森村誠一のレビュー一覧
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誘鬼燈
新妻が待つ我が家の灯を思いだし「あの燈が鬼を誘ったのだ」と奥山が呟いてこの小説は終了する。新婚早々の奥山の妻が殺害される。野辺地署の針生刑事や津島刑事らが、犯人にせまる。
牛トラ運転手が殺害され、関わった家畜商が殺される。岩手県警捜査一課の佐竹刑事や青柳刑事が事件の真相を追求する。国道4号を走る牛トラのタコグラフから停車位置や時間が割り出される。
これら2つの事件の重なりが徐々に解き明かされていく。 -
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捜査線上のアリア
「エピローグ」が森村氏作、本体は津村豊和氏作の「操作線上のアリア」なる小説。この小説を持ち込まれた森村氏は、推理小説としてボツになるレベルと判断したが、何とか救いたいとの思いから「エピローグ」を追記した。
犯人が確定したと思えたが「エピローグ」でどんでん返し、思いもよらぬ犯人が浮び上がる。 -
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海の斜光
作家の成田は妻との思い出の地、佐賀を尋ねる。同じ宿だった女性と知り合う、若きころの妻の雰囲気を感じさせる。佐賀城跡公園を散策中に偶然にその女性と、再び遭遇し会話をかわし名刺を渡す。
後日、その女性の妹が、成田を訪ねてきて、姉が呼子港の七ツ釜で水死体となって発見されたことを告げる。
妹は佐賀へ行くという、成田は妹と同行することに。佐賀で姉の足跡を辿った二人は、姉の同行者の影を見出す。今は亡き成田の妻との関わりも見えてくる。 -
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螺旋状の垂訓
4件の殺人事件。各署によって犯人適格者が洗い出されるが、いずれも完全なアリバイがあった。各署、これらに意図的なアリバイ作りの疑いを抱く。
被害者4人は、高校時代の同窓生であることが分かってきた。警視庁捜査一課、北沢署、碑文谷署、麻布署による連携がはじまる、彼らは非公式な共同捜査を「民間外交」と呼んで解決の糸口を探し出していく。
一見無関係な事件の被疑者達のアリバイをコントロールしていた陰の人物が浮かんでくる。最後は捜査一課那須警部の登場となる。 -
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砂の碑銘
砂の碑銘
志鶴子は子供のころの記憶が曖昧で、自分の生まれた育った場所を思い描く。
ある日、志鶴子は、混雑した電車の中で、痴漢と間違われた露木を助ける。実は痴漢被害を訴えた女性は女スリ。志鶴子は、女スリが彼から何かを抜き取ろうとしていたのを目撃したのである。
露木との会話から、思いもかけず幼いときの記憶を覚醒させる訛りを聞く。ここが物語の出発点であるが、読者はまだ今後展開される志鶴子の数奇な運命や生い立ちを知る由もない。
露木からお礼の誘いを受け待ち合せた志鶴子だったが、彼は現れなかった。物語が進むにつれて、露木は志鶴子の生い立ちにも複雑に関わっている者であったことが明らかにされていく。 -
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昭和47年2月から『週刊小説』に八回にわたって連載された作品である。作者の典型的な初期作品で、大企業の非情さへの怨念、何重にも絡み合った人間関係、日本アルプスを舞台にした友情と愛と悲劇、そしてアリバイを構成するトリック。この時期に数多く書かれたタイプの作品群のひとつである。登場人物の造形と舞台の設定は図式的といえなくもないし、現実性を担保してるとは言い難いが、小説としては十分に面白い。
槍ヶ岳の観光開発案を三社が提出、各社の担当者である国井・村越・弓場は大学の同窓で、認可のために凌ぎを削っていた。三人は成り行きから、認可の鍵となる福祉省の門脇局長の娘・美紀子にプロポーズする。美紀子の気持ちが -
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犯罪同盟
とまり木に集う飲み仲間が、ふとしたことから連続して発生する失踪事件に挑む。悪徳保険会社やそのグループ会社がからむ殺人事件などへ、牛尾刑事らの追及も進む。
とまり木4人組と牛尾刑事らおのおのが、独自にあるいは協力しつつ、悪に挑んでストーリーは展開していく。 -
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「森村誠一」の山岳ミステリ短篇集『堕ちた山脈(『失われた岩壁』を改題)』を読みました。
『雪煙』に続き「森村誠一」作品です。
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正月休みで賑わう北アルプスを猛烈な低気圧が襲い、山岳遭難史上、未曾有の大量遭難者を出した。
そんな中、悪天候を生き抜き無事生還した二つのパーティーがあったが…(表題作)。
自らも山に登り青春を謳歌した著者が、アルプス連峰や中津渓谷などを舞台に描いた珠玉の山岳ミステリー短篇集。
表題作のほか、『失われた岩壁』 『虚偽の雪渓』 『憎悪渓谷』 『犯意の落丁』を収録。
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「森村誠 -
Posted by ブクログ
「森村誠一」の山岳ミステリ作品『雪煙』を読みました。
「新田次郎」の『雪の炎』に続き山岳ミステリですね。
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美しく聳え立つ謎。
遺留品は何を語る。
アルプスの名峰グロスグロックナーで出逢った二人、国際刑事警察機構(ICPO)の若き警察官「高木史朗(たかぎしろう)」とミステリアスな女性「陽子」は運命の恋に落ちた。
二人の間を阻むのは、暗黒社会の抗争か、日欧両アルプスを舞台に壮大かつ巧緻に築かれた犯罪か。
二人の悲恋に明日はあるのか!?
「森村」ミステリーの粋を集めた山岳ロマン。
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雄大な日欧両ア -
Posted by ブクログ
森村誠一(1933年~)氏は、県立熊谷商高卒業後、自動車部品会社勤務を経て、青学大文学部英米文学部卒、ホテル勤務の傍ら、サラリーマン生活に関するエッセイやビジネス書を書くようになり、1969年に執筆した本格ミステリー『高層の死角』で江戸川乱歩賞を受賞して注目され、その後数々の推理小説を発表してきた。日本推理作家協会賞、角川小説賞、吉川英治文学賞等を受賞。
本書は、2015年から3年に亘った老人性うつ病と闘いを克服し、2021年に米寿(88歳)になった著者が、老人性うつ病罹患時の様子と、「老い」への向き合い方について綴ったものである。
私はアラ還になり、近年、五木寛之、斎藤孝、佐藤優、出口治明、
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