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友情とは、互いが友情を認め合うことで成立する関係である。ならば、互いが友情をどのように定義しているかによって、その関係性はまったく異なるものになる。いま、友情という関係性の多様さを知ることが、人生をいくらか豊かにしてくれるのではないか。アリストテレス、カント、ニーチェ、ヴェイユ、ボーヴォワール、フーコー、マッキンタイア――漫画が描く「友情」のあり方までも参照しながら、哲学者7人の友情観を探る。
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Posted by ブクログ
読みやすい、それぞれの哲学者から引用して友情の形を推定、定義していく 一番しっくりきたのは、ニーチェとマッキンタイアで、 ニーチェは、人間は友人を理解しきれずむしろ理解していると誤解することは友人の未知な部分を既知なものに置き換えてしまう失礼なこと、理想なのはそれぞれが苦悩に打ち克てるようになる関...続きを読む係にあること(支え合うイメージでもいいしライバルでもいい) マッキンタイアは、自律性を大事にする他哲学者と異なり、障碍者を例に、人は少なからず依存しあっており、依存でも善を開花させるような依存は問題ないと。 筆者の言うとおり色んな形があるため厳密な定義は必要ないと思うが、理想的な人間関係を言語化して列挙してもらうのは気持ちいいし面白かった
時代と共にアプローチが変わっていった、友情に対する哲学的問い。アリストテレスから始まり、マッキンタイアで締める。それは友情への捉え方がどのようにアップデートしていったか、ではなく、どのような視点が増えていったか、をポイントにしてまとめている。全体の流れがわかりやすい。 それぞれのセクションで参考...続きを読むとされるマンガも、理解を助けてくれる。これは著者の意図を感じるが、紹介されるマンガも、刊行順が古い→新しい作品となっている。雑に論じると、マンガの友情も時代と共に様々な視点を取り入れていった、とも言えるが、確実に言えるのは、表現の多様性は、フィクションというストーリーにて多くの人々に届けることができるのだ。 読みたいマンガも増やしてくれるし、この本を読んで欲しい人を思い浮かべやすい、良い本であった。
友情というシングルイシューから多様な時代の哲学者を取り上げるという試みは、新書の紙幅のなかで上手く機能していると感じた。 サブカル批評に片足を突っ込む程度ではあるが、著名な漫画作品の一場面を例示することで、記憶の紐づけには役に立つ。 ここで触れられる名高い哲学者には当然、専門の研究者もおり、考証とし...続きを読むての正しさがどこまでかは、名前こそ知ってはいても「友情」という題材にいかに取り組んでいたか(そもそも取り組んでいたかのかすら)知らない身としては正否は出しかねるが、各々の哲学者あるいは友情そのものの哲学的探求の端緒として的確に仕立て上げられているように思う。 再読。
タコピーが大学入試で出題されたと聞き読みました。文章が読みやすい。 自分たちの身近にあるものでたとえてくれる、前章で大切だったことを繰り返し言ってくれる。 哲学者たちの友情に関する論をわかりやすく説明した後に知ってるマンガについて同じテンションで解説されて少し笑ってしまう。あとめっちゃネタバレするや...続きを読むんけ! エピローグのまとめ方が優しくて著者の他作品も読みたくなりました。
世界の見方が変化して今の状態になったという流れわかる。友情を軸にして、社会の中の人と人を見ていく。近代化が満ちて既存の世界観から抜け出してしまったことや、戦後にもまだ未解消の構造が残ることがわかる。 似ているから同じと判断していた時代。男同士の友情で組み上がった社会は今の日本にまだ現存している。 ...続きを読む違うから個別だと判断するようになって、ルールの信用を少しでも破ったら切り捨てる、完璧に対する潔癖社会も残っている。 そこで個人に核を持ち、向上心を潰さずに、他者による感情は自分のものではないと構える時代対応が求められた。枠の中身が変わった。 世界がつながると、枠を使う問題が出てきてしまった。これまで横滑りさせてしのいでいたけれど、本体に返ってきた。フェミニズム、クィア、分業を成り立たせる世論、を変えようとする動きになる。 どういう社会性を目指すべきか。暇を優雅にコーヒーを飲みながら、スパモングッズを眺めて考えている。分業イズムが嫌いで、そうじゃない、手分けだろと、いつか突っ込めるのかなんて考えている。
「友情とはなにか」「友人に対して自分はどうあるべきか」といった問いについて、アリストテレスやニーチェ、カントといった哲学者の意見と、現代の漫画作品の登場人物間の友情を基に考察した作品。時代背景によって考え方が変遷するのが面白いのと、哲学者たちも友人関係で葛藤があったんだろうなぁと思いながら読み進める...続きを読むと、時代を超えた親近感が湧いてくる。
友達のことを思い浮かべながら本書を読んだ。いろんな関係があるが、友達の定義は曖昧。思い当たることも多かったが、無意識に「生権力」の規範が刷り込まれていることは、考えてみれば疑問に感じることかもしれないが事実として驚いた。人は誰かに依存している。依存したうえでの自律である。対話を大切にしていきたい。
今までぼんやり考えていたことが言語化されたり自分のなかになかった考えがしっくり来たりして、思考の幅が広がった。自分の築きたい人間関係のかたちについての考えがとても捗った。
「友だち地獄」、「伝統的な友情観」といったものを打破するために複数の哲学者の友情観を紹介していく本。有名マンガも例として出されてて分かりやすくはしてくれている。個人的にはあっても無くてもくらいの感じだった。 カント、ヴェイユの友情観に登場する「自律性」が俺の中ではかなり大事なんだと認識できた。とい...続きを読むうかどこまでいっても自分に矢印が向いてるのが俺の個性で、長所でもあり短所でもあるんだろうなと。なんなら読み進めていくと最後マッキンタイアのところで、「自律はケアとセットで考えられなければならない」と、自分にフォーカスを当て過ぎなことを諌められた気分。恵まれていることが当たり前になり過ぎて、今の環境に感謝して生きることを忘れていたと自戒。 とはいえ、カント/ヴェイユの部分で出てきた刺さった言葉を引用。本読まないとあんま意味分からないけど。 「嘘をつくことは道徳的な義務に反するが、友達を守るために戦うことは義務に反しない。」P85 「もしいつか、真の愛情が与えられる日が来るとしたら、そのときには、内なる孤独と友情との間に対立はなくなっているだろう」P144 急いで読んだため雑理解過ぎるので、もう一度くらい読みたい。
『恋愛の哲学』を読んだ後、これを読む。 いろんな考えがあるけど、2冊読んで、ひとつ大事だと思ったことは、 「私」は自立した人でないといけない。 自立して、基本的には何でもかんでも人に依存しないこと。 (ただし、いつ何時でもというわけではない。状況による) 悪い依存とは、片方がもう片方の人の時...続きを読む間や気持ちを搾取することだと思う。 とにかく、釣り合わない関係はよくない。 愛するということについて、まだわからない。 まだ、これだという答えは出ないけれど、死ぬまでに答えが見つけられたらいいなぁと思う。 ただ、自分がこうだと思ったところで、自分以外の人が別の考えだったり、特に何も考えてなかったら、結局のところ、うまくいかない。 とりあえず、最も興味があるのは、ボーヴォワールの『第二の性』で、購入したので、読みたい。
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