戸谷洋志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自己責任という言葉が1人歩きしだしたのは、かつて世間を騒がせた「イラク3馬鹿」なのだとか。これは国のでっち上げで、あの3馬鹿は悪くない。。。といった主張かあったがそこは腹落ちしかねる部分はある。
が、なんでもかんでも自己責任とバッサリやるのは確かに違うのかもしれない。
自分は責任の辛さというよりは、責任の曖昧さ(会社で問題が起きても誰も責任とらず、経営状況は悪化して会社が弱っていく様子)に嫌気をさして本書を手にとったんだが、、、
頼っていいんだよ。連帯責任だよ。
みたいな話だけでは救えない現実があると思う。
「イラク3馬鹿」を自己責任じゃないから許すというなら、そのケツは誰が拭くんですか?
会社に穴開けてるヤツを許すというなら、その穴は誰が塞ぐんですか?
責任を曖昧にして戯言のままにして、誰が幸せになるのですか? -
Posted by ブクログ
付録にあるハンナ・アーレントの略年譜を見て若い時に戦争、強制収容所を体験し、労働とは一体なんなのかと強く問わざるを得ないようなご経験をされた上で『人間の条件』を書き上げたのかもしれないと、感じた。
地獄を体現したような強制収容所で、報われることなく殺される人々働かざるをえない人々をハンナ・アーレントは目撃しているはずだから。
彼らの無念さという沈黙と、戦争の冷徹な時代の沈黙を、ハンナ・アーレントは赤子が誕生した時一息吸って大声で力強く泣き叫ぶように、突き破るために『人間の条件』を書いて世界へ生み出したのではないかとわたしは想像する。
強制収容所の言葉で“働く”という意味と、ハンナ・アーレントが生きた時代の言葉で“働く”という意味、歴史上で人々が粛々とつむいできた“働く”という意味を、ねじり合わせさらに昇華しようとした『人間の条件』の言葉で“働く”なのかもしれないと、わたしは個人的に思った。
だとしたら、重い手触りの“働く”だと思う。
本書は、ナチスに翻弄され、それでも思索をあきらめなかった人生を歩んだ思想家ハンナ・アーレントが書いた『人間の条件』をわかりやすく入門編として紹介し解説している本。
ご自身の労働観をかえりみたくなったらぜひ読んでみてほしい。
ハンナ・アーレントの『人間の条件』へももちろん扉は開かれている本なのでその手がかりという意味合いでもおすすめ。
働くは、働きかける。
本書に書いてあった言葉だ。
お金をいただく。
イコール働くだろうか。
何かをしてあげた。
イコール働くだろうか。
食べるため、生きるために働くって本当に当たり前?それはみんなにとって自分にとって、本当に幸せなこと?
働くとはなんなのかを徹底して考えたハンナ・アーレント。
働くとは社会にとって、自分自身にとってどういったことだろう。
考えたくなったら本書を手に取ってみたい。
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Posted by ブクログ
「人間の条件」は私にとって、何度もチャレンジしたけれども途中で挫折する難解な著作でした。岡本太郎が、この本を激賞していて、夢中で読んだということだが、自分の頭では少しも面白く思えなかった。そこで2時間あれば読めるこのすごい古典入門を読んだわけですが、やっぱりよくわかりませんでした。結局のところ、アンナ・アーレントが人間の活動を労働と仕事と活動の3つに分ける考え方そのものに同意できないのです。そして労働は自然に強制されて行う毎日の生命活動を維持するための活動でそこには自由はないのだという。そして人と連携しなければできない活動こそが、個人の複雑性は生かされるので価値があるのだという。
なんのこっちゃって思うので、もう「人間の条件」にチャレンジしても無駄だということがわかったのは成果です。 -
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うーん なんか思ってたのと違ったかも
子供向けに「概念」っていうのがあるよってわかりやすく書いただけの本だった
ところどころ出てくる「AはBだからCである」みたいな話が、結構本当にそうかな?みたいな弱さを感じてしまい 全体的に何が言いたいのかもよくわからなかった
