戸谷洋志のレビュー一覧
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「友だち地獄」、「伝統的な友情観」といったものを打破するために複数の哲学者の友情観を紹介していく本。有名マンガも例として出されてて分かりやすくはしてくれている。個人的にはあっても無くてもくらいの感じだった。
カント、ヴェイユの友情観に登場する「自律性」が俺の中ではかなり大事なんだと認識できた。というかどこまでいっても自分に矢印が向いてるのが俺の個性で、長所でもあり短所でもあるんだろうなと。なんなら読み進めていくと最後マッキンタイアのところで、「自律はケアとセットで考えられなければならない」と、自分にフォーカスを当て過ぎなことを諌められた気分。恵まれていることが当たり前になり過ぎて、今の環境に -
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「ヨナスは海外では極めて有名な哲学者です。ヨナスほど、世界と日本とで認知度に差がある哲学者は少ないかも知れません。」と戸谷さんは述べている。
しかし、戸谷さんは、ヨナスの名が日本に広まらなかった理由については言及していない。
その理由、原因、は何かというと「日本には、すでに、ヨナスの思想と同等のものが存在していた」からだと私は思う。
GoogleのAI検索で「ハンス・ヨナスの思想」と「華厳思想」の共通点、と検索すると以下のようになる。
「両思想は、共に個々の存在の背後にある大きな連関性や全体性に着目し、その認識から人間や自然に対する深い配慮や責任を導き出そうとしている点で共通しています。ヨナ -
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「親ガチャ」は少なからず意識する人生でした。
市場経済における自己責任論とか自己啓発ムキムキの雰囲気とかほんと胃もたれしていて、幾度となく共同体から爪弾きにされている私である。
他責で自暴自棄な思考から解き放たれるためには、以外にも「他者」の存在が必要不可欠。他者がただ聴いてくれるという信頼の上で、自己の人生に責任を持つという態度を取ることができる。なるほど、確かに自分の殻に引きこもっている時代はその引っ込み思案で人とうまくコミュニケーションが取れない自分を、ある一面では家庭環境のせいにしていた青い時代を思い出す。
でも、「親ガチャ」的厭世観に陥っている人に「他者」を信頼しろというだけでは -
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学びのきほん 哲学のはじまりのレビューです。
哲学はビジネスの役に立つ、社会人の教養、などと嘯かずに、哲学は「日常生活の邪魔」と認める潔さが清々しいです。
哲学は当たり前を問い直す営みですが、あらゆる概念とのつながりをすべて考慮して考えようとすると難しくなります。そこで、哲学の学び方として、存在論、認識論、価値論の三つの領域に分けるのが良いとして、それぞれの基本を紹介しています。
ごく簡単に解説しているからこそ、それぞれの理論の違いのエッセンスがわかりやすくなっていると思います。
1. 存在論
・プラトン:本質はイデアとして、イデア界にある。
・アリストテレス:本質は形相として、そのもの -
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『恋愛の哲学』を読んだ後、これを読む。
いろんな考えがあるけど、2冊読んで、ひとつ大事だと思ったことは、
「私」は自立した人でないといけない。
自立して、基本的には何でもかんでも人に依存しないこと。
(ただし、いつ何時でもというわけではない。状況による)
悪い依存とは、片方がもう片方の人の時間や気持ちを搾取することだと思う。
とにかく、釣り合わない関係はよくない。
愛するということについて、まだわからない。
まだ、これだという答えは出ないけれど、死ぬまでに答えが見つけられたらいいなぁと思う。
ただ、自分がこうだと思ったところで、自分以外の人が別の考えだったり、特に何も考えてなかった -
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聡明で若い友達2人の対談という感じ。
たまにただの若者の馴れ合いみたいな。
後半ちゃんと哲学のパートになった時難しくて、今後少し哲学を追うのは諦めようと思った。
糸谷さんは思ってた「生粋の本能派」とは少し違って、色んな人間的葛藤を理性で理解してしまうことにより
人生や将棋の意思決定をシンプルにしてしまえてる人なのかな?と仮定。
(思ってたより楽観的で冷静で、世界を良い距離感で楽しめているような。)
だとしたら、確かにそのように「世界の”分からない”という不安に立ち向かい克服すること」が哲学の意義の一つなのだろうし、それを体現してくれてる気もする。