【感想・ネタバレ】哲学のはじまりのレビュー

あらすじ

哲学の三大テーマが、この1冊で理解できる!

哲学の世界では2000年以上もの間、数々の哲学者が膨大な思想や哲学書を生み出してきた。しかし私たちは、それらがあまりに多様かつ難解で、どこから学び始めればいいのか分からない。そこで注目するのが、哲学の基礎をなしている三大テーマ、存在論・認識論・価値論。それらの領域を「はじまり」から紐解けば、驚くほど哲学が「分かる」ようになる。「哲学」という学問の特徴はどこにあるのか。プラトン、デカルト、カント、ヘーゲル、フッサール――哲学者は世界の何に疑問を抱き、その思想はどう展開されたのか。「NHK100分de名著」にて解説の鮮やかさで話題を呼んだ哲学界の俊英が描く、誰もが知識ゼロから学べる哲学の地図。

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Posted by ブクログ

短く分かりやすい形で哲学を紹介してくれる本で、「もっと哲学の世界を知りたい!」と思わせてくれた。

最後の裏表紙にあった読書案内を頼りに、哲学の門を少したたいてみようと思った。




個人的に興味があるのが倫理学の分野。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

とにかくわかりやすかった。哲学の主要なテーマである「存在論」、「価値論」、「認識」の3テーマをメインに平易な説明が続く。そして何も親しみやすい。

英語教育の本や、英文法書を読むとときどき「存在論」とか、「存在論的」という術語が登場してわからないことが多く、調べても釈然としなかったが、ようやくわかったような気がした。それだけで買いだと思った。

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

哲学の入門書を読んできた中で、最もおすすめすべき本だと思いました。

哲学とは「当たり前」を問い直すこと。そのため、すべての学問の土台となる。概念は繋がりに注目し、本来であれば概念の体型全体を考える必要があるが、混乱に陥らないように3つに分けて考えてみる。それが、存在論と認識論と価値論。

存在論は「〇〇である」本質存在と「〇〇がある」事実存在。
認識論は「どのように〇〇を知るのか」。
価値論は「なぜそのように行為すべきか」の倫理学と美しさの本質を問う美学。
倫理学の考え方の例としてベンサムの功利主義とカントの義務論。美学の考え方の例としてカントの自然美とヘーゲルの芸術美。

少ないページ数で哲学概観マップの役目に徹した本でありながら、繰り返し読みたい本となっている。哲学を学びさらに自由でありたいと勇気を与えられた。そして、哲学が頬を撫でる柔らかく優しい風であったらという著者の願いに感動した。

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

哲学について思い返したいときはまず、この本を読みたい。

哲学とは当たり前、常識を問い直すこと。常識に従い生きることは、安心するし楽な事も多い。同調圧力から脱却することは時に苦しい事もある。しかし常識を問い直す事で生まれる新たな可能性は、人生を豊かにさせ、またもう一つの選択肢を生むかもしれない。

自分が思ったこと、疑問に思ったことを蔑ろにせず、もはや今やっていることを止めてでも言葉にしたり書き留めることが、ソクラテスのいう「風」 を感じること!!!

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2024年12月04日

Posted by ブクログ

哲学が扱うテーマについて存在論、認識論、価値論の3つの軸で説明されている哲学の入門書。読者に語りかけるような形式で、難しい専門用語などは避けて平易な文章となっており、哲学への入口としてとても良かった。巻末にはさらに哲学を学びたい人に向けてブックガイドも掲載されていて、そちらも手に取ってみたい。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

久々に読んだ哲学の本。
色々な哲学者の考え方が、コンパクトに分かりやすく紹介してあってよかった。巻末のブックリストで気になった本も読んでみたい。

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2024年07月03日

Posted by ブクログ

勉強の哲学という本で、専門分野へは入門書から入るべきと書かれていましたが、これはその一冊になるだろうという視点で読ませて頂きました。

どのくらいのことを知っておけば「ざっと知っている」ことになるのか、という範囲を把握する

ためにちょうどよい印象です。
また最後にブックガイドが載っているのも、入門を終えて次に進もうと思ったときに有用だと思います。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

