戸谷洋志のレビュー一覧
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読むか、三大哲学書。
とはいえ、いきなり原本や専門書にあたっても木っ端微塵にされてしまうので、100分de名著の集中講義からスタートしてみた。情報社会の現代で私たちが向き合うべき「真実」「共同体」「不安」という3つの問題をテーマに、カント『純粋理性批判』、ヘーゼル『精神現象学』、ハイデガー『存在と時間』を対話するように読み進めていく。
私たちの身近にある課題と照らし合わせながら進んでいくので、それぞれの内容を紐解きながら、カントやヘーゼル、ハイデガーが様々な問題に対してどのように向き合っていったのかを読み解くことができる。
私たちが生きる現代は、執筆当時の社会環境とはもちろん異なるし社会が抱え -
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友情は多様な形があるという前提のもと、7人の哲学者がそれぞれ思う「友情」について説明がされている。その中で共感できるものとできないものがあった。共感できたものを書いておく。
⭐︎カント
カントは、友情は、引力としての愛と斥力としての尊敬が均衡することによって成立すると考える。愛とは、「他者の目的を自分の目的とする感情、一つになろうとする感情」で、尊敬とは「他者が思い通りにならないということを認識し、自分の目的のために利用せず、自律性を尊重すること」。この均衡を保つことに関しては、友情だけでなく、家族や恋人との関係においても重要だと思う。
友情には、秘密を打ち明けられることが1つの条件として考 -
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読みやすい、それぞれの哲学者から引用して友情の形を推定、定義していく
一番しっくりきたのは、ニーチェとマッキンタイアで、
ニーチェは、人間は友人を理解しきれずむしろ理解していると誤解することは友人の未知な部分を既知なものに置き換えてしまう失礼なこと、理想なのはそれぞれが苦悩に打ち克てるようになる関係にあること(支え合うイメージでもいいしライバルでもいい)
マッキンタイアは、自律性を大事にする他哲学者と異なり、障碍者を例に、人は少なからず依存しあっており、依存でも善を開花させるような依存は問題ないと。
筆者の言うとおり色んな形があるため厳密な定義は必要ないと思うが、理想的な人間関係を言語化 -
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今まで、わたしの嫌いな言葉ランキング1位は「親ガチャ」だった。それは、「生まれる環境によって不利益を被ることはたくさんある、だが、それでもなお自分の人生を投げ捨てずに戦い抜くことにこそ意味がある」という私の価値観を揺るがす言葉だと思っていたからだ。
そのように思うのは、親ガチャという言葉が流布する前に、わたしも同じようなことを考えていたからだ。
過去の自分が抱き、自分の人生から逃げる言い訳にしていた概念に、「ガチャ」という比喩ではっきりとした輪郭が与えられた。
この言葉を初めて聞いたときは、絶対にこれを拒絶しなくてはいけない、これについて語る人がいたら耳を閉じなくてはいけない、と本気で思って -
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哲学・倫理学が専門である戸谷洋志さんの著書。戸谷さんは、2015年に第31回暁鳥敏賞を受賞されています。
本著を通じて、「人を頼る」という行為についての疑問を解きほぐすことができました。社会福祉にも親和性がある一冊です。
本著は人を頼るということについて、「責任」という観点から分析しています。
「SOSを出していいんだけど、でも出せない」。多くの人は、困っていることを言えないことに困っていると思います。
なぜ、SOSを出せないか。それは、他者を頼りづらくする自己責任の風土があるからとあり、
目から鱗だったのは、戸谷さんは自己責任論における責任を『強い責任』と定義し
「強い責任は、むしろ責 -
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責任を親や出生の偶然生に委ねる考えを否定的に考えているが、私は偶然のせいにするという考えも必要なのではないかと考える。もちろん全てを他人や偶然のせいにしてしまえば責任が成り立たなくなってしまう。しかし自分の力では変えられないものはどんな人生を生きていても必ずあるので、そういう時に偶然のせいにしてしまえば気が楽になると思う。全てを自分のものとして引き受ける訳ではなく、一部では偶然のせいにしてしまうのもありじゃないかなと思った。もちろん最終的には全て自分の人生を自分で引き受けることが求められるのでバランスが重要だと思う。
また、責任の話で決定論について触れられており、その考え方に興味をそそられた。