戸谷洋志のレビュー一覧
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ネタバレ表題が面白そうで読んでみた。
自己中、意地悪、復讐、自傷行為、空気を読まないこと、反逆はなぜ楽しいのか?楽しさの原因はあまり書かれていなかったように感じた。
ただ人間は、以下のような欲求があるということを再認識できた。
エゴイズム=自分の快楽を求めること
悪意=他人の苦痛を求めること
同情=他人の快楽を求めること(苦痛を減らす)
通常悪意は良いものとされないし、自分はそんな酷い考えはしないと思っていたりする。
だけど、ゲームや物語では悪役がぐぬぬとなることを求めてたりするよね?と。
悪役や犯罪者がスッと死のうが苦しんで死のうが私にはなんの影響もないのに、被害者と同じ痛みを味わって欲しいと、 -
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ハンナ・アーレントは知ってはいるもののその思想や主張といわれると全く知らない…という訳で購入してみました。
薄くて字が大きくて読みやすいです。
『人間の条件』というアーレントの著書を中心としてアーレントの思想を解説した本です。
アーレントは全体主義を強く批判しました。それはなぜかというと、人間を画一化し複数性を奪うからです。また、資本主義社会も人間を画一的する点や無限の勢力拡大志向において全体主義とよく似ているといいます。では、いつから複数性は失われたのか…ということを古代ギリシャまで遡って考えていきます。
現代では、労働こそがもっとも重要な活動だと考えられていますが、それは歴史的に形成され -
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「論破王」と呼ばているらしい西村ひろゆき氏や「ポスト・トゥルース(事実より感情を大切にする概念)」を象徴するトランプ大統領を念頭に、議論において「論破しようとする」態度ではなく会話を成立させる心がけを啓蒙するという本。哲学の領域なので面倒くさくなる話をなるべく分かりやすく描いている。
時代の風潮に対する危機感から本書を書いたと思われる。ひろゆき氏の手法に対する言及が多い。私自身はその手法は「眉をひそめたくなる」もので、本書で述べられる通り論破自体が目的化しており、会話とは別の種類のものとしか受け止められない。
トランプ氏の言説も同様で「支持する人は支持する」のであって、支持する人の声が大き -
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アーレントの主著『人間の条件』を題材に彼女の「労働」に対する思想を古代ギリシャでの考え方にまで遡って分かりやすく解説された入門書。
彼女は人間の活動を、労働、仕事、活動の3つに分類し、「労働」は生命維持のために必須であるが、それ以上に人々が関わり合い新しいものをうみだす「活動」を重要視した。
それが近代では重商主義の誕生などに端を発し、そのヒエラルキーが逆転してしまったと主張している。
しかし、この逆転現象は長い歴史の中で、ごく最近になって出てきたものに過ぎず、労働が絶対的に重要であると考える必要はない。
アーレントの『人間の条件』は「労働」に対する考え方に答えを提示するものではなく、一思 -
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詭弁も論破も、あまり印象のよい言葉ではない。詭弁を弄して相手を論破することは、本人は爽快かもしれないが、相手は納得いくものでないだろう。
その意味で、ひろゆきの論破芸は相手が理屈に合わないことを認めさせるというよりは、第三者に相手を論破したと認めさせるという要素がある、という著者の見立てには納得感がある。国会の議論もそんなものだろうし、SNSに至っては論破もへちまもなく、議論の体もなさずに主張や中傷が繰り広げられているようなことが多いようにも思う。
では、建設的な議論をするにはどうしたらよいか。著者は近代民主主義の成立過程において各自が読書体験などを自由に論じ合う公共的体験=社交に焦点を当て、 -
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論破ではなく、緩やかな対話をする姿勢を。
ひろゆき氏の論破に端を発して、彼はなぜ論破ができるのか、その問題点から、ポストトルース時代の議論へと話は発展していく。