今まで読んだ中で一番スッと入ってきた哲学入門。ハイデガーや現象学の説明も明快(カントの議論を踏まえて…という説明がわかりやすい)で、いわゆる哲学史的な倫理の授業では満足できなかった人もここから始めればよい。ブックガイドもあり、親切。

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2024年02月27日

Posted by ブクログ

分かりやすい!
哲学とは、まずはそこから紐解いて、3つのテーマでさらに細かく説明する。存在とは、認識とは、価値とは…

哲学とは、私たちが既に知っていることを教える。by デカルト
誰もが当たり前だと思っていることについて考える営み。常識を問い直す必要性は、常識が間違っている可能性があるから。なぜその常識が正しいのか、と考えることで、自分の力で理解できるようになることが大切。


ミネルヴァの梟は宵に飛び立つ、ヘーゲル

存在論、00とは何か?それがどんな存在か考える

認識論、どのように00を知るのか?

価値論、良い00とは何か? 美的、道徳的二つに分けられる

「存在」は、2つに分けられる、〜である、という本質存在。〜がある、の事実存在。プラトンやアリストテレスが存在論の地盤をつくり、ハイデガーやサルトルが新しい存在論を作り上げた。

ハイデガーの「決意性」
人間にはあらかじめ決まった本質などない。
私が私らしく存在するためには、何よりもまず自分自身の偶然性と向き合わないといけません。私が私であることに、何の理由もないし、必然性もない。言い換えると、自分が何者であるかを、自分以外の誰かのせいにできない、ということ。p.59


「認識論」は、知識の正しさを問う領域。
方法的懐疑、デカルト、「本当か?」と疑ってみることがまだ大事。懐疑に耐えるのは2点、明晰であることと、判明であること。


論理的な価値とは、善悪や正義。代表的な理論は、ベンサムの功利主義という考え方。
ある行為が論理的に正しいのは、人々が経験する幸福度を増大させ、苦痛を減少させる時。


思考は風。
自分が何を考えたか、それが重要。
なぜそう思うのか、問い直すこと。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

学びのきほん 哲学のはじまりのレビューです。

哲学はビジネスの役に立つ、社会人の教養、などと嘯かずに、哲学は「日常生活の邪魔」と認める潔さが清々しいです。

哲学は当たり前を問い直す営みですが、あらゆる概念とのつながりをすべて考慮して考えようとすると難しくなります。そこで、哲学の学び方として、存在論、認識論、価値論の三つの領域に分けるのが良いとして、それぞれの基本を紹介しています。
ごく簡単に解説しているからこそ、それぞれの理論の違いのエッセンスがわかりやすくなっていると思います。

1. 存在論
・プラトン:本質はイデアとして、イデア界にある。
・アリストテレス:本質は形相として、そのものに内在している。
・サルトル:人間の実存は本質に先立つ。
・ハイデガー:人間の偶然性を受け入れる決意性により、自由になれる。

2. 認識論
・デカルト:方法的懐疑によって正しい知識が得られる。
・ヒューム:科学が前提にしている因果律は、恒常的随伴による思い込み。
・カント:因果律は人間の「悟性」によって可能になる。
・フッサール:科学的な認識を成り立たせている人間のメカニズムは、科学では解明できない。

3. 価値論
3-1. 倫理学
・ベンサム:幸福が最大化させるべきという功利主義。
・カント:全員が同じことをしても成り立つかという義務論。
3-2. 美学
・カント:自然美。自然の中にある幾何学的な普遍性が美しい。
・ヘーゲル:芸術美。芸術が表現しようとする精神の普遍性が美しい。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

存在。
認識。
価値。
地図。
何者。



そこから見えるものを
男は記録する

写真を撮っても
うつらない

録音しても
きこえない

言葉にすると
消えてなくなる

ほとんど全部
こぼれていく世界で

小さな音楽と詩は
静かに息をする

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2024年12月20日

Posted by ブクログ

【哲学の三大テーマが、この1冊で理解できる!】とあるけれど、、、あれ?私全然理解できてないぞ。なるほどなー、そういうことね。と わかるところもある。が、何度読み返しても頭に入ってこなくてただただ文字を追っているだけの部分もあり、哲学って難しいなってちょっと腰が引けてしまったような。
巻末にあるオススメの哲学の本が気になるところ。こんな私にもわかりやすく読める本はあるだろうか。

