡を辿った二人は、姉の同行者の影を見出す。今は亡き成田の妻との関わりも見えてくる。 -
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螺旋状の垂訓
4件の殺人事件。各署によって犯人適格者が洗い出されるが、いずれも完全なアリバイがあった。各署、これらに意図的なアリバイ作りの疑いを抱く。
被害者4人は、高校時代の同窓生であることが分かってきた。警視庁捜査一課、北沢署、碑文谷署、麻布署による連携がはじまる、彼らは非公式な共同捜査を「民間外交」と呼んで解決の糸口を探し出していく。
一見無関係な事件の被疑者達のアリバイをコントロールしていた陰の人物が浮かんでくる。最後は捜査一課那須警部の登場となる。 -
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砂の碑銘
砂の碑銘
志鶴子は子供のころの記憶が曖昧で、自分の生まれた育った場所を思い描く。
ある日、志鶴子は、混雑した電車の中で、痴漢と間違われた露木を助ける。実は痴漢被害を訴えた女性は女スリ。志鶴子は、女スリが彼から何かを抜き取ろうとしていたのを目撃したのである。
露木との会話から、思いもかけず幼いときの記憶を覚醒させる訛りを聞く。ここが物語の出発点であるが、読者はまだ今後展開される志鶴子の数奇な運命や生い立ちを知る由もない。
露木からお礼の誘いを受け待ち合せた志鶴子だったが、彼は現れなかった。物語が進むにつれて、露木は志鶴子の生い立ちにも複雑に関わっている者であったことが明らかにされていく。
志鶴子が関わる人々が亡くなる、ついには志鶴子自身も人を殺める、そして子供のころの忌わしい記憶が蘇る。
志鶴子の数奇な人生を描く、悲しすぎる物語である。 -
Posted by ブクログ
昭和47年2月から『週刊小説』に八回にわたって連載された作品である。作者の典型的な初期作品で、大企業の非情さへの怨念、何重にも絡み合った人間関係、日本アルプスを舞台にした友情と愛と悲劇、そしてアリバイを構成するトリック。この時期に数多く書かれたタイプの作品群のひとつである。登場人物の造形と舞台の設定は図式的といえなくもないし、現実性を担保してるとは言い難いが、小説としては十分に面白い。
槍ヶ岳の観光開発案を三社が提出、各社の担当者である国井・村越・弓場は大学の同窓で、認可のために凌ぎを削っていた。三人は成り行きから、認可の鍵となる福祉省の門脇局長の娘・美紀子にプロポーズする。美紀子の気持ちが国井に傾きていき、門脇も国井の西急案を支持する。そんな状況で国井が殺害され、国井のライバルでかつて国井に妹を見殺しにされた弓場に嫌疑がかかる。なぜかアリバイを立証できない弓場。実はアリバイを証明したくてもできない事情があったのだが、それは・・・。
最後のトリックは現代ではまずあり得ない設定だし、作者に文中で説明してもらってもピンとこないもので、なんともバランスが悪いのが難点か。事件の発端となる槍ヶ岳の観光開発案は、現実にあった話と聞く。古さは感じるものの、最後まで面白く読めた。 -
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犯罪同盟
とまり木に集う飲み仲間が、ふとしたことから連続して発生する失踪事件に挑む。悪徳保険会社やそのグループ会社がからむ殺人事件などへ、牛尾刑事らの追及も進む。
とまり木4人組と牛尾刑事らおのおのが、独自にあるいは協力しつつ、悪に挑んでストーリーは展開していく。
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