自分として特定の主張は持たず、第三者を納得させることを意識するから論破できるというのは、納得感があった。エビデンスの捉え方について、理系的に考えようとする自分でも最近そのエビデンスがそもそも正しいか?それはエビデンスになるのかという事例に触れるにつけ、使うことの難しさを感じている。
哲学的な議論も踏まえて、最後のまとめの中でひろゆき氏と論破(を前提とした討論)ではなく、対話を目指していこうというのは、そう来たかという感じで新鮮だ -
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この本では、「なぜ未来世代に対して責任を負わなければならないのか」という問いに対して、さまざまな倫理理論からの答えが紹介されていて、倫理の多様な考え方を知ることができた。中でも印象に残ったのはロールズの契約説の考え方だった。私たちは生まれてくる時代を選べないのだから、自分がどの時代に生まれても納得できるように資源を残すべきだという、公正さを重視した考え方がとても納得できた。
福島の原発事故については、ハンス・ヨナスの責任原理の考え方が深く関わっていると感じた。津波の予見可能性があったにも関わらず、リスクを軽視して十分な対策を行わなかったことは、未来世代に取り返しのつかない被害を与える可能性があ -
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この本で追求するのは自己責任を失い責任を他者に押し付ける決定論じみた親ガチャ的厭世観を持つことに関しての正悪ではなく、より生きやすくする為の考え方。という善良的な本なので、若干綺麗事じみたところはあったし、親ガチャそのものを徹底的に掘り下げてるわけではなかったが、社会情勢、哲学、アニメ、色々交えてて面白かった!
親ガチャ的自己決定論を肯定すると努力が評価されず、逆に親ガチャを度外視して自己責任論を肯定すると親ガチャが外れて苦しんでる人は努力不足の自己責任つまり自分のせいということになってしまう。というジレンマ。
ただ実際には親ガチャは存在してる。しかしそれを肯定することにより自己責任論を度外 -
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裏表紙にこうある。
「2時間で読める教養の入口」
確かに!と思う。
知的好奇心を満たしたい為に読んでみたのだが哲学という学問を、入門として系統的に図式化できる形で提示してくれているというのが私の理解。ここを発端にさらに深掘りするための導入にとても良いテキストだと思う。実に解りにくくて難解な学問を、具体的例をもって噛み砕いて説明してくれてる。それでも、全然わからんっはありましたが。
哲学とは「当たり前」を問い直す学問。ざーっと読んで何度も頭に浮かんだのは、「それって屁理屈なのでは、、、。」なので私は普段何にも考えず、長いものには巻かれろな現代人なんだと自覚した。
哲学は深掘りすると面白い -
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メタバースについての理解はあまり進むわけではないが、メタバースが生活における比重を増した時にどんな影響が我々にあるかなどを理解できる。また、メタバースを考えることで物理世界を見直す試みでもあるだろう。
後半、メタバースと共同体からはコミュニティというものに関心ある方すべてに参考になる議論が行われている。また、デジタルによる最適化による政治の経営化の試みが進むと、全体主義化するという危険性については意識していくべきだと思う。
ティール組織という方向性と、手段としてホラクラシーやDAOもこの文脈に関連するようにも感じた。
まだまだ腑に落ちない点や反論を許すところが多くあるが、このテーマは法律 -
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本書は哲学的な側面だけでなく、社会情勢から親ガチャを取り巻く状況を細かく記載してくれており、とても読み応えありました。
人は生まれてくる時代や場所、環境を選べないからこそ、親ガチャと言う言葉は事実であり、当事者にとって人生を苦しませる事象の一つなんだと思いました。虐待など家族に苦しんでいる人程、親ガチャは深刻で、その価値観に囚われているし、そう言った人に自己責任論を説くのはあまりに暴力的なのも納得。
あらゆる人に文化的で最低限度の生活を保証する上で、社会保障やコミュニティ、連帯感をどれだけ構築できるのかも重要なのだと知れた事も良かった。