あらすじ
最愛の恋人を不慮の交通事故で亡くした傷心の弓子は、数か月後、上司の薦めで見合いをし、結婚した。優しい夫と、理想的とも思える仲の良い家族関係。彼女はとても幸せだった。だが、しばらくすると、少しずつ微妙な違和感を覚え始めた。家族間の円満さの裏側に異常を感じたのだ。そして、それは彼女の胸の中で次第に膨れ上がっていった……。怪奇サスペンス。〈書き下し〉
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軽く読みたい時用に購入。実際、軽く読め、それなりにおもしろかったです。現実にこんな事があるとは思えませんが、なんとも言えず、最初から最後まで気味の悪いストーリーでした。
Posted by ブクログ
家族とは何かを問いかけてくる心理サスペンス。
どんでん返しほどではないが、ある種の驚きをもって結論を迎えるはず。人はやはり仮面を被って生活しているのだろうか、そんなこともふと思ってしまう展開である。様々な事情により追い詰められていく人間心理も描かれており、個人的にはなかなか面白い作品だった。
Posted by ブクログ
常に笑顔の絶えない家族のもとに嫁いだ女性の感じる違和感が恐怖に変わっていく薄気味悪い話。でもホラーじゃなくてミステリかな。
短編集だろうと高をくくって開いてみたら、長編じゃないですか。そんなに長くないけど。しかも真ん中辺りまで、ニコニコしながら脅迫されるような、真綿で首を絞められるような、なんとも言えない恐怖がなかなか秀逸である。
真ん中を過ぎると、ミステリ慣れのせいか、前振りも状況も黒幕もつながってくるのだが、それまでのジリジリ進まない恐怖感とは違った、早い展開になるので飽きさせない。
ただ、3人行方不明はなあ、ちょっとどころかやり過ぎだと思うけれども。
最後は陳腐に怪談オチ。よく考えたら、「野性の証明」もこんな感じのオチだったような。
(追記)
角川ホラーで森村誠一の「ラストファミリー」と「ファミリー」の両方があるのね。ややこしい。