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ある問題について対話や議論をするにしても、前提や土台を共有できない、軽く受け流し冷笑・嘲笑する、傾向が強まっている。特にSNSやネット上で幅を利かせる「論破」。人はなぜ言葉を交わすのか──人間と対話の本質的な関係を哲学の視点から解き明かす。
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Posted by ブクログ
各章のテーマ立てが明確で、読みやすかった。近年とみに人との対話が難しくなっている気がする。ともすれば相手を言い負かしたり、罵倒して怒らせることで対話を不可能にする態度も多く見られる。また「人それぞれだよね」という態度にもモヤモヤしていたので、気になって手に取ってみた。
結論はなんだか青臭いが、この限定されたテーマの中で広く思想を拾い上げるスタイルは、気になるような新書を多く手掛けている筆者によるもの。焦点が絞られているものでもないため、次にこれを手に取りたいという架け橋には本著はそれほどならなかった。
現代の議論の形をテーマに、ひろゆきの「それってあなたの感想ですよね?」を起点にし、どのような議論が今後求められるのかを論述されていた。 過去の歴史や議論形態が引き合いにだされており、どの章も興味深く読めた。
後半はほとんど理解できてない。知識不足だと実感した。哲学において学術的な訓練をとおした人には簡単なのかも知れないが。終始ひろゆきの論破芸には批判的。ディベートは第三者の納得感で勝敗が決まるが、その構造自体も批判的に検討されるのが面白かった。
詭弁も論破も、あまり印象のよい言葉ではない。詭弁を弄して相手を論破することは、本人は爽快かもしれないが、相手は納得いくものでないだろう。 その意味で、ひろゆきの論破芸は相手が理屈に合わないことを認めさせるというよりは、第三者に相手を論破したと認めさせるという要素がある、という著者の見立てには納得感が...続きを読むある。国会の議論もそんなものだろうし、SNSに至っては論破もへちまもなく、議論の体もなさずに主張や中傷が繰り広げられているようなことが多いようにも思う。 では、建設的な議論をするにはどうしたらよいか。著者は近代民主主義の成立過程において各自が読書体験などを自由に論じ合う公共的体験=社交に焦点を当て、社交が集団の分極化を防ぐ鍵になると指摘する。 しかし、果たしてそうだろうか。このデジタル時代に、17世紀や18世紀のイギリスやフランスの市民よろしく社交という概念を広く浸透させることなどできるのだろうか。また論破芸を得意とする面々が今さらに社交的な議論などに立ち返るものだろうか・・。 と思うものの、少なくとも、自分の周りではこのあたりは意識してみたいと思う。
論破ではなく、緩やかな対話をする姿勢を。 ひろゆき氏の論破に端を発して、彼はなぜ論破ができるのか、その問題点から、ポストトルース時代の議論へと話は発展していく。 自分として特定の主張は持たず、第三者を納得させることを意識するから論破できるというのは、納得感があった。エビデンスの捉え方について、理...続きを読む系的に考えようとする自分でも最近そのエビデンスがそもそも正しいか?それはエビデンスになるのかという事例に触れるにつけ、使うことの難しさを感じている。 哲学的な議論も踏まえて、最後のまとめの中でひろゆき氏と論破(を前提とした討論)ではなく、対話を目指していこうというのは、そう来たかという感じで新鮮だった。
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詭弁と論破 対立を生みだす仕組みを哲学する
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