戸谷洋志のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
第1章 自分
第2章 恋愛
第3章 時間
第4章 死
第5章 人生
<内容>
文庫書下ろし。学生による出版コンペティション「出版甲子園」での企画が原案(2015年の第11回)。大阪大助教によるもの。先生と助手の女子大生の会話形式で、目次の5つのテーマを、それぞれ3つのJ-POP(計15曲)の歌詞から読み解いていく。セカオワ・RADからいきものがかり・ミスチル・東京事変・AIKO・宇多田ヒカルまで多彩。軽い感じで読み通せるが、言っていることは深い。ニーチェやパスカル、キルケゴールまで出てくるが、そのあたりの扱いは軽い。高校生から大学生を読者層に想定しているのではないか?高校 -
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本書のタイトル「原子力の哲学」とあるように、代表的な哲学者の原子力に対する哲学を書籍である。
筆者は哲学の専門であるが原子力の専門ではない。というか解説されている哲学者も原子力の専門家ではない(哲学の専門家だ!)。
ということを念頭に置いて本書は読むべきである。
筆者の解説は分かりやすいので、登場している哲学者の論旨は理解することができる。この部分は本書の良いところである。
一方で、哲学者の原子力の哲学のほうであるが、哲学者よろしく難解な表現を使用して読者を混乱させてわかったようでわからない論法である。というか、原子力という言葉は原子爆弾と原子力発電で全く違うだろう。
哲学者さん、ここは間違 -
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ネタバレ個人的に哲学は近寄りがたい&自分には縁のない学問だと思っていたが、非常に身近なJ-POPの歌詞から哲学を考えていくスタイルは自分に合っていた。
非常にはっとさせられたのは、宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」の考察で出てきた「共同性の暴力」である。いくら恋人同士だとしても、「私」と「他人」の関係性からは抜け出せないし、恋人の他社性を否定することは暴力的なことであるとのことだったが、過去の恋人とうまくいかなかったのはコレだわ…と大反省した(笑)
ちなみに私の場合は、恋人なんだから私が考えていること分かるよね?と期待しては勝手に落ち込む、ということを繰り返し、もういい!別れる!みたいな感じのパタ -
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先生と麻衣さんの対談形式で、Jポップの歌詞を引用しながら、哲学のテーマである「自分」「恋愛」「時間」「死」「人生」について考えていくという本。各テーマについて3つの小テーマを考えるので、全部で15曲が引用されています。
Jポップは90年代後半の頃から好きで聴いていましたが、どっちかというとメロディーにばかり意識がいってしまって、歌詞にはほとんど注意を払っていませんでした。こうして改めて歌詞について考える機会があると、存外深い意味をもったものなんだなと気づかされました。特に、一番最後に出てくる、いきものがかりのYELLはすごいですね。
肝心の哲学について言うと、まあ正直ふわふわした理解しか得られ -
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ネタバレ【きっかけ】
本屋で見つけた。中高生には難しいか。
【内容】取り上げられた歌と歌手と哲学者
①ミスチル『名もなき詩』カント
②ゲスの極み『私以外私じゃないの』フィヒテ
③乃木坂46『君の名は希望』ヘーゲル
④AI『STORY』ブーバー
⑤西野カナ『会いたくて会いたくて』メルロ・ポンティ
⑥宇多田ヒカル『誰かの願いが叶うころ』レヴィナス
⑦バンプ『天体観測』ベルクソン
⑧Aiko『キラキラ』ヴェーユ
⑨東京事変『閃光少女』バタイユ
⑩ラッド『おしゃかしゃま』キルケゴール
⑪浜崎あゆみ『dearest』ハイデガー
⑫ワンオク『a new one for all,All for the new o -
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ネタバレ表題が面白そうで読んでみた。
自己中、意地悪、復讐、自傷行為、空気を読まないこと、反逆はなぜ楽しいのか?楽しさの原因はあまり書かれていなかったように感じた。
ただ人間は、以下のような欲求があるということを再認識できた。
エゴイズム=自分の快楽を求めること
悪意=他人の苦痛を求めること
同情=他人の快楽を求めること(苦痛を減らす)
通常悪意は良いものとされないし、自分はそんな酷い考えはしないと思っていたりする。
だけど、ゲームや物語では悪役がぐぬぬとなることを求めてたりするよね?と。
悪役や犯罪者がスッと死のうが苦しんで死のうが私にはなんの影響もないのに、被害者と同じ痛みを味わって欲しいと、 -
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ハンナ・アーレントは知ってはいるもののその思想や主張といわれると全く知らない…という訳で購入してみました。
薄くて字が大きくて読みやすいです。
『人間の条件』というアーレントの著書を中心としてアーレントの思想を解説した本です。
アーレントは全体主義を強く批判しました。それはなぜかというと、人間を画一化し複数性を奪うからです。また、資本主義社会も人間を画一的する点や無限の勢力拡大志向において全体主義とよく似ているといいます。では、いつから複数性は失われたのか…ということを古代ギリシャまで遡って考えていきます。
現代では、労働こそがもっとも重要な活動だと考えられていますが、それは歴史的に形成され -
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「論破王」と呼ばているらしい西村ひろゆき氏や「ポスト・トゥルース(事実より感情を大切にする概念)」を象徴するトランプ大統領を念頭に、議論において「論破しようとする」態度ではなく会話を成立させる心がけを啓蒙するという本。哲学の領域なので面倒くさくなる話をなるべく分かりやすく描いている。
時代の風潮に対する危機感から本書を書いたと思われる。ひろゆき氏の手法に対する言及が多い。私自身はその手法は「眉をひそめたくなる」もので、本書で述べられる通り論破自体が目的化しており、会話とは別の種類のものとしか受け止められない。
トランプ氏の言説も同様で「支持する人は支持する」のであって、支持する人の声が大き -
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アーレントの主著『人間の条件』を題材に彼女の「労働」に対する思想を古代ギリシャでの考え方にまで遡って分かりやすく解説された入門書。
彼女は人間の活動を、労働、仕事、活動の3つに分類し、「労働」は生命維持のために必須であるが、それ以上に人々が関わり合い新しいものをうみだす「活動」を重要視した。
それが近代では重商主義の誕生などに端を発し、そのヒエラルキーが逆転してしまったと主張している。
しかし、この逆転現象は長い歴史の中で、ごく最近になって出てきたものに過ぎず、労働が絶対的に重要であると考える必要はない。
アーレントの『人間の条件』は「労働」に対する考え方に答えを提示するものではなく、一思 -
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詭弁も論破も、あまり印象のよい言葉ではない。詭弁を弄して相手を論破することは、本人は爽快かもしれないが、相手は納得いくものでないだろう。
その意味で、ひろゆきの論破芸は相手が理屈に合わないことを認めさせるというよりは、第三者に相手を論破したと認めさせるという要素がある、という著者の見立てには納得感がある。国会の議論もそんなものだろうし、SNSに至っては論破もへちまもなく、議論の体もなさずに主張や中傷が繰り広げられているようなことが多いようにも思う。
では、建設的な議論をするにはどうしたらよいか。著者は近代民主主義の成立過程において各自が読書体験などを自由に論じ合う公共的体験=社交に焦点を当て、