最後のAIのくだりも「AIはすでにあるデータのアウトプットしかできない=概念思考はできない」って話だけど、実際AIと話してると嘘やバグみたいなのめちゃめちゃあるし、AIが概念で思考してると言えなくても人間からみたら概念思考(新しい概念で考える)してるって言えること絶対あると思うんだけど
人間も結局すでにあるデータから思考をしてるし、その辺の違いを語れるほどその分野に精通していなそうだなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表題が面白そうで読んでみた。
自己中、意地悪、復讐、自傷行為、空気を読まないこと、反逆はなぜ楽しいのか?楽しさの原因はあまり書かれていなかったように感じた。
ただ人間は、以下のような欲求があるということを再認識できた。
エゴイズム=自分の快楽を求めること
悪意=他人の苦痛を求めること
同情=他人の快楽を求めること(苦痛を減らす)
通常悪意は良いものとされないし、自分はそんな酷い考えはしないと思っていたりする。
だけど、ゲームや物語では悪役がぐぬぬとなることを求めてたりするよね?と。
悪役や犯罪者がスッと死のうが苦しんで死のうが私にはなんの影響もないのに、被害者と同じ痛みを味わって欲しいと、苦しむことを求める感情がある。他人の苦痛を求める欲求は人間に先天的にあるんだろうなと思い、これからの自分の言動をこの観点で見つめ直そうと思った。
それは自分に影響しない、他人の苦痛を求める言動になってはいないかと。
そういった意味で読んで良かったかな。
ただ私自身はリストカットをしたことはないが、自傷行為をする理由は自分を罰したいとか自分を蔑ろにして傷つけることだけが目的ではないのでは?と思った。例えばどうしようもない怒りや苦しみに苛まれているときに、気を紛らわす手段として使っていた場合、それは自分を蔑ろにしたり罰している訳ではなく、自分を救うためだったりして後ろ向きな訳ではなかったりするのかなーと。 -
Posted by ブクログ
ハンナ・アーレントは知ってはいるもののその思想や主張といわれると全く知らない…という訳で購入してみました。
薄くて字が大きくて読みやすいです。
『人間の条件』というアーレントの著書を中心としてアーレントの思想を解説した本です。
アーレントは全体主義を強く批判しました。それはなぜかというと、人間を画一化し複数性を奪うからです。また、資本主義社会も人間を画一的する点や無限の勢力拡大志向において全体主義とよく似ているといいます。では、いつから複数性は失われたのか…ということを古代ギリシャまで遡って考えていきます。
現代では、労働こそがもっとも重要な活動だと考えられていますが、それは歴史的に形成されてきた思想に過ぎないのだということが分かりました。
そうした考え方が押し付けられることをアーレントは批判しています。
ただ、やっぱりこの本だけでは全然物足りないというか、もっと詳しく知りたいなと思いました。
『人間の条件』は複数の翻訳書が出版されているようですが、かなり難しそうなので、参考文献に挙げられていたアーレント関連の本の中で読みやすそうなものを読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
「論破王」と呼ばているらしい西村ひろゆき氏や「ポスト・トゥルース(事実より感情を大切にする概念)」を象徴するトランプ大統領を念頭に、議論において「論破しようとする」態度ではなく会話を成立させる心がけを啓蒙するという本。哲学の領域なので面倒くさくなる話をなるべく分かりやすく描いている。
時代の風潮に対する危機感から本書を書いたと思われる。ひろゆき氏の手法に対する言及が多い。私自身はその手法は「眉をひそめたくなる」もので、本書で述べられる通り論破自体が目的化しており、会話とは別の種類のものとしか受け止められない。
トランプ氏の言説も同様で「支持する人は支持する」のであって、支持する人の声が大きめになるだけで、大多数の人がその思想に感化されているとは思えない。分断はあるだろうが。
自分自身は論破されない理論武装はしても、相手を論破しようと考えることは若い頃に比べてめっきり減った。良いのか良くないのかは分からない。でも、論破自体か目的化し、独善的になって結果が悪い方に行かないようにだけはしたい。