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

本書は、帯に「知識ゼロからはじめる哲学入門の王道」とあるように、哲学の入門編です。冒頭からしばらくはワクワクして読み進めましたが、2~4章はいくら嚙み砕いてくださっているにしても、難解でした。本書を入門として、より多くの書籍を読み進めていかないと、理解は難しいのだろうと感じました。

【はじめに】(P5-8)
・『当たり前』を問い直す学問こそ、哲学に他ならない
・人間は、『当たり前』に疑いを持つと、ついつい『本当はどうなんだろう?』と考えてしまう生き物だし、そしてそれはめちゃくちゃ楽しい
・そんな昔から、どう考えても日常生活の邪魔でしかない哲学がいまだに生き残っているのは、結局、考えることの楽しさが決して色褪せないから
・哲学は自由でなくてはならない
【第1章哲学とはどんな学問か】
・哲学が「当たり前」―つまり常識を問い直すという特徴をもっている(P15)
・常識について問い直すことで、私たちはその常識がなぜ正しいのか、なぜそのように考えられるのかを、自分の力で理解できるようになる(P17)
・哲学をするためには、一定の知識が必要。その知識を手がかりにしながら自分の力で思考する。①自分の言葉で説明し直すことができる。②自分自身で考えついた、適切な具体例で説明することができる。③どんな質問に対しても首尾一貫した回答ができる。(P22~24)
・哲学は、あらゆる学問の基礎について考える学問(P26)
・概念は一つだけで機能するものではなく、様々な概念との繋がりのなかで、はじめて意味を持つ(P27)
・学ぶべき3つの領域 存在論・認識論・価値論(P30―32)
【第2章存在とは何か】
・哲学の最も基礎的な分野が存在論。植物の根のようなもの。(P36)
・本質存在「〇○である」、事実存在「○○がある」(P37―38)
・本質の中でも、それが欠けていたとしても、ある事物がある事物であるための支障にならない性質を「偶有性」という(P41)
・プラトン:イデア(事物のあるべき姿を示す本質)、イデア界(イデアが完全な形で存在する領域)、想起説(私たちは地上の世界にいながらイデアと関係する(P45-46)
・アリストテレス:形相(その事物のあるべき姿、それが実現するべき完全な形)、質量(その事物を構成している物質)(P48)
・ジャン⁼ポール・サルトル:実存は本質に先立つ(P55-56)
・マルティン・ハイデガー:敬意性(自分自身の偶有性を受け入れること)(P59)
【第3章認識とは何か】
・知識の正しさを問う領域を、哲学では「認識論」という(P64)
・ルネ・デカルト:方法的懐疑(疑ってかかることで知識の正しさを確かめる。明晰であり判明であることが基準)(P67-68)
・デイヴィッド・ヒューム:恒常的随伴(2つの出来事が連続して起こることを眺め続ける結果として形成される因果律)(P73-74)
・イマヌエル・カント:認識能力(人間が何かを認識する能力)―①感官(感覚)、②悟性(認識の論理的な構造を成り立たせる能力)、③理性(P75-78)
・エトムント・フッサール:現象学(科学的な認識を成り立たせているのは、人間のなかに備わっているメカニズムであり、そしてそのメカニズムそのものは、科学では解明できない)(P83-85)
【第4章価値とは何か】
・哲学において価値をめぐる議論を「価値論」といい、倫理学と美学に区別される。(P90)
・「倫理学」善悪や正義といった概念に従って、どちらの方が重要かを見抜く。(P91-93)
・ジェレミー・ベンサム:「功利主義」ある行為が倫理的に正しいのは、それが世界において人々が経験する幸福を増大させるとき、あるいは苦痛を減少させるとき。双方にメリットとデメリットがある選択肢から、より正しいものを選び出すことが得意。⇔「義務論」カント(P93-101)
・「美学」美的な価値について考える領域。「自然美」と「芸術美」(P101-104)
・「自然美」(カント)普遍性がある。美に関する判断力は鍛えることができる=趣味
・「芸術美」(ヘーゲル)芸術こそが普遍的。作者が表現しようとするもの=精神=芸術の本質。美しさは精神の表現、精神は絶対的なもの。
【おわりに】(P112-117)
・哲学的な思考=風(ソクラテス)
・哲学は「当たり前」を問い直す営みであり、それはもう少し堅い言い方をすれば、概念のネットワークを解体し、相対化し、検証する営み。
・哲学者が何を言ったのかよりも、その言葉から自分が何を考えたのか、ということの方が、哲学にとってははるかに重要。
・書かれていることに対して問いを連想しながら読むことが大切。
・「当たり前」に従って生きていくことの方が、色々な意味で合理的。しかし、「当たり前」は同調圧力となって、私たちから選択肢を奪い、可能性を制限する。哲学はそうした制限から私たちを解放し、そこに哲学の最大の価値がある。

