戸谷洋志のレビュー一覧

  • スマートな悪 技術と暴力について

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    スマートなデバイス、サービスが生み出すスマートなシステム、スマートな社会。スマートさがもたらす悪の可能性を探求する本。

    そこで登場するのが、アイヒマンというわけで、アーレントの議論を軸にしながら展開していく哲学的な技術・社会論、という感じかな?

    一つひとつのスマートなサービスは、便利で、使い始めるとそれなしには生きていけないのだが、全体して、それが人の幸福、社会の幸福につながっているのかは心配な気持ちになる。

    著者は、スマートの語源にある痛みといったところを確認しつつ、スマートが目指す一人一人への最適化という概念をロジスティックスの問題と関連づける。で、ロジといえばということで、ユダヤ人

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    2023年02月18日
  • スマートな悪 技術と暴力について

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    「スマート」という言葉は非常に聞こえの良い言葉であるが、本書では主にネガティブな側面に注目している。テクノロジーの発達により生活は最適化され「スマートな社会」へ進歩すると考えられているが、一方で最適化が悪への加担を引き起こしうるということを認識しなければならない。最適化には暴力性を孕んでいることを本書では「スマートな悪」と呼んでいる。

    「スマートな悪」が暴走したらどうなるのか?ここではナチズムとアイヒマンを事例に出しながらその末路を論じている。まさに全体主義は最適化の負の側面であり、アーレントやアンダースによる全体主義の起源の考察は現代においても、とりわけ超スマート社会化おいては通ずる点が少

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    2022年05月15日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    <目次>
    第1章  自分
    第2章  恋愛
    第3章  時間
    第4章  死
    第5章  人生

    <内容>
    文庫書下ろし。学生による出版コンペティション「出版甲子園」での企画が原案(2015年の第11回)。大阪大助教によるもの。先生と助手の女子大生の会話形式で、目次の5つのテーマを、それぞれ3つのJ-POP(計15曲)の歌詞から読み解いていく。セカオワ・RADからいきものがかり・ミスチル・東京事変・AIKO・宇多田ヒカルまで多彩。軽い感じで読み通せるが、言っていることは深い。ニーチェやパスカル、キルケゴールまで出てくるが、そのあたりの扱いは軽い。高校生から大学生を読者層に想定しているのではないか?高校

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    2021年09月27日
  • 原子力の哲学

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    本書のタイトル「原子力の哲学」とあるように、代表的な哲学者の原子力に対する哲学を書籍である。
    筆者は哲学の専門であるが原子力の専門ではない。というか解説されている哲学者も原子力の専門家ではない(哲学の専門家だ!)。
    ということを念頭に置いて本書は読むべきである。

    筆者の解説は分かりやすいので、登場している哲学者の論旨は理解することができる。この部分は本書の良いところである。
    一方で、哲学者の原子力の哲学のほうであるが、哲学者よろしく難解な表現を使用して読者を混乱させてわかったようでわからない論法である。というか、原子力という言葉は原子爆弾と原子力発電で全く違うだろう。
    哲学者さん、ここは間違

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    2021年08月30日
  • 僕らの哲学的対話 棋士と哲学者

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    タイトルから「将棋の本?哲学の本?」と悩みましたが、内容は完全に哲学の本でした。とても興味深かったですし、お二人の会話の距離感が近すぎず遠すぎず、とても気持ち良かったです。

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    2021年07月11日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    個人的に哲学は近寄りがたい&自分には縁のない学問だと思っていたが、非常に身近なJ-POPの歌詞から哲学を考えていくスタイルは自分に合っていた。
    非常にはっとさせられたのは、宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」の考察で出てきた「共同性の暴力」である。いくら恋人同士だとしても、「私」と「他人」の関係性からは抜け出せないし、恋人の他社性を否定することは暴力的なことであるとのことだったが、過去の恋人とうまくいかなかったのはコレだわ…と大反省した(笑)
    ちなみに私の場合は、恋人なんだから私が考えていること分かるよね?と期待しては勝手に落ち込む、ということを繰り返し、もういい!別れる!みたいな感じのパタ

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    2021年04月28日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    先生と麻衣さんの対談形式で、Jポップの歌詞を引用しながら、哲学のテーマである「自分」「恋愛」「時間」「死」「人生」について考えていくという本。各テーマについて3つの小テーマを考えるので、全部で15曲が引用されています。
    Jポップは90年代後半の頃から好きで聴いていましたが、どっちかというとメロディーにばかり意識がいってしまって、歌詞にはほとんど注意を払っていませんでした。こうして改めて歌詞について考える機会があると、存外深い意味をもったものなんだなと気づかされました。特に、一番最後に出てくる、いきものがかりのYELLはすごいですね。
    肝心の哲学について言うと、まあ正直ふわふわした理解しか得られ

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    2020年09月21日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    ネタバレ

    【きっかけ】
    本屋で見つけた。中高生には難しいか。

    【内容】取り上げられた歌と歌手と哲学者
    ①ミスチル『名もなき詩』カント
    ②ゲスの極み『私以外私じゃないの』フィヒテ
    ③乃木坂46『君の名は希望』ヘーゲル
    ④AI『STORY』ブーバー
    ⑤西野カナ『会いたくて会いたくて』メルロ・ポンティ
    ⑥宇多田ヒカル『誰かの願いが叶うころ』レヴィナス
    ⑦バンプ『天体観測』ベルクソン
    ⑧Aiko『キラキラ』ヴェーユ
    ⑨東京事変『閃光少女』バタイユ
    ⑩ラッド『おしゃかしゃま』キルケゴール
    ⑪浜崎あゆみ『dearest』ハイデガー
    ⑫ワンオク『a new one for all,All for the new o

