森村誠一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
森村誠一『花刑』角川文庫。
4編収録の社会派推理短編集。最初の『完全犯罪の鏡像』がまずまず面白い短編だったが、他は今一つだった。日常に潜む殺意が偶然により、犯人とその動機が見えなくなるというパターンの短編ばかりで厭きて来るのだ。社会は複雑になりつつあるが、犯罪は社会の複雑さに比べれば単純だ。
『完全犯罪の鏡像』。明らかに黒なのに立証出来ないもどかしさ。そのもどかしさを抱えたまま朽ちていく無念さ。35年間、自宅から会社に通勤する定年間近の男が通勤電車の車窓から目にする風景の中にその家はあった。男は1年ほど前からM駅でその家に白いハンカチを振るOLの姿を目にするが、彼女の姿を目にしなくなった日にその家に住む老女が強盗に殺害され、家は放火で燃えたことを知る。退職後、男は白いハンカチのOLを思い出し、彼女の足跡を追う。★★★★
『凶隣の巣』。どちらが安穏で幸せな生活なのか。後味の悪い短編。仲の良い人たちが立ち上げたマンションと普通の人たちが寄り集うマンションの近隣問題。2つの殺人事件とマンションの住人との関係は全く無関係に思われたが、次第に結び付いていく。★★★
『死媒祭』。不倫を続ける男女。女は夫を殺し、一緒になろうと男に持ち掛ける。保険金を狙った女の企みは偶然が重なり、犯行は首尾よく運ぶが……★★★
『花刑』。表題作。表題作という割りには不満足な短編。サラ金地獄で首が回らなくなった男が企てた高利貸しの老婆の殺人計画は、まさかの偶然により複雑な結末を迎える。★★★
本体価格470円(古本100円)
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購入済み
う~~ん
ちょっと、微妙……
珍しい人の時代小説だ!と、購入してみたが、講釈師が語る、講談みたいな感じ……何て言うか、他人事で、のめり込めないと言うか……私には、向かないな。他にも、何冊か購入したのに、残念。 -
購入済み
日本人に潜む悪
若い頃に一度読み、久しぶりに再読しました。731部隊の態様を深い取材を通じて克明にレポートされています。日本人の今もDNA’を通じて受け継がれている潜在的な悪の気質を知らされました。
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Posted by ブクログ
新型コロナウイルスを中国による生物兵器と考える人たちがいるとのニュースを見て、戦時中日本の関東軍による大陸での細菌兵器研究で現地人や捕虜を「丸太」と呼んで非人道的な生体実験を繰り返したとされる731部隊を思い出したので読んだドキュメンタリー。
この本に書かれたとおりだとしたら、千葉の豪農出身でお金と女にダラしない石井四郎という人間に権力を与えてしまったことが悲劇の中核の1つのように思った。ただでさえ暴走していた関東軍だし、絶大な権力を持つ組織のトップにモラルがなければ反対した人間はそれこそ実験台にされて酷い殺され方をしそう。
古い本だし、ここに書かれた情報が絶対であるかはわからないことを前提としても、モラルのない人間が権力を握ることの恐ろしさと人間の尊厳とは何かということを考えさせられた。
イエスマン以外は堂々と排除すると明言するような今の日本の政治家も恐ろしいなぁ…。 -
Posted by ブクログ
いまいち
ちょっと期待しすぎた(笑)
ミッドウェイ海戦をベースに、その時代の男女の悲哀や人間模様、ヒューマンドラマが語られる鉄板ストーリと思いきや、登場人物の人物描写が今一つで、単なる戦争史を臨場感満載でなぞった物語のように感じました。
ストーリとしては、
詩人を志しながら海軍兵学校に進学しゼロ戦パイロットになった降籏。
降籏が憎む爆撃機パイロットの大山。
アメリカのグラマンパイロットのロバート。
3人が一人の女性寛子をめぐり、戦争の中でどうなる?
最後は守るべき人のために!
みたいな鉄板ストーリを期待していましたが、残念ながら、その展開は薄かった。
もっと、人物を掘り下げて描いてほしかったところです。
登場人物たちに感情移入ができません。
一方で、真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦にいたる戦争史については、詳細に描かれています。
当時の日本海軍の考え方。真珠湾攻撃に対するルーズベルトの思惑など、史実や様々な諸説をベースとして描かれています。そして、臨場感満載の戦闘シーン。特に後半のミッドウェイ海戦については圧巻です
そして、残された一遍の詩
といった展開。
とはいえ、戦争の悲劇、逝った人々の想い、そして託された私たち。はしっかりと伝わってきた物語でした。 -
Posted by ブクログ
1977年に映画化された『人間の証明』の作者、森村誠一さんの作品です。
写真に猫俳句?をつけたもの、エッセイ、短編小説から成っています。
森村誠一さんが猫好きで、猫を飼っていたなんて全然知りませんでしたが、やはりそこは猫好き、飼い主が思う事は全国共通だなぁと嬉しくなります。
全作品通して、人間からの視点で書かれていますが、一貫して猫に対する溢れんばかりの愛情が文章から感じ取れます。
そして、猫に対する敬愛の気持ちというのは、犬に対する気持ちとはやはり一線を画すものがあるようです。
小説の中には、悲しい結末や残酷な描写があるのですが、この愛すべき猫たちをいつまでも愛し続ける事ができるかどうかはひとえに私たち人間にかかっていると訴えたかったのだろうと思います。
そこが森村誠一さんならではですね。 -
Posted by ブクログ
「もう一度、人生をやり直せたなら?」
またまた、惹句に惹かれた読書。
主人公石坂隆一は郊外の一軒家で幸せを絵にかいたような親子四人家族の生活を送っていた。ところが、毒殺された猫のペットロスから始まって、娘の堕落・家出、息子の事故死、会社の倒産、妻と離婚のパラレル落下。しかもわびしい一人暮らしの家が火事で喪失。
「リセットできたらいいなあ」と思うのも当然である。前の世界にもどれたらなら、経験を積んだ今のままの知恵とやる気でそうはさせない!!
んなことはないこと、わかっている!けど「あの時こうしていればこうだったのよね・・・」「なすすべを怠ったのか?」と、わたしもつらつら考える時もあるから興味をひきます。
森村誠一さんは息の長い作家ですね。作家生活50年とか。この作品は2012年初版、とすると1933年生まれですから79歳ごろの作品。少々端折りすぎの推理や都合のいい登場人物もありますが、SFよりも日常的でありそうな場面が読ませます。
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