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2024年08月16日

Posted by ブクログ

哲学、がとても分かりやすく書かれている。
文通りに解釈するのではなく、その奥にある真意には、なかなか辿り着けない。そして、その真意は、個人で変わるものなんだ。

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2024年07月09日

Posted by ブクログ

哲学の大まかな考え方と楽しみ方を教えてくれる本。哲学を「存在」「認識」「価値」の3種類の観点から紹介する。
本書では、基礎的ながらも相反する考え方や概念などが取り上げられている。基本部分の紹介ではあるが、これらの考え方から「自分はどっちの考え方に近いのだろう」「違う立場のものは、なぜそう考えるようになったのだろう」と思いを巡らせることができる。
本書の最後にはオススメのブックリストも存在し、次の学習にも繋げやすいと感じた。

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2024年06月27日

Posted by ブクログ

倫理学のくだりで、功利主義と義務論という観点がとてもしっくりきました。無意識のうちに判断していることもあるけど、その判断にもっと意識を向けてみようと思った。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

本当にオーソドックスな哲学入門。存在論・認識論・価値論の3つの視点から哲学を俯瞰している。平易に語られていて、わかりやすい。
個人的には、かつて挫折した廣松渉の哲学入門2冊(『新哲学入門』『哲学入門一歩前』)を再読したくなった。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

裏表紙にこうある。
「2時間で読める教養の入口」

確かに!と思う。

知的好奇心を満たしたい為に読んでみたのだが哲学という学問を、入門として系統的に図式化できる形で提示してくれているというのが私の理解。ここを発端にさらに深掘りするための導入にとても良いテキストだと思う。実に解りにくくて難解な学問を、具体的例をもって噛み砕いて説明してくれてる。それでも、全然わからんっはありましたが。

哲学とは「当たり前」を問い直す学問。ざーっと読んで何度も頭に浮かんだのは、「それって屁理屈なのでは、、、。」なので私は普段何にも考えず、長いものには巻かれろな現代人なんだと自覚した。

哲学は深掘りすると面白いのだろう。が、ここになるほど!と思うほどの時間的な余裕もない自分を発見できた。

時間をかけてゆっくり当たり前を問い直すという学問であるため気長に考えるというのがいいのかな。


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2025年03月31日

Posted by ブクログ

高校の時に倫理で習った哲学について今ならわかるかもと思い読みました。

哲学とは、こういうものですっというぼんやりとした枠組みは見えたような気がします。

やはり、自分の言葉に置き換え、考えないと本当の理解にはつながらないと思いました。

もう少し、具体例を多く入れてくれたらわかりやすかったように思えたので☆3つにしました。

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2025年01月23日

Posted by ブクログ

戸谷洋志さんの哲学の入門書。
現実に寄り添い、哲学を机上の空論としないようによく練られた小冊子です。

分かりやすさのために犠牲にした部分や誤解を招く書き方も少なからずありますが、これはご本人が「終わりに」で書いておられるように、再度読んで『自分で考えて』、自分なりの方法で自分の答えを見つけていくこと。が重要だからなのでしょう。
『哲学への指針』を与えるというという点で、哲学の迷路に迷った時にも役立つかと思います。

『哲学をタイパで』という方向きではないでご注意を。

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

歴史的に哲学を俯瞰するでなく、学問内のジャンルに基づいた概説書。となると、史家が年代順に並ぶ訳じゃなく、系統別に並べられるので、その意味で分かりやすい。

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2024年05月01日

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