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    2020年04月03日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    哲学的思考のプロセスが対話型文書で分かりやすく表現されている。歌は自己表現やメッセージなので思考を広げるには良い機会になった。結論も腑に落ちる。

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    2019年01月26日
  • 僕らの哲学的対話 棋士と哲学者

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    大阪大学大学院で哲学を選考した2人が哲学について語るもの。

    糸谷八段の専門分野の将棋の話はそれほど出てこなかったが、面白かった。

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    2019年01月07日
  • 僕らの哲学的対話 棋士と哲学者

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    同世代の哲学者と棋士の対談.テーマは大きく戦いについてだが,個々の話題は多岐にわたる.
    全く理解できないように思える他者であっても,その考えを理解しようと努力することが必要だ,というのは本当にその通りだなと思う.
    国会のやり取りを見ていると,戦いの感覚が未成熟であることの問題は,同世代的なものだけではないのだろうな.

    個人的には,もう少しボリュームを増やしてでも個々の話題のもっと深い話を読みたかったので,星4つ.

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    2018年12月31日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    歌詞ってあまりまじめに読んだことがない。女子大生と哲学の先生との対話形式で、歌詞をネタに哲学的トピックを紹介してゆく。楽しめた。紹介されているのは最新のものが中心の超有名曲たちだが(知らないのもあった…)、やっぱり時代的なものが反映されているものなのだろうか。

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    2018年10月25日
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲

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    Jポップの歌詞と哲学。とてもわかりやすかったです!
    よく聞く楽曲だったところにも、なんだか因果関係がありそう。哲学科の人は、RADを聞くのかー♪

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    2017年09月30日
  • 親ガチャの哲学(新潮新書)

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    親ガチャの哲学読み終わりました。結局自分の人生は自分が引き受けるしかないんだなと思います。自分の人生考えてみても頑張って来れたのはいろいろな人の支えがあったからだと思いますが、最終的には自分がやっぱり頑張ったんだと思います。

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    2026年01月24日
  • 哲学のはじまり

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    第一章は良かったが、その後は内容が薄い気がした。

    哲学の事を分かった気にさせる本で本質的ではないように感じた。

    ハイデガーについてが以前より難しいと感じていたが、存在の偶然性と言う概念でほんの少しだけだが、一部分かった気がした。

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    2025年12月09日
  • まんが!100分de名著 ハイデガー 存在と時間

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    シンプルで入門としてはとてもいいと思う
    気になったら原書なり他のものなりを見る必要があるかなとは思う

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    2025年09月30日
  • 詭弁と論破 対立を生みだす仕組みを哲学する

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    詭弁も論破も、あまり印象のよい言葉ではない。詭弁を弄して相手を論破することは、本人は爽快かもしれないが、相手は納得いくものでないだろう。
    その意味で、ひろゆきの論破芸は相手が理屈に合わないことを認めさせるというよりは、第三者に相手を論破したと認めさせるという要素がある、という著者の見立てには納得感がある。国会の議論もそんなものだろうし、SNSに至っては論破もへちまもなく、議論の体もなさずに主張や中傷が繰り広げられているようなことが多いようにも思う。
    では、建設的な議論をするにはどうしたらよいか。著者は近代民主主義の成立過程において各自が読書体験などを自由に論じ合う公共的体験=社交に焦点を当て、

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    2025年09月15日
  • 詭弁と論破 対立を生みだす仕組みを哲学する

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    論破ではなく、緩やかな対話をする姿勢を。

    ひろゆき氏の論破に端を発して、彼はなぜ論破ができるのか、その問題点から、ポストトルース時代の議論へと話は発展していく。

    自分として特定の主張は持たず、第三者を納得させることを意識するから論破できるというのは、納得感があった。エビデンスの捉え方について、理系的に考えようとする自分でも最近そのエビデンスがそもそも正しいか?それはエビデンスになるのかという事例に触れるにつけ、使うことの難しさを感じている。

    哲学的な議論も踏まえて、最後のまとめの中でひろゆき氏と論破(を前提とした討論)ではなく、対話を目指していこうというのは、そう来たかという感じで新鮮だ

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    2025年08月20日
  • 未来倫理

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    この本では、「なぜ未来世代に対して責任を負わなければならないのか」という問いに対して、さまざまな倫理理論からの答えが紹介されていて、倫理の多様な考え方を知ることができた。中でも印象に残ったのはロールズの契約説の考え方だった。私たちは生まれてくる時代を選べないのだから、自分がどの時代に生まれても納得できるように資源を残すべきだという、公正さを重視した考え方がとても納得できた。
    福島の原発事故については、ハンス・ヨナスの責任原理の考え方が深く関わっていると感じた。津波の予見可能性があったにも関わらず、リスクを軽視して十分な対策を行わなかったことは、未来世代に取り返しのつかない被害を与える可能性があ

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    2025年07月09日
  • 親ガチャの哲学(新潮新書)

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    親ガチャについて浅い理解しかない人に読んでほしい。恵まれた環境で生きてきた著者が、ここまで寄り添って理解を示してくれるだけでもこの本を読む価値があった。

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    2025年05月24日